香山リカさんの「結婚がこわい」を読みました。 面白かったのですが、バランスの取れた常識的な意見という感じでした。 「○歳までに結婚しないと、子供を産まないと、手遅れ」「結婚もしないで仕事や趣味に打ち込みたいなんて、我が儘」と言った世間の脅しに耳を貸さず、結婚は個人の問題なんだから、好きなときにしたら、したくないならやめとけば、という趣旨。 人を結婚へと動かす動機は、メリットよりデメリットという話が、面白かったです。だからこそ、余計に人は結婚から遠ざかるという。 「「オニババ化する女たち」に対抗して、独身女性が「砂かけババア化する子持ち女」といった本を出すことはない」のくだりに吹いてしまいました。確かに、独身女性を見下す既婚女性に対する批判の言葉って、あんまりないような。出産・子育てだけは、「経験しないと分からない」と強固に思われてる点とか、女同士の熾烈な格付けの話とか、なるほどな〜という感じ。独身税を課すという、塩野七生さんの「塩野ローマ方式」案は怖いです…。ラストの料理研究家・永島トヨさん夫妻の話が、良かったです。 「負け犬の遠吠え」も「オニババ」も「結婚の条件」も、女性側からの話でしたけど、男性版の面白い本は無いのかしら?
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