「夢の卵」(鷺沼やすな)を読みました。 静謐で美しい、流れる水のような文章が印象的。こんな詩的なラブシーン、初めて読みました。 特に大きな盛り上がりや、明確なオチがあるわけではないのですが、独特の世界観がとても良かったです。
同居している恋人が、突然、記憶喪失で、11歳の子どもに戻ってしまう。その影には、母親との軋轢があるようで…という話。 子どもの詩草を大事に思いながらも、大人の詩草が恋しくなったり、逆に、子どもの詩草が消えてしまった時、喪失感に涙したり、切ない苦しみが、ひたひたと心地よく胸に迫りました。 木原さんのCOLDシリーズを思い出しましたが、こちらの方がずっと大人しいです。
巻末に、今市子さんが、挿絵の依頼が来た時、嬉しすぎて変な顔になったっていう、1Pマンガを載せてるんですが、面白かったです。確かに、今さんは、こういう文学的な話好きそう。
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