妄言読書日記
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2003年02月14日(金) 『QED 百人一首の呪』(小)

【高田崇史 講談社文庫】

小説として面白いことと、ミステリとして面白いことは=ではない、と思うのです。
普通に小説として読むとですね、これは私の好みには合わない。
まず、キャラが好かない。
そして、文章も好かない。いまいち、センスがない。
キャラは、桑原崇が“プチ京極堂”という感じ。能弁系、演説系の名探偵はあまたおりますけれど、あまりインパクトと説得力は無い。それは彼自身の言葉として聞こえないから。
で、奈々ちゃんもどうにもね。何かもう少し特徴を。

キャラクターがステレオタイプなのです。
シリーズ一作目だからかもしれませんけれど。
小松崎はうるさいです。もう少し黙って話しを聞きなさい。
木場の旦那はそう言う点では、心得ています。

京極堂、そろそろ新刊出ませんかね。

面白くないかと言われると、百人一首の謎は華麗です。
殺人はいらんのではないかと、思わせます。
百人一首に謎が多いというのは知っていますけれど、まあ、よくもここまで並べたものです。
この本、分厚いですけど、図解のせいです。
図解を取ったら、薄くなるだろうに・・・。
巻末の表だけじゃ駄目だろうか。

百人一首の美しい配列の謎。
ただそれだけの小説なのですが、ただそれだけと言うには、百人一首の配列の謎解きは華麗でありました。
だから、つまらない、とは言えないのです。

あとは、もう少し魅力的文章とキャラクターを求む。読み易いんですけどねぇ。



蒼子 |MAILHomePage

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