「赤毛のアン」の翻訳家、村岡花子さんの評伝です。
村岡さん自身が赤毛のアンみたい。 貧しい家に生まれながらも、奨学金で学び、好きな仕事に就き、大恋愛の末に結婚…女子の憧れって感じですね。
女学校時代は「マリアさまがみてる」のようにお上品でした。 交流関係の華麗なこと! 柳原白蓮を始め、吉屋信子、林芙美子、市川房枝など…大正〜昭和の著名な女性文学者・婦人運動家とはほとんど交流があるのではと思うほどでした。 女性が活躍しづらい時代に、自分らしい生き方を貫かれた花岡さんは凄いですね。周りの方々が、女性の地位向上の為に頑張ってらっしゃる姿も、胸を打たれました。
ただ、結婚前のラブレターには、好感度がガクーンと下がりました。敬三さん…病気の奥さんも幼い子どももいるのに、花子にラブラブな手紙書いてる場合じゃないだろう。
父親が、花子一人の教育に熱心だったために、他の兄弟が養子に出されたり悲惨な運命をたどったことに、へこみました…。特に長男。
「赤毛のアン」というタイトルは編集さんがつけたそうです。 最初、村岡さんは「そんな直接的なタイトルは嫌」と言って、「窓辺に寄る少女」にしようと思ってたそうです。 意外ですね。赤毛のアンって、イメージが浮かびやすくて良いタイトルだと思いますけど。
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