マラソンの話かと思っていたら、自転車であの世とこの世を行き来する話でした。 天涯孤独の女の子が、40キロのレーンを超えて、亡くした家族に会いに行きます。やがて、自転車を手放さなければならなくなり、自力でレーンを超えようと、マラソンを始めるのですが…。 チームに入ったら、それがまた個性豊かなド素人の集まり。幻の天才ランナーは出てくるし、三浦しをんさんの「風が強く吹いている」を思い出しました。 家族の居る「あの世」ばかり見ていた環が、チームメイトとの関わりで、しっかり前を向いてこの世で生きていけるようになったのが良いなと思いました。 子ども向けなので、文体が軽やかでリズム感があり、分厚いけれど読みやすいです。
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