妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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【江戸川乱歩 ポプラ社】
少年探偵団シリーズって、なんで他の会社とか、単行本で出ないんでしょうか。 大人だって読みたいんですよ。
さてさて、出ました妖怪博士。 =二十面相なんですけどね。 二十面相って、いつも奇怪な老人に変装しているので、そういうイメージがずっとあったんですが、今改めて読みますと、本当は若いのですよね。 それが本当の顔かどうかはわかりませんが、一応元の顔は美青年らしい。
このシリーズを読み返して、子どもの頃に感じた黄昏時の不思議な感じを思い出します。 ふと誰もいなくなる瞬間の不気味さとか、茜色の町とか。 いつも二十面相は黄昏時に奇怪な姿で現れるのです。 私は子どもの頃、その瞬間を待っていたような気がします。
二十面相の少年探偵団への報復は毎度、大人気ないなと思っていたものですが、今読むと、子どもにとって最も安全な遊び相手なのかもしれません。 明智先生と二十面相君は裏で組んで、子ども達と遊んであげるんじゃないかとすら思えます。 いやいや、ひょっとしたらこの二人、本当はひとりなのかもしれません。 そんな風に思えるのです。
明智先生と二十面相の対決はいつも、明智先生が勝ちますが、本当に望むのは先生の勝利ではなく、二人が常に拮抗していること。 正直、少年探偵団には興味薄かったですね。昔も今も。
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