冒険記録日誌
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2021年09月30日(木) 双葉ゲームブック ベスト10!

 日本で最もゲームブックを出版したレーベルは、双葉文庫のゲームブックシリーズでしょう。中心となるファミコン原作ものから、オリジナル、ルパン三世、果ては少女向けやセクシー系までと、内容も多岐にわたります。
 そして、各作品の完成度は玉石混合とされ、ゲームブックファンの評価はまちまちです。古参のゲームブックファンから低い扱いをされることもあれば、一般の方からは、海外ものよりファミコンゲームブックの方をやっていた、という声を聴いたこともあります。
 そしてこの冒険記録日誌では、そんな双葉ゲームブックの内、実に87作品を、感想なりリプレイなりの形で話題にしてまいりました。全作品の半分くらいですね。こんなにも、と思うべきか、まだ半分かぁ、と思うべきか難しいところです。
 その中で、当然山口プリン的には、お気に入りや、これは傑作という作品があります。そこで今回は、そんな双葉ゲームブックの中でも面白かった順に、ランキング形式で紹介していきたいと思います。
 なお、今回の選定には次の基準をつけました。

1.冒険記録日誌に取り上げたことのある作品から選ぶ。
 当然ながら、やりこみの足りない作品を、安易に紹介するのはどうかと思います。書いてないだけで、私がやりこんでいたという作品もあまりなかったはず。もっとも、未プレイの作品に、私がまだ知らない名作がないとも限りません。あくまでも私的ランキングと思ってください。

2.2度以上クリアしている。
 面白い作品は、クリアしても再挑戦して何回かクリアするのが、私のパターンなのです。まあ、推理モノや謎解き系作品、例えば「マルサの女 国税局査察部珍道中」とかは、繰り返しプレイには不向きなので不公平かもしれませんが、そこは許してください。

3.思い入れや曰くだけで高順位はつけない。
 一応、客観的に、他の皆さんでも楽しめるという作品を選んだつもりです。
 私の思い入れだけなら「謎の村雨城 不思議時代の旅」は上位作品ですし、物珍しさなら所ジョージ自身の執筆した「所さんのまもるもせめるも アクアク大冒険」もありなんですけどね。

 では、早速紹介いたします。


ランキング10!
「スーパーマリオブラザーズ3 マリオ軍団出撃」(池田美佐著)

 マリオ3といっても、原作とは無関係でマリオゲームブック第3弾という意味です。マリオ、ルイージ、ピーチ姫の3人がパーティを組んで冒険する(一方向システムの)RPGとなっています。世界観はなんだか変(でも第2弾に比べたら普通)ですが、ゲームバランスは良い作品です。回復役だけでなく銭形平次のようにコインを投げて攻撃するピーチ姫が格好良かった。

 余談ですが、池田美佐作品といえば、「ポートピア連続殺人事件 密室殺人の謎」とか「ファミコン探偵クラブPART うしろに立つ少女」のような推理ゲームブックも何作か書かれています。
 もともと推理モノはゲームブックと相性が良いものですが、オリジナルな登場人物や細かな設定で、原作を補完するような形で書かれていて良い味を出していますので、オススメです。中には結末が一部違うものもありますが、それも楽しみのうちということで。


ランキング9!
「桃太郎電鉄 めざせ!大社長」(大出光貴・橋爪啓著)

 原作はあの有名な桃太郎電鉄(ただし初代)で、確かに最初は、普通に物件を購入していっています。しかし、そのうちご当地名物に扮した敵キャラをライダーキックよろしく倒し始め、謎の美少女との出会いとか、火星人の襲来とか、巨大ロボット同士の戦いなど、しっちゃかめっちゃかな展開になっていきます。しかし、そのギャグが面白いので許される!たぶん、普通に原作を忠実にゲームブック化しても、ルールや処理が重い作品になったでしょうから、原作のゲームブック化としては、一つの成功例といえます。


ランキング8!
「トラブルくらぶ事件ファイル オリーブたちのアブない放課後」(沙藤いつき著)

 少女向けペパーミントゲームブックレーベルの1作。学園少女漫画っぽい設定や、ベタだけど個性のある登場人物が織りなす、サスペンスドタバタ劇を、ゲームブックで楽しめるのが面白い。まるで普通の小説を読んでいるようにスルスルと読めてしまう作品です。続編も良作ですよ。


ランキング7!
「魔界横断ドラゴンラリー 栄光への戦い」(高野富士雄著)

 オリジナル作品で、一発死が多くてゲーム性はイマイチ。だけど、疾走するバギーを運転する主人公と、助手席でバズーカを撃ちまくるヒロインの構図が良く、遊んでいて爽快なラリーゲームブック。
 続編の2は、失走迷走ぶりが際立つ作品ですので、なかったことにしましょう。


ランキング6! 
「ドラゴンクエスト 蘇る英雄伝説」(樋口明雄著)

 双方向システムで、徐々に探索範囲を広げ、新しい街で武具を良いものに変えていき、各地に散らばるアイテムを集め、と、原作の再現性が高かったゲームブック。ファミコンソフトを買ってもらえず、その代用品として遊んだ方も多かったのではないでしょうか。ルールが甘い部分もあるので、慣れたら自分でルールをいじってもいいかも。気に入ったら、「ドラクエ2」や「ウルティマ」も同系統のゲームブックなのでそちらもどうぞ。


ランキング5! 
「少年魔術師インディ マジカルインフェルノ」(井上尚美著)

 オリジナル作品で、独特のシステムによる面白さがあります。主人公が少年だから微笑ましいだけの作品と思っていると、使い魔の猫が死んで骨になるとか暗いシーンに驚きます。
 逆にファミコンゲーム化するという話しは、時代が合わず、幻となりましたが、それだけ人気があったのも確かな作品でした。
 3作目で続編を匂わせたまま終わったのが残念。


ランキング4! 
「ミシシッピー殺人事件 リバーボートの冒険」(樋口明雄著)

 推理重視の前半とアクション重視の後半で、主人公が交代する少年コンビ(+女の子)の推理アドベンチャー。原作はクソゲーとして有名ですが、原作の人物はわき役として登場するだけで、ほぼオリジナル作品です。ミステリーというよりは、まるで「トムソーヤーの冒険」のような世界観で、そういった物語が好きな方にオススメできます。


ランキング3! 
「ルパン三世19 戒厳令のトルネイド」(富沢義彦著)

 ルパンゲームブックシリーズ最終作にて、最高作品。多少フラグを覚えるくらいのシンプルな分岐小説タイプですが、内容は濃いです。
 次元が主人公のハードボイルドタッチの物語で、テレビスペシャルみたいな感じ。次元ファンは必見です。


ランキング2!
「終末の惑星 遥かなる西の帝国」(塩田信之著)

 オリジナル作品。ゲームバランスは悪いが、双葉ゲームブックの双方向システム作品では最高です。3日間で荒廃した世界を走り回って、故郷を救え!ロボットやらモヒカンやら恐竜やら何でもありな世界観が魅力。


ランキング1!
「未来神話ジャーヴァス 救世主の章−新世紀を救え!」(成田崇幸・栗山元宏著)

 原作は、これまたクソゲーとして有名なRPGですが、ゲームブック版は原作からさらに未来を舞台にしています。原作のエッセンスだけを生かした、ほぼオリジナル作品で、原作買うくらいならこっちを買っておけ、な出来栄え。
 ゲームブランスと遊ぶテンポが良く、途中で出会う火竜のフロギスターの名脇役ぶりも注目な作品です。


 他にも「グラディウス」は?「メトロイド」のゲームブックがないじゃないか、なんて方もいらっしゃいましょうが、そういった熱い意見がある方は是非お知らせください。
 実はこれを書きながら脳内では、双葉クソゲーランキングなるものも、同時に出来上がっていましたが、まあお蔵入りにしておきます。(笑)
 山口プリンも、全作品とはいいませんが、双葉ゲームブック100冊プレーまで頑張ります!


2021年09月29日(水) 山のサバイバル(エドワードパッカード/講談社)

 今回も海外の低年齢層向けの単純な分岐小説タイプのゲームブックシリーズから紹介します。
 このシリーズは後半になるほど、内容が奇抜になって面白くなるというのは、前に何度も書いた事ですが、この山のサバイバルはシリーズ第1作目です。(原書でのシリーズ第1作目というわけではない)
 プロローグは飛行機事故で雪の降るカナディアン・ロッキーに不時着して遭難した2人。無線機は壊れ、経験豊かな相棒は足を怪我して動けない。こうなっては仕方ありません。2人が助かる道は、まだ少年の自分1人で近くの無線機のある避難所まで向かい、救助を求めるしかないのです。
 こんな状況で始まる冒険ですが、さすがにシリーズ最初だけあって、この巻はクセのないというか、良くも悪くも変な特徴はない、普通の児童向けゲームブックといえます。
 ゲームを始めてみると、山のサバイバルというだけはあり、「沢を登らなければ行けない。真ん中を登るべきか、淵を登るべきか」「熊がいるぞ。どうしよう」みたいなサバイバル知識を問うような選択肢がそこそこあります。もちろん間違った選択肢を選んで主人公が死んでしまった、自分は助かったが仲間の救助は間に合わなかった、というバッドエンドもありますが、二人とも助かる展開のバリエーションが多く、シリーズ全体でも難易度は低い方でした。
 それにしても、こんな極限状態なせいか、山小屋で温めた缶入りスープを飲み、カビくさいビスケットに蜂蜜を塗って食べて人心地つくシーンとか、他にもチョコレートだの干し葡萄入りのパンだの、たいした描写があるわけでもないのに、登場する食べ物が実にうまそうに思えます。
 展開によっては、ある避難所で主人公と同じ年くらいの子どもをつれた誘拐犯が立てこもっているのに遭遇するという、全然別のサバイバルな事態に出くわすこともありますが、このシリーズに多い他のトンデモ展開に比べれば、本書はまだ大人しい方でしょう。

 このように普通に遊ぶゲームブックとしては悪くないのですが、欠点をあげるとすれば、ゲームブック発売当時では、390円とはいえ一冊のゲームブックとしては、いささかボリューム不足(パラグラフ数115)は否めません。今なら気にならないですけどね。パラグラフ数400とか500のゲームブックが周囲にあるうえ、乏しいお小遣いでとか考え始めると、子どもが購入するには躊躇したことだろうと思います。
 しかも、装丁の表紙が、カナディアン・ロッキーの美しい写真という、まるで子ども向けとか、ゲームブックとかを連想しないデザインでして、ゲームブックブームの発売当時に自分が本屋で見かけたとしても、きっと気にもしなかったでしょう。まあ、ボリュームとか装丁とかの問題は、このシリーズ全体がそうなのですが。現在ではゲームブック収集家の間では高値で取引され、私がゲームブックの収集を始めた頃、古本屋でこのシリーズの本を見かけたのに、無視したことは今では後悔しています。(笑)
 話しを戻して発売当時の需要があるとすれば、一見教育的な内容に思えるし、親が安心して子どもに買い与えるには良い本という感じでしょうか。
 面白いことは面白いので、私もみーちゃんに読ませてみようかな。


2021年09月28日(火) 失物之城 ピレネーの魔城・異聞(フーゴ・ハル/アトリエサード)

 グレイルクエスト(ドラゴンファンタジー)シリーズの挿絵画家であり、別名義でいくつかのゲームブックを(現在でも)執筆されているフーゴハル氏の最新作です。もっともこれは小説で、ゲームブックではありません。
 ナイトランド・クォータリーという幻想ホラー小説を扱った雑誌というか、ムック本に掲載されている短編でして、さらに訳者は、はみだしゲームなど数々のゲームブックを執筆されていた奥谷道草氏となっていました。豪華な組み合わせですな。はっはっはっ。

 この「失物之城 ピレネーの魔城・異聞」は、「アーレア」と呼ばれる謎の空中に浮かぶ都市を舞台にした、ある男の手記による不思議な体験談です。
 最初は、アーレアは何かという解説から始まります。ベースとなっているのは、画家マグリットの代表作の一つである、ピレネーの城(どんな絵かわからない人は検索してみよう)ですが、この作品の中では、「マグリットの絵によって誤解が広がったが、実際は四角い形状をした空中城塞」と説明されています。
 きわめてゆっくりと移動する秘密に包まれた都市には人間が住んでおり、地上の人間は高い塔に引っかき棒を備え、この空中都市が接近するときを見計らって交易をするのだとか。おなじくフーゴハル氏の執筆した、膨大なイラスト付きの3D迷路というゲームブックの奇書「魔城の迷宮」(二見書房)に登場した、ハーマン・オクトーネの手記もここでチラリと登場します。
 そして、このお話しのメインとなるオッカムのワーダという男の手記が紹介されます。彼自身、晩年には天に向かって消え失せたという伝説を持っているそうです。
 彼はギターンという楽器を手に唄を歌っていると、アーレアから招待を受けて、この城を見物させてもらうことになります。彼の手記によると、この空中城塞の内部は立体迷路になっていて、案内人がいないと迷ってしまう不思議な構造をしています。
 しかし、この都市の最大の不思議はそんなものじゃなく、重力が3種類存在することです。すなわち、地上の人と同じく、地面に向かって立っている人間がいると思えば、天に向かって立つ、つまり天井を歩いている人がいます。さらに北に向かって重力が働いて、壁に垂直に座っている人も同時にいるのです。小説では淡々と紹介していますが、映像で想像すると凄い光景です。重力はあるポイントに行くと切り替わって、その人にとっての重力が変わる仕組みだそうです。
 昔、読んだ短編小説に2次元と3次元の人間や物質が共存していて、エッシャーのだまし絵みたいな街並みをした世界に住む、ある男のちょっと素敵な恋の一日、みたいな不思議な読後感のあるものがあって、それを久しぶりに思い出しました。
 ワーダと都市の人間との交流など具体的な物語の部分は、ここでは触れません。この短編が収録されているナイトランド・クォータリーはNo.21ですので、興味がある方は参考にどうぞ。
 なお、この小説はワーダが天に向いた重力の状態なら本を逆さまに、北に向いた重力なら本を横にして読むような趣向になっていて、フーゴハル氏の遊び心が感じられます。

 興味深いのは、この小説の作者後書きで、このアーレアは、先ほど触れたゲームブック「魔城の迷宮」の幻の続編「ピレネーの魔城」として、考えられていた舞台だそうです。
 昔、マーリンの呼び声というサイトの掲示板にも、フーゴハル氏が似たような趣旨の書き込みをしていましたが、今回は小説という形で部分ながら触れたような形になったわけです。
 これが実現していたら、複雑で怪奇極まりない超難関迷宮になっていたことでしょう。さらには、その迷宮に全部イラストをつけるとか、気が遠くなりそうな作業ですが、フーゴハル氏ならやってのけるのでしょう。フーゴハル氏は、今でも執筆を諦めたわけではなく、書籍化しようとする勇気ある出版社の登場を待っているそうです。実現するといいな、と思いつつ、現役ゲームブック作家としてのフーゴハル氏が健在であることを嬉しく思いました。


2021年09月27日(月) もう一つのゲームブックブーム? その3

 ここからは、思い出話しにゃ、まだまだ早い現役サイトの紹介です。
 こうしてみると、ゲームブックサイトも案外生き残っていたり、新たな情報源が生まれているものだなぁ。書いていて、オラなんだか嬉しくなったきたぞ。
 あえてリンクは貼りませんので、興味があれば検索されて、覗かれて見てください。


〇化夢宇留仁の異常な愛情または私は如何にして心配するのを止めて妙なものばかり愛するようになったか 
 長いタイトルですね。(汗)老舗ですが、ありがたいことに現在でも現役サイトです。サイトの内容は多岐にわたりますが、ゲームブック関連の記事だけでも、並みの専門サイトを凌駕する充実ぶり。
 ゲームブック関連の更新は最近ないですが、「モンスター誕生」のイラスト付きリプレイは今見ても笑えます。

〇夢見るカボチャ計画
 カーカバードの歩き方のコーナーには、ソーサリーシリーズの詳細な研究が載っていて、つい夢中になって読み込んでしまいます。
 ゲームブック以外のネタも好きです。

〇批判屋
 タイトルのイメージとは違って公平なゲームブックレビューなどを沢山載せています。
 ソーサリーシリーズで、呪文を唱える全シーンを解析・解説しているのには、その手間を想像するだけで驚愕ものです。

〇セントラル・ステーション分室
 多種多様なサブカルチャー作品の感想を書かれていますが、ゲームブック関連だけでもちょっとした情報量になります。
 これだけ精力的に書かれているそのパワーが眩しい。こちらもその1割でも頑張らなくては。(笑)

〇今頃ソーサリー
 ソーサリーのプレイレポートを連載して、一躍ゲームブックファン界隈にリプレイブームを巻き起こしたブログ。
 一時中断していましたが見事に復活。いや、中断が多いのはうちの方か。(汗)

〇「文学部ゲームブック科」+道化の真実雑記帳
 ゲームブックレビューに加え、「ロール&ロール」誌の事などいろいろな情報が詰まったブログ。タイトルからローガンの僕である謎かけ盗賊のイメージがありますね。

〇パラグラフの狭間で
 祥伝社の悪夢シリーズのリプレイを掲載しています。
 新しいゲームブックの発売情報もまとめてらっしゃいまして、ゲームブック購入の参考にさせてもらっています。

〇ゲームブックの旅
 ゲームブックはスタジオハード作品を中心に紹介されていらっしゃいます。ゲームブックマニアにどちらかと言えば軽く見られがちな作品にスポットを当てているのは貴重です。実際、ジャクソン、ブレナン、鈴木直人等よりも、ゲームブックといえばこちら、というゲームブック世代の方は案外多いですからね。

〇マナティの浜辺
 双葉文庫の「学園妖怪バスターズ」の詳細なレポートがありました。あと、ブレナン者として、ブレナンやフーゴハル関係のニュースの告知に力を入れてました。
 という内容を“その2”に書こうと、確認の為に検索をかけたら「帰ってきたMANATのハマベにっき」として復活していました。またお世話になります。(笑)


 最後は、現役のゲームブック作家の方々のサイトです。

〇駄人間生誕
 「魔人竜生誕」の著者のサイト。冒険記録日誌じゃうまく書けないような、勢いあるゲームブックリプレイとか載せています。

〇GOTO HUGO
 グレイルクエスト(旧ドラゴンファンタジー)シリーズの挿絵を描いており、二葉書房のゲームブックの立役者ともいえる、フーゴハルさんのサイト。
 グレイルクエストファングッズの販売を始め、フーゴハルさんの活動の近況をチェックできます。

〇(とけねここと、藤浪智之さんのツイッター)
 ツイッターの事は実はよく知らないのですが、リツイート先にゲームブックやTRPG関連が多い。新しい情報が知りたかったら、とりあえずここを見ています。

〇虎井安夫 −WORKS−
 ゲームブック作家じゃないですが、虎井安夫といえば、鈴木者にはお馴染みのイラストレーター。ドルアーガの塔のイラストを描いていた方です。メスロン様のお姿を見たい方は是非どうぞ。


 ゲームブックの情報に触れたい方は、これらを除いてみると楽しいですよ。
 この中には、これは紹介しなきゃってサイトを、うっかり忘れてしまって慌てて追記したものもあります。まだあったかもしれない。
 逆にこんなオススメがあるよって話しは大歓迎します!なにせ、4年間もネットから離れていたので、すっかり浦島太郎状態ですからねぇ。


2021年09月26日(日) もう一つのゲームブックブーム? その2

 ゲームブックサイトはまだまだ沢山ありましたが、今回は私が当時何度も入り浸っていたものを中心に紹介していきますね。


〇GRANDI
 ゲームブックファン同士で、ゲームブックの交換を目的とした掲示板があったサイト。私が割安でウォーロック全巻を入手できたのもここのおかげです。

〇蒼洋
 ゲームブック専門サイトというわけではないですが、麻呂的選頁遊戯本展示室というコーナーのゲームブックレビューが最高でした。
 笑い転げるほどユーモアがあって、それでいて的確な感想を述べていて、私の冒険記録日誌の目標みたいな存在でありました。

〇八幡國瓦版
 まずタイトルがいいよね。日本未訳分も含めたファイティングファンタジーシリーズの情報が充実していました。

〇沈黙の狼
 日本では知る人ぞ知る感じですが、海外では有名なゲームブックシリーズだったローンウルフを取り扱ったサイト。未訳の巻も紹介されていました。

〇創元の思想
 和製ゲームブックを中心に紹介したサイト。双葉ゲームブックのリストとかありました。

〇霧幻通り交差点
 ぱくぱくBAMBOOLAランドというパックマンみたいなゲームをDLできました。BAMBOOLAとは鈴木直人作品の「スーパーブラックオニキス」に登場する仲間の盗賊ですが、その中でも一番役に立たない太っちょバムブーラ(同名の盗賊が3人いるのだ)を主人公にしたのがポイント。ゲームオーバーになると「バムブーラが死んじゃう!」とあの名シーンのセリフを叫んでくれます。(笑)

〇ヤズトロモの庵
 ブラッドソードシリーズのコーナーが好きでよく閲覧していました。幻の5巻の情報とか読んでいてワクワクしましたね。

〇アトリエ平田工房
 和製ゲームブックの最高峰との呼び声高い「展覧会の絵」の作者、森山安雄氏こと平田さんのサイト。特にゲームブック中心ではないですが、「展覧会の絵」の事を語っているページは何度も見に行きました。

〇えんぷらD
 スタジオハードで多くのゲームブックを執筆された塩田信之さんのサイト。自作についての思い出話を書いてくれていました。
 塩田信之さんは今でもゲームブックのことを気にかけているようで、ちょいちょいゲームブック関連の話しでは名前が出てきますね。私、この方の大ファンで、一度だけメールをいただいた事があって、感激した思い出があります。

〇趣味の廃屋ゲームブック館
 こちらはあまり他のサイトで取り上げられることの少ない、双葉文庫系のゲームブックを主に扱われているブログで、今でも閲覧することができます。
 最近の更新は途絶えていますが、いつかふらりと復活していたらいいな。
 


2021年09月25日(土) もう一つのゲームブックブーム? その1

 今は、ネットで何か発信していきたいと思ったら、ブログや動画サイトなどに投稿するのが主流ですが、私がインターネットに初めて触れた20年近く前は、個人で1からホームページを制作している方が大勢いました。
 それでゲームブックサイトも当時は沢山あって、そこを巡るのが楽しくてしょうがなかった。それまで身近にゲームブックの事を語っている人なんかいなかったから、ゲームブックに熱い思いがある方がこんなにいるんだと軽く感動しましたね。
 はじめはそういったサイトの掲示板に、恐る恐る書き込みをしていたのですが、しだいにもっとゲームブックの事を語りたくなり、「人様の掲示板でそんなに語ったら迷惑だから、自分の日記として垂れ流せばいいんだ」と始めたのが、この冒険記録日誌です。当時は語ることが多すぎて毎日更新してましたから元気あったなぁ。
 その頃、お世話になっていたゲームブックサイトは、もはや大半が閉鎖して寂しい限りです。もちろんブログなど形式を変えて、新たにゲームブックの魅力を発信している方もいらっしゃいますが。
 そんな風にふと懐かしさを感じたので、当時お世話になったサイトを一つ一つ振り返ってみたいと思います。完全閉鎖が多いですが、現在もサイトは残っているところもあります。
 「ああ、そのサイトならアドレス変えて今も元気にやってるよ。」みたいな情報とか、「これ書き換えた方がいいよ」みたいなご意見がありましたら、ぜひ書き殴られた板かメールで教えてくださいませ。


〇さいろす民芸資料館++
 ゲームブック復刊同盟を提唱する、ゲームブック界隈の老舗サイトであり、ゲームブックファンの集う中心地的存在でした。管理者はサイロス誠さん。​
 ゲームブックを語る掲示板が賑わっていて、貪るように読んでいました。ネットで初めて掲示板に書き込んだのもここで、そのときはかなり緊張した思い出があります。
 (追記)サイロス誠さんのYouTubeチャンネル見つけましたー。健在でなによりです。

〇ゲーマニ
 ゲームブックの情報サイトとして、メルマガを発行していました。管理者はダブルクラウンさん。
 ゲームブックの新刊予定や、どこそこのニュースサイトでゲームブックが話題になったとか、いろいろ貴重な情報があって重宝していました。
 メルマガの読者コーナーには、よく投稿させてもらってました。先日の冒険記録日誌に載せた「ギリシャ神話アドベンチャーシリーズ」のリプレイとかね。

〇マーリンの呼び声
 ブレナンファンの聖地ともいえるサイト。グレイルクエストシリーズを扱っており、掲示板はブレナン者で賑わっていました。サイトの内容も原書との比較など、ブレナンに関してはマニアも唸らせる情報の宝庫でした。
 管理者はセプタングエースさん。

〇鈴木直人伝説
 ブレナンに対して、こちらは日本人ゲームブック作家の巨匠、鈴木直人氏のファンサイト。管理者は朝日康元さん。
 残念ながら、私がインターネットを始めた時は既にサイトは休業状態でしたが、創土社で鈴木直人氏のまさかの新作「チョコレートナイト」が発売された時は、一時的に復活。鈴木直人氏から公式ファンサイトの称号をもらっていました。

〇暗黒神 ダボン
 変なニュースを見つけてきて紹介してくれるなど、味のある面白い日記を書いていたサイト。管理者は囃子さん。
 このサイトには、日本で出版されたゲームブックの完全リストという凄い資料があって、多くのゲームブックコレクターやゲームブックファンの参考資料になりました。
 サイトは無くなりましたが、このリストは有志により「ゲームブック倉庫番 @ ウィキ」という形で引き継がれ、今でも見ることができ、私もちょくちょく利用しています。


 とりあえず、ぱっと思いつく当時の有名サイトをあげてみましたが、当時のゲームブックサイトは、まだまだあったよってことで続きます。


2021年09月23日(木) 書き殴られた板

 サイト「ぷりん部屋」の掲示板が、レンタルサービス終了と同時に無くなり、はや10年は経過。
 冒険記録日誌は、自己満足で書いているあくまで日記だし、閲覧者も常連の方は頑張って10人くらいだろうと思っていますが、日記の感想やつっこみを書いてもらえる場所が欲しくて、今回また掲示板を作りました。
 そこで「ぷりん部屋」からリンクを貼ろうと、これまた10年以上ぶりにサイトを更新しようとしましたが、パスワードを忘れているうえ、レンタル元にパスワードの再発行を申し込もうとするけど、うまくできないんですわ。
 しょうがないので、冒険記録日誌の右下の“HomePage”をクリックすると掲示板へ飛ぶようにしました。
 まあ、よかったら日誌の内容に関係なくてもいいので、ゲームブックの話題でも書いてつかーさい。誰も書かなかったら、日誌に書くまでもない独り言でも書いていきます。


2021年09月20日(月) UFO54−40地球攻撃す(エドワードパッカード/講談社)

 海外産、低年齢層向けの単純な分岐小説タイプのゲームブックシリーズです。
 最初、このシリーズに対しては、話しの展開が分岐しすぎて収集つかなくなるし、話しも子ども向けだしなぁ、どれも設定が違うだけで同じような内容だし、尻切れトンボな結末も多いし、とあまり良い印象はもっていませんでした。
 しかし、これがシリーズが進むにつれて、奇抜な内容の作品が多くなって、なかなか楽しめるんですよ。しかし、そう思ってくるシリーズ後半は入手困難なレア本になっているんですね。
 ただし、シリーズ後半作品でも、全てが面白いと思ったわけではなく、例えばシリーズ15作目「幽霊殺人犯を追え」は山口プリン的には外れでした。
 タイトルから連想するのは、密室殺人みたいな「通常では実行不可能な殺人事件を起こした犯人を捕まえる」という推理ものではないかと思うのですが、実際は「子どもたち3人が山のロッジで泊っていると、外から不気味な物音がする。果たしてその正体は、はるか昔にインディアンと白人が戦って死んだ者たちの亡霊だったのだ!」というもの。殺人事件とか全然関係ねぇ。まあ、タイトルの方は翻訳版と原書では違うらしいので、百歩譲って許すとしても、これが日本人の作品なら「夜中に友達と肝試しに行ったら、戦国時代の武者の亡霊たちが襲ってきた」というところでしょうか。C級ホラーですね。子ども向けホラー雑誌に掲載されていそうな内容ですね。遊んでみると、尻切れトンボ的な結末が多くて、フラストレーションが溜まりました。

 しかし、続くシリーズ16作目「UFO54−40地球攻撃す」。これはタイトルだけでなく、本書に掲載されている粗筋まで面白そうで、興味をかきたてられました。

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 ぼくはいま、ニューヨーク・パリ間をむすぶ超音速旅客機コンコルドに乗っている。90分ほどでパリに着くというとき、とつぜん窓の外に、ぎらぎら光る白い円筒形 の物体を発見した。ぼくにむかって、まっすぐに進んでくる。 あぶない!思わず目をつぶった…。気がつくと、いつのまにか、ぼくはUFOの中にいた。 どこからともなく声のようなものが聞こえてきた。「われわれはU―TY星の支配者だ。 きみは銀河系動物園の標本として選ばれた。 協力をこばめば、ソモに送る。」ソモとはなんなのか、UFOのねらいはだれもしらない。刻々と、地球に危機がせまってくる。話題のゲームブック。
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 まるで宇宙人が地球に対して、宣戦布告をしたみたいです。しかし、実際に遊んでみるとわかるのですが、宇宙人が地球を攻撃するシーンは全然ありません。またもやタイトル詐欺です。内容は完全に、UFOアブダクション(宇宙人​拉致事件)ものでした。
 そんなわけで、突然、でっかい宇宙船に閉じ込められ、哀れ囚われの身となった主人公ですが、宇宙船の内部ならそこそこ自由に移動できるらしく、ゲーム中は他に同じように捕虜となった宇宙人達と交流したりしています。
 中にはだんだん、若返って最後には消滅しちゃう部屋にいる宇宙人とか、変な奴もいますが、そこは宇宙人のやることだから、まあ、と許容するしかない感じで話しは進んでいきます。
 誘拐犯であるU―TY星人は、実は楽園の惑星“アルティマ”を目指しているそうで、じゃあ、銀河系動物園とはなんだったの、みたいなところはありましたが、そこは宇宙人のやることだから、まあ、と無理やり納得して進めると、あっさりU―TY星人を倒して、宇宙船を乗っ取ったりできてしまいます。超文明を持っていそうな宇宙人からすれば猿みたいな主人公にいいようにされる始末。さすがに宇宙人が関わると、人間の常識とは違うことが起こりえますね。
 もちろん、バッドもグッドもエンディングのパターンがいろいろあるのは、このシリーズのお約束です。
 ちなみに山口プリンは、国会子ども図書館でこの作品を読んだわけですが、面白かった気はするものの、どのルートもあまり印象に残らなかったのか、ほとんどの内容を忘れてしまっています。
 粗筋にあって気になっていた“ソモ”もなんだったのか?当時、覚え書きのメモを残していたのですが、前にも言ったとおり、メモを紛失してしまい、ソモの内容を忘れてしまいました。少なくとも人類が連想するような地獄の惑星とかではなくて、無の異次元空間みたいな場所だったかな?主人公はそこで5億年ボタンなみ(知らない人は検索しよう)のとにかく長い時を囚われることになり、永遠に等しい眠りにつく羽目になるはずです。5億年ボタンと違って、寝ているだけましですが。
 唯一、強く印象に残っているのは、楽園“アルティマ”で、ここに到着することが、ベストエンディングとなります。この惑星の住民は親切なうえ、主人公の求めるものは全て手に入ります。もし地球に帰りたくなったらいつでも行き来する事まで出来てしまうのです。
 しかし、この惑星にたどり着く可能性は、ほとんどないほど低いとの解説があって、実際、どのルートを通ってもたどり着くことはできません。
 実は、最初に作者がほのめかしているのですが、アルティマはどこにもつながっていないパラグラフに書かれているので、ゲームを無視して直接そのパラグラフ番号に飛ぶのが、ベストエンディングに到着する方法なのです。なんと斬新な仕掛けでしょうか。いや、おかしいだろそれは。
 そうつっこみを入れつつも、同じ作者の作品「ジンカ博士の異次元空間」にあったメタ展開の連続を知っているだけに、この作者ならやりかねない、と思ってしまうのも事実。エドワードパッカード恐るべしです。
 とにかく、アルティマだのソモだの、妙にそそられる材料が転がっている。これだけで幾千万の凡作より、頭一つ抜けたといえる作品じゃないでしょうか。


2021年09月19日(日) 都会のトム&ソーヤ ゲーム・ブック ぼくたちの映画祭(はやみね かおる・藤波智之/講談社)

 大人気児童向け小説の「都会のトム&ソーヤ」シリーズから、ゲームブック第3弾がでました!
 ちなみに、第1弾「都会のトム&ソーヤ ゲームブック 修学旅行においで」は、2013年06月16日の冒険記録日誌で、第2弾「都会のトム&ソーヤ ゲームブック 館からの脱出」は、2015年03月28日の冒険記録日誌で紹介しています。第2弾から今回まで間があったので、もう第3弾は出ないのかと、諦めかけていただけに素直に嬉しい。
 ゲームブックそのもののファンである山口プリンとしては、少数のコアファン向けに企画されたものより、多くの一般の人に読んでもらえるであろう、今回の発売の方が、数段喜ばしい気分ですね。
 そして、この「都会のトム&ソーヤ」ゲームブックシリーズの魅力は、なんといっても、原作者のはやみねかおる先生その人が書いていること。ゲームブック版も本編の一部と言って過言ではないのです。そう思いつつ買ったら、本には、藤波智之先生の名前もあって驚きました。つまり、はやみねかおる先生と共著ということです。まあ、驚いたものの、第1・2弾でもパラグラフ14がゲームオーバーだったり、主人公がまるでモブキャラのような立ち位置だったり、パズル要素があったりとか、藤波作品と共通点が多かったので、共著になっても違和感はないですな。
 今回の物語は、学校のクラスのメンバーで映画を作ろうというものです。本の帯によりますと、「都会のトム&ソーヤ」が映画化されるそうで、そのタイアップ的な意味もあるようです。第1弾の「修学旅行」、第2弾の「脱出ゲーム」とは違って、この題材でよくゲームブックにできたな、と変なところで感心しました。
 ゲームブック版の主人公は今作も内人ではなく、原作では登場しないクラスメイトの一人という立場で、男子生徒か女子生徒かは自由に選べるらしい。
 実際に遊ぶと、最初の選択肢で、作ろうと目指す映画の方向が大きく3つに分かれ、それぞれ独立したゲーム展開となっています。早い話が、実質3本の短編ゲームブックが収録されているという事です。
 あと、この本がページをくる度に、裏表紙あたりでキュッキュッと紙が擦れる音がしてうるさかった。これが小説だと問題ないのですが、ゲームブックはページをくる回数が多いうえ、そのモーションも大きいので、音が発生してしまうのです。第1・2弾の時も音はしたものの、ここまで気にならなかったので、買った本によって当たり外れがあるのだろうか?どちらにせよ、内容とは関係ない装丁の問題なのですけど。
 それで3つのルートの紹介は以下の通り。ネタバレはなるべく避けますが、事前知識なしで遊びたい人は、本書を遊んでから読んでください。

 自分が最初に挑戦して最初にクリアできたルートは、恋愛映画を撮りたい女子達と、ホラー映画を撮りたい男子達が派閥を作って対立する中で映画を撮影するというもの。
 間に挟まれた主人公は、片方に肩入れすると、もう片方がやる気をなくして、映画の製作は失敗するので、双方なだめつつ、ひたすら気苦労する役でした。ゲーム的には一本道を綱渡りで渡ることを強いられるような感じです。こんなノリで映画とか撮影してんじゃねーよ。と、思わずつっこみを入れて読まずにはいられません。
 撮影現場の雰囲気そのものは明るいのですけどね。今作は、14に行ってもすぐ直前のパラグラフまで戻ってやり直せるし。

 2つ目のルートは、学校の校舎を無理やり宇宙船に見立てて、SF映画を撮影しようとするもの。夜の学校に忍び込むと、お馴染みの栗井栄太の連中が、安定のウザさで絡んできます。栗井栄太の謎解きさえ解けば、簡単にクリアは出来るのですが、自分はその謎解きがなかなか解けなくて、結果的にクリアが一番難しかった。栗井栄太、やっぱりうぜー。
 完成する映画は、「宇宙船の空気が足りなくなった。生き残るためには、乗組員の誰かを犠牲にして宇宙へ放逐しなくてはならない」という、いわゆる方程式もののストーリーです。方程式ものとか、めちゃ懐かしい。SFファンにはお馴染みかもしれないけど、「都会のトム&ソーヤ」の読者層にわかる人いないだろう、とか思ってしまった。けど、ゲームブック同様、この本をキッカケにSFファンになる人がいたらいいかもね。

 最後のルートは、それこそいろんな映画の撮影に次々に挑戦していくもので、殺人事件のミステリーものから、冒険ファンタジー、ゾンビが登場したり果てには足の生えたサメが襲ってくるようなC級ホラー(恋愛映画を撮りたい派閥は反対しなかったの?)まで何でもありな内容。クリア自体はとっても簡単です。滅茶苦茶やってもいい感じで進めても最後は夢オチ扱いされるのは不満でしたが、びっくり箱のような過程そのものを楽しむルートなんでしょうね。
 自分的には、パラグラフ11の、主人公が映画のヒロイン役になって、内人に衣装のほつれを直してもらったり、手を引かれたり、お姫様抱っこされたりして、胸キュンしているところがお気に入り。どうせ最後は夢オチなら、内人とくっつくハッピーエンドくらい作ればいいのに。(できれば、ここは女性主人公でお願いします。)

 どのルートも最後は、完成した映画の上映会を見て(映画のノベライズみたいな短編小説を読んで)終了という演出です。3ルートなので、完成した映画ももちろん3本あります。
 自分的には、映画として一番面白かったのは「解けない方程式」でした。SF小説の金字塔をベースにしているから当然か?「ばれんたいん・かぁず」もバラバラに収録された映像を、編集でなんとか辻褄を合わせて1本の映画にした創也達の力業がすごい。でも、「日常」はなにか釈然としなかったけどね。創也に対する女子達の異常な人気ぶりが怖いのは自分だけでしょうか。
 謎解き以外のゲームのルールはないので、原作ファンだけどゲームブックは知らないという人も楽しめますし、マニアックなネタは影を潜めているので、原作は知らないけどゲームブックファンだから読みたいという人でも大丈夫です。もちろん両方好きな方が一番楽しめるのは当たり前ですけどね。
 どこかノー天気な雰囲気が漂うノリなので、遊ぶなら気楽にどうぞな作品でした。


2021年09月18日(土) 顔のない村(思緒 雄二/社会思想社)

 パラグラフ数が200の短編ゲームブックながら、印象に残るホラーゲームブックです。
 社会思想社版の「送り雛は瑠璃色の」という本の3作品の一つとして収録されています。自分自分は、メインであり名作とされる「送り雛は瑠璃色の」より、こちらの方が好きです。実はこの冒険記録日誌でもごくごく初期に取り上げていますが、最近みーちゃんと遊んでいたのでもう一度話題に取り上げてみます。。
 ホラーゲームブックというとジャクソンの「地獄の館」を始めとして、ゾンビみたいなのが襲ってくるお化け屋敷のようなホラーが多いのですが、この「顔のない村」は和風ホラーというか、じわじわくる恐怖を扱っています。映画で例えると、他のホラーゲームブックがジェイソンとすると、こちらは貞子。
 記憶をなくした主人公が、見知らぬ旅館のふとんで目を覚ますところから、ゲームはスタートします。
 この部屋の様子を見た後は、村の地図を見て行き先を選ぶの繰り返しで、移動するたびに、時間が経過。ある一定の時刻をすぎると新たな展開が発生する構造になっています。ほぼ無人の村は、廃墟のようで、たまに出会う人間は顔がないという異常な世界を巡るわけです。

 このゲームブックのルールは、基本的にはファイティングファンタジーシリーズと同じものですが、みーちゃんに遊んでもらう際には、ルールを簡略化しました。
 まず、能力値は廃止。運試しと戦闘では、サイコロを1つ振って4が出たら不運もしくは敗北の判定、他の目なら、幸運もしくは勝利としました。このゲームブックは1度なら戦闘に敗北しても復活のチャンスがあるので、4が出ても、即ゲームオーバーにならないのです。
 実際に、このルールで遊んだところ、この方法は雰囲気メインのこの作品にあっていました。戦闘というある意味冗長なものがない分、物語に没頭できたのではないかと思います。ちなみにみーちゃんは、一度も4を振らずにクリアしてしまいました。時間経過のルールは順守していましたが、これも経過した時間を決める、みーちゃんのサイコロの目が冴えて、なかなか時刻が進まず、展開がだれそうだったので、時間ルールも途中で止め、ひと通り村を見たら一定の時刻まで時間が経過したことにしました。

 今、遊び返すと、短編ゲームブックの限界なのか、展開のバリエーションが少なくて物足りなさが残ります。こんなものだったかな、と。しかし、みーちゃんは恐る恐るといった感じで遊んでいましたし、何が起こるのかわからないホラーであるからこそ、初プレイを楽しむ作品なのだろうな、とも思いました。
 現在でも電子書籍版で楽しむことができますので、さっくり遊ぶには良い作品です。まだ未プレイの人がいたらどうぞ挑戦してみてください。

 ただ、電子書籍版の内容がよくわかっていないのですが、ダブレットを見ながら、サイコロを振って、紙にメモをするという行為がしっくりこない山口プリンです。画面上でサイコロを振れ、能力値やアイテムを自動的に管理するマスがあれば良いと思え、実際にそういったアプリを遊んだこともありますが、そうなると電子書籍(電子ゲームブック)というより、電子ゲームになってしまいます。本で遊べるのが、自分の中ではゲームブックの定義と思っている自分としては、うーむどうだろう。いや、自分はタッチパネルが苦手なので、いまだにガラケーを手放せない人間ってせいもあるでしょうが。


2021年09月12日(日) サスペクト(北村成一/JICC出版局)

 海外パソコンゲーム原作のミステリーゲームブック第3弾です。
 この本は表紙が、化け物じみた顔をした人間たちがこっちを見ているという怖い絵なので、読むのを敬遠していたのですが、他のシリーズ2作が面白かったので、食わず嫌いをやめて挑戦。やっぱり面白かったです。
 ちなみにゲームブックの舞台が、仮面舞踏会で起こった殺人事件だから、みんな変な姿をしていた表紙だったようです。でもやっぱり、怖いよ。
 今回の主人公は、3作目だけ違って、売れない絵描きをしている青年ケリー。叔母の主催する仮面舞踏会に招待され、郊外にある叔母の豪邸までやってきたのですが、パーティの場で叔母が主人公に隠していたことがばれて、主人公は大勢の前で思わず叔母を怒鳴ってしまう。すると、そのすぐ後に、叔母は何者かに殺害され、主人公は犯人の疑いをかけられてしまうといった内容です。
 警察には通報されましたが、外は降雪がひどく、警察が到着するまでに1時間かかります。トムはその間に真犯人を見つけて容疑を晴らす必要があります。
 今回のゲームは、双方向システムで屋敷の中を自由に歩き回れるので、本当に読者が、事件を捜索している気分を味わえます。ルールはフラグチェックの他に時間経過を示すポイントもあって、時間切れになると何らかの結末を迎えるわけです。
 実は真犯人が最後までわからない場合、ハッピーエンドにはもちろんなれませんが、主人公は証拠不十分で最終的には釈放される結末です。しかし、中途半端に犯人を指摘して、それが間違っていたり、相手を論破できないと、逆に自分がますます非難されるという最悪のバッドエンドになります。なので、捜査は慎重さも求められ、時間ばかりを気にしてられないという、ジレンマがあるのです。
 実際のプレイでは、最初から疑わしい人間がいるので、犯人はすぐにわかります。しかし、証拠を見つけないといけない。皆の前で訴えても、とぼけられて終わりです。トリックを発見して、叔母の隠し部屋を発見してと順調に捜査が進めば、叔母の孤独な立場や、叔母の主人公に対する愛情を発見して、主人公の心を揺り動かすという、双方向システムでは珍しい、ドラマティックさがありました。
 他の2作のような渋い魅力はないですけど、これはこれでゲーム性と物語性を兼ね備えた、推理系ゲームブックの傑作と言える作品です。


2021年09月11日(土) ウィットネス(大川タケシ/JICC出版局)

 デッドラインと同じく、日本未発売の海外パソコンゲームを原作とした。ミステリーシリーズ第二弾です。山口プリンは、これに第三弾のサスペクトを合わせた3部作が、JICC出版局のゲームブックで頭一つ抜けて好きですねぇ。
 このウィットネスも主人公は、ロサンゼルス警察のケニー警部。デッドラインの事件では警察に入って18年、ウィットネスでは20年と言っていますので、デッドラインの事件から2年後という事でしょうか。警部補から警部に昇格しています。
 今回の事件は、貿易商のリンダー氏から、重大な相談をしたいと依頼されて、しぶしぶリンダー邸に訪問したケニー。しかし、リンダー氏はケニーの目の前で、どこから飛んできたのか、謎の銃撃により殺害されてしまったのです。こうしてケニーは事件唯一の目撃者になってしまいます。
 こうして事件の捜査は始まりますが、今回もルールはフラグチェックのみです。デッドラインよりも難易度は優しめで、適当に選択肢を選んでいてもベルトコンベアーに乗っているかのように、簡単に終盤までは進むでしょう。ただし、最後は自力で犯人当てをしないとバッドエンドで、頭はこっちの方が使うかなぁ。
 ちなみに私が、自信ありで犯人だろうと最初に目星をつけていた人物は、容疑者リストにもあがってきませんでした。(汗)
 しかし、犯人当ての選択肢そのものは、初回でちゃんと正解しましたよ。まあ、犯人をすぐに捕まえなかったせいか、自殺されてしまってちょい後味悪しでしたが。
 今作も、推理云々よりも海外警察ドラマの主人公気分を楽しむゲームブックって感じはあります。その意味では、例えば真犯人を庇った人間が罪を被ったまま逃走して終わりという結末でも、最後は庇った人間視点で語りがあるなどあって、どの展開も一つのエンディングとしてありかなとは思いました。


2021年09月05日(日) デッドライン(北 鏡太/JICC出版局)

 探偵ものハードボイルドゲームブックって感じの作品。
 原作は日本未発売のパソコンゲームだったそうですが、海外での評判はなかなか良かったようです。ただ、当時のパソコンのスペックからすると、グラフィック(挿絵)とか、処理速度(ページをめくる)などの点から考えるに、実はゲームブック版も原作とハード的にも張り合える内容だったのではと思うのですが、どうなんでしょう。
 ロスアンゼルス警察で勤める、スレたような性格の41歳の独身警部補のケニー(年食ってそうだけど、もう自分より年下なんだよな)が、大富豪が殺された事件を捜査するというのがストーリー。
 娼婦とか普通に登場するし、双葉文庫あたりの探偵ものゲームブックでは、絶対にない大人の雰囲気で進行します。
 大富豪を殺害する動機のある人間は多いものの、普通に捜査していれば、自然と情報が集まって容疑者が特定されてくるので、推理ものとしては、さほど悩まなくてよいかも。戦闘ルールなどという無粋なものはなく、証拠品などのフラグチェックをしていくだけ、しかも全体的な進行は、ほぼ一本道なので、プレイは簡単な方でしょう。
 ただし、途中で間違った選択肢を選ぶと、警察を首になるか、自分や仲間が殺されてしまうバッドエンドが発生するか、相手を追い詰めるのに必要な証拠を、一つ取りこぼすような感じでゲームは進行していきますので、そう安心とはいきません。
 他の刑事ものなどのゲームブックにはあまりない特徴としては、容疑者は特定できても相手はあくまでも否認を続けるので、日本の2時間サスペンスドラマのように犯人が自白して終わり、というわけではないこと。逮捕の後は裁判が始まり、陪審員を納得させなければ相手は有罪にならないのです。
 相手は敏腕弁護士を雇って検察に対抗してきます。証拠が揃っていても、証人を出す順番や、裁判官に意見を言うタイミングを間違えると、相手弁護士に揚げ足をとられて、たちまち無罪になる腹ただしさときたらもう。生粋の悪党を監獄に突き落とすため、逮捕後の裁判こそクライマックスと言うべきですよ。
 裁判が無事に終わると、捜査仲間の女性といい雰囲気になって、「さて、どこへ行こうか。急いで決める必要はなかった。夜はまだはじまったばかりなのだ。」で終わる渋いエンディングもいい。まるで海外警察ドラマの主人公気分に浸れる作品。ストーリー重視の方におすすめです。


2021年09月04日(土) 海賊船バンジー号(A・チャップマン/社会思想社)

 なぜか急にこの作品が遊びたくなり、10年ぶりかのプレイをした。
 主人公は海賊船の船長として、同じ海賊業をしている殺し屋アブタルと世界一の海賊の座をかけて勝負するというもの。その勝負とは50日以内に金貨を沢山集めた方が勝ちというゲームである。
 ちなみに、この冒険記録日誌では、既に2回もリプレイを載せているが、どっちも失敗している。
 大昔にクリアしたことはあるとはいえ、クリアには金貨800枚は必要。この大金を稼ぐには、ほぼ一本道ルートのうえ、かなりのサイコロ運が必要という、ほぼ無理ゲーである。なので、今回はマイルールで金貨400枚以上ならクリアという事にした。これなら違うルートを楽しみつつ、クリアを目指すことができる。
 初期能力値はかなり良い方だったが、過去の冒険ではあまり選ばなかったルート(ここで言うルートとはバンジー号の航路)を通ってみたら、強敵との戦いは少なかったものの、金貨がなかなか手に入らない。逆に金貨を渡さないといけない羽目になったりして、最後は、巨大ザリガニとの戦闘でゲームオーバー。この時点の財産は金貨7枚だった。もうボロボロ(笑)

 でもねぇ、何度も遊びたくなる魅力があるのよ。世界を救うだとか、そんなお題目は関係ない裏の世界。荒くれどもを率いて、ただ欲望のまま、商船や町を襲って、財宝を奪い、人々を奴隷として売り飛ばす無法者。これぞピカレスクロマン。たまにはこんな冒険もしたくなるってものだ。
 そして舞台は、魔法が飛び交い、不思議なモンスターの跋扈するタイタン世界だから、ただ普通の海賊行為だけでなく、妖精に頼まれて海の怪物と戦ったり、巨人族を仲間にしたり、洞窟で罠を切り抜け財宝を見つけ出し、魔女と戦い、シンドバットのごとく巨大なロック鳥に掴まれたりと盛沢山。これらのイベントが、航路を変えるたびに違うので、時々遊んでも飽きない。
 ただ、低能力だと絶対勝てないので、能力決めのサイコロは1・2の目が出たら「4」、3・4の目が出たら「5」、5・6の目が出たら「6」で換算するくらいが良いと思うね。他のファイティングファンタジーシリーズ作品の多くにも言えることだけど。
 今日はレビューというより、ただ自分のプレイの感想日記でした。


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