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■ 配達屋と名無しのこども
「おばーちゃーん、どうしたの?向こうから誰か来る?」 「うんにゃ。誰も来ないよ」 「もぅ、ぼーっと真っ直ぐ前見ちゃってさ。当分配達屋さんも来ないんだよ」 「わかっているよ。ただ、こう真っ直ぐな道ってのもいいもんだなぁって」 「道?」 「鈴寧、道ってのは世界中にあるんだよ」 「そんなこと言われても、世界ってどれぐらい?」 「世界は、世界さ」 乾いた土地の上に、一本の道が伸びていた。少女と老婆は立ってそれを眺めた。この道をつたって、人里離れた彼女たちの村にもよそから人がやって来る。その大半が月一度の配達屋である。 「おぱあちゃん、日が暮れるよ」 老婆はやっと少女の方を向いた。二人は静かに、たくさんの仲間が待つ家へと向っていった。
2003年05月31日(土)
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