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2020年04月21日(火)
谷垣健治さんトーク その2

谷垣健治さん(「るろうに剣心」アクション監督)のトーク2本。
「キートンのセブンチャンス」「忍者武芸帖 百地三太夫」

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2014年12月13日、「キートンのセブンチャンス」上映後、「るろうに剣心」アクション監督の谷垣健治さんによるミニトークが行われました。聞き手は、東映の高橋剣さんです。

谷垣:「キートンのセブンチャンス」は、1日の中で、恋と財産に振り回される人々を描いてます。キートンが30歳の時の作品です。
キートンを知ったきっかけはジャッキー・チェン。斜面を駆け下るシーンは、ジャッキーの「ポリス・ストーリー」に影響を与えてます。

斜面のシーンは、撮るのが難しいんです。普通は傾斜がわかるように、横から撮るんですが、これはサイドショットで撮ってます。
傾斜がほぼ90度。今は危険なので、役者にやらせられないですね。かと言って、ワイヤーはバレやすいですから。

お客さんが「おおっ」って言うのも、スタントマン使わずにキートンが自分でやってるからだと思います。

ラストの犬が舐めるシーンも、どれだけ時間がかかったのだろうと思います。今なら、分刻みのスケジュールで映画を撮るので、無理です。

後半は、セリフもほとんど無くて走ってるだけ。
ストーリー的には、走るシーンは、あんなに長くなくても良いはずです。
でも短ければつまらない。
これを見ると、アクション映画はカロリー過多じゃないと! と思います。ネタの寄せ集めで、面白さが成立してるんですね。

「るろうに剣心」を撮ってる時、助監督から「120分しか使わないのに、180分撮るのはアホ」と言われました。
でも、僕は無駄とは思いません。後でディレクターズカットで入れても良いですから。
120分しか撮らないっていう、無駄のない姿勢には賛成できません。

高橋:でも、撮影所ではごく一般的な考えですよね?

谷垣:そうですね。でも、キートンを見てると、きっと一つのカットを撮るために、何度もやり直したのだろうと思います。

高橋:メインストーリーだけだったら、30分で終わりそうですね。

谷垣:それを言うなら、「おじいさん死んだら新聞に載るだろう」とかツッコミどころ満載ですよ。でもそれを感じさせないパワーがあるんです。

走るシーンというのは重要で、難しいです。速さを見せるために、対象物が必要ですから。剣心と宗次郎みたいに、追いつ追 われつとか。車に追い
ついて飛び乗るとか。

本当なら「るろうに剣心 京都大火編」でも、何百人って追われるような縦ラインの戦闘シーンを撮影したかったんです。
しかし、撮影したワープステーションには、十分な縦のスペースがありませんでした。
なので、「キートンのセブンチャンス」には及ばないのですが、50対50で戦うシーンを望遠で撮りました。
縦のラインを撮れないから、上に行って。集団の使い方を、「キートンのセブンチャンス」から凄く勉強しました。

「キートンのセブンチャンス」のラグビーシーンは、何が起こるか丸分かりですよね。
でもウケる。活動弁士の効果って凄いと思います。
広川太一郎みたい。
それに、今の映画と違って、カメラが寄らなくても状況が分かるっていう、キャラの立ちっぷりも凄い。

この映画は、プロデューサーが、キートンに「ロイド映画っぽい、都会の若者ががんばる話を」と言って原作を用意したらしいです。
キートンは、俺のスタイルとは違う、と悩みながら撮ってたら、
たまたま転がってきた岩にぶつかったシーンを試写で流したところ、ウケたから、そこをふくらませたということです。
撮りだしてから変えられる当時の状況、羨ましいですね。

香港の人は、全くキートンを知らないです。ジャッキーはアメリカに行って、キートンを知って衝撃を受けたそうです。

僕は、ディアゴスティーニのジャッキー・チェンDVD全集の解説やってるので、詳しいんですが、ジーン・ケリー、キートン、ロイドの影響を凄く受けてるんです。

キートンについては、「キートンのセブンチャンス」と「キートンの蒸気船」をメインに見てたのかなと思います。
スチームボート・ビル・ジュニアが、風がブァーッと吹く中ですごい転がり方をするあたり、影響を受けてますよね。

「ポリス・ストーリー」では、走行中のバスに傘でぶら下がるシーンから、映画らしい躍動感が出ます。
「キートンのセブンチャンス」では、花嫁たちに追われる瞬間から、スピード感が段違いです。

後頭部で回るシーンが3回あるけど、客席から「おお、おお、おお!」って声が上がりましたね。
映画を見慣れてる現代の人でも、新鮮な驚きがあるということです。

昔は、主演が監督も兼ねていたので、怪我しても、治ったらまた撮れば良いという考えでした。
キートンは、この2年前に「探偵学入門」を撮って、最高の興行収入を記録しました。
ノリにノった時期でした。

大きなスクリーンで見ると、ディテールに気づいて、良いですね。
今だと観客に優しいから、カメラがアップにしてくれたりするけど、この当時は、1シーンに色んな
情報が詰まってて、ちゃんと見ないと分からないです。

「るろうに剣心」で、福山さんが指コイコイしてるの、ジャッキーが元ネタだって、若い人は知りませんでした。

今回、京都ヒストリカ国際映画祭のために選んだ映画8本は、全て現場で役者とスタッフに参考にしてもらった作品です。
最初、歴史って縛りを分かってなくて、現代ものも勧めてしまいましたが(笑)

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2014年12月13日、「忍者武芸帖 百地三太夫」上映後、「るろうに剣心」のアクション監督の谷垣健治さんによるミニトークが行われました。
聞き手は、東映の高橋剣さんです。

谷垣:「忍者武芸帖 百地三太夫」は、34年前の映画です。

「カムイ外伝」を撮影した時、松山ケンイチ君に参考に見せたら、真田広之さんが昔アクションスターだったってことを知らなかったです。
小雪さんも知らなかったそう。

真田さんは、お酒を飲んだ翌朝でも、
10キロくらい走ってから現場に来るって話を聞きました。
カッコイイですよね。JACの全盛期で、身体キレッキレで。

昔、僕の監督作で、千葉真一さんに会った時に「カムイ外伝やらないか?」って言われました。
他の話で行ってるのに(笑)

「百地三太夫」のオープニングを見ると、カムイみたいですよね。小船に乗ってきて、魚獲って食って。五右衛門が釜茹でになる時の戦い方とかも。

鈴木則文監督が、キネマ旬報で「るろうに剣心」について書いてくれています。
「楽しませるためにあらゆる手段を使ってる。私も30年前に、殺陣ではなくアクションを売りにした映画を作った。あの時と同じだ」という内容です。

鈴木監督は、おそらく初めて、アクション監督と監督っていう体制を始めた方です。

それから東映は、アクション監督と監督という流れがずっとありますね。東宝に、特技監督と監督という流れがあるように。

この規模の映画を作ろうと思ったら、殺陣だけじゃダメなんです 。この映画のアクション監督は、千葉真一さんですが、倉田保昭さんにもオファーがあったらしいです。

京都で時代劇を観るというのは、良いですよね。
作中の仁和寺とか今でもそのままですから、映画の帰りにロケ地巡りもできます。

時代劇は足場が悪くて、アクションが大変なんですよね。
真田さんが幼馴染と喧嘩するシーンは裸足ですけど、バク転する時、よく見ると靴を履いてます。
千葉さんが倒れる時も、痛くないように、地面をならしてありますから(笑)

高橋さんに聞きたいのですが、これって制作費いくらかかってます?

高橋:「将軍家光の乱心 激突」が5億円ですが、「百地三太夫」はそこまでかかってないので、3〜4億くらいです。

谷垣:馬と人の数が圧倒的に違いますよね。それに、真田さんの魅力が満載で。

ストーリーと関係ないところで、真田さんがグルグル回っていて、敵の弾が当たるだろ! と思いますよね(笑)三人で連結して「人間風車」とかね。あれ、必殺技になってない(笑)

高橋:真田さんの裸が綺麗で。

谷垣:そのための映画ですよね(笑)

修行シーンが「少林寺」っぽい。セット感があるところで、春夏秋冬過ぎていくのとか。
東映のセット感って、どうにかならないんですか?(笑)
木村大作さんが、広角では 撮れないから、望遠にしたくらいですよ。

僕が言うのも差し出がましいのですが、
音楽を佐藤直紀とか川井憲次とかに差し替えたら、凄く良くなると思うんです。

映画って、時間が経っても古びなくて面白いものもあれば、時間が経つと、ん? と思うものの二種類がありますね。

真田さんは、アクションスターとして映画に出たのは「吼えろ鉄拳」「燃える勇者」「里見八犬伝」など数本です。
その後、「道頓堀川」「麻雀放浪記」などで役者路線に進みます。
「百地三太夫」などのアクション路線は、去年やっとDVD化されました。

これと「龍の忍者」を見ると補完関係で面白いですね。
あっちは、忍者が海を渡 る話で、こちらは明の人に助けてもらう話で。

今の役者さんにお手本にしていただくには、この頃の真田さんは凄くいい例です。演技もできて、バリバリにアクションも出来て。

真田さんとは1回お仕事してみたいです。

ジャッキーが「真田とは30年来の友達で」って言ってて、どこで知り合ったんだろう? と思っていたのですが、
台湾でコリー・ユンが「龍の忍者」撮ってる時に、ジャッキーは台湾で「ドラゴンロード」撮ってたから、現場が近かったんだと思います。アジアの映画界、人間関係が色々繋がってるんですね。
東映さん、僕と真田さんの縁をつないでください!(笑)



2020年01月23日(木)
P.A.WORKS社長・堀川憲司さん トークイベント

2019年10月27日 京都文化博物館でP.A.WORKS社長・堀川憲司さんのトークイベントが行われました。

アニメの制作会社は東京一極集中。地方に本社がある会社は、有名どころでは、京アニとP.A.WORKSくらい。
堀川社長が、20年前に創業した当初の苦労や、地方を舞台にしたアニメを作る意義などを語ってくださいました。

お忙しい堀川社長、「SHIROBAKO劇場版、どうなってますか?」と聞かれて「万策尽きそうで…」と作中の本田デスクのセリフで回答。
3時にトーク終了後、4時の新幹線で戻って最終シーンのアフレコに立ち会うそうです。
「やっと終わり…って思ったら、水島努監督のツイッターで『コンテあと4分』って文字を見てしまって青ざめてます」

「SHIROBAKOを作ったのは、制作進行から見た『クリエイターの喜び』を描きたかった。アニメ製作はネットで暗い話ばかり出るから。けれど本当にそうなのか? 大変なことばかりなのか? 作品を通じて考えてみたかった」とのこと。

社長が「アニメ制作のアニメをやりたい」って、水島監督に電車の中で話したとき、監督の頭の中でSHIROBAKO一話の絵コンテがバーッとできたそう。他社の制作進行同士がカーチェイスするシーンが浮かんだらしいです。

P.A.WORKSがあるのは富山。
20年前に、P.A.WORKSを立ち上げた時、求人の応募が3人しか来なかったそうですが、グロス請け(下請け)で鋼の錬金術師と攻殻機動隊をやったら、人気作の効果でようやく人がきました。

社長は「地方にあるから地方のアニメを作ってるわけではなく、単に好きだから。観光地ではない、地方の日常をアニメで描きたい」とおっしゃってました。
P.A.WORKSは、「花咲くいろは」で出てくる「ぼんぼり祭り」が、実際に金沢で毎年行われるようになったり、質の高い作品で、地方活性化に一役買っています。

「今後の目標は?」と聞かれ、「質の高い人材を確保するには、会社が30年続かないといけない。神がかり的なアニメーターが一人いても、次の世代に継承できなければ意味がない。そのためには、アニメーターを社員にしないとダメ。うちでは新人育成のためのカリキュラムを組んでいます」とのこと。
「京アニさんが一つの理想。同じ社員でやっていくと、普通は『ここまででいい』と慣れが出てきてしまうけど、外からの刺激を常に入れて学んでいく姿勢があるんだと思う。一朝一夕でできることではない」



2019年08月25日(日)
藤野恵美さんの講演会

藤野恵美さんの講演会に行ってきました。
大阪市立中央図書館にて。

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藤野:小さい頃から本好きで、そのおかげで成績が良かったです。
高校は進学校に行ったのですが、「偏差値のいい大学に入る」っていう価値観がピンと来なくて。
中島らもさんの本を読んだら「灘高校から大阪芸大に行った」って書いてあったので、私も大阪芸大に行きました。
文芸コースっていう、小説を書く学科に通いました。
眉村卓先生の授業で、週一回、短編を書くのに苦労しました。

それまで、私は読書感想文や詩などの賞を総なめにしていて、
「自分は天才」と思っていたんですが。
眉村先生に出会って、本当の天才とはこういう人か! と思いました。
眉村先生は「一日一短編を書く」という生活を何年も続けてらしたんですよ。
(「僕と妻の1778の物語」というタイトルで、草薙君と竹内結子さんで映画化されてます)

大学時代に、文章修行のために、食べ歩き感想のHPを開設したら、
ライター仕事の依頼が来て、卒業後はグルメライターになりました。

20代半ば頃に、大学の同級生が小説家になりました。
ライターの仕事は、雑誌等に掲載されることはあっても、本にはならないので、作家っていいなぁと羨ましくなりました。

公募ガイドを買って読んでみたら、新人賞って250枚以上が多くて、長いんですよね。
ところが、私はそれまで短編しか書いたことなかったんです。
そこで、枚数の短い児童文学の賞「福島正実記念SF童話賞」に応募しました。
結果、佳作を受賞。
交通費は出ないのですが、東京の授賞式に行きました。
そこで編集さんに「児童文学はやりがいあるよ。子どもが最初に出会う本が、自分の本かもしれない! 本好きになるかどうかそれで決まるんだよ」と言われ、心打たれました。

次も児童文学の賞に応募したら、大賞を受賞して本になりました。
イラストレーターの候補も、出版社からサンプルが送られてきて、選ぶことができました。
このデビュー作「ねこまた妖怪伝」がヒット。
講談社から依頼が来て、青い鳥文庫でシリーズを書きました。
青い鳥文庫はシビアで、人気なかったら5巻以下で打ち切りですが、なんとか5巻以上出せました。

青い鳥文庫で書いてたのはミステリーで、それを見た東京創元社から依頼が来て「ハルさん」という一般ミステリーを書きました。

小説を書いていて辛いことはないですが、独身時代は仕事のし過ぎで体を壊しました。
趣味がなくて、休日もなく、徹夜もしながらずーっと小説を書いてたんですよ。

ただ、ひとつ辛かったのは、大学時代の友人に絶交されてしまったことですね。

友人は、勤め先をやめて、執筆1本に絞りましたが、応募した小説が落選しました。
大学時代の友人達で集まった時に「締め切りで寝てない」という話をすると、
友人は「自慢するな!」と怒り出したんです。
その後も「落ちても、また応募すればいいよ」と励まし続けていたら、絶交されたんです。
私自身も、先にデビューした友人から話を聞いて、作家になろうと思ったので、
「プロの話は絶対、役に立つ」と思っていたのですが。

小説は「泣けるのが偉い」って言われがちですけど、納得がいきません。
次回は、笑えるものが書きたいです。

●お客さんから質問●

Q.編集さんの指示で、納得がいかないことはありますか?
A.怪談アンソロジーで「とびきり怖い話を書いて」と依頼されたので書いたら「マイルドにして」と直しが入りました。理不尽!

Q.1日の執筆時間は?
A.息子が小学4年生なので、今は1〜3時くらいまで執筆してます。土日は休みです。

Q.1日、何枚くらいかけますか?
A.今、webで連載している「きみの傷跡」は1週間で30枚です。

Q.執筆に使うソフトと、国語辞書を教えてください。
A.MacのiText、新明解国語辞典です。



2019年06月24日(月)
三浦しをん先生トークレポ

2019.6.24、
三浦しをん先生と、書評家・永江朗さんのトークイベントが、
京都産業大学で行われました(学生以外も参加可能)。
お二人は、事前に募集した質問を読みながら、トークされてました。

■「風が強く吹いている」について■
詳細なプロットノートを、スクリーンに映して見せてくださいました。
1〜10区まで20大学、全ての選手のタイム表
作中に出てこない選手まで、全て設定がある。
ある年の箱根駅伝のレースを参考に作成されたそうです。


三浦:タイム表が細かすぎて、
頭おかしいと思われるでしょうけど、電波を受信したわけではないんですよ!
原稿の時点では、主人公の学校は「法慶大学」でした。
法政大学と慶應大学を足して。
けど編集さんが「響きがちょっと」とおっしゃるので、
「寛政大学」に変えたんです。もちろん、私は読み方も計算してつけたんです!
誰がどこの区を走るのかは、実際に箱根駅伝を走った大学の監督にも
「俺ならこの選手を一区にするね〜」等と意見を聞きました。
選手が10人しかいないので、往路1区の人が復路10区の付き添い、
という風に、選手同士が全員、誰かの付き添いをします。
それが時間的に可能なのか。
当時はジョルダンとかネットの時刻表がなくて、紙の時刻表を見ながら計算しました。

永江:「点と線」みたいだよね。

三浦:そうです。時刻表を片手に、清張先生は「点と線」を書き、
私はかぜつよを書きました。
ハイジと走は一応仲良くて、ニコチャンとユキも仲良くて、
キングは誰とも仲良くはない感じです。

プロットノートにキャラクター相関図がありました。
確かにキングさんは誰ともつながってない。
双子と王子、ムサと神童はつながってた。
ハイジと走は「一応」ってつくの、なんでなんでしょうね? 
活字倶楽部のインタビューでも「実際はそんなに仲良くない」
みたいなことをおっしゃってましたね。
走のキャラ設定に「ハイジさんについていく」ってあって可愛い。
双子の説明で「一人だけに彼女が? 揺れる二人の心」
みたいな記述がありました。
プロットノート、アオタケの見取り図の横に、大家さん家が描いてあったんですが、
ニラのイラストも手描きされてて、可愛かった。
次々と画面をスクロールしていかれる。
三浦先生が大学職員さんに「そんなに拡大しなくていいです。
じっくり見てもらうようなものじゃないし」とおっしゃってましたが、
私はじっくり見たいです!!(涙)


三浦:箱根駅伝って1年に1回なので、
取材できる量は限られてて、書くのに時間がかかりました。
DVDも出てないので、駅伝オタクにビデオを借りました。
書下ろしなので、最後まで書き終わっても、タイトルが決まってませんでした。
箱根駅伝を見たら、アナウンサーの人が「風が強く吹いています」
と言ってたので「これだ!」と。
母が小田原出身なので、よく沿道で応援してたそうなんですよね。
私も箱根駅伝は前から好きで。
ドラマ性があるし、皆、箱根駅伝が大好きだから、
私の小説も売れるはずと思って出版したら、売れなかったです(笑)
よく考えたら、関東の大会なんですよね。
関西の皆さんは箱根駅伝は見てませんか?
私は裏番組があることにも気づかないくらい、日本人は全員、
箱根駅伝を見てると思ってました。
箱根にも取材に行ったんですけど、寒くてお腹を壊して死にそうでした。

永江:作家さんはスポーツする人が多いよね。
桐野夏生さんはボクシングとバレエやってるらしいよ。
三浦さんはしないの?

三浦:運動したくないです! 絶対に嫌!

永江:このプロットノート、全部手書きなんだね。

三浦:原稿執筆はパソコンですが、取材のメモとかプロットは全部、手書きです。
その方が頭が働くみたいです。

風強は、最初にきっちりプロットを決めて書くので、
途中でラストを変えることはなかったそうです。
他の作品は、描いてる途中で、ラストが決まってないこともあるそう。
三浦先生が風強のプロットノートを出して話してくださったのは、
京産大の学生さんから「取材はどうしているのか? 
どうやって小説を書いているのか?」という質問があったからでした。
ありがとう学生さん。

席は、関係者席と一般席に分かれてました。
一般席の前の方に座ってたら、開始前に、三浦先生が隣に座らはって、
めちゃ緊張しました。
最初は大学関係者の挨拶があって、15分くらいお隣同士でした。うわー。
若々しくて女性らしい方でした。
三浦先生の履いてらしたスニーカーは、風強のコラボ商品
(走モデル)でした。ネイルも靴とおそろいの紺色で可愛い。


**********
■かぜつよ以外の話■

永江:「ののはな通信」は書簡体小説ですね。なぜ書簡体で書こうと?

三浦:書簡体なら、相手に情報を隠すことができるというのが興味深いなと。
三人称だと情報を隠すとフェアじゃないけど、書簡体なら全部書かないのは当たり前なので。

永江:参考にした本はある?

三浦:無いです。宮本輝さんの「錦秋」や、連城三紀彦さんの作品、書簡体は素晴らしい小説がたくさんあるので、読み返したら、自分は書かなくていいやって思いますから。

永江:「ののはな通信」は、島清恋愛文学賞と河合隼雄物語賞を受賞したんですよね。

三浦:そう。ところで、机に貼ってある肩書なんですけど、なんで直木賞作家なんでしょうね? 
他の賞でもいいのに。

永江:可愛いだけの女子じゃない、怖い面もあるところが、女子高出身の三浦さんらしい描写です。

三浦:この世に可愛いだけの女子なんていません!

永江:タイトルのつけ方について、質問が来てます。

三浦:連載前に予告を出す時、まだ原稿を書いてなくて、
けどそんなことは言えないから「鋭意、製作中です」みたいな顔をして「『まほろ駅前多田便利軒』、タイトルはこれしかないですね」と伝えました(笑)
「まほろ駅前多田便利軒」は、まほろ駅前で多田って人が便利屋をやってる話だから。
そのまんまなタイトルですね。
私はタイトルつけるの苦手ですね〜。
「内容そのまんま系」か「本文を読んでから意味が分かる系」(「愛なき世界」など)のどちらかでつけることが多いかな。
「舟を編む」は、私が舟という言葉を考え、
編集さんが「編むはどうですか?」と言ってくださったので「いいね!」と。
私は、ネットで自分の本の感想を見るの大好きなんです。
鋼のメンタルなので。
…うそです。気にします(笑)
「愛なき世界」は「最後まで読んだけど、タイトルの意味が分からない」って感想を見たんですよ! 
なぜ!? 私の書き方が悪かったのかしら。
夏目漱石は、合ってないタイトルが多いですよね。
それから、門、彼岸過迄、とか。
森鴎外は、中身にぴったりなタイトルが多い気がします。
阿部一族、高瀬舟。

永江:ラノベでは長いタイトルが増えたんですよね。
「俺の妹がこんなにかわいいはずがない」くらいから。
設定を細かく説明しないと、売れない時代なんでしょう。

三浦:タイトルも作品の一部と言いますから。短編は特に。

永江:質問。「取材はどうしてますか?」

三浦:「舟を編む」は、広辞苑と日本国語大辞典の編集部を1〜2回、取材しました。
辞書作りの本はたくさん出ているので、本を読んで調べました。

永江:北原保雄さん(名鏡国語辞典を作った人)は「『舟を編む』は正確に描かれている」
っておっしゃってましたよ。

三浦:それはありがたいです。
「光」は取材してないんですよ。出てくるのも実際に知ってる街で。

永江:次は、装丁はどうやって決まりますか? という質問です。

三浦:ハードカバーは「こういう装丁にしてください」とイメージを伝え、
装丁家さんも指定することがあります。文庫はお任せですね。

永江:「愛なき世界」はカバーを外した、本体に仕掛けがあるんだよね。

三浦:帯も編集さんが書くんですけど、人によって個性があって、
寝言? っていうようなポエム書く方もいらっしゃって(笑)面白いです。

永江:講談社現代新書は、昔、カバー裏にまで文字を印刷してたんだよ! 価格との闘いだね。

三浦:私は本屋さんでジャケ買いすることもあるので、表紙は大事ですね。
…あれ? 今の学生さんってもうジャケットが分からないかな? CDで音楽を聞かないですよね。
本文も大事。字組が読みにくいとか、余白が少ないとか、誤植が多いとか、雑に作られた本は「私に校正をさせてください!」って言いたくなります。中身が良いのにもったいない。

永江:次は、就活についての質問です。「Sという出版社を受けたのですが
『格闘するものに〇』のK社のような面接でした。私は落ちましたが、主人公のセリフにスカッとしました」。
(※「格闘するものに〇」はデビュー作で、三浦先生自身の出版社の就活体験を書いた作品です)

三浦:許せませんね! それは怒っていいです。圧迫面接をするような会社はいずれ滅びます。間違ってると思ったら、堂々と世に訴えていいんですよ。

永江:他にも「『格闘するものに〇』でS社とK社をこき下ろしていましたが、作家になってから、仕事に不都合はありませんでしたか?」という質問が。

三浦:支障はないです!

永江:三浦さんは就活中に、小説家としてスカウトされたんだよね。

三浦:そうです。出版社の入社試験の作文を読んだ編集さんが「作家になれば?」って言ったんですが、
当時は(こっちは何十社と落ちて、この会社に通らなかったら無職なんだ! いいから私を編集者にしろ!)と思っていました。

永江:コネ入社とか、なかったの?
(※三浦先生のお父様は、有名な国文学者です)

三浦:ないです!

永江:7月に川合隼雄物語賞の授賞式で、また京都に来るよね? 
「ののはな通信」はKADOKAWAの本だけど、他の出版社の編集さんもぞろぞろ来るの?

三浦:私、そういうの大嫌いなんです! たまに、編集者にベビーシッターやらせたり、引っ越しを手伝わせる作家がいるけど、公私混同じゃないですか?
「物語全体に怒っている雰囲気を感じますが、怒りが創作のエネルギーなんですか?」という質問もきています。その通りですね!

永江:三浦さんって、小説は最初から順番に書くの?

三浦:そうです。小説を書く人にはわかってもらえると思うんですけど、
冒頭って肩に力が入って「傑作書くぞ〜」ってなるんです。でも段々、力が抜けてくる(笑)

永江:高橋和巳さんはバラバラに書いてたそうだよ

三浦:私には無理ですね。凄いです。

永江:「愛なき世界」は、主人公たちが最後どうなるかは決めてたの?

三浦:最後、主人公がどういう気持ちか、どういう世界が見えるのかということは考えてましたが、
くっつくかどうかは成り行きで。「ののはな通信」は、最後、二人がどういう気持ちになるのかは決めずに書いてましたね。

永江:「ののはな通信」は、最後、世界が広がりを見せて終わるよね。続編を書いてほしい。
ところで、最近読んで面白かった本は?

三浦:最近、本をあまり読んでないんですよね。
EXILE一族のDVDを見るのに忙しくて。せっかく「読書の楽しみ」っていうテーマのトークイベントに呼んでもらったのに。

永江:僕が今日、ラジオで紹介したのは「日本人は「やめる練習」が足りてない」(野本響子)です。
マレーシアは、学校も部活も仕事も、すぐやめてチェンジするんだよ。小学校に入るのも何歳でもいい。学校の先生もすぐやめる。日本も、いじめで悩むくらいなら、これくらいゆるい考え方の方が良いよね。

三浦:むちゃくちゃ良いですね。しなくていい苦労を強制するって、大嫌いなんです! よく「我慢や苦労が人を育てる」って言う人がいますが、そんなわけあるか!

永江:他には『我らが少女A』(高村薫)。これはまだ発売前です

三浦:合田刑事シリーズですね! 絶対読みます!

永江:高村さんって大阪にお住まいなのに、東京の地理に詳しくて、非常にリアリティのある描写だよね。凄い才能。

三浦:私が面白かったのは「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」(ブレイディみかこ)です。
イギリスに住む、日本人&アイルランド人夫妻の息子の話。
イギリスは階級社会。主人公はハーフなので差別されて、でも白人でも自分より貧しいクラスメイトはいて。関係は複雑。
文章がエッジが効いてて上手くて、今の世界の状況を、中学校というフィルターを通してみることができる、優れたノンフィクションです。

永江:最近、中国の作家が日本で人気だね。「折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー」収録の短編が良かった。北京がおりたたみ式になってるっていう設定の短編。
北京の人口が増えすぎちゃって、上流の人はずっと地上に住んでるんだけど、中流・下流の人は、地下をシェアして住んでる。
映像化も決まってるんだ。作者は郝景芳(かくけいほう)。数学か経済学で博士号2つ持ってて、凄い美人なんだよ。
「ノースライト」(横山秀夫)も良かった。建築家の話。横山さんだから、どんな惨劇が待ち受けてるのか…とドキドキしたけど、良い話だった。
ドイツ在住の詩人が書いた「前立腺歌日記」(四元康祐)もいい。病気の話でもあり、詩でもある。

三浦:私はBLを読みますからね。前立腺という言葉になじみがあります。…こんなシモの話を、大学でしても大丈夫でしょうか?

永江:昨日、書評を書いたのは「老いと記憶」。脳トレってボケ防止に効果ないらしいよ! ポケモンGOが脳には良いらしい。知らない場所に行くからね。
僕は慶應大学で授業をもってて、その生徒に、なんとか坂(欅坂か乃木坂?)がいるらしいんだけど、テレビ持ってないから、顔が分からないんだよね。

三浦:芸能人の名前、覚える以前に知らないわけですね(笑)

永江:20代の女性は皆、同じ顔に見えるんです。

三浦:私もEXILEにハマる前は、そう思ってましたよ(笑)でも、今は違うんだって分かりました。

永江:質問です。「どうして読書だけが推奨されるのでしょう。楽器やスポーツでも良いではありませんか」

三浦:本当にそうですよね。「大学生の読書時間が短い」って言いますけど、「大学生の1年間の楽器演奏時間が0時間」という新聞記事は出ないじゃないですか。

永江:「読書の楽しみ」ってお題で呼ばれましたけど、こんな楽しいこと、自分一人で独占したいです。
「大学生の5割が、1年の読書時間0」って記事が新聞に出ましたが、あれにはカラクリがあります。
医学部生・薬学部生が一番読書時間が短いんですが、一番多く勉強してるのも医師薬生なんですよね。逆に、一番勉強時間の短い文学部生が一番本を読んでいるという。

三浦:本当ですね。ただ、あえて読書の良さをあげるなら、自分の心を理解し、人の気持ちを想像するには、言葉が必要だということです。
言葉を知らなければ、モヤっとした情動があっても、自分の感情を把握できない。
それを身に着ければ、例えばスポーツで強くなることにだって、役立つのではないでしょうか。
ただ、私も実用書は読む才能がなくて、理解できないんですよね。
ドストエフスキーも読んでない。数年前、仕事の企画で読んだ「罪と罰」だけ。他は読んでないです。「罪と罰」はエンタメで面白かったですね。

永江:記憶に残ってる、小説の一文ってあります? 私は「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね」(村上春樹)です。

三浦:春樹の主人公がいかにも言いそう〜! 私は「生が、そうであるように、死もまた永遠ではない」(丸山健二)です。

永江:自分で描いた作品って読み返します?

三浦:全く。本になる時は、嫌になるくらい読み返してチェックしますけど、本になってしまった後は、読み返しませんね。

大学の方:「10月発行の『リブ』(京産大の広報誌)にて、今日のトークを特集しますので、お楽しみください。webにも掲載されます。

****
身近にかぜつよ友達がいないので、トークイベントから帰ってからも、誰にも興奮を直接伝える機会がないです。
良かったら気楽に、質問等あればください。
ekiden

ekiden newsさんのツイートを引用。



2019年04月15日(月)
ジョカゲ2 大阪夜の会レポ

2018.6.21に行われた、舞台『ジョーカー・ゲーム2』トークイベント 大阪夜の会のレポです。

司会は、逸見役の宮下さん。
200人以上、お客さんが来てたみたいです。

宮下雄也(逸見役):さっきトークショーのリハーサルをしたんですけど、終わって、エレベーターに乗ったら、才川くんが上半身ハダカなんですよ!
才川コージ(神永役):鏡があると脱ぎたくなっちゃうんですよね。
宮下:今は服を着てくれて、よかったです。
君沢さんは何故か、ピンクのジャケットですね。井脇ノブ子?
君沢ユウキ(蒲生役):良いでしょ? ピンク。
宮下:君沢さんは人見知りなんですけど、僕たちが仲良くなるためにやったことは、なぜか大喜利。
君沢:「こんなジョーカー・ゲームは嫌だ」ってお題でね。
宮下:大阪で初めて見るお客さんが多いと思うのですが、ネタバレをします! 雪村役は3人で日替わりですが、演じてみてどうでしたか?
奥谷知弘(田崎役):他の2人にライバル心メラメラです。
才川:僕は、最初ウソだと思ってました。だからセリフも覚えてなくて。本当だと分かった時は焦りました。
山本一慶(甘利役):俺も、コージから聞いた時は、本気にしてなかったです。5月末にようやく本当だとわかって。
西田大輔(脚本):原作小説だと、登場するD機関員は一話で一人じゃないですか。でも、舞台だと全員出る。
どうするか悩んでると、マーベラスさんから、「雪村は全員の入れ替わりでどう?」って提案されました。
ただ、時系列的に無理な人もいるので、この3人になりました。
宮下:西田さんから見て、3人の演技は、どうでしたか?
西田:知弘は、他の二人と違うようにって細かいところまで考えている。コージは何も考えてない(笑)アクロバットは凄い。
宮下:今日の才川くんは、アメリカのゲーセンにいる子みたいだね。
才川:ニューヨーク・ユニバーシティです!
宮下:Tシャツに「NYU」って書いてあるけど、それニューヨークなの?(笑)
西田:一慶が一番、自然体。
宮下:僕は逸見役ですけど、3人の雪村と密に絡みますからね。全然芝居のタイプ違うよね。
谷口賢志(結城役):一慶が一番、上映時間が短いよね。尺がちょうどいい。
宮下:俺のせいもあります! 逸見のアドリブによって、時間が変わるんですよ。
才川くんとは一番長く絡んでる気がする。
才川くんは、トーゴーとシュテファンがドイツ語しゃべってるシーンも、ドイツ人にしか見えないよね。
君沢さんは、2で初めてジョーカー・ゲームに参加してみて、印象はどうですか?
君沢:稽古場がしっとりした雰囲気ですね。他の2.5次元の現場はもっと、きゃっきゃ若いので。
あと、皆が喫煙所に行ってしまったあとの孤独。
宮下:煙草吸う人、多いですからね。
西田さん、2を書くのに苦労したことは?
西田:1は原作リスペクトありきで作りました。けど2は、続編は駄作になるっていうセオリーがあるじゃない。だから、絶対そうしたくはなかった。2は、スケールを大きく、より欺くということに重点を置きました。
宮下:谷口さんは、結城を演じる苦労ってありますか?
谷口:ずっと足を引きずってるので、身体がずれますね。整体にいかないと治らない。義手を演じてると、手がつる。
西田:賢志は、イメージシーンでは、早く退場しないと次のシーンを始められないので、よーく見ると、早歩きではけてるんだよ。
谷口:ファンレターで「あのシーン、早歩きでしたね」って指摘されたことがありました。よく見てるな(笑)と。
宮下:岳くんの苦労は?
松本岳(波多野役):波多野は生意気っていう設定ですが、優しさもある。
そういう、感情のないスパイっていうだけじゃなくて、人間味もあるっていう面が表せたらいいなと思って演じました。
宮下:西田さんどう思います?
西田:D機関って難しいんだよ。2.5次元だから、どうしても分かりやすいキャラクターをつけたくなるじゃない。でも、スパイだからそれはダメなわけで。遠目に見てると、誰が誰か分からないのが理想。
だけど、もしおばあちゃんが見たら、何が何だか分からないだろうね。
お客さんへの挑戦状なわけです。しっかり見ないと分からないという。
宮下:座長の木戸くんはどう?
木戸邑弥(実井役):D機関ってカッコつけの集団ですよね。すぐタバコ吸ったり、ポケットに手を突っ込んだり。実井を演じるにあたっては、そういう仕草は減らしてます。
宮下:皆に聞きます。他の役を演じるなら誰がいいですか?
才川:僕は逸見さんを演じてみたいです。別の生物みたいだなって。
宮下:お互い様だよ!(笑)
俺は、マネージャーに、『他の登場人物は、矢沢あいの漫画から抜け出てきたみたいに線が細いのに、宮下だけは、漫☆画太郎の絵みたいだね』って言われたことがあります(笑)
山本:俺も逸見がいい。あれだけ自由なのはやってみたい。
宮下:一慶くんが自由だったら、芝居が終わらないよ!(笑)一慶くんは、楽屋で一番喋るんですよ。
山本:え? 俺、静かですよ。
宮下:一慶くん「このタオル、メイクがひとふきで落ちるんですよ!」とか言ってめっちゃうるさい(笑) 通販みたいだったよ! 知弘くんは?
奥谷:言っていいんですかね。ランゲです。セリフ少ないけど、重要な役でやりがいがある。
宮下:岳くんは?
松本:D機関だったら、全員やりたいです。
宮下:だったら結城をやりなよ!
松本:やりたいですね。
宮下:可愛すぎる結城ですね(笑) 君沢さんは?
君沢:波多野ですね。スパイなのに、記憶を失って、優しい部分が出てしまう。一方で、スパイとして冷酷非情な面もあって、興味深いですね。
宮下:岳くんはアクション凄いよね!
松本:そんなことないです。普通です(めちゃくちゃ照れる)
宮下:賢志さんは?
谷口:前回と違うところは、ナチスが出てくることですね。なぜD機関が動いているのかということが現実とつながって、それがテーマの一つになってる。ゲーリングをやってみたいですね。
宮下:西田さんは?
西田:自分が演じたいという気持ちはないんだけど、続編を作ることがあったら、全員入れ替わりでやりたいね。
才川:3人でパニックだったのに!(笑)
宮下:木戸くんは?
木戸:俺は波多野をやりたいですね。
宮下:進行表に「知弘くんのマジック」って書いてあるんだけど。舞台でやってるの?
西田:そう。お客さん、誰も気づいてないんだけど(笑)
宮下:一慶くんはかっこいいのに、マイクを膝に挟んで座ってたり、ちょいちょい変だよね。
あのメイク落とすタオル、何だっけ?
山本:メイクオフレスキューです。
木戸:一慶くんの隣の楽屋だったので、タオルを勝手に使いました。ごめんね。
山本:いいよ。
宮下:そういうやりとりはツイッターでやってよ!(笑)最後に、お客さんへのメッセージを。
西田:ジョーカー・ゲームという作品がとても好きです。木戸くんは、実井という役と自分が融合したような、素晴らしい演技をしてくれました。
君沢:昔、演劇をやってた時に、駅前でチケットを売っても、誰にも買ってもらえなくて、良いものを作ってるつもりなのに、悲しいなと思っていました。
今、その時と同じような、ストレートプレイの演劇をやっていて、こんなに大勢のお客さんに受け入れられて、とても幸せです。
宮下:僕は3人の雪村を攻略していく、恋愛ゲームのヒロインです! そういうところも楽しんでください。
才川:僕たち、いっぱいスパイしますから、いっぱい見に来てくださいね!
宮下:偏差値2やな!



2018年12月15日(土)
ガラケーから格安スマホに

ガラケーから格安スマホに変えました。

元々入ってたauが、2年縛りがあり、更新月以外に解約すると9000円以上取られるので、
更新月を調べました。

MNP(番号引継ぎ)をしたいので、ezwebから申し込み。
申し込んだはいいけど、どうやって番号の通知がくるのか分からず、ググる。
ezwebにもう一回入ったら、見れました。

余裕を持って、20日くらいに手続きを開始すればよかった。
格安スマホはネットから申し込みなので、審査→発送に1週間くらい見ておいたほうが良いです。
(店舗もあるけど、少ないので)

MNP予約番号が分かったので、格安スマホのサイトから申し込み。
使用料は1500円/月くらい(3G)です。

2年縛りがないので、1年たったら、いつ抜けても、解約料を払わなくても良い。

26日夜に申し込んで、30日に届きました。
SIMをスマホに入れたら、開通。その時点で、auは解約になります。
SIMが小さすぎて、自分で入れるの、ドキドキだった。

メールアドレスの変更お知らせメールを友達に出したのですが、戻ってきてる。
キャリアメールが使えないので、gmailで送ったのですが、迷惑メールだと思われて拒否されてる。
前のezwebのメアドが生きているうちに、アドレス変更メールを送れば良かった!

前からパソコンでLINEをやっていたので、アカウントを引きつごうとして、四苦八苦してました。
前のトーク画面は消えちゃうので、保存。



2018年06月29日(金)
ジョカステ2

舞台「ジョーカー・ゲーム2」見てきました。
大阪26日昼の回です。
メルパルク、本来なら、新大阪駅から徒歩5分なんですが、道に迷って20分くらいかかりました。
スマホ持ってないので、公式サイトの地図をプリントアウトしてきたけど、地図すら読み取れない!(絶望)

アクションとか、セットの動き、照明等が凄かったです!
あんなにセットがぐるぐる動くとは!
カーテン開けるのを、音と光で表現するのとか、面白い。

フジマさんの言ったとおり、憲兵がアニメに激似だった。出てきた瞬間に笑った。
結城中佐のエロジジイが、本当に別人みたいだった。

雪村=田崎って、海軍の学校を出てない人が、海軍の軍人スパイになんてなれる?
三好=中崎ってことは、ドイツで真木と中崎、二人を演じてたってこと? 無理ない?
蒲生=D機関だったら実井とあんなに殴り合う必要はないのでは?
もともと風機関で、実井にボコられたあと、結城中佐にスカウトされてD機関入りしたのか。

レニがナチスに協力する自分に疑問を抱いてるのも、ピンとこない。
私は、党員でも無いのに、出世するためにナチスに肩入れする映画作ってた人という認識だった…。

日本でも、戦時中に軍の依頼で映画を撮ったら、「厭戦的」ってことでお蔵入りになった「戦ふ兵隊」という作品がありました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E3%81%B5%E5%85%B5%E9%9A%8A

ヒストリカ映画祭で、ドイツ人監督の作品を上映した時、「第二次大戦の宣伝に映画が使われた影響で、作為的な作品が一切無くなり、ストーリー性のない、『ベルリン派』が台東した」ってトークで解説されてたのを思い出しました。
その時、上映された監督はアルスラン氏。トルコ系移民二世の監督で、日常を淡々と撮る作風。
同じくトルコ系移民で、ファティ・アキンという有名な監督もいて、アルメニアの虐殺をテーマにした映画など、政治的メッセージ性の強い作品を撮っています。

逸見が映画製作費を横領してる話。
以前、同じような横領話を聞いたので、映画業界あるあるなんだろうなー。
とある監督が、制作費を横領して、途中で監督が変わったんです。
が、その監督の名前をググったら、普通にその後も仕事をしている。
映画界ではよくあることなのか…。

海外ドラマの「Xカンパニー」を思い出す。
ユダヤ人がバンバン始末されてた。
そして殺してる方のドイツ人は、悪いとも思ってなくて「国を良くするため」って信じきってる様子と、それが日常化してる様子が淡々と描かれていて、怖かった。
「Xカンパニー」もナチスのパーティに潜入して爆弾をしかける話があるんですよね。

実井が紫陽花いけてるところ、ぶりっ子すぎて笑った。

ランゲのくだり、ル・カレ氏の自伝「地下道の鳩」に出てきたエピソードを思い出す。
チェコの人気俳優がイギリスに亡命してきて、「医者になりたい」というので、ル・カレが学費を出す。
彼は学費以外の生活費をほとんど受け取らず、最短で医者になり、すぐにお金も返してくれた。
ル・カレ氏が「彼は何年もお礼を言ってくれたけど、こちらがしたことなんてほとんどない。
むしろ、彼からは貰うばかりだ。」という。
ル・カレ氏は、彼の才能に魅せられた者たちに、猛プッシュされて、なりゆきでお金出しただけで、「良いことをしたつもりはない」って言ってるんだけどね。良い話。
しかし、「亡命」というと、祖国に残してきた家族が殺されたりする危険性があるので、本人はあくまで「勉強したい」って言う理由でイギリスにきたと。

「秘密のファイル  CIAの対日工作」 春名幹男という本には、戦後、CIAが日本映画にお金を出して、反共産主義な映画を作ったって書いてあった。
けど、全然ヒットしなかったそうです。アメリカはプロパガンダ下手なんだな。



2018年06月24日(日)
ジョカゲカフェ

24日、フジマさん、ののさん、subaruさんのお茶会に混ぜていただきました。
13時にジョカゲカフェに行ったら満席でしたので、15時からの整理券をもらいました。

それまでの時間、近くの「アンナカラーズコーヒー」でランチ。
このボリュームで、驚きの500円でした!  美味しかったです。
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15時からジョカゲカフェへ。
福本ドリンクと大玉転がしデザートを食べました。
福本、もっと水色かと思ってたら、紫紺ですね。
コースターは実井と波多野でした。
内装が可愛いですね!
スケッチブックも描きました。
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ジョカゲカフェの近く、日本橋に安いリサイクル着物屋さんがあるので、寄りました。
大福屋ときもの屋
和装小物も浴衣も安い。
大福屋で、腰紐3本(400円)を買いました。



2018年06月21日(木)
善峯寺

21日、善峯寺に行ってきました。
紫陽花が満開で、凄く綺麗でした。
山の上にあり、急な坂道を上っていくので、靴を履いています。
他にもアンティーク着物女子が3人いたけど、草履履いてた。
タフだな!
飲食店が一軒くらいしかないので、お弁当を持って行って、門に入る前のベンチで食べるのがオススメ。
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2018年06月17日(日)
活版WEST

活版WESTに行ってきました。
活版印刷のイベント。

ワークショップで、コースターと、ラスクのパッケージを作りました。
くるくるプレス機回したり、ガッシャンって、力入れてレバーを引くのが、楽しかったです。
ラスクも美味しかったです。
各会社さんの名刺が、分厚い紙に、ぼこぼこ凹凸のある印刷で、味がある。何度もさすってしまう。

いいなぁ。活版印刷の名刺。
「大人の科学」で活版印刷機が付録についてる号があったので、欲しくなりますね。

グッズは、和紙田大学さんのニセ新聞のご祝儀袋(ブライダルに関する嘘記事が書かれてる。面白い)と、おみくじマステを買いました。
にせ新聞、「ウェデイングケーキの高さ規制 京都市」とか書いてあって、笑いました。

活版の活字も売ってました。
漢字一文字バラ売りとかあったら、自分の名前を買いたかったですね。
ビルもおしゃれで素敵でした。

「R Baker」さんでランチ。おしゃれで、美味しかったです。
サラダセット、このボリュームで580円。安い。
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