ホリーノベルズから出た、初めての木原さん以外の本です。 「泣ける」と評判でしたが、私は、ひたすら悲しかった…。
BL版「博士の愛した数式」みたいな、13分しか記憶の保たない男と、彼を世話する恋人の話です。 「博士〜」は家政婦目線だったので素直に泣けたのですが、これは当人の視点なので、一緒に混乱するし悩むし、目まぐるしくて、精神的に疲れました。この一冊がたった一日の出来事だなんて、信じられない。 妹のことを忘れてしまうくだりが、特に悲しいです。
津田が、櫂に「二度と会えなくなっても、俺を幸せにする魔法をかけてくれるか?」と言うところ、じわっと涙ぐみました。 何度も自分を忘れてしまう人を愛し続けるって、辛いことですね…。
それにしても、櫂が記憶を無くす前、津田とどういう風に出会って恋に落ちたとか、ほとんど分からないままでしたね。何故、櫂にそんなにお金があるのかも謎のままだ。
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