冒険記録日誌
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2009年07月28日(火) ウォーロック 第63号 1992年3月

 最終号。
 ゲームブック関連の記事は絶滅。結局ウォーロック最後のゲームブック記事は、61号の「タケヤの名作ゲームパイプライン」にあったペパーミントゲームブックシリーズと「送り雛は瑠璃色の」の話題だったようです。
近藤功司さんの編集後記を読むと、休刊の挨拶から始まり、ゲームブックのサポート誌として創刊して以降、ウォーロック誌がゲームの世界で果たした役割も大きかったこと。ゲームブックの流行が終わって、時代がTRPGに変わったことに合わせ、T&T、AFF、HT&Tをサポートしてきたこと。その甲斐あって、TRPGが新しいブームになり、究極のTRPG「ウォーハンマー」にすべてのページを投入して頑張った。というようなことが書いてありました。
 最後の文は、「お別れするのは残念ですが、ウォーハンマーが遊ばれる限り、ウォーロックが廃刊になるわけではありません。だからさよならは言いません。これからもウォーロックをよろしくお願いします。しばらくの休刊を前に、たぶん最後の挨拶………を。」と結ばれています。終盤はえらく、ウォーハンマーに惚れこんでいたのですね。「ウォーハンマーが遊ばれる限り」というならウォーロックは社会思想社の倒産前から、とっくに廃刊になっていたんだな。と、身も蓋もない感想がでてしまいました。(汗)

 私にとってウォーロック誌は、リアルタイムでほとんど触れることのなかった、あまり思い入れのない雑誌ではありました。しかし、ゲームブックの定着していた時代を駆け抜けた雑誌。創刊号から読み返すことで、その時代の雰囲気を追体験させてもらったことには感謝しています。
今回は軽く読み飛ばした記事や、まだ挑戦していない収録ゲームブックが、まだまだ残っていますので、ウォーロックをまだ楽しみつくしたとは言えません。ぼちぼちと読み返して長く長く楽しんでいきます。そうゆう意味では私の中でウォーロックは現役雑誌です。


2009年07月27日(月) ウォーロック 第62号 1992年2月

 この号にはまったくゲームブック関連の話題がないです。
 もはや“ゲームブック”という単語を見つけることすら困難な感じ。
 読んだのは「めるへんめーかーのゲーム大好き」と「タケヤの名作ゲームパイプライン」だけ。
 TRPG記事には興味ないんだよ……。


2009年07月26日(日) ウォーロック 第61号 1992年1月

 「ゲームブック製作講座」はこれで最終回。内容はテストプレイとデバッグ方法についてで、これは軽視されがちですが大事ですよね。普通にクリアできないバランスのゲームブックだったり、パラグラフがつながっていない箇所に出会うとかなり悲しいですから。

 「名作ゲームパイプライン」はゲームブックの話題。双葉のペパーミントゲームブックシリーズと「送り雛は瑠璃色の」について語っています。すごい組み合わせだな。共通点は「現代を舞台にしていて主人公が学生」「一つ一つのシーンが印象に残る」だそうですが、それなら「ティーンズパンタクル」も仲間に入れてあげてほしい。
 しかし、ペパーミントゲームブックシリーズのことに触れたコラムって、商業誌ではこれが最初で最後ではないだろうか。シリーズの中でも樹かりんさんと、沙藤いつきさんの作品をオススメにしているのは、私もまったく同意。難点としてこのシリーズが入手困難なことをあげていましたが、発売していた最初からそんな感じだったのか。
 「送り雛は瑠璃色の」のくだりでは作者の思緒さんをいきなり呼んで、対談が始まってました。そういえば59号のこのコラムでは、「送り雛は瑠璃色の」がなぜまったく話題にならなかったのかいまだにわかりません。と書いている箇所がありましたが、あんまりこの作品にハマらなかった自分は、何か小難しい文学のような物語とあの怖いイラストじゃ、一般受けしないだろうなと思っていました。それにリメイクしたクイーンズブレイドが旧版のロストワールドよりもヒットしたみたいに、話題になるかは作品の内容だけでなく売り込み方とか他の要素も大きいのですよね。いいものを出せば売れるとは限らないのが現実です。
 このコラムのオチの方では、「“ペパーミント”って、読んだあとに実生活との落差を感じて気がめいるんですよ。少女小説“もこれが嫌だから読まないんです。」と書いているくだりがありましたが、これは今のライトノベル「平凡な男の子がいきなり事件に巻き込まれて、いつの間にか女の子達にモテモテ小説」に通じるものがありますなぁ。


2009年07月25日(土) ウォーロック 第60号 1991年12月

 59号とまったく同じ感想……。


2009年07月24日(金) ウォーロック 第59号 1991年11月

 読んだ箇所は「ゲームブック製作講座」と「めるへんめーかーのゲーム大好き」と「タケヤの名作ゲームパイプライン」だけ。
 ウォーロック誌は、ウォーハンマーTRPGに力を入れているようだけど、遊ぶ予定のないTRPGのルール補助説明やらリプレイ小説には興味ないなぁ。せめてソロシナリオのゲームブックを収録してくれると良かったのに。


2009年07月23日(木) ウォーロック 第58号 1991年10月

 大特集は「とことん気になるウォーハンマー!!」。TRPGウォーハンマーの特集で、この号から最終号まで続いています。
 ウォーハンマーがあんまり世間に広まらなかったことを考えれば、結果的に外れ気味の特集になったのかも。ウォーロック誌、そろそろ店じまいのフラグ発生?

 それからこの号にはゲームブック関連の新連載がありました。「ゲームブック製作講座」というもので筆者は健部伸明さんと塩田信之さん。おふたかたの書かれた「未来神話ジャーヴァス」(健部伸明/双葉文庫)と「終末の惑星」(塩田信之/双葉文庫)は名作でしょう。
 連載自体はゲームブック製作のノウハウについてのもので、前にあった井上尚美さんのコラムと重なるところもあるのですが、こちらはエッセーではなく集中講義というスタンスなので、もっと基本から順を追って詳細に説明しています。
なぜ、この時期になってこのテーマ?という気はやはりしますが、それでも今読み返すぶんには参考になります。

 もう一つ、竹谷新さんの「タケヤの名作ゲームパイプライン」という連載も開始。こちらの扱うテーマは、ゲームブックとは限らないようですが、コラム自体が面白いので要チェックです。第一回はファミコンゲーム版の「桃太郎伝説」を引き合いにプレイヤーへの優しさについて語っています。ここでいう優しさとは、ゲームの難易度ではなく、プレイヤーにゲームを遊んでいる最中にストレスを感じさせない作りのことをいっており、ゲームブックにも同じことが当てはまりそうです。

 一方で残念なのが、ウォーロックサロン(読者コーナー)の中にあったゲームブックコーナーが今号で終了して、次号から一般コーナーに吸収合併されるということ。ゲームブック関連の読者からの投稿が減ったからだろうけど、寂しいですねぇ。


2009年07月22日(水) ウォーロック 第57号 1991年9月

 「RPGリプレイ リプレイ・オリンピック開幕」と銘打って、いろんなTRPGサークルのリプレイ記録が載せてあります。リプレイ小説が好きな人にはいいかも。

 そして連載が続いていたAFFリプレイがついに最終回。最初の期待から考えると予想以上に楽しめたシリーズでした。バルサス・ダイヤの妻ルクレチアの扱いとか、あくまで原作のゲームブックらとは、パラレルワールド的な別ものと考えた方がいいけどね。

 でもこれが終わっちゃうと、自分的に「めるへんめーかーのゲーム大好き」くらいしか読む連載が残ってないなぁ。


2009年07月21日(火) ウォーロック 第56号 1991年8月

 ハイパーT&Tの世界背景の特集。T&T世界の大陸とか町や政治、有名人の紹介なんかが書かれていた。
 T&Tってヘタに設定がないほうがいいんじゃない?とか思いながらも、こうゆう設定集は割と好きなので全部読んでしまった。まあ、使うかどうかはTRPGする各サークルの判断だから、あって損はないか。

 井上尚美の「ゲームブックの出来るまで」の連載がしばらく途絶えていたと思ったら久々に復活。だけど最終回。
 「どうかゲームブックを見捨てないで下さいませ。ほんと、おもしろい分野だと思うよ!」という閉めの言葉がちょっと寂しい。
 井上尚美さんは今何をしているのかな。代表作の「少年魔術師インディ」を何かの形で復活できないものかね。


2009年07月20日(月) ウォーロック 第55号 1991年7月

 特集記事は、ずばりファンタジー小説。原作つきTRPGについての記事のほかに、ファンタジー小説自体もいろいろな作品が紹介されていたので、これからファンタジー小説を読もうかなと思う人には良い内容です。
 実は、私はゲームブック好きのわりにファンタジー小説は読んでいないです。ぱっと思いつく読んだファンタジー作品というと「指輪物語」「はてしない物語」「エレニア記」「魔法の王国売ります」「グインサーガ」くらいしか出てこない。「エルリックサーガ」や「ナルニア国」、「魔法の国ザンス」は途中で読むのを中断しているし。んー、ゲームブックなら「ネバーランドのリンゴ」とか大好きな世界観の作品が多いのだけどな。


2009年07月19日(日) ウォーロック 第54号 1991年6月

 この号はハイパーT&Tソロシナリオ「ハイパー・バッファロー・キャッスル」が収録されています。パラグラフ数は170。これ以降の号にはパラグラフ分岐型の作品はないので、これが正真正銘ウォーロック誌最後のゲームブックです。
 タイトルは13号のT&Tソロシナリオに合せてるみたいだけど、こちらは海外作品ではなく、作者は清松みゆきさん。
 ほんの少しだけやってみたところ、他のT&Tソロにある滅茶苦茶展開が少なめだったり、道中で出会える仲間になるキャラが岩悪魔じゃなくてエルフの女というあたりは、なんとなく日本人の作品らしく感じました。
 もっとも、着ると服だけ透明になって丸裸に見えてしまう鎧とか、「勝ったら豪華賞品、負けたら他の惑星で強制労働」とかいいながら妙なルーレットゲームを強引に始めるおっさんとか、T&Tっぽいギャグも時々入っていたので油断はできません。


2009年07月18日(土) ウォーロック 第53号 1991年5月

 ハイパーT&T特集の号。ゲームブックといってもいいT&Tソロのシナリオのことも書いてあったけど、正直T&Tはあまり興味がないのでスルー。
 前号で最終回を迎えたAFFリプレイは、キャラクターはそのままでまた新しい冒険が始まった。金持ちになったり、裸一貫で逃げ出したり、TRPGのキャラクターは社会的浮き沈みが激しいのぅ。


2009年07月17日(金) ウォーロック 第52号 1991年4月

 純粋にゲームブックをネタにしたコーナーは、ウォーロックサロンのみ。この号あたりからウォーロックでのゲームブックの扱いがさらに減った気がする。前号で語られたゲームブックの衰退状況を考えれば、仕方ないかもしれないがやはり寂しい。

 特集記事はTRPGをするクラブを作ろうというもの。一見ネタ企画のようにもみえたけど、手順を追ってクラブ設立の動きを解説とか、実在するTRPGサークルへのインタビューとか、わりと現実的。TRPGはまずは一緒にする仲間がなくちゃ何も始まらないので、一番大事なテーマかもしれない。
 読んでいると高校のころ、鍵を無断でコピーして、開店休業状態だった文芸部の部室で仲間とTRPGをやっていたことを思い出すなぁ。やっていたのはウィザードリィとソードワールドでそれぞれ僧侶と魔法使いのキャラを使ってた。でも数回やっただけで、クラブの先輩達に見つかってクラブから追い出されてしまい、それっきり自分がTRPGをすることはなかったな。

 AFFリプレイは一旦最終回。ミニマイトが重要な役割になっている。ロッコちゃんの冒険といい、ソーサリーのジャン君はみんな印象深かったのかな。


2009年07月16日(木) ウォーロック 第51号 1991年3月

 巻頭特集記事は「1990年ストーリーゲーム総括」。要するに1990年に発売されたゲームブックについての年間特集です。
ウォーロック創刊以来、ずっと続いてきたゲームブック年間特集もこれが最後となっています。
 この年に発売されたのはゲームブックの冊数は、年間リストからTRPGリプレイ本などを除いて数えてみるにおよそ40冊。どんな作品かタイトルを挙げてみると、エニックス文庫からドラゴンクエスト4(1・2巻)、社会思想社から「奈落の帝王」「オーバーキル城」「ゲームマンの挑戦」「送り雛は瑠璃色の」、創元推理文庫から「夜の馬」「ティーンズ・パンタクル」「ネバーランドのカボチャ男」、富士見書房から「魔術師の挑戦デュエル・マスター」「ウィザーズ・クエスト」、双葉社からは……これは30冊近くあるので割愛。
 コラムは「ゲームブック辛口レビュー」を書いている竹谷明さんが書いていますが、なかなか興味深いことを書いているので、これを端折って書き出してみます。

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 昨年のゲームブック界はたいへん話題に乏しい一年だった。社会思想社、創元推理文庫、富士見書房からのゲームブックの出版数は激減。各社とも代わりにTRPGを主眼にしており、それぞれT&T、ドラゴンウォリアーズ、ソードワールドを売りだしている。しかし、創元推理文庫はこれによって身動きできない状況になったのではないだろうか。ゲームブックコンテストも尻すぼみになってしまい、今後はもうコンテストは企画されないだろう。
 そんな中でも、ただ一つ気を吐いている双葉社のハイスペースなゲームブックのリリースには頭がさがる。だが、「昨年を代表するゲームブック」となると、どうしても双葉社以外の作品から選ぶことになってしまう。双葉社にも秀作はあるが、ファミコン冒険ゲームブックなどのいわゆる“原作もの”のゲームブックに方向転換が必要な時期にきているのではないか。コンピュータゲームは進化を続けストーリーも長くなり、ゲームブックに移植するとき無理矢理一冊に収めようとするあまり、ゲームブックならではの余裕がなくなっているのではないか。
 90年は大手サークルの休会もあいつぎ、ゲームブック界の弱体化は誰の目にも明らかである。しかし、だからこそ突破口の模索のための挑戦は行われている。イラストを中心に据えた「ウィーザズクエスト」、一つの世界を広げていく「魔界物語シリーズ」、ボードゲームと組み合わせた「ネバーランドのカボチャ男」、心をイメージに結びつける「夢草枕、歌枕」(文庫版“送り雛は瑠璃色の”に収録)、手軽さを優先した「ドラゴンクエスト4」、恋愛ものの「ペパーミントシリーズ」など。それぞれ、ゲームブックにしかできないこと、ゲームブックだからできること、を考えた作品である。
 これらの試みはまだまだ大ヒットには至っていないが、条件さえそろえばゲームブックが注目をあつめる可能性も存在するのである。

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 私の記憶ではこの年のゲームブックはまだ健在で、本屋の店頭にはゲームブックコーナーがあった気がします。もちろんブームというには出版点数の激減はあきらかでしたが、ウォーロックの暦年の年間総括をみる限り、世間一般まで猫も杓子もゲームブックという時代は1986年で、ウォーロックが始まったころまでです。すでに1987年にはゲームブックの出版社は半減していてゲームブックブームはとっくに去っていたと解釈してもいいでしょう。じゃあ、1987年以降はなんなのかというと、ある程度ゲームブックというものがジャンルとして定着していた時代ということだと思います。(注)
 傍目にもはっきりわかるほどにゲームブックの存在が消えたのは1991年です。この年に発売された作品は「パンタクル2」(鈴木直人作品最終巻)、「天空要塞アーロック」(日本版FFシリーズ最終巻)、「嘆きの壁を越えて」(T&Tソロアドベンチャー最終巻)などで、次々に打ち切られていった様子が伺えます。双葉でさえも「戒厳令のトルネイド」(ルパン三世シリーズ最終巻)など1991年でゲームブックの生産は打ち切りになってます。つまり一斉に全てが消えていったわけです。
 創元推理文庫はもう少し頑張って1992年半ばに「第七の魔法使い」と「ギャランス・ハート」を出していますが、これは今の創土社のゲームブックのように注文しないと手に入らない状態になっていまして、当時の本屋の店頭でこの2冊を見かけたことはなかったですね。この後もゲームブックの新刊を出したのはエニックス文庫くらいでしょうか。
 ウォーロック自体もここからあと1年ほどで休刊になっていったことを考えると、まるでゲームブックの運命に合わせるように、といってもいいかもしれませんね。

注: もっとも私が普段の冒険記録日誌で“ゲームブックブーム当時”と書いているのは1991年までを含んだ意味です。なぜなら一々、「ゲームブックがジャンルとして定着していた時代〜」なんて書くのはめんどくさいから。



 話しを切り替えて、他のコーナーの感想をざっと書きます。
 この号から「めるへんめーかーのゲーム大好き」という漫画連載が始まっています。漫画家はタイトル通り、めるへんめーかーさん。作者自身のゲーム体験記エッセイとでもいった内容でして、前回のTRPGリプレイ漫画連載とはうって変わって面白い。楽しんで書いてるって感じがしますね。
 もう一つの新連載は「ファンタジークリエイターレビュー」。毎回、ファンタジー作家をゲストに呼んで対談しようというコーナーで、第一回は「グインサーガ」を執筆していた栗本薫さん。グインサーガはこの頃が一番面白かったなぁ。今年の春にお亡くなりになって未完の大作になっちゃいましたね…。
 「ゲームブックの出来るまで」は、井上尚美さん自身の作品「プロ野球ファミリースタジアム ナムコスターズの挑戦」を見本にフラグ処理などの話しをしています。この作品を製作したときの気づきや反省など交えていて、今までありそうでなかった、ゲーム製作の過程が記録された貴重な資料といえるかも。
 AFFリプレイは「運命の森」が舞台。このシリーズは書籍化されていて、文庫版を購入した方のサイトではあんまり良い評価が書いてないことが多かったのですが、実際に読んでみると普通のドタバタコメディ系リプレイ小説で、別に変な内容ではなかったです。これを不満に感じるとすれば、ゲームブックにあった硬派な雰囲気とのギャップの違いかな。FFシリーズのファンの中でも、原書がどうとかこだわる人は本当にこだわりますからね。私はボビージャパンのラノベリメイク版とかも楽しめる性質なんで平気ですけど。
 「タイタン世界の歩き方」最終回。前号で旧世界大陸に到着したロッコちゃん、ついにマンパン砦でクライマックスです。この企画が始まったときは、ギャグみたいな物語かなと思っていたけど、意外とシリアスに物語が展開してました。ミニマイト族のカイトって妖精が予想外の大活躍ですが、こいつの大阪弁はなんか浮いていたなぁ。
 「エンサイクロペディア・がらくた/順不同」。摩由璃さんの長期連載コラムですが、今号のテーマは「中世食事情」となっています。現実にあった中世ヨーロッパの様子を紹介するという話題は大好き。こうゆうのを読んでからファンタジーゲームなどを遊ぶと、冒険者が飲んでいるスープも、これは古い豆のスープだろうか?村が貧しそうだから香辛料は使ってない?とか想像力にプラスアルファされて良いのですよ。


2009年07月15日(水) ウォーロック 第50号 1991年2月

 この号の売りは「太陽神の宝玉」というゲームブックが収録されていること。
 これはAFFのソロシナリオといったもので、ゲームブックとしても本格的な内容になっています。文量的にも大作で、この作品だけで雑誌のページを圧迫しているので、他の連載コーナーの多くが休載しているほどです。
 詳しくは2009年8月14日の冒険記録日誌に感想を書きましたのでそちらをご覧ください。
 あと、ずっとウォーロックの雑誌監修者であった安田均さんがこの号を最後に退任されるとのこと。「太陽神の宝玉」は退任前の大仕事だったのでしょうね。


2009年07月14日(火) ウォーロック 第49号 1991年1月

 ウォーロックサロンでずっと続いているゲームブックの人気投票がこの号で一旦締められて集計を出していました。ここに全部書くのは大変なので10位までを抜粋します。

(作品部門)
1.展覧会の絵       84票
2.送り雛は瑠璃色の    83票
3.パンタクル       77票
4.ドラキュラ城の血闘   63票
5.失われた体       53票
6.ゾンビ塔の秘宝     28票
7.バルサスの要塞     21票
8.ティーンズパンタクル  19票
8.モンスター誕生     19票
10.エクセア       16票
10.紅蓮の騎士      16票
10.冒険者の帰還     16票

(作家部門)
1.J・H ブレナン     159票
2.鈴木直人        152票
3.S.ジャクソン      80票
4.思緒雄二         73票
4.I.リビングストン    73票
6.門倉直人         55票
7.山本弘          47票
8.林友彦          42票
9.古川尚美         20票
10.森山安雄        17票

 作品部門では「展覧会の絵」と「送り雛は瑠璃色の」の票数は僅差で人気はほぼ同等といっていいでしょう。作者部門のJ・Hブレナンと鈴木直人の票争いも白熱していましたね。
 気になるのは、全体の票数が少ないことはしょうがないとして、ランキング上位がどれも少し前の作品であり、人気作家もベテラン揃いということ。名作は古びないという言い方もできますが、新作ゲームブックや新人作家がまったくいないのは問題な気もします。

 この号の他のゲームブック絡みの記事は、「ゲームブックのできるまで」、「AFFキャンペーン・リプレイ」、「タイタン世界の歩き方」。それからオリジナルゲームブック「大陸の追跡者」が収録されています。
 後期のウォーロックも読んでみると、それなりにゲームブックを意識していたんだなと思います。ウォーロックに掲載されたゲームブックなんて、この日記を書き始めるまで39号の「ロストワールドからの脱出」が最後だと考えていましたよ。
 「大陸の追跡者」はタイタン3大陸全土を駆け巡ってある一人の男を追跡するという内容。男の手がかりは右頬にアザがあることとデニスという名前だけ。それだけで組織の力もなくたった一人で広大なタイタン中を捜索するというのだから、はっきりいって無茶無謀だよね。
 ポートブラックサンドやどくろ砂漠を始めとする、タイタンの主要都市や名所がひと通り登場するのですが、パラグラフ数が45しかない短編なので、たいして各場所の特徴が冒険に影響することもなく、ゲーム的にタイタン全土を巡る必然性が感じられません。「タイタン世界の歩き方」のように観光ガイドを兼ねた企画ゲームブックと考えたらいいのかな。
 このゲームには時間の経過という概念がないのですが、目的を達成するまで大陸を右往左往した移動時間を考えると、ゲーム内時間では最長時間をかけた冒険じゃあないかな、これ。


2009年07月13日(月) ウォーロック 第48号 1990年12月

 「ゲームブックのできるまで」という新連載が始まっています。筆者は「少年魔術師インディ」シリーズなどを書いていた井上尚美さん。双葉で執筆しているゲームブック作家さんのコラムとは、ウォーロックでは珍しいですね。
 内容はタイトル通りにゲームブックの作り方でして、フローチャートの作り方とか割と実務的な内容です。ゲームブック出版数も激減して、先の見通しの暗いこの時期になぜこのテーマ?と思わないでもないですが、井上尚美さんが内容は自由に書いていいと言われてこのテーマを選んだだけで、ウォーロック編集部に特に意図はなかったみたい。
 ウォーロックに限らず、ゲームブックの作り方という記事は読んでみると大抵、TRPGの入門編みたいな内容か、ゲームブック作りの心構えのような抽象的な内容が多くて、よく肩透かしを食らっていたのでこれは嬉しい。こんな連載こそ当時の私が求めていたもので、ウォーロック初期の頃にこそやってほしかったものです。

 「二つの川の物語」では第二回ゲームブックコンテストの入選作が発表されています。「2つの川のクリスマス」というほんわか風味のゲームブックでパラグラフは40。
 遊んでみたところ、ストーリーもゲーム性も単純な作りの作品でして、沢山の応募の中から選ばれた入選作にしてはちょっと物足りないです。ツンデレさんの登場するエンディング部分は好きだけどね。

 「AFFキャンペーン・リプレイ」は冒険の舞台がポートブラックサンドに移り、「タイタン世界の歩き方」の方はいよいよ旧大陸へにロッコちゃん到達。ここで登場する“レッドアイ”は“赤目”という表記になっていますが、創土社版ソーサリーも出たせいか違和感なくなったな。

 ウォーロックサロンの「ゲームブック辛口レビュー」では、双葉文庫の「イース2」がめった斬りにされていました。その一方で「イース2が面白かった」という読者からのハガキが隣のページに載っているのは、編集部なりのフォローかな?ちなみに自分はこの作品を遊んでいないのでなんともいえません。


2009年07月12日(日) ウォーロック 第47号 1990年11月

 これは珍しい。この号は二見書房から出たドラゴンファンタジーシリーズ(シリーズ名をグレイルクエストに変えて現在も創土社から発売中!)がメインです。
 よく読むと特集のテーマは、「ユーモアとゲーム」。なるほど。
 記事の書き手は、わきあかつぐみさん。しかし、もっとよく読むとドラゴンファンアジーの世界でTRPGを楽しもうという内容だったので、あんまりピンとこなかったかな。
 私自身があんまりやりこんでいないシリーズなので、熱心なファンの方々を差し置いて語れるものじゃないけど、自分にとってドラゴンファンタジーシリーズの魅力は、ゲームブックという形式を最大限生かしているユーモアにあるのですよ。決してTVゲームやTRPGの代用品じゃない、ゲームブック独自の方向性というか完成度を持っているというか。
 もちろんTRPGのリプレイ小説は面白いものが多いし、なにより作者のブレナン氏自身がユーモアTRPG「モンスター・ホラーショウ」なんてものを発表しているわけですが、それでもAFFリプレイでファイティングファンタジー作品を再現するのとは違って、TRPGでドラゴンファンタジーシリーズをというのは難しいのではないでしょうか。
 記事としては最初の「ドラゴンファンタジー」に関する基礎知識とかQ&Aが面白かったので、そのまま最後までドラゴンファンタジーシリーズそのものについて語って欲しかったなぁ。

 それからこの号には「銀河宅急便」というゲームブックが収録されています。作者はまたまた、わきあかつぐみさん。この号はずいぶん頑張ってますねー。
 ユーモア特集の後ということで、前にあった「スプリンターを守れ」(2004年8月4日の冒険記録日誌を参照)みたいな作品だろうかと思っていたら、ほのぼのとした世界観のSFゲームブックでした。双方向システムの分岐小説といった感じ。凝ったルールもゲームオーバーも存在しません。
 少年が小さな宇宙船に乗って、複数ある宅急の依頼を受けていろんな惑星へと配達をしていくという、ただそれだけの内容ですが、どの宅配も心温まるエピソードになっています。ちょっと話しが出来すぎだなぁとは思いつつも、良い童話を読んだ後みたいな読後感を味わえました。

 ゲームブック人気コンテストや読者コーナーのある「ウォーロックサロン」では、今号から竹谷明という方が担当の「ゲームブック辛口レビュー」コーナーが開始。さっそく、創元推理文庫の「ネバーランドのカボチャ男」をめった切りにしていました。
 このレビューコーナーはこの号の後からしばらく続いていたのですが、この時期はゲームブックブームもすっかり下火の頃で、新刊がめっきり減っていました。そんなわけで、ここで取り上げられるゲームブックは、この頃でも比較的まだ新刊を多く出していた双葉社の作品が多かったです。辛口レビューというだけあって口も悪いし批判が多いですが、内容は私も同意できるところが多かったかな。双葉作品でも面白い部分はちゃんと評価していましたし、割りと好きなレビューだったかも。

 タイタンの世界の歩き方。今回は巨人山脈>アリオン(「仮面の破壊者」の舞台)>アフェンの森(「恐怖の幻影」の舞台)とロッコちゃん一行はクール大陸を元気に横断中。八幡國には立ち寄らないのかな?

 AFFリプレイの方は、バルサスの要塞編が完結。終盤にバルサスダイヤの妻ルクレチアが登場したのは予想通りとして、窓際にバルサスダイヤの白骨死体が、引きちぎられたカーテンと一緒に転がっていたのはちょっとw 邪悪とはいえカリスマ的な指導者だったのに白骨化するまで放置されてたんですかい。可哀想に……。


2009年07月11日(土) ウォーロック 第46号 1990年10月

 「タイタン世界の歩き方」。前号でニコデマスの魔法によってテレポートしたロッコちゃん一行は、そのままなんとクール大陸のニューバーグ(ゲームブック「ナイトメアキャッスル」の舞台)へ移動していました。大陸まで横断して、どこまで飛ばされてんだ!ニコデマスの魔法の威力って凄いな。
 ニューバーグではオイデン神殿のヒューと会話したロッコちゃん、続いてはサソリ沼に移動してセレイターや鳥のあるじの協力を得て、大鷲に乗ってエルフの住むアフェインの森に向かいました。この連載って冒険の舞台だけじゃなく、ゲームブックで出会った登場人物達も次々に登場するみたいね。
 ヒューはニコデマスのことを知っていたし、意外と大陸間の情報伝達はできていた?

 特集記事はファンタジー世界の乗り物特集。適当なテーマが枯渇してきたのか、あんまり語ることがなさそうな内容だなと思って読んでいると、「地下迷宮の乗り物」の記事では、ネタだしに苦労しました、みたいな書き方になっていて笑った。

 あと新連載として、TRPGのアドバンストファイティングファンタジー(長いので今後AFFと呼びます)を使ったゲームリプレイが始まっています。6人パーティを組んだ冒険者達が、取り戻してくれるよう依頼されたお宝を求めて、バルサスダイヤ亡き後のバルサスの要塞に忍びこむというシナリオ。ワイワイガヤガヤのギャグティストなのはT&Tの方が似合っている気もしますが、リプレイ小説としてはこれが定番なのでしょうな。
 ゲームブックを遊んだ人なら、つむじ風女の登場は懐かしいはず。あとダイヤの妻ルクレチアが行方不明になっているそうで、これは今後の展開への伏線だろうね。


2009年07月10日(金) ウォーロック 第45号 1990年9月

 めるへんめーかー(絵)と星野すみれ(シナリオ)によるTRPGリプレイ漫画「ゲーム仕掛けの英雄譚」の最終回。少女小説誌のコバルトに連載されていた「不思議の森の物語」など、めるへんめーかーのファンタジー漫画は好きなはずなのだけど、この連載に限ってはダラダラとした会話が続いているだけのように見えてしまい、正直楽しめなかったな。

 一方で先月からはじまった「タイタン世界の歩き方」は結構楽しい。タイタンの舞台紹介記事という意味では、ファイティングファンタジーシリーズと「タイタン」という関連書籍をひと通り読んでいる人にとっては、特に目新しいことが書いてある連載ではないけど、こうやって改めて読むと気づくこともあるかも。あとロッコちゃんの冒険という味付けがいいね。ロッコちゃん達の旅は続いて、今回はポートブラックサンドが舞台。ニコデマスさんもしっかり登場しています。

 特集記事は、地下迷宮を舞台にした冒険のシナリオ集とかそんなの。これにせよ、毎号力の入ってる「2つの川の物語」企画にせよ、TRPG関連の記事だけなのは山口プリン的にはスルーしときます。


2009年07月09日(木) ウォーロック 第44号 1990年8月

 特集記事は「ファンタジー世界の職業」で、内容はTRPGの「混沌の渦」や「2つの川の物語」の職業リストとその解説など。戦士や魔法使いという冒険者の職業だけでなく、船乗りとか医者とか旅芸人のような普通の職業も紹介されています。
 近藤功司氏のコラムでは、ロールプレイング・ゲームの職業に求められるものをD&Dを引き合いに説明しています。この中で例として、D&Dの職業にもし卓球選手を加えるならというくだりが笑える。
 まず冒険で卓球選手という職業が役にたてるように、ルールとシナリオに改変が加えられる。それによると卓球選手が冒険をするこの世界では、各ダンションには卓球台が据え付けられ、すご腕の卓球選手が待ち構えている。太古の魔法で守られた彼らには戦士も魔法使いも太刀打ちできず、卓球技術に卓越した仲間が必要である。最後の大ボスも「ならば卓球で勝負だ!」と叫び、卓球選手にも見せ場が用意されている。もちろん卓球の球威やラリーを続けるためのルールも、通常の戦闘のルールとは別に設定されている。
 こんな感じ。要は職業一つといえども増やすのは簡単ではなく、ルールやシナリオの整合性を大事にしないといけないという例えなのですが、卓球選手はちょっと極端すぎないか?

 前号で終了した安田均の連載コラムに変わって、下村家惠子さんによって「タイタン世界の歩き方」という新連載が開始。
 これはロッコちゃん(魔法使いの少女で、ウォーロックのマスコットキャラです)が主人公のオリジナル小説をベースに、ファイティングファンタジーシリーズに登場する「タイタン」という世界の各地を、観光案内風に紹介・解説していくというもの。連載1回目で紹介されたのは登場順に、ギザ岩山の要塞>ダークウッドの森>火吹山の下に広がる地下迷宮でした。
 小説自体は、TRPGリプレイ小説のように会話ベースで書かれたテンポの良いものです。ロッコちゃんが登場するからほんわかした話しかと思ったのですが、善の魔法使いヤズトロモが火吹山に幽閉され、旧大陸ではマンパン砦の大魔王に復活の兆しありとか、なんだか大陸を超えたスケールのデカイ展開になってます。
 甘いもの好きなヤズトロモに京都銘菓の八つ橋を持って行って喜ばれるというエピソードなんてのもあって、どこまで本気の話しなのかよくわかりませんけどねw


2009年07月08日(水) ウォーロック 第43号 1990年7月

 安田均のコラム「ファイティングファンタジーの楽しみ方」がついに最終回。この時期のウォーロックでは、唯一のゲームブックの連載コラムだっただけに、この後はますますゲームブックとの縁切りが進んでいきそうで不安だ。
 ウォーロックサロンのコーナーでは、「これからのゲームブックに何を望むのか」というお題で読者の意見を募集していた結果が出ています。
 内容は、「面白ければ何でもよい」「迷路をなくしてくれ」という身も蓋もない意見から、「新鮮味が薄れているのでもっと目新しい作品を」というものや、「一つの共通の世界を作り、そこから複数の日本人作家が書いていく。日本人なのは、翻訳ものより文章が読みやすく、流行も追いやすいから」という和製ファイティングファンタジーのようなものを提案する意見までいろいろ。
 しかし全体としては「最近のゲームブックは難しすぎる」「一度解くと二度と解く気になれない作品が多いので、何度でも遊べる作品を」「手軽に遊べるものを増やしてほしい。シンプルイズベスト」「初心者が入り込めない作品が増えている」「複雑なシステムや壮大なテーマが売りじゃなく、もっと日常的なテーマのゲームブックがあってもいい」「解くことじゃなく、読むことを楽しめる作品がいい」という、ゲームブックの内容がマニアックになったり、大作化する傾向を危惧する声が多かったようです。

 それからこの号には、なんとゲームブック作品が2本も収録されていました。
 一つはかねてより一般募集していた「2つの川の物語」の世界観を使ったゲームブックコンテストの入選作で、「ロスフィーンの涙」という作品。募集要項が原稿用紙20枚くらいと書いていただけあって、パラグラフ数はわずか40しかありません。
 遊んでみると、非常にほのぼのまったりほんわかした雰囲気を感じさせる内容でした。ゲームオーバーはなく、昔のコマンド選択式の推理アドベンチャーゲームみたいなパラグラフ構造でして、選択肢を総当たりで選んでいけば必ずクリアできる作りです。
 もう一つは「モラディリウス」という作品で総パラグラフ154。炎の魔法を使う聖戦士が魔界みたいな場所に飛び込んで悪魔と戦う話しで、ハードな世界観のようです。
 作者が井上欣久という方ですが、これ創元推理文庫の第二回ゲームブックコンテストで入賞した井上欣久さんのことかな?創元推理文庫から「迷宮の魔剣」という作品が発売される予定だったのに、同社のゲームブックレーベルの打ち切りで日の目を見ることがなかった悲運の方です。
 こっちはまだ遊んでいないのですが、使える魔法は炎に関連するものに統一された5種類があって格好よさげ。主人公は男と女のどちらかから選択できるようになっており、それによって主人公の立場やストーリー展開も結構変わってくるのが特徴のようです。


2009年07月07日(火) ウォーロック 第42号 1990年6月

 特集記事はファンタジーを題材にしたビデオとか映画の特集。
 ゲームブック絡みの記事は、定番コーナーのウォーロックロータリーと安田均の連載コラムくらい。
 あとファイティングファンタジー32巻「奈落の帝王」のレビューが載っている。これ以上ないくらいにベタ褒めな評価をされているけど、そのあとの33巻でシリーズの日本語版は打ち切りになっていることを考えると、「名作=売れるゲームブック」にはやっぱりならないのでしょうなぁ。


2009年07月06日(月) ウォーロック 第41号 1990年5月

 ゲームブック関連でいえば見るべきところがない号。人気投票などを載せた、毎号2ページの「ウォーロックロータリー」のコーナーがあるくらいで、安田均の連載コラムすらなかった。
 特集記事はファンタジーの王様特集。魔由璃さんのコラムではファンタジー小説に登場する王様について、山本弘氏のコラムでは無理やり王様にこじつけて、TRPGなどでオリジナルの王国を創造するときのヒントについて書いていた。
 しかし、ゲームブックの世界の王様についてのコラムは、企画倒れっぽい内容。編集部自身が書いていたけど、ゲームブックの世界の王様なんて“王たちの冠“やら”鍔なりの太刀“のような宝を盗まれ困っているだけという情けない存在なんだよね。
 記事では存在感のある王様としてドラゴンファンタジーシリーズのアーサー王をあげていたけど、アーサー王は元々有名人ですからちょっと別格な気がします。
 もし自分がゲームブックの王様をテーマに何か書けといわれたら、敵役のボスについて書くけどね。「ベルセブルの竜」に登場するルシファー・ベルセブルなんて王の風格があるキャラでいいと思うんだが。
 主人公側の王様なら、まさか民衆をほったらかして一人で冒険に旅立つわけにもいかないし、大規模戦争を中心にすえたスケールのでかいゲームブック(例えば「奈落の帝王」とか)でも作らないと出番なんてないよなー。


2009年07月05日(日) ウォーロック 第40号 1990年4月

 「恒例! ゲームブック・スペシャル 1989年にはどんなゲームブックが出たか」というタイトルのまんまの特集が組まれています。
 徐々にゲームブック専門誌からTRPG専門誌へとシフトしていると思われるウォーロックですが、年間特集をまだやってくれているのは嬉しいところです。
 ただ、紹介されているゲームブック年間出版リストの中には「ソードワールド・ルールブック」や「クロちゃんのRPG千夜一夜」などの明らかにTRPG関連の書籍も含まれています。ウォーロック的にはこれらもゲームブックの範疇に入るということみたいです。
 ちなみに出版リストから普通の(パラグラフ分岐型の)ゲームブックだけを抜き出してみると、(内容がわからずゲームブックなのか見分けがつかない書籍もあるので正確な数は不明ですが)およそ100冊くらい出版されていました。
 今の感覚からすれば、まだ十分すぎるほど沢山発売されているような気がしなくもないです。
 この中で双葉社は、全体の半分近い46冊ものゲームブックを出しています。定番のTVゲーム原作の作品群以外にも、少年少女を主人公にしたオリジナルの冒険ものから、少女小説をベースにしたペパーミントシリーズなどのような変り種もチラホラあり、今でいうライトノベル小説のゲームブック版みたいな路線でいろいろやっていたようにも見えます。当時はまだ“萌え”の要素やその概念はなかったですけどね。

 記事の方ですが「従来のパラグラフ分岐型のゲームブック」の出版数の減少が目立っていると指摘。TRPGの発展でゲームブックのメリットは薄れた。人気TVゲームのゲームブック化作品のような、TRPGではできないキャラクター性を売りにする路線も有効だと思われる。しかし、それだけでは根本的な対策にはならないので、「送り雛は瑠璃色の」や「魔城の迷宮」のような新しいアプローチの作品を出していかないと先細りする一方だ、というような主旨のことが書かれていました。

 対談コーナーでは、編集部以外にゲストゲームブック作家として、「エクセア」を書いた宮原氏、「送り雛は瑠璃色の」の思緒氏、「魔法使いディノン」の門倉氏の3人が呼ばれていました。いずれもウォーロック誌でお馴染みの人ばかりでこれはちょっと安直だな。対談内容も、鈴木直人作品の人気の秘密は?と聞きかれて「よくわかりませんが固定ファンが多いからでしょうねぇ」などと答えるとか、どことなくピントのずれた会話でしたし。
 ところで門倉氏と思緒氏は同一人物という説をネットのどこかで見たことがあるのですが、この対談コーナーを読む限りではどうみても別人なのですが?対談も実は一人二役を演じていた?2人の作風が似ているから、そんな噂が生まれただけ?よくわかんないな。 
 似ているといえば創土社から出版されている「魔人竜生誕」を書いた松友氏は、ゲームブック作家としては宮原氏と似たタイプな気がします。対談で36号のウォーロックに掲載されていた「さらば青龍」が、聖闘士星矢の影響を受けまくっていると宮原氏が話しているあたりなんか特に。いや、だからどうというわけじゃないですけど、なんとなく。


2009年07月04日(土) ウォーロック 第39号 1990年3月

 この号は結構面白い内容が詰まっている当たりの一冊。

 まずはオリジナル・アドベンチャーゲーム「ロストワールドからの脱出」が収録されています。
 この号より後のウォーロックには、今まで定番だったパラグラフ200のゲームブックがなく、たまに収録されるゲームブックもTRPGソロシナリオのようなコンセンプトが多いので、ウォーロック発では最後の純粋なゲームブックといえるかもしれません。
 作者はベテランの山本弘さん。現代の冒険家が恐竜の住む未開の高地を発見するという、秘境冒険もの。タイトルでわかるとおり、アーサー・コナン・ドイルの書いた有名な冒険小説「ロストワールド」に近い設定です。
 フェイティングファンタジーのルールをそのまま使っているので遊びやすいうえ、内容もいかにも冒険している感があってかなりの良作です。金髮アマゾネス幼女が登場するあたりは作者の趣味が出ていますな。
 2003年6月の冒険記録日誌にプレイレポートを書いているので、興味があれば見てください。

 安田均の連載コラムはゲームブックのゲーム性について。
 「ウォーロック・ロータリー」というコーナーでは、初めて遊んだゲームブックというテーマで、読者の声を載せていました。ソーサリーのような名作中の名作から、西東社のマイナー作品まで幅広いゲームブックの名前が登場していましたが、どの作品にも好意的な意見が添えられています。やはり最初に遊んだゲームブックというのは作品の出来不出来に関わらず愛着が湧くものみたいです。

 「ロールプレイングメール・2つの川の物語」では従来の内容の他に、「2つの川の物語」の世界観を生かした原稿用紙20ページくらいのミニゲームブックを募集していました。
 入選作はウォーロックに掲載されるそうで、こうゆう気軽なコンテストは良企画だと思います。

 T&T関係ではこの号から、漫画家めるへんめーかーによる、リプレイの漫画連載が開始。
 それから以前にあったT&Tの僧侶魔法特集に続いて、今度は怪盗魔法特集というのが掲載されていたのですが、この怪盗魔法というのが傑作。
 この魔法はいわゆる怪盗という職業、例えばルパン三世(ルパン三世)やら怪盗キッド(名探偵コナン)やら怪盗百色(吉永さん家のガーゴイル)やらがいかにも使いそうな能力を魔法システム化したものです。ゲームブックの登場人物なら、謎かけ盗賊がこの魔法を使いそう。
 コミックティストの強いT&Tの世界にほんと似合っています。以下に一部抜粋して紹介しておきます。呪文のネーミングセンスが実にいいね。

レベル2 (呪文名)なんともしまらぬ……
 縄抜けの呪文。唱えたとたんに縄の結び目が自然にほどけてしまう。

レベル3 (呪文名)パーム
 小さなアイテムの姿を消してしまう魔法。魔法を解除することで何もない手から花などを出現させるように見せることもできる。

レベル4 (呪文名)目を疑え
 小さなアイテムを別のものに見せかける幻影の魔法。

レベル6 (呪文名)変身
 自分をまったくの別人に見せかける魔法。

レベル7 (呪文名)水だって潜るさ
 水の中でも呼吸ができ、水圧に邪魔されずに自由に動けるようになる。

レベル9 (呪文名)脱出
 警官に囲まれても牢に入れられても、簡単に抜け出せる瞬間移動の魔法。レベルが高くなるほど移動距離を伸ばすことができる。

レベル11 (呪文名)手の中の奇跡
 壊れてしまったアイテムや、小動物の負傷を癒したりする魔法。呪文の対象物は手で持てるサイズの物に限られる。

レベル12 (呪文名)帽子と鳩とハンカチと
 小さなアイテムや小動物を、他の小さなアイテムや小動物に変えることができる。

レベル15 (呪文名)じつはそこにいた
 自分の知っている場所へ一瞬で移動できる。

レベル16 (呪文名)大魔術ショー
 大掛かりな幻影を見せる魔法。怪盗が想像できる限りの音と映像を再現できる。

レベル20 (呪文名)じつは生きていた
 死の瞬間に使うと別の場所に瞬間移動し、生き返ることができる


2009年07月03日(金) ウォーロック 第38号 1990年2月

 この号の特集記事は2本あって、ファンタジーの異種族たちと、ボードゲーム・カードゲーム特集。
 ファンタジーの異種族とは、要するにエルフとかドワーフとかボビットとか人間以外の知的種族のこと。レプラコーンのオシェイマスやミニマイトのジャン、それに「モンスター誕生」や「モンスターの逆襲」といったゲームブックのキャラや作品を引き合いに出すコラムもあれば、妖精のことを詳しく書いた書籍の紹介、TRPGでの異種族の演じ方の心構えなど、いろんな視点で記事が書かれています。
 武器特集とか宿屋特集と違って現実にないものの特集であるため、内容が薄いのではないかと心配したが、結構読める内容でした。
 もう一つのボードゲーム・カードゲーム特集は、単純な商品紹介コーナーだったが、今となっては入手困難な商品ばかりと思われるため、この手の研究をする人には資料的価値があるかもしれない。この中で「ベガス」というカードゲームが、スロットマシーンの絵柄でカードを並べてそのまんまスロットマシーンのように遊ぶという、単純明快さに惚れました。欲しいんだけどヤフオクあたりで手に入らないかな。

 前号に引き続き「ロールプレイングメール・2つの川の物語」のページもあった。どうやらウォーロックの中心企画としてずっとやっていくらしいけど、私はあまり興味ないので今後はスルーかな。
 ゲームブック関連記事は、ゲームブックの人気投票をやってる「ウォーロック・ロータリー」というコーナーと、安田均の連載コラム以外は特になし。人気投票コーナーも全体的な票数が下がっているので、惰性で続いているだけの気もしなくもない。


2009年07月02日(木) ウォーロック 第37号 1990年1月

 ロールプレイ・メールという、ウォーロック読者参加型のTRPG企画がメインの号。
 「2つの川の物語」という、ゆったり感のある雰囲気が良さげなファンタジーシナリオが元になっていて、参加者のハガキによってシナリオに肉付けがされている感じ。ルールがわかりにくいですが、なんとなく読んでいるだけでも結構楽しめます。

 もう一つの特集記事は、「テーブルトークのコンピュータRPG」。
コンピュータゲームでTRPG的なものを楽しむことについて、その長所と短所やらを書いているわけですが、T&Tのコンピュータゲーム版なんてものも存在したのですね。パソコン(日本ではPC98シリーズ)でしか遊べなかったようなのであまり一般には普及しなかったでしょうけど。
 あと参考例として登場しているゲームが、アメリカで発売されたばかりの「ウィザードリィ5」と、日本で発売された「ドラゴンクエスト4」だったと書けば、この号が発売されたあたりの時代が実感できるかな?

 ゲームブック関連の記事は、安田均の連載コラム「ファイティング・ファンタジーの楽しみ方」(この号はアメリカのスティーブ・ジャクソンについて書かれてた)と、ファイティング・ファンタジーシリーズの最新刊「悪霊の洞窟」のレビューくらい。ここのレビューでも「悪霊の洞窟」はあんまり褒められてないですねぇ。


2009年07月01日(水) ウォーロック 第36号 1989年12月

 ゲームブック唯一の専門雑誌、ウォーロックの感想です。すでに創刊号から35号までは以前に感想を書いているのでその続き。
 この号からウォーロックの編集長が多摩豊氏から近藤功司氏にバトンタッチされています。
 といっても、雑誌の内容がすぐさま劇的に変化するわけでもなく、強いていえば編集後記が巻末からなくなったくらいかな?

 この号の特集記事はファンタジー世界に登場する宿屋について。
ファンタジー小説などに登場する宿屋などを引き合いに出したりして、テーブルトークに使えるネタにしてもらおうという内容で、「黒竜亭の一夜」という宿屋を舞台にしたミニシナリオもついています。
この中で興味深いのが、実際の中世ヨーロッパの宿屋はどうだったのかという蘊蓄(うんちく)のくだり。
 当時の町の治安は相当悪く、人里で野宿をするのは自殺行為だったようですが、一般庶民の路銀で泊まれる普通の宿屋というのも、寝ワラのうえに大勢で雑魚寝が当たり前、盗難も日常茶飯事という劣悪な状態だったらしい。そのうえ当時の庶民が旅をする大半の理由は巡礼ということもあり、一般的な旅人は宿屋ではなく修道院に泊まっていたそうです。
 ゲームブックやファンタジー小説に登場する、個室に泊まったりするような宿屋は、裕福な商人でもなければ泊まれないような高級宿ということみたい。
 さらに不潔で汚いとか、盗難にあったというのはまだマシな方で、人間の指の欠片がスープから出てきたとか、旅人が入る人数より出発する人数が少ない宿屋なんてのもよくある話しで、お上から「宿泊客を食べてはならない」というお達しがわざわざ発令されたというから恐ろしい。タイタンでも指折りの治安の悪さを誇る、ポートブラックサンドとか城塞都市カーレみたいな町が中世ヨーロッパでは普通にあったわけで、ゲーム世界より現実の方が恐ろしいものなのですなぁ。

 他に摩由璃さんのコラム(この人今はどうしているのでしょうね?)では、中世の結婚式についての蘊蓄が書いてありまして、女性は13歳くらいが結婚適齢期というのはともかくとして、結婚式で立会人たちが殴りあいの喧嘩をする習慣とか(当時の庶民は文盲が多く、婚姻記録簿などに残すことができないため、代わりにいつまでも記憶していられるようにとの理由らしい)あったそうで、どうも中世時代のヨーロッパ人の感覚ってのは現代日本人にはなかなかわかりにくいです。

 それからこの号にはオリジナルゲームブック「さらば青龍」が収録されています。作者は「エクセア」や「フォボス内乱」などを書いてる宮原弥寿子さんで、パラグラフ200の単行本未収録作品です。
 東京で暮らしていた主人公が、いきなりファンタジー世界に飛び込んだという、オーソドックスなプロローグながら、いきなり血まみれの剣を握った状態で、わけもわからず衛兵達に囲まれているという、緊迫感あふれるスタート。遊んでいないので感想は書けませんが、短編ながらオリジナルルールを使って結構凝っている感じでした。


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