妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
目次前のページ次のページ


2004年07月24日(土) 『百器徒然袋 風』『バッテリー3〜5』(小)

【京極夏彦 講談社ノベルス】

出ました出ました。私、これ大好きです。
榎さんはもちろん、京極堂までがなんだか弾け気味なところが愉快です。
本島君は、前回よりさらに可哀想な感じがいや増しておりました。気の毒。

このシリーズを読むと、京極堂はサドなのか、と思います。
まあ、みんながみんな厄介ごとばかり持ち込むから、ちょっとばかりいじめてやりたくもなるのでしょうが。
そういえば、今回関くん不在。本島君とポジションが同じだからでしょうか。

今回はひたすら榎さんが可愛いです。
にゃんこにゃんこ言っているのも可愛いですけど、「面霊気」のラストもよい。
なーんだ、ちゃんとみんなのこと心配してるんじゃないか。
本島君宛ての手紙がほほえましいです。
榎さんいいなぁ。素敵です。
榎さんの、父上も出てきました。
おお、こんな感じなのか。
おもしろい親子ですよね。

来年の映画化が不安な京極堂シリーズですけれど、映画は映画で楽しめればいいなと思います。
なにもウブメから律儀に映画化しなくてもいいのに、と思いつつ。
一番映像化が難しいものから始めなくてもいいだろうにねぇ。

+++++++++++++
【あさのあつこ 教育画報】

なんだかいろいろありましたが、3年生組がいいキャラです。
海音寺先輩はもちろん、門脇、瑞垣。
海音寺先輩はかっこいいですねー。
だけどこの3年組の会話は会話だけ聞くと、君ら思春期だからって欲求不満すぎるぜ、と言いたくなりますね。
内容は野球のことなんですけど。
もう少し爽やかになりなさいな、と言ったら、この子らは怒るんでしょうね。

対して一年組は可愛いです。
うーん、いいですねぇ。

青波に嫌いって言われて落ち込む、永倉君の気持ちはよくわかる気がしました。
青波に言われたら落ち込むよ。巧に言われてもなんとも思わないけど。
そうかそうかー嫌いなのかー、って感じで。

これが児童書であることがよく驚かれますが、巧たちを書く以上、あさのさんも子ども相手だからと、手を緩めるようなことはできないのでしょうね。
だから、児童書のわりにどきっとする言葉を使うのは、それが本気なんだと、子どもを相手に書いているわけではない、そういう覚悟の表れなんだろうなぁと読んでいて感じます。
そう考えると、児童作家って不遇ですよね。最初から児童書だと侮られて読まれないんですから。

次の巻で終わりらしいですが、この子らがどんな試合をするのかとても楽しみです。



蒼子 |MAILHomePage

My追加