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■ ベタ
「浅葱ってさ、陸路のどこが好きなの?」 「(激しく紅茶を吹く)な、なに?!」 「そんなにびっくりすることないでしょ。ただ陸路のどこが好きで一緒にいるのかなーって、思っただけ」 「どことか、そういう問題じゃない」 「じゃあなんなのさ。今時、彼のすべてが好きなの、とか寒いこと言わないでよ」 「言うか!!それ以前に彼じゃないだろ、あいつは」 「どっちでもいいじゃない」 「よくはないだろ」 「結構こだわるんだ?」 「お前の基準で物を言うな。普通はこだわる」 「へぇ。まぁいいや。単純に知りたいんだよね。一回離れたんだろ」 「なんでお前がそれを……」 「千歳から聞いた」 「あのおしゃべりモヒカンめ」 「他にも色々聞いてるけどね。千歳って口堅いのに誘導尋問に弱くてさぁ」 「訂正だ。ばかモヒカンめ」 「あの頭ってモヒカンていうの?」 「そんなことはなんだっていい。とにかく、陸路がいいとか悪いとか、そういう次元で説明できるならとっくにしている」 「はぁ。じゃあそういう次元を超えて浅葱の人生に密着している、と」 「違う!変な言い方をするな!!」 「浅葱〜、もう行くけど、用事済んだ?」 「お、噂をすれば」 「何々?社長と浅葱の話題に上るなんてなんか光栄だなぁ」 「別にこいつが一方的に話題に出しただけだ。帰るぞ」 「はいはい。それじゃあ失礼します」 「これからも末永く仲良しでね」 「そりゃあもう」 「余計なこと言うな!(陸路の耳を引っ張る)」 嵐のようなカップルが去った後。 「ふぅ。大人しいくせににぎやかな二人だなぁ」 「(コーヒーを置く)お疲れ様です」 「ああいうのって、なんなんだろうね。仲がいいほどケンカするというか、浅葱が世界一のひね曲がり者なのか」 「うらやましいですか?社長」 「……まさか。アニーこそ、どうなのさ」 「私は、何とも」 「ふぅん。やってみたくなくはないけどね」 「え?」 「柄じゃないよ」 「そうでも、ないですよ」 「私がじゃない。アニー、君がだ」 「私ですか」 「そう。ああいう騒々しいのと、素直じゃないのは君らしくない。君は静かだし、いつも言うことをきいてくれるだろ」 「まぁ、そうですね」 「慣れないことを無理にするよりも、そうだな。いつもと同じことをしたいな」 「(赤くなる)まだ仕事中です」 「もう来ないよ、誰も(椅子から立ち上がって背を伸ばす)」
2003年06月11日(水)
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