妄言読書日記
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2004年07月20日(火) 『弁護士兄弟は恋が苦手』(小)

【デビー・マッコマー 訳:新井ひろみ ハーレクイン】

弁護士で兄弟!!
本屋で見つけた時は衝撃が走りました。美味しい。美味しすぎる。
だがしかし、ハーレクインって・・・と悩む私に、友二人がプレゼントしてくれました。
本日はプレゼントしてくれた友人のために書きます。
今日をおいてハーレクインの感想などを書く日はおそらく来ないので、とても貴重だと思いますよ。

初ハーレクインで、どんなのなのかいまいちわからなかったのですが、優しくてハンサムで御曹司の弁護士兄弟、という分かりやすく記号的なキャラクターは苦笑ものです。
なんかもう少しキャラに厚みとか・・・と求めちゃ駄目なのかな。
兄編と弟編の二話仕立です。

「恋人はどちら?」
兄弟と幼馴染のヒロインは、14歳の頃は弟・エバンに夢中、だけど大人になってから二人の経営する弁護士事務所に勤め始めてからは兄・ダミアンに運命を感じちゃうという、惚れっぽくないか?という子です。
兄弟二人に求愛されるという流れかなと思っていたら、もう少し入り組んでおりました。
振られてブロークンハートな弟を慰めようと、昔弟に惚れてたヒロイン・ジェシカとの仲を取り持とうとする兄。
そんな昔のこと言われても困るジェシカは本当は兄が好きで、兄もジェシカに惚れちゃって・・・・という。
じゃあ付き合えよ、と思うのですが、兄はいまだにジェシカが弟を好きだと思い込んでるんですね。かたくなに。堅物なのです、お兄様は。
渦中の弟はいまだ、ふられた彼女のことを思い煩ってジェシカどころじゃない。ここはちょっと意外な展開ですね。

ひたすら話を聞かない堅物お兄様がかなりイライラでした。
何回も違うって言ってんだろうが!!聞けよ!!
ジェシカもラストは切れましたけど。そうだ、それが正しい。もっと罵っとけ、と思ったり。

ところで30になるまで仕事一筋なのは生真面目すぎませんか。
結婚しなかった特別な理由でもあるのかと淡い期待を持っていたのですが、別になかったですね。
一番つまらない理由は、幼馴染だった頃からジェシカが好きで一筋に10年以上も思ってた。
一番愉快なのは、エバンを愛してた(言うと思った…)
だってさー、過保護すぎなんですよ。弟の失恋くらいほっとけよー。
絶対、前半の愛情はエバン>>>ジェシカくらいの比率ですよ!!ええ、そうですとも。でなきゃ、人の話をあんなに聞き流さない。
堅物兄さんに天真爛漫な弟。定番ですな!!!
裁判で弟が勝ったときの兄さんの弟へ向ける視線は、ジェシカへ向けるときのものよりも愛情に溢れていた。絶対に。

p150でようやくジェシカと兄さんの誤解が解けるシーンなのですが、

ジェシカの足首をつかんで、彼女の体を引っ張りながらダミアンは言った。

足首引っ張ったらあかんだろ!!ジェシカを引き摺ったのか?
気が逸り過ぎです、兄さん。
ようやく思いが通じたとはいえ、バイオレンスな行為は紳士な兄さんには似合わないよ。
ここは手首の間違いなのでしょうねぇ。笑いました。

「愛さえあれば」
弟編。
坊ちゃんのエバンと家柄の違いという壁の前に婚約を破棄した、ヒロイン・メアリー・ジョーの話。
まあ、またより戻すんですけど。
こっちの方が話としては面白いかなぁ。イライラは少ない。
だけどヒロインとしてはなんだかなぁ・・・です。
エバンも狭量というか、弁護士のくせに取る策がみみっちいし、いつも同じだし。
だから負けるんだ。
ああ、そうそう。弁護士だということを忘れるほど仕事してません。この兄弟は。
ヒロインのほうがよほど働いている。
もっと仕事しろよ!これだから御曹司は・・・
法人専門だそうですけどね。事件の一つも起こってほしかった。
好きな相手の依頼くらいもっと根つめて解決してやってほしい。そうだ、結局金で解決したじゃないか!!これだから御曹司は・・・・(二度目)

なんとなく「冬のソナタ」を思い出しました。
姑が反対しといて後になって、「結婚してやって」と言い出すくだりとか。
まあ、入院するのはヒロインのほうなのですが。
事故で事態を展開させようとする辺りも冬ソナ。
一話目も冬ソナっぽいと思ったけど。

だいたい兄に引き続き弟も人の話を聞かない。
これだから、全てに恵まれた男は嫌なんだよ!一度の挫折を乗り越えられないくせに何抜かすか、と思います。
なんだろう、もう何が何でも粗を探したくなってきた。特に弟。
今後順風満帆な人生が待っているのかと思うと、御伽噺じゃあるまいし、と文句の一つも出てきますね。
ああ、ハーレクインだったっけ。これ。どうも恋愛モノ読むの初めてなのでどう読むのがいいのかわかりません。

結婚してもやっぱり弟の世話焼きに余念がない兄さん。
この二人の会話がほとんどないのが、最大の心残り。
一話目のラストからエピローグにかけてが好きだな。仲良さそうにしてるから
兄さんは弟を愛してやまないんですよ。自分にはないカリスマ性とか天真爛漫さとか屈託のない性格とかが、兄には眩しい(妄想)
堅物な自分は判事になったけれど、今後は弟の政治活動も支えて行こうと、そう第二の人生を決意しているに違いない。

最終的に弁護士兄弟じゃなくなるのが最大の不満だったかもしれない・・・
弁護士じゃないじゃん!!
法廷シーンがちょっとくらいあってもバチは当たらないのになぁ。



蒼子 |MAILHomePage

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