冒険記録日誌
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2022年06月12日(日) クソゲー・オブ・ザ・オレ 第6位

たけたろう「クソゲー6位。これは原作が有名ですね。」
山口プリン「今回はゲーム自体が悪いというより、タイアップの在り方を問うタイプのクソゲーだぞ。」


クソゲー第6位 【名探偵コナン 「嗤う黒猫」殺人事件】

ジャンル  推理小説風ミステリー
発売元  メディアファクトリー
執筆者  齋藤高吉・冒険企画局
発売日  2009年8月18日
パラグラフ数  ゲームブック部分は263
ゲームの構造  フラグチェック有の分岐小説タイプ。合間にパズル出題あり。
過去の冒険記録日誌  2009年8月25日に感想あり

ポイント
 あれれ〜おかしいよ〜!!僕はドコにいるの?

物語の概要
 米花町で立て続けに起こった二つの殺人事件。その事件は事件現場で発見されたゲームブック「嗤う黒猫」の内容と、奇妙に符合していた。そして、本には第三の殺人事件も書かれていたのだ!

本の帯の煽り文句(嘘はついていない)
 真相を解き明かすのはあなた自身。連続殺人事件の手がかりは、本書収録のゲームブック「嗤う黒猫」。ここにすべての謎が隠されている。

主な登場人物
 江戸川コナン:最後に事件の真相を解説する他、メールでヒントをくれるなど、狂言回し的な役どころ。
 佐々木洋一:人気小説家。まだ売れなかった頃に、鹿島勝名義でゲームブック「嗤う黒猫」を執筆した。
 須山竜馬:第一の殺人事件の被害者。佐々木洋一の自宅で行われた祝賀パーティーの最中に死体となって発見される。
 椎野悠美:第二の殺人事件の被害者。佐々木洋一の恋人。

作中作「嗤う黒猫」内の主な登場人物
 主人公:名前の設定なし。浮気の素行調査などで生計を立てている売れない探偵。コナンと同じく、毎度殺人事件の現場に偶然居合わせるという特殊能力を持つ。
 亀井毅:刑事。主人公を嫌っているかのような態度を取るが、ぶつぶつ言いながらも主人公が事件に首を突っ込む事を見逃している。
 城崎緑:鑑識官。主人公へ一定の理解がある様子。主人公を追い払おうとする亀井をなだめたり、逆に捜査への協力を求めてきたりする。

クソ要素
 一言でいえば、コナン君が登場しないのである。
 名探偵コナンとタイトルに謳っているからには、コナンが主人公もしくは主要登場人物だと、普通は思うものであろうが、本作は「コナン君が解決したこの事件を君も挑戦してみよう!」という体裁となっていて、コナンの他、少年探偵団や毛利小五郎といったお馴染みの面々も一切姿を見せる事はない。
 装丁の表紙絵以外でコナンのイラストが登場するのは、最初のルール説明と巻末にある袋とじの解説部分だけ。その絵もアニメの流用で、本書のために書かれたイラストはない。一応、発売当時には期間限定サービスながら、携帯電話で専用サイトに登録すると、コナンからヒントとなるメールを受け取れるというギミックはあったようだ。しかし、それくらいではコナンのゲームブックと銘打つには弱いだろう。
 ランキング7位の「暗黒のピラミッド」は、少なくともルパンのゲームブックには違いなかったが、こちらはハッキリ言ってタイトル詐欺である。

総評
 本作の大半は、作中作のゲームブック「嗤う黒猫」をプレイする事に費やされる。
 「嗤う黒猫」を独立した作品として見るなら、ステレオタイプの探偵物を題材にしたオーソドックスなゲームブックといったところ。ゲームブック初心者が遊ぶ事を想定してか、クリアするのはさほど難しくはない。ただ、「嗤う黒猫」の世界観は、名探偵コナンのもつ雰囲気とは違い、さらに挿絵もないので地味な印象を受ける。
 このゲームブックをクリアした後は、その内容をヒントにして、現実に発生した事件の謎を解くというのが、一応のゲームの流れだが、実質おまけ程度の扱いになっている。
 事件現場にゲームブックが置いてあったというのは、2009年時点でもなかなかシュールな設定なうえ、「嗤う黒猫」の装丁はファイティングファンタジーシリーズを模倣したデザインという事もあって、まるで本書がゲームブックファン向けか、ゲームブックブーム当時を懐かしむ為に作られたかのように見える。
 しかし、この本を買う人は大抵「名探偵コナン」のファンと思われるので、どう見ても目指す方向がニーズとズレている。本書の発売当時は、近くの本屋の児童書コーナーに平積みで販売されていたのを見かけたものだが、買った子ども達はどう思ったのだろうか。


ちょっとリプレイ(ネタバレ注意)
たけたろう「いきなり作中作のゲームブックを遊ぶわけですね。」
山口プリン「パラグラフ数が263と言っても、実質3つの短編ゲームブックに分かれていて、3つの事件を順番に解決していくんだ。だから、そんなに難しくはないと思うよ。」
たけたろう「基本的には聞き込みや現場捜索などのシーンで、選択肢を総当たりすれば次のシーンへ進むの繰り返しですね。途中で登場するいくつかのパズルを解くのが面倒ですが、難しくはないかな。」
山口プリン「そう言いつつ、パズルが解けなくて、パラグラフ総当たりで答えを探しているように見えるのだが。」
たけたろう「2回しかやってませんし!悪かったですね!パズルが苦手で!」
山口プリン「なんだかんだ、2番目の事件までは解決したね。しかし、この本はパズル以外の絵がほとんどないので寂しいよな。コナンみたいな漫画タッチの挿絵が沢山あれば、それだけで随分印象が変わると思うんだけどな。」
たけたろう「3番目の事件も終盤まで到着したのですが、ここで関係者全員を集めて犯人を当てるというベタなシーンで困りました。」
山口プリン「ここだけはプレイヤー自身が考えて判断しないといけないのだよ。今まで勝手に話しが進んで解決していたから油断していただろう。」
たけたろう「うん、なんとか正解しました。意外といえば意外な真犯人ですが、意外性を出すために、作者が後付けでこの人を犯人にしたんじゃないかな。」
山口プリン「さあ、どうだろう。そんな考え方で、物語の途中で犯人を決める推理小説作家も実際にいるらしいから、案外そうかもしれないな。」
たけたろう「ゲームブックを遊び終わった後は、コナンが解決した事件を君も解いてみようって事ですが、すでに解決済みの事件を解かされるのもなんだかなぁ。」
山口プリン「こらこら、そんなに早く袋とじの答えを見るんじゃない。本当は、こっちの謎解きが本題なんだから。」
たけたろう「だって、頭を使うのは苦手なんですよ〜。」


2022年06月11日(土) バカゲー・オブ・ザ・オレ 第6位

山口プリン「このランキングももうすぐ折り返しだな。」
たけたろう「前回の“暗黒のピラミッド”もそうでしたが、今回も400パラグラフ以上の作品だから、プレイに時間がかかって大変でした!」
山口プリン「ご苦労さん。しかし、この先のクソゲー・バカゲーは、まだこんなもんじゃないぞ。」
たけたろう「このランキングが終わる頃には、秋になっているかもしれないですね……。」


バカゲー第6位 【超時空パイレーツ おみそれ3人組の冒険】

ジャンル  狂ったファンタジーもの冒険譚
発売元   双葉文庫
執筆者   樋口昭雄
発売日  1988年8月1日
パラグラフ数  450パラグラフ
ゲームの構造  1方向システムだが、各世界をランダムで繰り返し訪れることになるので、同じシーンへの再訪は可能。
過去の冒険記録日誌  2003年10月8〜18日にリプレイあり。

ポイント
 恐怖の侍

物語の概要
 資金難にあえいでいた城西高校映画研究会に所属する一平、和哉、進の3人組は、突然、着ぐるみ猫みたいな動物、なんじゃもんじゃに出会った。「異次元にあるナイトランドをお救いください。女王をお助けになった暁には多額の報酬をー「金じゃあああ!」「がおおおっ!」「いくぞ、みんな!」
 こうしてパラレルワールドを旅できるという跳航機とやらに、全員乗り込んで発進したところ、重量オーバーでどこかへぶっ飛ばされたのであった。

特別未公開シーン(パラグラフ7より。バグなのか、正しくポイント管理をすると、到着できない。)
※※※※※※
 やがて、三十分もたった頃だろうか。扉が開き、屈強な侍たちが入ってきた。
 彼らに引き立てられ、俺たちは屋敷の中庭に再び連れていかれた。
 「一同、おもてをあげい」前方を見れば、そこはまさに奉行所の裁きの場。テレビの「大岡越前」の八時四十五分頃のシーンそっくりの光景だった。
 「おまえたちは、わが屋敷に忍び込み、偽証、窃盗、婦女の暴行、放火、銃刀法違反、スピード制限速度五十里オーバーなどを犯し、あまつさえ、わが代官所の名誉を傷つけた。その罪万死にあたいする。よっておまえたち、市中引き回しの末、獄門張りつけとする」
 「何勝手なこと言ってんだ。この世界、いいかげんすぎるぜ」俺はつい怒鳴った。「だいたい何で代官所が奉行所の真似をしなきゃならないんだ」
 「おうおうおうおう。黙って聞いてりゃ、いい気になりやがって」代官は片足を一歩投げ出し、もろ肌を脱いだ。「この背中の桜吹雪が、ぜ〜んぶお見通しだぜ」
 その時だ。表の門がキイと開き、鬼の面をつけたひとりの侍が、スススと入ってきた。
 「桃太郎侍だ!」と、進が叫ぶ。その侍はくるくると回ったかと思うと、ぱっと鬼の面を取った。そして、手近な侍から斬りかかっていった。
 「ひと〜つ、人より力持ち」
 ばったばったと屋敷の侍を斬りながら、彼は言った。「ふた〜つ、故郷を後にして」
 「行こう、つきあってらんねぇや」和哉にせかされ、俺は進と一緒に屋敷を抜けだした。
※※※※※※

主な登場人物
 竹林一平:10名くらいが所属する映研の会長であり主人公。ゲームブックの主人公としては珍しい眼鏡キャラ。エネルギッシュなつっこみを入れながら、狂った世界を駆け巡る。
 高村和哉:映研副会長。主人公と同類な性格。彼の親父が作ったタカムラアルファという薬を、女王に飲ませるのが冒険の目的である。
 小川進:映研部員。お菓子が好きな太っちょ。実は「ヴァイケルの魔城」というゲームブックにも、主人公3人組の一人として登場しているが、どっちの作品でも地味な存在である。
 なんじゃもんじゃ:着ぐるみの猫のような生き物。ナイトランドから跳航機という乗り物に乗ってやって来た。主人公達をナイトランドに連れて行こうとしたところ、重量オーバーで、跳航機と共に行方不明になってしまう。
 流卯留無用ノ介(るうるむようのすけ):主人公を執拗に追ってくる不死身の侍で、本作を象徴するキャラクター。
 ダーク:ラスボス。強いのだが、最終盤しか登場しないので影が薄い。
 樋口明雄:「超時空パイレーツ」の作者でガチな登場人物。

バカ要素
 パラレルワールドとして出現するナイトランドを除く7つの世界がいい意味で狂っている。例えば時代劇風な世界では、電車や公衆電話があり、駕籠かきは車並みに早く走るが信号で止まる。中世ファンタジー風の世界では、王様が大名行列をしていると言った具合である。日本昔話がごちゃごちゃになった世界は、ちょっと変くらいですむが、地平線まで満開の桜の木が続いて、どこもかしこも宴会が延々と続く世界なぞ、非常にシュールである。
 主人公側もそれに負けじと、一平と和哉のコンビが強烈な個性を発揮している。正直、主人公が、うる星やつら(アニメの方)に登場するメガネにしか見えん。イラストを見ていると、千葉繁の声が聞こえてきそうだ。
 特筆しておかないといけないのは、流卯留無用ノ介というキャラクターである。彼はダークとは関係ない人物にもかかわらず、“武士”と言う言葉が出た瞬間、木や壁をぶち抜いて突然表れ、「そりゃそりゃそりゃそりゃそりゃーーっ!」の掛け声と共に刀を振り回して突進してくる。言葉は“かつおぶし”でも“炭坑節”でも、おかまいなく登場してしまう。反撃をして倒しても、すぐに復活して追ってくるので、最後は逃げるしかなく、こいつのせいでゲームオーバーになる事が一番多いだろう。もし私が「ゲームブックで、一番最強な敵は?」と問われれば、流卯留無用ノ介が真っ先に浮かぶほどの存在感である。

総評
 やりたい放題という感じの変な世界をいくつも回っていくので、ストーリーも滅茶苦茶であるが、一応「各世界で情報を収集し、アイテムを集める事で、跳航機となんじゃもんじゃを回収でき、回収後はナイトランドに行ってダークを倒す」という流れはあり、徐々に攻略していくよう、ゲームとしてはちゃんと成立しており、毎回、次こそクリアできそうな気はするので、つい繰り返しプレイしたくなる感じはある。
 戦闘は双葉ゲームブックお馴染みのバトルポイント制だが、他の世界への移動のみランダム(本を適当に開いて、右上端に印字された数字を見る)なので、そのクリア手順も毎回変わってくる。しかし、移動がランダムなのは、どの世界でも何かやる事がある序盤は面白いが、中盤以降は行きたい世界になかなか辿りつけず、もどかしい感じになってしまう。跳航機を中盤くらいには回収して、その後は望みの行き先を選択できる、とでもすれば良かったのではないだろうか。
 総じて細かいことは気にせずに、正真正銘、正統派のバカゲーとして、笑いながら楽しむのが正解な作品なんだろう。


ちょっとリプレイ(ネタバレ注意)
たけたろう「結構、難しいですね。開始早々、ナギナタ持った女中達に殺されました。」
山口プリン「苦戦しそうだから、今回はちょっと黙って見ていよう。」
たけたろう「2回目、みんな格闘技ばっかりやっている世界で、無用ノ介に襲われて死亡。3回目、殺人事件を解決して砂漠を走る船にのっていると、無用ノ介に襲われて死亡。4回目、森の教会に行くと、悪魔崇拝者の集団に生贄にされて死亡。5回目、大クジラの腹の中で、ダークの部下の次元盗賊に襲われて死亡。6回目、人気のない深夜のビル街で、次元盗賊に襲われて死亡。7回目、花見の世界で無用ノ介に襲われて死亡。カラッと描写しているけど、斬られた3人の首が舞っているのを見て、花見客が歓声をあげているのがホラーですね。」
山口プリン「戦闘に負ける事が多いが、今回はバトルポイント表の配列が悪いんじゃないか?」
たけたろう「そうですね。世界を移動した時点でなら、バトルポイント表の書き換えが可能なので、2パターンの表を用意して、適宜切り替えていく作戦にします。」
山口プリン「ここまでのプレイで、だいたいどの敵が、表のどの数値と比べるか分かっているからな。バトルポイント制ならではの攻略方法だ。」
たけたろう「8回目、花見の世界でサラリーマン達と永遠に花見をする事になって、END。この世界は、一番平和そうなのに、実は一番怖くないですか?9回目、3回目と同じように無用ノ介に襲われて死亡。10回目、吸血鬼の城内を走り回ってたら、滝つぼに落ちて死亡。11回目、中世ファンタジーの世界で、無用ノ介に襲われて死亡。12回目、序盤で忍者の集団に殺されて死亡。13回目、今回はかなり進んでます。ある程度、経験値を貯めると戦闘で死ににくいですから、ゲームオーバーにもなりにくいです。ああ!パワードスーツみたいなのを着たおっさんに殺された!ここまで来たのに!」
山口プリン「さすがに終盤近くまで辿り着いて、やり直しは心が折れるな。今の世界の最初から再開でいいよ。」
たけたろう「ありがとうございます。14回目、なんじゃもんじゃを発見して、跳航機でついに8番目の世界“ナイトランド”に到着しました。最初に重量オーバーに気を付けていれば、今回の冒険は、ここからで良かったわけですよね。壮大な回り道をさせられたわけだ。」
山口プリン「女王の城に潜入して、ダークと対決だ。しかし、彼は強いぞ。」
たけたろう「作者に賄賂を贈っているとか、そんなメタな理由の無敵って、ただの反則じゃないですか。追い詰められた私は、手に持っているワープロに”ぶし“と入力して変換。”武士”。壁をぶち抜いて、無用ノ介の登場だ!」
山口プリン「今まで勝ち誇っていたダークが“な、なんだ。こいつはーーーっ”って驚愕して叫んでいるシーンが爽快で好きだな。」
たけたろう「すぐ物陰に隠れると、無用ノ介はダークに襲い掛かっていきます。数時間の死闘の末にダークは倒された。“さらば、無用ノ介“と言い残すと、女王と一緒に跳航機に飛び乗り、現世へ。無茶苦茶な結末だ。」
山口プリン「この作品にはぴったりだろ?結果論だが、回り道をしたおかげで無用ノ介に追い掛け回され、それがダークを倒す伏線になったのだ。エピローグでは、ナイトランドで映画撮影をする事も決まって、ハッピーエンドじゃないか。」
たけたろう「映画撮影中に、無用ノ介が登場しなければいいですけどね。」


2022年06月10日(金) 箸休めランキング パクリ?リスペクト?

ともみ「こんにちは!この冒険記録日誌でお馴染みのともみです。山口プリンさんは、ちょっと休憩という事で、今回は私がミニランキングを紹介するわ。題して、怪しいリスペクトゲームブック作品ランキング〜!」
たけたろう「んー、何か危険な香りのするランキングですよ。」
ともみ「ゲームブックって、ファミコンゲームとか漫画とか映画とか、原作付きなものがかなり多いよね。んで、そういう作品って、もちろん版権をとっているのが当然だよね。でも、なかには原作ありとは謳ってないけど、どーみても元ネタはあの作品だよね。ってのがあるわけなの。」
たけたろう「つまりパクリってことですか?」
ともみ「そうとも限らないわ。登場人物の名前は違うし、設定はよく似ていてもストーリーは別物、もしくはその逆って事で、完全に同じじゃないなら、元の作品をリスペクトしただけとも解釈できるからね。もちろん、そうじゃなくて、安易に他人の作品にのっかって稼ごうって考えなら、論外よ。そんなわけで今回は、“そうは書いてないけど、どうみてもあの作品だよね”ってゲームブックを、ベスト3で発表します!」


第3位 【薫の君によろしく! DOKIDOKI平安京ストーリー】

発売元  双葉文庫
執筆者  柴崎 あづさ
過去の冒険記録日誌  2002年03月27〜29日に感想あり

 これは、主人公の女の子、清原リサが平安時代にタイムスリップしてしまったあげく、十二単衣姿を着て大冒険するっていうゲームブックよ。この平安時代の感じが、発売当時に大人気だった氷室冴子さんの小説「なんて素敵にジャパネスク」にそっくりなんです。
 「なんて素敵にジャパネスク」の方は、タイムスリップみたいな超自然要素はなくて、普通に平安時代の物語。ただ、主人公の瑠璃姫(るりひめ)が、この時代ではぶっとんだ、現代人っぽい性格で、そのうち帝や東宮を弑殺しようとする陰謀に巻き込まれるわけ。婚約者の高彬(たかあきら)と拗ねたりしながらもいい感じになったり、東宮、今でいう王子様だけど、性格はワイルドな鷹男(たかお)に言い寄られたかと思うと、昔好きだった幼馴染の吉野君(よしののきみ)が意外なところで登場して、恋愛要素もたっぷりなのも人気の理由なんでしょうね。
 それで、「薫の君によろしく!」は、主人公が元々現代人だから、行動パターンは瑠璃姫だし、やっぱり似たような陰謀に巻き込まれるし、当然、東宮も登場する。さらに高彬のポジションにあたる許婚が高階彰(たかしなあきら)と名前が似ているのよ。
 もちろん全部一緒じゃなくて、東宮の名前がタイトルにもあった薫の君(かのるのきみ)で、物語は彼との関係がメイン。対してジャパネスクは高彬が本命だったから、ここは結構大きな違いなんだな。それにしても高階彰の扱いは酷いと思う。
 でも、この作品がジャパネスクファンを狙っているのは、間違いないでしょう。私のお気に入りの、守弥(もりや)と煌姫(あきひめ)のポジションになるキャラがいないのは残念だけど、あの2人は第1部には登場していなかったしね。1冊のゲームブックにあれもこれも詰め込めないからしょうがないか!


第2位 【誘拐犯はエイリアン?】

発売元  ポプラ社文庫
執筆者  若桜木虔
過去の冒険記録日誌  2003年8月29日に感想あり

 若桜木虔さんのゲームブックといえば一部で悪名高いんだけど、この作品については小学生の女の子向けの普通のゲームブックだよ。中盤以降はクリアにつながるルートが一本しかないし、それがすぐにわからないから、結構難しいけどね。内容は、主人公が普通に学校に通っている吸血鬼の女の子が主人公で、ある日怪事件に巻き込まれてしまうって話し。
 この主人公の設定が、赤川次郎の小説「吸血鬼はお年ごろ」シリーズにそっくり。「吸血鬼はお年ごろ」の主人公の女の子、神代エリカはハーフの吸血鬼で、超人みたいな力があるけど、普通の学生をしているし、昼間や十字架も平気。でも、ニンニクに苦しんでいるシーンは読んだ気がするな。そしてよく怪事件に巻き込まれる。お父さんは純血種の吸血鬼で、この父娘のコンビが作品の特徴なのよ。
 そして「誘拐犯はエイリアン?」の主人公、神宮寺千秋も、超夜型だから学校ではいつも寝ぼけているけど、一応昼間も平気だし、正体を隠しているだけで本当はすごい力を持っているのね。当然、お父さんも吸血鬼で、主人公とコンビでこっちは探偵業をしているの。
 ただ、吸血鬼の女の子が普通の生活をしているのは、この手の創作物ならそんなに特殊な設定でもないし、千秋はエリカより俗っぽいというか、いつも身も蓋もないこと考えているから、性格は全然違う。だから設定は同じだけど、中身は別物とは言えるのかなぁ。「誘拐犯はエイリアン?」のお父さんは後半は全然出番がなかったのに、わざわざ父娘のコンビ設定だけあるあたり、「吸血鬼はお年ごろ」の影響と疑ってしまうんだよ。


第1位 【熱核姉妹ツインノヴァ 惑星ディクターの陰謀】

発売元  バンダイ文庫
執筆者  草野直樹
過去の冒険記録日誌  2004年06月18日に感想あり

 これは言い逃れできない!どうみても高千穂遙の小説「ダーティペア」だから!主人公の名前を変えただけで、設定からノリからお約束の展開まで全てまったく同じだし。
 もともとバンダイ文庫の近刊予告では「ダーティペア」って書いてあったから、こうなったのは大人の事情ってやつだ。私は「ダーティペア」のファンじゃないけど、3冊くらいは読んでいて、ゲームブックの方も結構再現できているとは思っている。そんなわけで素直にダーティペアのファンが楽しむ作品と考えた方がいいかもね。イラストはゲームブック版の方が好きかな。
 

ともみ「こんな感じの紹介になったけど、どうだった?」
たけたろう「3位から1位になるにしたがって、コメントの長さが減っているような。」
ともみ「その辺は、元ネタへの愛情の重さが影響しているのさ!」
たけたろう「でも、私以上にたまにしか出番がないから、随分はりきってましたね。」

ともみ(光彩の消えた瞳でのぞき込む)「兄貴、今何か言った?」
たけたろう「……いえ、何でもありません。」


2022年06月09日(木) クソゲー・オブ・ザ・オレ 第7位

たけたろう「クソゲー紹介7位です。だんだんクソゲー度が増してくるのでしょうか?」
山口プリン「7位という事で、これからはクソゲー度に気合が入った作品を紹介していくぜ!」


クソゲー第7位 【ルパン三世 暗黒のピラミッド】

ジャンル  国民的アニメ「ルパン三世」を原作としたゲームブックシリーズの1作
発売元  双葉文庫
執筆者  塩田信之
発売日  1986年9月8日
パラグラフ数  400
ゲームの構造  単純な分岐小説タイプ。1方向システムのストーリーパートと、双方向システムのダンジョンパートが交互に進行する。
過去の冒険記録日誌  2004年7月15日に感想あり

ポイント
 恐怖の失神ダンションをおたのしみ下さい。

物語の概要
 僕はジェイク。尊敬する教授が「混沌の祭祀書」という謎を追って、パキスタンに旅立ったまま行方不明になった。心配している僕に、謎の男達が僕をパキスタンへと誘ってきたのだ。

作者コメント(隠しパラグラフ150番より)
 今回のこのゲームブックには、この項目のように、ゲーム上、来る項目のない項目が幾つかあって、それがあたかもファミコンやビデオゲームのように隠しコマンド(情報)となっています。恐怖の失神ダンションと共におたのしみ下さい。

主な登場人物
 ジェイク:本作の主人公。コンピューターを自在に操る16才の天才少年。
 フィリス:行方不明になった教授の姪だが、さほどストーリー的に重要ではない。ヒロイン役のためのヒロイン。イラストは可愛い。
 スコット:主人公を今回の冒険に誘った謎の男。大男のロブと、やせ型な体のリドリーという2人の部下を従えている。
 ルパン:お馴染みルパン三世。今回も、次元、五右衛門と一緒に組んで古代の宝「混沌の祭祀書」を狙っているようだ。ルパンは大泥棒というより、トレジャーハンターだろ、と感じる作品はアニメを初めとして多いが、本作もその一つである。
 
クソ要素
 本作の大半は、ダンジョン探索で占められている。このダンジョンというのが、ただ出口を求めるだけの単調な迷路である。謎解き要素もなく、イベントといえば、まれに設置された罠と、どこかで鍵を取って扉を開けるくらいのギミックしかない。さらに、この迷路が広大きわまりなく、道の方角が東西南北だけでなく、南東、北東、南西、北西にも伸びるので、やたら複雑。脱出にはマッピングが不可欠だが、そのマッピングが面倒くさい。
 主人公のジェイクは天才少年という設定で、コンピューターを使って、どういうプログラムかわからないが、何でも精密な予測をすることができるという、ふた昔前の漫画やアニメに多かったタイプのキャラ。なのに迷路となると山勘で右往左往しているだけになる。中盤からはルパン一味が主人公に同行するが、彼らもただついてくるだけ。五右衛門が迷路の壁を斬って道をショートカットするとか、ルパンが罠の解除をするとかあっても良かったのではないだろうか。
 このように探索中は、主人公や仲間が「疲れたな」とか言うくらいで、たいした描写もないという事で、当然プレイヤーは飽きてしまい、マッピング作業は苦行の域に達する。このような精神状態で、「点数はないしサイコロもいらないし……電車に乗ってでも出来る本格ゲームブック!」と無邪気に自画自賛する作者あとがきを読むと、もはや読者を煽っているとしか思えなくなるのである。

総評
 神出鬼没で、どんなピンチも奇想天外な手段で切り抜けるルパン三世は、実はゲームブックの主人公に向いていない。普通のゲームブックの主人公のように扱うと、(シリーズ他作品であったように)ビルの監視装置に一度引っ掛かっただけでゲームオーバーとか、およそルパンらしからぬ情けない泥棒になる。その点、第三者であるジェイクという少年を主人公に据えたのは、一つの正解だと思う。ジェイクの視点から見たルパンは、評判通りの世界一の大泥棒なのである。
 ただ、ストーリー中盤で商店の親父に対して、ルパンが偽のトラベラーズチェックに「ルパン三世」とサインをしただけで、あっさり詐欺が成功するシーンはどうかと思った。トラベラーズチェックで、ルパン三世という名前が有効と信じる人間がいるのもおかしいし、そもそも天下の大泥棒がそんなせこい犯罪をするとは情けない。とはいえ、ストーリーパート云々は大きな話しではない。前述したゲームの大半を占めるダンジョンパートの凶悪さがこの作品の全てである。


ちょっとリプレイ(ネタバレ注意)
たけたろう「序盤はまずまず面白いですね。主人公は、同行しているスコット達が信用できない一方、まだ少年だけに、彼らの力なしで冒険が出来ない部分もあって、その葛藤の中で選択肢を選ぶのはいい感じです。」
山口プリン「そうだね。ストーリーパートはそんなに悪くないと思うよ。」
たけたろう「問題のダンジョンに入りました。確かに、ジェイク達がただ歩き回っているだけですね。山口プリンさんが、2004年の日記で感想を書いたときは、マッピングなしでクリアしたんでしたっけ。よく脱出できましたね。」
山口プリン「適当に迷宮の端にそって歩き続ける事で脱出できた気もするが、鍵とかは中央とかの部屋に配置されていたりするからな。当時の自分を褒めてやりたい。」
たけたろう「単にマッピングが面倒くさかったのでしょ?まあ、なんとか脱出しました。そして、ストーリーパートを挟んで、また次の迷路……これ広くないですか?たまにワープポイントが登場するし、8方向にも通路が分かれている部屋があるしで、マッピングが地獄なんですが。」
山口プリン「ああ、とくに意味のない区画や行き止まりなんかもあったりもするし、完全にプレイヤーの気持ちをへし折りに来ているよな。」
たけたろう「どこまで地図が広がるんだろう。ノートを見開きで使っても書ききれなくなって、次のページまで行ってしまいました。」
山口プリン「おっ、脱出できたじゃないか。マッピングなしでクリアした時は、迷路全体の大きさがわからなかったけど、マッピングすると何マスくらいだった?」
たけたろう「正方形や長方形みたいなキレイな形ではないから、ちょっとわかりにくいですが、一部屋が1マスとして、大雑把な広さは12×15マスってところかな?もうぐったりですよ。」
山口プリン「最後は“混沌の祭祀書”を前にあれやこれやの展開があって、ジェイクが意識を取り戻すと、そこはアフガニスタンのバーミヤンにある巨大大仏像の前だった、というところでエンディングだ。あれが破壊されるなんて、発売当時は予想できなかったろうなぁ。」
たけたろう「そんな感慨とか今は関係ないですから。クリアの達成感よりやっとこの冒険と縁が切れるという気持ちしか湧きませんでした。もうやりたくないです。」
山口プリン「まあ、そう言うな。迷路に出口が必ずあるのは本作の長所だよ。」
たけたろう「そんなの当たり前じゃないですか!って、何ニヤニヤ笑っているんですか?この先、出口のない迷路なんてクソゲーが登場するんですか?そんなまさかねぇ。ねぇってば、返事してくださいよ!」


2022年06月08日(水) バカゲー・オブ・ザ・オレ 第7位

たけたろう「バカゲー7位は、西東社のシュミレーション・ブックスシリーズ第4作目です。」
山口プリン「黒表紙の本だね。あのシリーズは、雑誌ウォーロックでも一度は紹介されたこともあるし、8〜10位のバカゲーに比べれば、そこまでマイナーじゃないかな。」
たけたろう「そうですか?あまり聞かないですけど。」
山口プリン「ファンタジー作品とかほとんどなかったし、高めの年齢向けの装丁だったから、創元・社会思想社・双葉あたりの読者層と違っていたのだろうな。そう感じるのは無理ないかもしれないね。」


バカゲー第8位 【完全犯罪ゲーム】

ジャンル  犯人視点のサスペンスドラマ
発売元   西東社
執筆者   桜井一(作画は桑田次郎で、全パラグラフがイラスト付き)
発売日  1985年12月25日
パラグラフ数  146ページ
ゲームの構造  1方向システム。単純な分岐小説タイプだが、簡単な迷路を使った成否判定あり。
過去の冒険記録日誌  2013年9月23・24日に感想あり。

ポイント
 杜撰な犯人

物語の概要
 君は殺人を犯した!トリックを駆使して、警察や名探偵の目から逃れ、完全犯罪を達成するのだ!

完全犯罪成立時のナレーション集
 グッドエンディング1:これからのキミは、犯した罪におびえ、毎夜眠れぬ日々が続き、悪夢に悩まされるのだ。それも、よかったといっておこう。
 グッドエンディング2:キミは自分の犯した殺人という罪に、日夜おびえ続けることだろう。とどのつまりは、みじめな一生をおくるにちがいないことは保証しておこう。いやあ、オメデトウ、キミ!
 グッドエンディング3:これからは、犯した罪にみずからさいなまれ、眠れない日々が続くことだろう、たぶん一生。君の暗い、心安まらぬ一生にカンパイ!
 グッドエンディング4:そしてこれから、たぶん一生、犯した罪にみずからさいなまれ、眠れない日々が続くことだろう。キミの、悪夢にうなされて眠れぬ長い夜のためにカンパイ!

主な登場人物
 風間吾郎:主人公。遊び惚けて親の遺産を使い果たしたうえ、借金の返済を迫られ、貸主の金田を殺そうと考える。ゲームブックの主人公としてはNo1のクズ人間。
 金田金太:暴力団による取り立ても行う、強欲な金貸し。彼を絞殺したところから、ゲームが始まる。
 陳田一珍助:主人公の友人で、見かけは冴えないが名探偵。どうでもいいが、ひどい名前である。
 
バカ要素
 本作をバカゲーとする最大の原因は、主人公の企てたアリバイ作りのトリックである。トリックの内容は過去の冒険記録日誌にすでに書いているので説明は省くが、要するにこのトリックが穴だらけで、名探偵や警察はおろか普通の人でも、「お前が犯人じゃね?」と思われそうな内容なのである。
 このトリック自体はプロローグ時点で説明され、プレイヤーにはどうしようもない部分なので、この杜撰な計画がばれないようにヒヤヒヤするのがゲームの内容になってしまっている。
 ゲーム中にもおかしな箇所がいくつかあり、例えば、警察の現場検証中なのに、庭に出て「竹ボウキで証拠になりそうな足跡を消す」という常識ならありえない選択肢が出てくるし、死体がまだ暖かいのを気づかれては厄介という事で警察が死体の体温を測らないかの運試しもある。警察を舐めすぎである。
 この完璧な犯罪は警察以外にも挑戦させたい、とわざわざ名探偵を自ら呼び寄せる展開まであり、その自信はどこからくるのか、と苦笑いしか出ない。

総評
 犯人視点のサスペンスというアイデアは、他のゲームブックでは見られないものであり、新鮮な感覚で遊ぶことができる。手軽にプレイでき、江戸川乱歩の小説みたいな雰囲気もあるので、バカゲーとしてでなくても、トリックの杜撰さに目をつぶれるのなら、一度プレイしてみるのも悪くない作品である。
 ただ、そうは言っても、主人公の浅知恵はどうしようもなく目につく。主人公は事件のほとぼりが醒めたら金田の死体から奪った小切手を換金しようと計画しているが、犯罪がバレなくても、結局それで警察に疑われるのではないだろうか、と思っていると実際にそれがキッカケで捕まるバッドエンドが存在した。アホな主人公にカンパイ!である。
 作者も自覚はあったようで、ルール説明の最後に「これはあくまでもフィクションであるから、なかには机上の空論や実際にはありえない記述もあるが、それは勘弁してほしい。」との記述があり、予防線を張っているのが微笑ましい。でも勘弁してあげない。


ちょっとリプレイ(ネタバレ注意)
たけたろう「金田を自分の家で殺して、死体は金田の自宅に運びこみます。ここで、自分が金田宅を訪ねたら金田が死んでいたと、警察に連絡する手はずですが、県警に電話するか、近くの派出所に電話するかの2択ですね。ふむふむ、派出所なら早く警官が来て時間稼ぎができない、県警なら詳しく現場検証されるかもしれない、と。今回は県警に電話してみるか。」
山口プリン「110番以外の電話番号にかけるなんて冷静な事をしていたら、逆に疑われそうな気もするけどなぁ。」
たけたろう「警察がきました。ここで簡単な迷路ゲームによって、ランダムに結果が変わります。えっと、トリックの肝である庭の主人公の足跡を、警察官がズカズカと踏みしめながら、現場に到着した。これで君の計画は無茶苦茶に壊された。で逮捕されて、バッドエンド。なんてもろいトリックなんだ。」
山口プリン「結局、アリバイの証拠には気づいて欲しい、トリックがバレそうな箇所は見落として欲しい、と都合の良い事を願うばかりで相手まかせな計画なんだよな。これで完全犯罪を名乗る主人公のメンタルには感心するよ。」
たけたろう「2回目は派出所に電話したけど、同じく警官に足跡を壊されてバッドエンド。3回目は自分から、足跡に気をつけて、とさりげなく警察に忠告してやっと危機を乗り越えました。後で、お前が犯人だと知っているぞと脅迫して金を要求する奴が登場しましたが、ハッタリと判断して逆にそいつを警察に通報して切り抜けます。これでグッドエンドになったのにナレーションが酷い。」
山口プリン「おめでとう。でも短いから、もう一回別のグッドエンドを目指して欲しいな。」
たけたろう「4回目は、主人公を作った足跡のトリックを警官が見破ってバッドエンド。まあ、現実にこの計画でやったら、こんな風にあっさり逮捕でしょうねぇ。5回目は、警察の連れてきた参考人に“お前の家の窓越しに死体を見たぞ”と言われて、カッとなって“死体は毛布で隠したからそんなはずはない”と反論して、バッドエンド。」
山口プリン「間抜けすぎるな。今まで主人公の人生がうまく行かなかったのも無理はない。」
たけたろう「6回目は警察の目をごまかせた主人公が、友人の名探偵である陳田一を自ら呼び出します。バレない程度に調査に協力するフリをしていましたが、トリックを見破られてしまいました!“この事件は密室殺人のように見えるが、遺体は運ばれてきたと考えると、君の犯行が可能なのだよ。僕はこの事を警察には話さなかった。どうしてかは自分でもわからない。一つ言えることは、君との友情は終わりだね。“と言い残し、陳田一さんは立ち去って終わりました。」
山口プリン「ビター気味のグッドエンドだね。まあ、陳田一は、普通に誰でも気づく事しか言っていない気もするけどなぁ。」


2022年06月07日(火) クソゲー・オブ・ザ・オレ 第8位

たけたろう「クソゲー8位は、なんとファイティングファンタジーシリーズからの登場ですよ。あのシリーズにクソゲーがあるのですか?」
山口プリン「そこは読み手がどう考えるかだと思うよ。親切設計のゲームに馴れた、現在の感覚からすると、シリーズの大半の作品が理不尽な死にゲーだしな。まあ、今回紹介するのは違う理由からなのだけど。」
たけたろう「ほうほう。今回は、どんな問題があるのでしょう。」


クソゲー第8位 【さまよえる宇宙船】

ジャンル  スタートレック的な世界観のSF
発売元  社会思想社
執筆者  S.ジャクソン
発売日  1985年9月20日
パラグラフ数  343(341〜343は戦闘ルールの説明なので、実質340)
ゲームの構造  1方向システム。ファイティングファンタジーシリーズではあるが、7人分もの技術点と体力点を管理する必要がある。
過去の冒険記録日誌  2002年4月14日に感想、2005年5月12・13日にリプレイあり

ポイント
 働いたら負けかな。

物語の概要
 宇宙船トラベラー号はブラックホールをつきぬけて未知の宇宙に飛び込んでしまった。帰り道の情報を求めて各地の惑星を探索し、何としても地球へ帰還するのだ。

定番の結末(パラグラフ339番より)
 これが正しいブラックホールだったのかどうか知る日は永久に来ない。入射角か、速度か、手に入れた情報か、なにがまちがっていたにせよ、トラベラー号は空間から二度と姿を見せない。君の冒険は失敗に終わったのだ。

主な登場人物
 主人公:宇宙船トラベラー号の船長

〔主人公の部下達。トラベラー号には、他にも航宙士等、モブとして多くのクルーがいる。〕
 科学官:惑星で起こった事の分析やら機械の修理やらに幅広く対処してくれる。
 医務官:未知の病原菌等に対処する他、各惑星を離れる時に皆の体力を回復してくれる。
 技官:科学官といまいち違いがわからないが、こっちは活躍する機会が少ない。
 保安官:戦闘のプロ。船の秩序を守るイメージがあるが、そんな立場での出番はない。
 警備員1・2:戦闘以外には役に立たない。まあ、保安官も同じなのだけど。
 
クソ要素
 本作最大の特徴である6人もの部下の存在だが、固有能力を生かして活躍してくれるキャラクターは科学官と医務官くらいで、ルールの煩雑さの割にそのシステムが生かしきれていない。保安官と警備員は戦闘で活躍できることが固有能力といえるが、それだけに技術点が低いと存在意義が無くなってしまう。科学官、医務官、技官は、戦闘時は技術点がー3になるペナルティがあるが、実際にプレイしてみた時は、技術点12の医務官(戦闘では技術点9)の方が、保安官より強いという残念な状態になってしまった。
 攻略については、地球に帰る為の情報を収集することがクリアに必要ではあるが、各惑星で得られる情報には偽物がまざっており、その真偽が判別不可能である。死んで覚えて行くしかないのは、ファイティングファンタジーシリーズの定番ではあるが、ラストまで引っ張った挙句のゲームオーバーになるのでダメージが大きい。
 そして、本作品の真のクソポイントは他にある。重大なネタバレにつながるので、リプレイの方で説明。今後プレイする可能性がある方は読まないようにしてください。

総評
 スタートレックを意識したような世界観ではあるが、いまいち冒険に華を感じない。悪の帝王みたいな存在がいないせいなのか、はたまた翻訳のせいなのだろうか等々、いろいろ理由を考えたが、どうも部下達が、主人公と同じく名前がない無個性な存在であることが原因ではないだろうかと思うに至った。仲間同士の会話なども発生しないので、ドラマ性を感じないのだ。一方で、各惑星はどこも政治や環境などに個性があるので、惑星の調査はなかなか楽しい。
 運任せの攻略については、ラストで失敗すれば、「運命の森」のように最初の地点に戻れるようにすると良かったのかもしれない。部下が多すぎるので、警備員はカットしても良かったのではないだろうか。などと考えてしまった。作り方次第では、シリーズの中でも良作として評価されていたかもしれないと思う惜しい作品である。


ちょっとリプレイ(ネタバレ注意)
たけたろう「私は既にクリアしていますよ。詳しくは、2005年5月12・13日の冒険記録日誌を見てくださいね。」
山口プリン「そうそう、最善の選択肢、いわゆる真の道でクリアしたのだったな。全員が技術点7、体力点14でもクリアできることを見事実証できて良かったじゃないか。」
たけたろう「サイコロすら一度も振る必要がなかったですからね。鬼畜なファイティングファンタジーシリーズの作品で、低能力でもクリアできたというのは凄い事なんですけどね。そうは思うのですけどね……。」
山口プリン「何か引っかかる言い方だな。」
たけたろう「このルートだと、惑星はほとんど素通り。戦闘もなく、何の危険もなく、淡々と宇宙を進んでいくだけ。部下はみんな出番なし。これって、どうなんでしょう。」
山口プリン「まさに、働いたら負けってやつだ。」
たけたろう「本の表紙にもなっている、闘技場での殺人ロボットとの戦いとか、印象的なエピソードが全て、実は無駄足ルートだったわけですよ。虚しさすら感じてしまう。」
山口プリン「クリアできても、それは楽しいのか、という事だな。いくら真の道と言っても、スリルがまったくないのは、冒険とは言わないもんな。ストーリーを盛り上げるやり方は、いくらでもあったはずだから、やっぱり勿体ない作品だと思うよ。」


2022年06月06日(月) バカゲー・オブ・ザ・オレ 第8位

たけたろう「バカゲー8位は、バカゲーといえば、これ!エキサイティング・ゲームブックシリーズ作品からの登場です。」
山口プリン「数々の珍作を世に送り出した謎のスーパー頭脳集団アイデアファクトリーが、手掛けた恐るべきシリーズ。今から紹介する作品は、その第14作目だ!」


バカゲー第8位 【スパイ指令 陰謀団Xをつぶせ!】

ジャンル  現代を舞台にしたスパイアクションコメディ
発売元  桐原書店
執筆者  スーパー頭脳集団アイデアファクトリー
発売日  1985年12月25日
パラグラフ数  210
ゲームの構造  1方向システム、ファイティングファンタジーシリーズタイプのルール
過去の冒険記録日誌  2015年3月25日に感想あり

ポイント
 リオのカーニバルに飛び入り参加だ!ヒャッホーッ!

物語の概要
 世界連合秘密情報局員のエージェントとなり、ネオ・ナチス組織による各国首脳の暗殺計画をぶっ潰せ。

名シーン(パラグラフ2番より抜粋)
 サンバの強烈なビートに乗って、リオ・ブランコ大通り全体がうねっているようだ。ちっっちゃな布切れをまとっただけのカリオカ(リオっ子)が激しく腰を振る、胸を揺らす。小麦色の肌にはじける汗、汗、汗。子どもが躍る、おばあちゃんも踊る、オッサンだって負けてない。君も、いつの間にか全身でリズムを取っているのに気がつく。

主な登場人物
 主人公:過去の実績では、ロクな成果を上げていない、世界連合秘密情報局員のエージェント。軽い性格で、何かというと下痢を起こす体質らしい。
 ハンス・コルベンハイアー:元ナチス親衛隊メンバー。ネオ・ナチス組織の首謀。
 
バカ要素
 主人公は、ゲームの主人公なのに、お気楽な性格付けがされている。これまでの汚名返上のため、今回の任務に燃えていると言いながらも、「ネオ・ナチスの情報がガゼネタなら、経費で海外旅行を楽しむぞっ」ともいい出す始末である。ハードボイルドな展開はそれなりに多いのだが、この性格ゆえか、いまいち緊張感が出ないまま話しが進んでいく。
 敵組織も何故かこんなヘッポコな主人公に執着していて、ちょくちょく襲撃を仕掛けてくる。おかげで、主人公も手がかりを得られ、捜査に行き詰まることなく話しが進むという、どっちもどっちレベルの熾烈な戦いを味わう事になる。
 そして本作のハイライトは、何と言ってもリオデジャネイロでカーニバルに飛び入り参加するシーンである。ストーリー的には、単に祭りの雰囲気に高揚した主人公がとった無意味な行動であるが、読み終わった後に本作品で思い出すのは、カーニバルばかりで本編が霞んでしまう程である。本書の装丁も、サンバを踊る踊り子の女の子達に混ざって、スーツ姿で踊る主人公というシュールな表紙絵になっている。

総評
 エキサイティング・ゲームブックシリーズ作品といえば、トンデモ設定とトンデモ展開の珍妙なものが多いのが特徴だが、その中で本作品は、比較的ゲームバランスも良く、ストーリーもまともな方である。全体的につっこみどころが多いのは確かだが、今のライトノベル的なものだと思えば、ユーモアがあって楽しめる作品と言えるかもしれない。


ちょっとリプレイ(ネタバレ注意)
たけたろう「捜査と言っても何から手をつけてよいのやらと、ゲーム開始早々に主人公が悩んでいると、ハンス・コルベンハイアーから招待状が届きましたよ。」
山口プリン「これね。プロローグで窓際族目前という事になっている主人公に、そんな招待状が届く理由がわからないんだよな。」
たけたろう「窓際族って言葉に時代を感じます。仕事しなくても給料をくれるなんて、この頃は会社もバブリーだったようで羨ましい。今のところゲームの方は順調に進めています。今回は主人公の能力値が低かったので、無理かと思っていたのですが。」
山口プリン「ファイティングファンタジーシリーズの戦闘システムを使うとはいえ、戦闘シーンは少なめなので、選択肢次第では1・2戦程度でクリアできるんだよ。」
たけたろう「主人公はなんだかんだ面白い性格なんですが、それ以外は印象的なキャラがいない感じがしますね。赤毛の女の子が登場するけど、単なる事件の関係者でしかないし、ついでにイラストもあんまり可愛くないし。」
山口プリン「そこは萌えとかない時代の作品だしな。むしろ、登場する女の子は、可愛いくて主人公に絡んでくるのが当たり前という感覚の方が、毒されているんじゃないか?」
たけたろう「ほっといてください。終盤になって、いよいよリオのカーニバルのシーンになりましたよ。踊っていると狙撃されてピンチになっていますが、主人公の自業自得な気がする。」
山口プリン「一見そう思うが、敵が襲ってくれたおかげで、アジトの手がかりを得られたのだ。カーニバルで踊っていたのは主人公の作戦だったかもしれない。」
たけたろう「絶対違うでしょう。ああ、最終戦で死んでしまった。敵のアジトに1人で突っ込んで制圧しようとか、脳筋主人公のハリウッド映画じゃないんだから、もっと他のやり方がなかったのかな。」
山口プリン「キャラメイキングの時にあったスパイ道具の選択次第ではここで詰むから、本作ではラストでバッドエンドというのは割と多い展開だと思うな。」
たけたろう「キャラメイキング時点で詰み確定なのに、ラストまで引っ張るとかやめてほしいです。まあ、あのファイティングファンタジーシリーズだって、技術点7は詰み確定だから似たようなものか。2回目プレイもラストで死亡。3回目でクリアしました。感想としては、210パラグラフの作品ですから、クリアが大変という程ではなかったかな。後はバカゲーとしては、エキサイティング・ゲームブックシリーズにしては大人しい感じがしましたね。」
山口プリン「あのシリーズのほとんどの作品は、バカゲーであると同時にクソゲーだから、クソゲーランキングの方の対象なんだ。いわば、本作品はシリーズの中でも小物なのよ。」
たけたろう「なんですか、その四天王の中でも最弱みたいな扱いは。クソゲーランキングの方には何が登場するのだろう……。」


2022年06月05日(日) クソゲー・オブ・ザ・オレ 第9位

たけたろう「クソゲーランキング9位。ここにきて創元推理文庫のスーパーアドベンチャーゲームから作品が登場しましたよ。」
山口プリン「本作はランキングに載せるべきか悩んだよ。作品の完成度で言えば、スーパーアドベンチャーゲームシリーズの中でも、むしろ良い方だし。」
たけたろう「おや?それなのにシリーズ代表となったのは、どんな意味があったのでしょうか。」


クソゲー第9位 【ウルフヘッドの逆襲】

ジャンル  剣と魔法の王道長編ファンタジー
発売元  創元推理文庫
執筆者  林 友彦
発売日  1989年6月5日
パラグラフ数  500(前巻からの続きという事で、パラグラフ番号は501〜1000となっている。)
ゲームの構造  双方向システム。ルールはかなり煩雑。
過去の冒険記録日誌  なし

ポイント
 俺のカタルシスはどうなるんだ!

物語の概要
 人間と狼の姿を使い分けることのできるウルフヘッドと呼ばれるあなたは、サングール王国のスミア王女と出会い、王国を滅ぼした魔王グリーディガッドを倒すため一緒に旅を始めた。冒険の途中で幾人かの仲間達も加わり、探索を続けた末、宿敵の居城たる巨大な空中要塞を発見する。しかし、スミアはガーゴイルにさらわれ、追いかけた一行は、そのまま空中要塞内に飛び込むのだった。「ウルフヘッドの誕生」の続編、シリーズ完結編。


※警告 警告 警告 警告※

 本作品のクソ要素は、物語の核心にかかわっている性質上、重大なネタバレになります。これから遊ぼう、遊ぶかもしれない、という方は、ここから先は読まない方が良いでしょう。クリア済の方、今後とも遊ぶ可能性はないと断言できる方、犯人を先に知ってからサスペンス映画を見たいタイプの方のみ続きをお楽しみください。

※ここから先、ネタバレ!注意しろ!注意しろ!※




※ネタバレノ トビラガ ヒラキマス※




名言
 ギャラハッド「きみたちの来るのが遅いから、グリーディガッドはぼく一人で片づけておいたよ。」

主な登場人物
 ウルフヘッド:人間と巨大な灰色狼の姿を使い分けることのできる主人公
グリーディガッド:サングール王国を滅ぼした魔王。強力な4体の魔獣を配下におく。
 ギャラハッド:別の目的で空中要塞に潜入したというブーカ(猫妖精)の戦士。行く先々で、主人公一行とすれ違う。「ネバーランドのリンゴ」の主人公ティルトと同じ種族である。

〔ウルフヘッドの愉快な仲間達〕
  スミア:サングール王国の王女。典型的な守られヒロイン。性格は気品も素直さもあるいい子。
タイタニア:いわゆるティンカーベルタイプの妖精。非戦闘員。「ウルフヘッドの逆襲」では、攫われたスミアの代わりに主人公へよく喋りかけてくる役。
 ジャレス:サングール王国兵士の生き残り。主人公顔負けの強さを持つ有能な仲間。偶然出会ったスミアにただ付き合って同行している主人公よりも、敵との因縁がよっぽど深い。正直なところ、彼が主人公でいいと思う。
どぶねずみのブラウ:盗賊。スミアよりマシな程度の戦闘力ゆえ、野外の冒険が主体の「ウルフヘッドの誕生」では存在感がなかったが、空中要塞が舞台の「ウルフヘッドの逆襲」では大活躍。適材適所という言葉が当てはまる。
 火竜のアクセル:戦闘の都度、酒を消費するという制約があるくせに弱い。仲間になったあとセリフがあるわけでもない。酒を持ってないといけないので、荷物要員にもならない。こんな奴が山口プリンのお気に入りである。
 ルーイー:強さは平均な青年。電撃に少し耐性がある。地味。
 ベアード:人と熊の姿を使い分けられる、主人公と同種の存在。見た感じは無愛想な山男。仲間にしたくても乱数判定で断られる可能性のある唯一のメンバー。
 ウータン:完全にモンスター。仲間の中で最も強い戦闘力を誇るが、登場するのは「ウルフヘッドの逆襲」の中盤という遅いタイミングなので、仲間になっても今更感がある。

クソ要素
 時々主人公一行を手助けしてくれていた謎の戦士ギャラハッドが、余計な親切までやらかしてくれた。
 ゲーム終盤となり、魔王最強のしもべであるアイボールを倒して、物語は一気に盛り上がったところで、玉座のある広間に駆け込む主人公一行。そこにあったのは魔王グリーディガッドの死体だった。その後に登場したギャラハッドが喋るのが、先にあげた名言である。
 この後、真の黒幕が登場するとかいう事はない。ギャラハッドが実は邪悪な存在で、魔王になり替わろうとしたわけでもない。彼は本当に他の目的で、この空中要塞に潜入しており、その邪魔になった魔王をついでに殺しただけなのである。

総評
 本作は、巨大な灰色狼への変身システムや、最大8人もの仲間を加入させることができ、その仲間の分もステータスの管理が必要な点、複雑なフラグ管理と、ゲームブック史上で最もルールが煩雑な作品の一つである。ゲームブックの歴史を語る時に、ゲームの内容がマニア向けに複雑化していったという意見があるが、そういう意味なら本作はその頂点といえるだろう。完全に初心者お断りの雰囲気である。
 一方で、そのマニアの期待には見事に答えるゲームバランスに仕上げられており、「ウルフヘッドの誕生」でフィールドを自由自在に探索し、時に巨大な灰色狼の姿で迫力の戦闘にもなる展開は魅力であった。本作の「ウルフヘッドの逆襲」の方は、敵地で屋内の冒険という事もあって、展開はある程度決まってくるが、謎解きをしながらコツコツと攻略して移動エリアを広げていく楽しさがあった。
 そうして、楽しみながらも苦労を重ねた冒険の末、これまで訳知り顔でちょくちょく登場していたわき役に、ラスボス討伐という美味しいところを取られてエンディングに突入するのである。これをドラクエ3で例えるなら、最終盤で主人公が父オルテガに再会すると、「息子よ、安心しろ。ゾーマは父さんが倒したぞ。」とほがらかに言われて、そのままエンディングになるようなもの。
 その後の選択次第では、ギャラハッドと戦うことが出来るが、勝ってもギャラハッドが戦意喪失して、「いきなり斬りかかって悪い事をした。」と普通に謝ってくるだけなので爽快感はない。むしろ、いつも通りに仲間と一緒になって戦うと、勝った後で経験値を減らされるペナルティを受ける。1人相手に大勢で戦うのは卑怯というのだろうか。
 なお、同作者の別作品である「ネバーランドのリンゴ」や「ニフルハイムのユリ」では、ゲームが進むにしたがって、主人公が過剰なくらい強化され無敵になっていき、戦闘バランスが崩壊していく。終盤は単調な迷路に苦しめられ、ラスボスはデコピン一発で倒せるような塩梅ではあるが、それでも悪を自らの手で成敗したことには変わりなく、クリア後の満足感はあった。こういった「終わり良ければ全て良し」な作品に対して、本作はゲーム的には問題がないのに、最後で盛大な肩透かしを味わう見事な逆パターンである。


ちょっとリプレイ

たけたろう「いやいやいやいや、こんな大長編は、さらっとこんなコーナーで挑戦するようなものじゃありませんよ。」
山口プリン「まあ、そうだろうな。」
たけたろう「でしょう?それに“ウルフヘッドの逆襲”から始めると、クリアできる最低限の状態からスタートだから結構厳しいです。仲間もジャレスとタイタニアしかいないし。」
山口プリン「“ウルフヘッドの誕生”で必ず仲間になるはずのルーイーまで、いなかった事にされているからな。かと言って、1からすれば、冒険記録日誌30日分のリプレイにはなるだろうなぁ。」
たけたろう「ではリプレイはまたの機会ということにしましょう。」
山口プリン「創土社版ドルアーガの塔の攻略もまだ終わっていない中、こうしてプレイ予定の作品がまた一つ増えるのであった。」


2022年06月04日(土) バカゲー・オブ・ザ・オレ 第9位

たけたろう「ランキング9位の紹介に入ります。そろそろメジャーな作品も紹介したいところですが、今回も少しマイナーかな。」
山口プリン「少しどころか、かなりのゲームブックコレクターでもないと知らないだろう。マニアックだな。」
たけたろう「冒険記録日誌自体がマニアックな存在ですからね。」


バカゲー第9位 【騎士と魔法使い君はどちらを選ぶか? サラリンダ姫を救い出せ!】

ジャンル  アーサー王物語のような王道ファンタジー
発売元  近代映画社
執筆者  メーガン・スタイン H・ウィリアム・スタイン
発売日  1985年9月15日
パラグラフ数  96ページ(呪文の解説などのルール部分は含まない。)
ゲームの構造  1方向システム。ルールはシンプルだが、武器や魔法の選択を行う他、コイントス等の判定がある。
過去の冒険記録日誌  2014年9月23日に感想あり。

ポイント
 毒を以て毒を制す。

物語の概要
 結婚式の当日、サラリンダ姫が城内から忽然と姿を消した。一刻も早く姫を見つけだし、結婚式を無事執り行うことができなければ、王国は血なまぐさい戦いに突入することになるだろう。今回は宮廷内を舞台にした冒険となる。シリーズ第3巻。

名言
 騎士「あなたは以前、この矢の毒はあらゆるものを殺す力があると言っていた。あなた自身の手で調合した毒だ。その毒があなたの病を消し去ることができれば、と思ったのだ。病いを消してあなたの良き部分には傷をつけぬことを祈ったのだ。」

主な登場人物
 騎士:王国の伝説となっている主人公※
 魔法使い:王国の伝説となっている主人公※
 ※最初に騎士か魔法使いのどちらかを主人公に選び、選ばなかった方は仲間として冒険を共にするようになっている。
 ヘンリー王:騎士と魔法使いが仕えている王様
 サラリンダ姫:ヘンリー王の愛娘

バカ要素
 ランキングに入る理由となった最大の原因が、魔法使いがネズミに足を噛まれた時の毒がまわって錯乱し、宮廷内で暴れだすシーンである。その窮地を解決すべく、騎士がとった方法が「毒矢を魔法使いの心臓に撃ち込む」という凄まじいものであり、正気に戻った魔法使いに向かって騎士がかけた言葉が、先にあげた名言であった。猛毒なら他の毒を解毒することができると言う理論や、心臓を矢で貫かれているのに平気な事について、特大のつっこみを入れずにはいられない。
 さらに言えば、足を噛まれた経緯というのも、人目をくらますためにパンに変身して皿に載っていたらネズミに齧られた、というマヌケなものである。

総評
 このシリーズは、ゲームバランスこそ悪いものの、アーサー王伝説と世界観を共有する、真面目なファンタジー小説のような作風である。基本的にバカゲーを狙っている作品ではないのだが、本作「サラリンダ姫を救い出せ!」については、つっこみどころが多く、そのギャップがバカゲー要素を際立たせている作品である。
 他にも「暗闇の部屋を開けると、中から重々しく登場した修道士」といういかめしいシーンから、「修道士が長々とボケた演説をする中を、気づかれないように退出していく騎士と魔法使い」のシーンに変わるという、このシリーズでは珍しく、作者が狙ったようなユーモアまである。そのためか、登場人物達はいたって真剣で、文章は格調高く、ストーリーがふざけているわけでもないのに、どことなくコミカルさが漂う雰囲気となっている。
 なお、シリーズ8巻「時空の支配者に挑戦!」も、本作に近いありさまである。(こちらは2004年7月7日の冒険記録日誌に感想あり。)


ちょっとリプレイ(ネタバレ注意)

たけたろう「騎士が主人公の方から先にプレイしてみます。騎士は、常に黄金の剣を携えているうえに、さらにサブ武器として8つの武器の内から3つを選ぶのは凄いですね。武蔵坊弁慶みたいな恰好で城内をかっ歩しているのかな。ただ、武器リストの中にある“明けの星”とか“両端を鋭く尖らせた棍棒”ってどんな武器なのでしょうか。」
山口プリン「“明けの星”はモーニングスターだね。棍棒の方はよくわからん。単に長い棒(棍)だと思ったが、説明では“手首の輪に吊り下げることもできる”ともあるしな。なんとなく中国武術に使いそうなイメージはあるな。」
たけたろう「“明けの星”は直訳すぎますが、まあいいや。城内の見取図を見ていますが、呪いの部屋だの暗い部屋だの狂女の部屋だの変な部屋が多くて、あまり住みたくない城だなぁ。それに、王様とお姫様の部屋の隣が埋葬室だなんて、どんなセンスですか。」
山口プリン「それでは冒険開始だな。まずはどこから調べるかな。」
たけたろう「わあ!いきなりでかい怪物に襲われたんですが、なんで城内にこんなのがいるんだ!?」
山口プリン「これは罠だとか説明があったし、敵が魔法の壷に入れて持ち込んだとか、そんなところじゃないかな。」
たけたろう「サラリンダ姫の婚約者が地下牢に、棺を持ち込んでいたのが判明しました。地下牢の看守の証言によると、“敵が城の前に殺せない大蛇を放していたので、棺に入れた”と婚約者は説明していたそうです。これ以上は無理な程、怪しい行動だ。棺を開けますね。」
山口プリン「飛び出た大蛇が、魔法使いをぱっくんちょ。慌てて騎士が大蛇を輪切りにして救出したぞ。実は婚約者は正直者だったのだ。」
たけたろう「文体が重々しいので気づかなかったのですが、冷静に振り返るとギャグですね。一気に最後までクリアしましたが、ここから先はつっこみどころはあまりなかったかな。」
山口プリン「何度も言うように、基本は真面目なシリーズだからね。次は魔法使いの方でやってみてくれ。」
たけたろう「毒矢を撃ち込まれるのは嫌なので、そのルートを回避しましょうか。魔法使いがネズミに噛まれた次は、傷の治療を優先する選択肢を選びます。水辺に苗木を結わえ付けた足を突っ込み、魔法を使うと傷が癒えました。でも今度は水中から怪物が登場して襲われます。」
山口プリン「勝敗は“君の誕生日が偶数か奇数か”で判定される。負けたら即ゲームオーバーだ。」
たけたろう「たまたま勝てましたが、負けた人は何度挑戦しても一生勝てない事になりますよ?恐ろしい敵だ。」
山口プリン「さらに、どちらのルートで進めたにせよ、終盤に、魔法使いの呪文が成功するか“この項を読んでいる今は何曜日か”で判定する箇所があるんだ。ここで失敗すると即ゲームオーバー。つまり、何曜日に遊んだら絶対にクリアできないという事があるから注意だぞ。」
たけたろう「いや、どう注意しろと言うのですか。ついでに金曜日の時の指示が書かれていないですし!」
山口プリン「この手の不条理な判定は、このシリーズ全体でよくある事でな。本書はまだマシな方だ。細かい事は気にせず、骨太シリアスな世界観を楽しむシリーズなのだよ。」
たけたろう「骨太シリアスって、一体なんなのだろう。」


2022年06月03日(金) クソゲー・オブ・ザ・オレ 第10位

たけたろう「次はクソゲーの第10位の紹介です。有象無象のゲームブックの中から選ぶだけに、10位といえども結構な内容でしょうね。」
山口プリン「いやまあ、このランキングは、クソ要素が一周して特徴になった作品を選んでいるつもりだからね。そこらの凡作よりはある意味では面白いと思うよ。」


クソゲー第10位 【超能力ウォーズ】

ジャンル  現代日本を舞台にした異能バトル
発売元  講談社
執筆者  山田正人、いけうち誠一
発売日  1986年5月1日
パラグラフ数  175ページ
ゲームの構造  1方向システム、漫画形式、使用可能な超能力を管理するくらいでルールは簡単
過去の冒険記録日誌で紹介 なし

ポイント
 運ゲーじゃない!君が超能力を使えるなら正しい選択肢がわかるはずだ!

物語の概要
 俺は高校男児。神秘教団なる怪しい超能力集団に入信してしまった友人を救出するために教団にもぐりこむぞ。なんだ、俺に宿ったこの力は。こ、これが超能力というものなのか!

トリビア
 実は本作品は電子書籍化されているので、今でも手軽に読むことが可能である。
 ただ、後述する透視能力を使って解く選択肢が、電子書籍版では通用しなくなるので、キミが本当の超能力者ならそこは注意しよう。

主な登場人物
  赤川:主人公の友人。教団の予言を真に受けて入信してしまう。
三島正夫:東都テレビのディレクター。密かに神秘教団の取材をしている。偶然知り合った主人公に、教団の情報と超能力の基礎知識を教える。

クソ要素
 本当に超能力を使わないと正解できない選択肢の数々。
 1.〇〇ページのここと同じ位置にカードの表がある。じっと透視して判断しよう。
 2.サイコロを振って、念力で君の思い通りの目が出たら〇〇へ。出なければ〇〇へ。
 3.一枚の紙を落とすと、この紙は右に落ちるか左に落ちるか。キミの予知能力を試そう!(これは実際にやったテストだ。というコメントと写真つき。過去の結果を当てることを予知と呼ぶのだろうか。)
 植物が意思をもつ(バックスター効果というらしい)説が本当だったり、クトゥルフ神話で見たような宇宙生物に襲われたり、ヨガファイヤーを出しそうなインド人に出会ったりと、無秩序でムーな、よくわからない世界観。

総評
 エスパー開発ゲームとして、クソゲー愛好家の界隈では有名なファミコンゲーム「マインドシーカー」をゲームブック版にしたような作品である。発売当時の世間は超能力ブームだった背景もあり、こういった作品が出たのだろう。
 ゲームとしては、駄ゲームブックの典型的な特徴である運任せでしかない選択肢が多い。ただ、そこに超能力が使えるから正解がわかるはず、という理屈が加わることで、バカゲー要素も感じる作品に仕上がり、胡散臭さの中に奇妙な魅力も感じられなくはない。


ちょっとリプレイ(ネタバレ注意)

たけたろう「プロローグで友達の赤川君が、最近嫌な夢を続けて見るからと、教団へ相談に行ったらそのまま入信してしまいましたよ。さらに心配してついていった私の去り際に、教団の人が、君は七日以内に死ぬよ、とか言ってきました。まったく神秘教団って何なのですか。」
山口プリン「安心したまえ、テレビディレクターの三島さんと名乗る人が、話しかけてきて喫茶店で詳しく説明してくれるから。」
たけたろう「良い人そうではあるのですが、超能力を実証する実話だとか、米ソ冷戦で次は心霊戦争(マインドウォーズ)になるとか、MMRみたいな話しを始めましたよ。教団のことで途方にくれていなければ、さっさとおいとまして、離れたいところですね。あと、ここまで話しの途中に質問が10個出てきましたけど何でしょうかね。」
山口プリン「それは超能力の才能を診断するテストで、後で結果を教えてくれるよ。さて、次は死の七日間を生き抜くことが目標になる。」
たけたろう「建築現場を通りかかったが、建築資材が落ちてくるか、地面に掘られた穴に落下するか、上と下どちらに注意すべきか?いやいや、わかるわけないでしょ。」
山口プリン「とまあ、この調子で7日間、つまり7回の選択肢が続いた後、A級からC級ランクの超能力者に振り分けられるんだ。」
たけたろう「単なる勘じゃないですか、まったくもう……ってこれ7つとも〇〇の選択肢が正解なんですが。」
山口プリン「そこに早く気付けるかどうかがポイントなんだよ。超能力とは関係ないような気もするけどな。試練の結果とさっきの質問の答えを合わせて、君はB級超能力者という結果が出たぞ。」
たけたろう「どっちでもいいですけどね……。この試練が終わったところで、神秘教団に入信するふりをして潜入するのですね。」
山口プリン「そうだよ。ここで神秘教団の講師から、イメージトレーニングの方法をレクチャーしてもらえるぞ。まず、あぐらをかく、瞑想にはいる、腕を頭上にあげ静止する、想念を払い宇宙に自己を同化させると良いそうだ。」
たけたろう「ここだけガチの超能力講座っぽいですけど、宇宙に同化ってなんでしょう?」
山口プリン「そこは私もわからないから、安心して進んだらいいぞ。この施設には、同じように入信して超能力訓練をしている人達がいるんだ。」
たけたろう「落伍者は地下洞窟に死ぬまで閉じ込められるらしいですよ。怖いですねぇ。」
山口プリン「さっきの超能力判定にしたがって、使える超能力が決まるぞ。B級超能力者は念力、予知力、透視力、テレパシーが使えるそうだ。ただし、どの超能力もこの冒険中に一度しか使えないから慎重に使うようにしないといけない。」
たけたろう「ファンタジーゲームブックの魔法にありそうなシステムですね。まともなゲームっぽいところもあって少し安心しました。」
山口プリン「リプレイが長引いてしまったから、ダーッと飛ばしてしまおう。教団は壊滅。その陰謀は三島のテレビ番組で明らかになった。キミと赤川は超能力よりもっと大切なことを知って平穏な日常を取り戻した。完」
たけたろう「せっかく苦労してクリアしたのに端折りすぎじゃないですか!怪しいけど、それなりに盛り上がるストーリーだったから面白く報告できそうだったのに!」
山口プリン「まあ、そういうな。このゲームは何度でも挑戦できるから、シミュレーションが全て終わる頃には、立派なエスパーになれるそうだ。ほら、さっき失敗した超能力が今度は成功したじゃないか。」
たけたろう「ほらっ、じゃありませんよ。さっきもプレイしたから、正解の選択肢がわかっているだけですよ!」
山口プリン「ここを読んでいる人も是非挑戦してみよう。念力をマスターすれば、サイコロを使ったゲームブックでは無敵だぞ。」
たけたろう「それ意味ないですから!」


2022年06月02日(木) バカゲー・オブ・ザ・オレ 第10位

たけたろう「まずはバカゲーから始めましょう。さあ、最初の紹介作品はなんでしょうか。(ドラムロール)ドンドコドンドコドドコドコドコ、ドン!ジャーン!」
山口プリン「その昭和バラエティー番組のノリで、紹介するのはやめてもらえないかな。」


バカゲー第10位 【ジンカ博士の異次元空間】

ジャンル  現代を舞台にしたSF(らしき何か)
発売元  講談社
執筆者  エドワード・パッカード
発売日  1986年5月10日
パラグラフ数  116
ゲームの構造  1方向システム、シンプルな分岐小説タイプ
過去の冒険記録日誌  2021年07月25日に感想あり

ポイント
 児童向けSFと見せかけて、すべてが超展開ストーリー。

物語の概要
 僕はカール・ジンカ博士の異次元に関する奇妙な実験に巻き込まれてしまう。

名言
 僕「本の登場人物になるのはあんまり楽しくありません。自分で自分の行動が決められないんだから!」
 ビバルディ博士「あなたは主人公ですもの。すくなくとも、1、2ページごとに、行動を選ぶことができるわ。」

主な登場人物
 カール・ジンカ博士:主人公の近所に引っ越してきたマッドサイエンティスト。
 ニーラ・ビバルディ博士:「天才コンピュータAI32」等シリーズ他作品でもよく登場する博士。
 エドワード・パッカード:「ジンカ博士の異次元空間」の作者

バカ要素
 大まかなストーリー分岐に、主人公がゲームブックの中の登場人物であることを知ってしまうルートがある。そこでは「これはタダの本よ、次のチャンスがあるわ。」「そうか、本を閉じればいいんだ。」「あなたは作者なんだから元の世界に戻れる方法を教えてください。」といったメタな言動が続く。他のルートでは、僕らは夢の中の登場人物という事に気づいているのでいざとなったら目を覚まして解決END、伏線もなくいきなり自分が実は惑星ゾーグの生物だった事を思い出して繭に包まれたかと思うと猫みたいな姿に変体して出てきてEND、といったパターンもある。全体的につっこみどころが無数。

総評
 手軽に遊べる短編なので作品としてはありだと思う。この手のスラップスティックコメディが好きな人なら楽しめるはず。
 普通のSF的な展開もあるにはあるが、そちらに期待しないように。


ちょっとリプレイ(ネタバレ注意)

たけたろう「えーっと、始めてみます。ジンカ博士から自分の研究内容のことを書いた本と言うのを渡されました。読んでみますね。うーん、本の中身はてっきり論文だと思っていたけど、何か小説っぽい内容ですね。宇宙船に乗っている主人公が登場して、どうするか何か選択肢が出てきましたよ。どういう事ですか。」
山口プリン「つまり、ゲームブックの中の主人公がゲームブックを読んでいるわけだ。」
たけたろう「はぁ。劇中劇とか作中作みたいなものですか。ゲームブック中ゲームブックというのは、初めて聞きましたね。ちゃんと本編とはフォントを変えて区別しています。まあ、超短編なので、すぐに終わりましたが。ゲームブックが何かの伏線につながっているのは面白いですね。」
山口プリン「ゲームブック中ゲームブックは他に皆無ではないが、極めて珍しいのは間違いないよ。ただ、実は中のゲームブックで結末がどうなろうが、後の展開にはまったく関係がないんだ。」
たけたろう「えっ?じゃあ、なんでこんな仕掛けがあるのですか。」
山口プリン「知らん。まあ、本を読むのは必須ルートではないので、無理して遊ぶ必要はないけどな。」
たけたろう「博士の所に戻って、もっと話しを聞いてみましょうか。ふむふむ、博士は超空間に行く事ができる装置を完成させたという事ですね。赤いレバーと緑のレバーがあって、博士が赤いレバーを引くと博士が消えてしまいました。赤いレバーを引くか、緑のレバーを引くが、装置に触らないでおくかの3択。緑のレバーを引くと……装置が爆発して博士が戻ってきました。もう二度とあんな体験はしたくないと博士が言ってEND。あっさり終わってしまった。」
山口プリン「これはアドベンチャーブックスシリーズによくある特徴でな。パラグラフ数が少ないのに、いろんな方向に話しが発展する事が多いから、一回毎のプレイは、割とあっさり目なことが多いんだ。」
たけたろう「2回目のプレイは、博士の家からさっさと帰ってしまいましょう。しばらくすると、博士が実験に失敗したとかで、家やら車やら全てが灰になる靄がかかって、それがドンドン広がって行ってEND。ちょっとホラーチックだ。」
山口プリン「ちなみにここで実験の失敗を主人公が防ぐことが出来ると、後で博士からお礼に超空間の入ったガラスの小瓶をもらえるぞ。開けると瓶の持ち主ごと成層圏までふっとぶ力があるが、そのまま持っておけば、さらに後で研究所から100万ドルで売ってくれ、と言われるハッピーエンドになるぞ。」
たけたろう「あの〜、超空間ってガラス瓶に入れられるものなんでしょうか。」
山口プリン「知らんが、少なくともこの世界では出来るらしいな。」
たけたろう「私、超空間の定義がわからなくなってきました。」
山口プリン「巻末に用語解説があるから読むといいぞ。星と星の間にあると考えられている仮想の隙間と書いてある。SF小説ではワープなんかに利用されるらしい。」
たけたろう「巻末には、ブラックホールとか、相対性理論とかの解説もありますね。一応、ちゃんとしたSF要素もあるんですね。」
山口プリン「その2つは作中とは関係なかったけどな。」
たけたろう「もーなんなんですかこの作品は。」
山口プリン「まあ、文句があるなら作中で作者に直接言えるから、やってみろ。」
たけたろう「作者が登場するとか……やっと登場してくれました。エドワード・パッカードさんが。ちょ、作者が地面の割れ目に落ちてしまったですけど!自分の方は何故か6次元の世界に飛ばされるらしいですよ!」
山口プリン「それは作者が6次元を表現できないとかで打ち切りENDの展開だな。作者に会ってから別の選択肢で、ちゃんと元の世界に戻れるから安心しろ。それがベストエンド(最終パラグラフ)らしいからもう少しだぞ。」
たけたろう「……。異次元なのは、この本自体じゃないでしょうか。」


2022年06月01日(水) クソゲー(バカゲー)・オブ・ザ・オレ

たけたろう「山口プリンさん、おめでとうございます!」
山口プリン「ん?なんだね、唐突に。」
たけたろう「なにがって、この冒険記録日誌ですよ。始めてから今年で20周年なんですよ。」
山口プリン「ああ……。20周年とはいっても、半分の期間は休んでいたからなぁ。」
たけたろう「いやいや、そうは言ってもネットの世界で同じものが20年も続いているというのは、凄いことですよ。冒険記録日誌が始まった2002年と言えば、ゲーム機ならワンダースワンがまだ現役の時代ですからね。」
山口プリン「マイナーすぎて伝わらんわ。PS2が発売されていた頃とかでよくないか?」
たけたろう「ゲームブックファン界隈では、新星の創土社からまさかの鈴木直人氏の新作ゲームブック“チョコレートナイト“が発売されるとかで、ざわついていた頃ですね。」
山口プリン「あの時は、ネットはまだまだ個人HPが主流の時代だったから、ゲームブック関係の掲示板が、創土社の話題で賑わっていたな。懐かしい。」
たけたろう「話しを進めますとね。今回はせっかくの20周年記念という事で、企画をやってみようかと思うんですよ。そこで、今までこの冒険記録日誌では、積極的には取り上げてこなかった、クソゲー・バカゲーを主眼において、それぞれベスト10という、ランキング形式で紹介してきたい。とまあ、こんな趣旨なんです。」
山口プリン「確かにこの冒険記録日誌では、あまり辛口な事は書かない方針だからね。批判は一概に悪いことではないと思うが、面白く書くのは難しいから避けているのだよ。好みは人それぞれだし、各自に思い入れもあるから、読んでいる方も自分が好きな作品を否定されるのは嫌だろうしな。」
たけたろう「単に嫌ごとを書くのは、ちょっと感じが悪いですものね。しかし、まあ、そこは表現の問題ですよ。ちゃんとその作品の悪い部分、良い部分と、公平な目線で説明すれば良いと思いますよ。」
山口プリン「わかったよ。じゃあ、次の問題点だが、バカゲーはまだしもクソゲーの方は、普通にランキングを決めると、作者や出版社が偏らないか?若〇〇〇とか、〇原書店とか。」
たけたろう「それはそうですよねぇ……。じゃあ、こうしましょう。」

ランキングの選定基準
・各ランキングは同じ作者から1作品のみ。
・各ランキングは同じ出版社から1作品のみ。ただし、出版数が半端なく多い双葉文庫だけは、2作品まで可とする。
・単に文章やストーリーが稚拙とか、ゲームバランスが崩壊している作品ではなく、クソバカ要素こそが個性にまでなっている作品を選ぶ。
・当然ながら山口プリンがあまりプレイしていない作品は除く。
・同人誌、電子書籍の形態の作品は含まない。
・バカゲーとクソゲー両方の要素を兼ねている作品は、クソゲーランキングの方に入れる。

山口プリン「これならバランスがとれるかもしれないね。そんな感じでいこうか。」
たけたろう「では、次回からスタートですよ。どんどんっぱふぱふーー!」
山口プリン「その表現が古いわ。」


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