冒険記録日誌
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2003年06月30日(月) 楽しい?遊園地(奥谷道草/白夜書房)

クロスワード・ランド8月号にのっている、はみ出しゲームブックです。
今回はタイトル通りに遊園地が舞台。ジャットコースターや、お化け屋敷など、なるべくたくさんのアトラクションを遊ぶのが目的という、ある意味で他愛無いお話しです。
それにしても主人公はかなり貧弱のようです。コーヒーカップに乗ったら「目がまわった」だのゴンドラに乗ったら「緊張してノドが乾いた」だの体調がどんどん悪化してしまうのです。おサルの電車にのって「のんびり走るのでイライラした」後は、ゴーカートに乗ってイライラを吹き飛ばすなど、うまく体調管理をしながらアトラクションを選んでいかないと、あっという間に倒れてドクターストップがかかり、ゲームオーバーです。
つまりこのゲームブック全体が一つの本格パズルになっているのですねぇ。
私はこの「はみ出しゲーム」シリーズは、電車の中などで簡単に読むことが多いのですが、今回ばかりは腰を据えてマッピングしながら謎解きをしました。
しかしまぁ、奥谷道草氏はよくも毎月いろんなネタを思いつきますね。感心することしきりであります。


2003年06月29日(日) ロストワールドからの脱出(山本弘/社会思想社) その3

調査を続けるとこの太古の世界に不似合いな小型飛行機を発見。
飛行機は痛みが激しく相当昔に墜落したもののようだ。
コクピットにまわるとパイロットの人骨を2体発見。引き続く調査のすえ、彼らは探検家の夫婦だったらしいことが判明した。両親と幼い女の子の3人で写っている写真を見つけ、なんとも物悲しい気持ちになる。
と、そのとき。
いきなりあらわれた十四・五歳くらいの女の子に驚く。
ターザンのような毛皮をして身のこなしは軽く、そのくせ顔は現在人のようだ。
もしかしてあの、写真の娘か?
女の子はこちらを警戒するそぶりを見せた後、逃げていく。
待って、待ってくれ!

<中略>

時間は経過したが苦労の末に、女の子の警戒を解くことができた。
恐竜や猿人に襲われたりといろいろあったが、女の子と協力のすえ、最後には謎の古代文明が生み出した飛行艇で巨大高地を脱出することに成功した。
めでたし、めでたし・・・・・・じゃない。
恐竜が住んでいたという証拠を何一つ持ち帰らなかった私の報告は、学会からまるで信用されず、さりとて再びあの巨大高地に向かう資金もなく、探検家として笑いものになったのだ。おまけにあの女の子は現代の生活に馴染めず毎日寂しそうにしている。
生きて帰れこそしたものの、今回の冒険は失敗だったようだ・・・・・・。



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というわけで、まだこのゲームブックはクリアしておりません。
食料にしていた恐竜の肉は証拠にならないのかなぁ。
きっと主人公が必死に訴えても、ト学会あたりのネタ話しにされるのでしょうね。
これはつらいだろうなぁ。(笑)


2003年06月28日(土) ロストワールドからの脱出(山本弘/社会思想社) その2

「ああ〜〜アァァァァァァァ!墜落するぅぅぅ」

というわけで、冒険が始まったとたんにピンチが訪れます。
目的地の巨大高地の上空で、突然ヘリコプターが故障してしまったのです。
一瞬失った気を取り戻したときは、地面に叩きつけられたヘリの中。幸いにも軽傷ですんだよう。
しかししかし、ヘリは今にも爆発炎上しそうな様子。おまけにパイロットはぐったりしています。
パイロットを助けるか?取れるだけの装備品を持ち出すか?
うわぁ。いきなり厳しい選択肢からゲームが始まるなぁ。
そう思いながらも一瞬の躊躇の後、パイロットの体をヘリから引きずり出ました。
その直後に、ヘリは爆発!危機一髪です。

だけど、かわいそうにパイロットはすでに死んでいました。
パイロットが装備していた拳銃を手にとって、これからどうするか考えます。
断崖絶壁のうえに位置する巨大高地から、ヘリなしで脱出ができるのでしょうか。
しかも、この巨大高地にはなんと!太古の昔に滅んだはずの恐竜達がウヨウヨいたのです。
しばらくあてもなく、あたりを探索する。時々、恐竜が襲ってくるが拳銃で大ダメージを与えられるのでそう怖くはない。もっとも弾丸がつきると、恐竜を相手にナイフを使って(通常の戦闘ルールで)戦うはめになるので油断は禁物だったりします。
登場する恐竜によっては、倒した後に肉を切り取って食料にできる。残り食料を気にしながら一晩、二晩と野宿するのはまさにサバイバル。
うーむ。コテコテな古典的SFのような設定のゲームブックだけど、この食うか食われるかの感覚は新鮮な面白さがあるぞ。

続く


2003年06月27日(金) ロストワールドからの脱出(山本弘/社会思想社) その1

山本弘といえば近年はト学会の会長として有名ですが、かつては彼もゲームブックも書いていました。
どんな作品があるか知ってますか?
「モンスターの逆襲」と「四人のキング」ですね。
でも、他にもあります。ウォーロック39号に掲載されていたパラグラフ200のミニゲームブック、上記の2作品と違ってその後文庫本にも収録されることもなかった幻の作品が。
それがこの「ロストワールドからの脱出」です。今回はこの作品をプレイしてみます。
ルールはファイティングファンタジーシリーズを基本にしたものですけど、舞台は現代の南アフリカにある秘境。
野心に満ちた探検家である君は、乏しい資金で旧式ヘリコプターをチャーターすると、パイロットと2人で熱帯地帯にそそり立つ未知の巨大高地に飛び立ちました。
さて、どんな冒険が待っているのでしょうか・・・・・・。


2003年06月26日(木) 夢枕(思緒雄二/創土社)

「夢枕」は「送り雛は瑠璃色の」の本におまけのように入っているミニゲームブック。
でも、これはゲームブックとは違うかな。
サイコロを振る分岐点が2箇所あるだけで選択誌もない。
内容も主人公が“夢草枕、歌枕の寝間”という小さな部屋で2つの夢を見るというだけの話しなのだから。
そして、この2つの夢をつなぐ物語(“中段の空”と呼ぶらしい)を考えてみるようにいわれる。
物語の登場人物が言っていたが、「夢枕」は夢の意味を自分で考える“占い”ということらしい。
夢は明快なものではないだけに、楽しむには“理解”するより“感じる”ことが大事なのだろう。
いくつか私の考えた“中段の空”をここに書こうかとも考えたが、それほど面白いものにならなかったので止めておく。
ふー。つくづく私のように単純な人間には難しい本だと思うよ。


2003年06月25日(水) 送り雛は瑠璃色の(思緒雄二/創土社)

 難しい。
 いや、ゲームの難易度とかではない。
 そういう意味なら、一般のゲームブックより簡単にクリアできた。
 しかしその感想を書くのは難しい。

 まずシステム面の話しから。ルールは非常にシンプルである。
 “霊力点”という能力値。そして時間をチェックするのみである。サイコロも使わない。
 これくらいなら記憶すれば、電車や車の中で気軽に読むことも可能だ。
 ゲームの進行は、時間帯によって強制イベントが発生するほかは、町のデパートや公園、神社、学校、友人の家などを調査すること。その繰り返しだ。
 ちなみにゲーム内で経過する時間は思ったより短く、一度のプレイでは全体の中のほんの一部しか経験することができない。
 続いて大雑把に設定を書くと、舞台は現代日本である。
 歴史部所属で性格は少し変わっているものの、普通の中学生達が主人公で、彼らが時間がたつにつれて魑魅魍魎の同居する世界に入り込んでしまうというもの。
 それだけ書くと、創元推理文庫の「ティーンズパンタクル」と同じようだが、内容はまったく違う。「ティーンズパンタクル」は、生徒をすり替えながら少しずつ学園をのっとっていく、異界からきた魔女の親子が敵。対する主人公の大島いずみは霊能力と剣道で鍛えた力で戦うという非常にわかりやすい話しである。一方「送り雛は瑠璃色の」の設定は謎が多い。未読の人の楽しみをそいではいけないので内容は書かないが、少なくても一度のプレイで、物語の全容をつかむことは不可能だ。何度も読んでも完全に理解するのは難しい。
 クリアするというより、物語を読み解こうとすることがこのゲームブックの楽しみ方だろう。

 そして私自身の感想だが、それなりに楽しめた。が、いまいち雰囲気が好きになれなかったというところだ。
 同じ思緒雄二のゲームブック「顔のない村」は、ファイティングファンタジーのルールと本作品のシステムを組み合わせたようなシステムだったが、こちらは素直に怖いと思えたしワクワクした。私の場合、本作品のように抽象的な謎かけに満ちた世界は苦手というか、物語の中に入り込めないようだ。
 世間のゲームブックファンの評判が非常に高いのは知っているが、これは好みの問題としか言いようがない。
 送り雛のファンに申し訳ないが、中にはこんな偏屈な人間もいるんだな。と読み流していただきたい。


2003年06月24日(火) あなたにLOVEソング(魚住香月/学研)

ある日、電車待ちの時間が20分くらいありました。
私は駅前の古本屋に向かいます。
「えーと、ゲームブック。ゲームブックはないかな」
はたから見るともう病気かもしれません。
今まで散々あさってきた小さな古本屋なので、もう双葉とか創元とかのゲームブックはとっくにないのですが、女性向き占いコーナーを探すと見つかりました。
タイトルは“あなたにLOVEソング”
表紙にはLEMONシュミレーションブックと書いています。
装丁を見ると心理テスト+少女小説+ゲームブック、といった印象。
100円だったので電車内での暇つぶしに買っていきます。
ゲームブックが好きとは言え、このタイプの本まで買うなんて、まるでマニアになった気分です。(突っ込まないよ―に)
読んでみると、「主人公は女子高生で、転校してきたバンド少年に恋をします。うまく二人は結ばれるでしょうか?」と言うお話しでした。
基本的に1パラグラフの文章が長くて、途中にイラストを使った心理テストなんかもあります。いかにも若い女性向けの雑誌にありそうな内容です。
ゲームブックとしては、154ページへ進めとか進行先はページ数で表しているので、何パラグラフあるのかは不明。
そんなに選択肢の数もなく、間違えると即座にバットエンドになる2択が続きます。
中には選択肢が性格診断チャートになっていて、その結果で行動が決定することもあります。
チャートを正直に答えてゲームオーバーになったら文句の一つも言いたくなりますが、一つ前に戻るだけでいいと書いてます。ここは気軽なノリでプレイしないと行けないようです。
話しが分岐するのは3箇所か4箇所くらい。そのかわりまったく別物のストーリーになってしまって、エンディングが変わってしまいました。
そして最後に本書の最大の特徴があります。各エンディングの後に、今までの選択肢や心理テストの結果から、読者の恋愛能力を診断してもらえるのです。
ちなみに次の日の通勤時間も合わせて読み続け、私はハッピーエンドに辿り着きましたが、診断結果は最低レベルでした。
先を急ぎすぎて、せっかくのチャンスを台無しにしてしまうタイプだそうです。
回想・回想・回想・回想・回想・・・・・・これ、当たっているかも。泣けますなぁ。


2003年06月23日(月) びっくりハウスの謎(クストファー・ブラック/朝日ソノラマ)

 朝日ソノラマのゲームブックといえば、ハローチャレンジャーブックシリーズです。
 全部で15巻まで発売されていましたが、みなさんは読んだことがありますか?
 社会思想者のファイテングファンタジーシリーズや双葉社のファミコン冒険ゲームブックなどに比べて、遥かにマイナーなシリーズではありますが私は結構好きなシリーズなのです。
 一作目の「出発!スターへの道」で(当時の)現代ネタのゲームブックを出したかと思うと、二作目の「妖魔の森の冒険」では古典ファンタジーの世界を舞台にした作品、三作目の「エイリアン地底魔城」では原作付きのゲームブック、六作目の「モニュメントの謎」はイラストだけで文章がないという実験的な作り、九作目の「魔法使いナシアンの旅」では創元推理文庫でも通用する本格派のゲームブックを出したりと、とにかくバラエティー豊かです。各作品の当たり外れは大きいのですが、なかなか面白い、通好みのレーベルといえるでしょう。

 さて朝日ソノラマのゲームブックにはもう一つ、さらにマイナーなシリーズが存在します。それが「びっくりハウスの謎」を始めとするスターチャレンジシリーズです。
 私が所有しているのは第三巻にあたるこの一冊のみなのですが巻末の案内を見る限り、このシリーズは全て同一舞台で同一作者の書いたゲームブックのようです。
 どんな内容なのかというと、SFです。主人公は惑星連合の新人諜報部員。相棒のロボット“2-Tor”とコンビを組み、宇宙をまたにかけて犯罪組織をぶっ潰すという格好良さそうな話しになっています。まるでキャプテンフューチャーのようですね。

 肝心の「びっくりハウスの謎」自体の感想ですが、本書は選択肢を選ぶだけの分岐小説タイプのゲームブック。パラグラフ数は115しかありません。
 “遊園地惑星”で仲間の諜報部員が次々と失踪するという事件の調査が、今回の任務です。実際にやってみると物語の中核となる粗筋はなく、選択肢次第でストーリーはいろんな展開に変化していきます。
 以前に日記で取り上げた、講談社の「スペース・パトロール」と雰囲気が似ているのですが、こちらの方が展開が安っぽく退屈に感じました。本文イラストも腰砕けになりそうな出来で(特に“2-Tor”の団子みたいなデザイン)いまいちこの世界に入り込めません。
 まあ、この辺は好みの問題もありますが、一言で感想を書くと


つまんない


です。コレクター以外にはお勧めしません。
 スターチャレンジシリーズは、現在はめったに入手できないレアものなのですが、この分だと他の巻もあまり期待できません。珍しければ素晴らしい作品というわけではないという見本のようなゲームブックでした。


2003年06月22日(日) 女魔法使いフィルス 聖なる樹を求めて(武田邦人/朝日ソノラマ)

チャーミングな女の子、フィルスが主人公のゲームブックです。
作者の武田邦人さんのゲームブックには、「騎士ローラン 妖魔の森の大冒険」という前作がありますが、どうやら共通の世界観をもっているようです。フィルスはそちらでも脇役として登場しています。
プロローグは、世間から離れた平和な村で育ったフィルスは、魔法の師匠ミスラルの助言にしたがって、修行のためお城へ向かいます。というもの。
お城でしばらく魔法の修行をしたあと、やんちゃなお姫様を助けるため冒険に旅立つというストーリーの流れになっています。
育ちの良さが伝わるフィルスのキャラクターに加え、前作に引き続く「〜です」「〜ます」調の文章の影響もあってか、牧歌的な雰囲気は非常に魅力的。さらに前作は純粋な分岐小説だったのですが、今回は体力と魔力のポイントが設定されていて多少のゲーム性が加わっています。
フィルスは精神魔法の使い手という設定のためか、使う魔法は地味目です。内容は“明かり”“精神離脱”“危機予感”など。めぼしい攻撃魔法も“衝撃波”くらいです。しかし盗賊のアジトに侵入するときに、明かりの魔法を地面にかけて門番の注意をそらすなど、たまに賢い使い方をしています。実力の不足分は機転でカバーするという感じでなかなか良いシーンです。
ただし。物語の後半は不満点が多い。
基本的にこのゲームブックは一方向システムですが、後半で冒険中に荒れ地を抜けるシーンだけ双方向システムに切り替わるのです。ここがストーリーの流れを断ち切っているうえ、ゲームの難易度をあげるだけで不必要な部分に感じました。後書きで作者がゲーム性をあげるために、双方向システムを取り入れたようなことを書いてますが、これは裏目にでていたと思います。
さらに後書きでは、締め切りが迫っていてしかたなく終盤のエピソードを削ったとも書いていますが、本当に最後あたりはバタバタっと駆け足で終わっていました。物足りないです。
荒れ地のシーンの執筆に時間をかけるくらいなら、ストーリーの完結を優先してほしかったな。なんだかもったいないと思える作品でした。


2003年06月21日(土) 浅羽さんのソーサリー翻訳について

タイトルを見てもピンとこない人がいないとも限らないので、一応解説をしておきます。
それは、近日中に創土社からあの名作ゲームブック「ソーサリー」が復刊されるわけですが、それが「火吹山の魔法使い」を翻訳した浅羽さんの手による新訳になっちゃうという問題(?)のことです。
都市名の「城塞都市カーレ」が「城塞都市カレー」、タイトルの「王たちの冠」が「諸王の王冠」に変わっちゃうとか、モンスターの「ヒルジャイアント」も「丘巨人」になるとか、旧来ファンには衝撃というかショックな変更点が多いのです。

まあ、「火吹山の魔法使い」を見てもわかるように、翻訳者が浅羽さんに決まった時点で「丘巨人」はもちろん、レッドアイが「赤目」になるのじゃないかとか、想像できていたのですけどね。
例えば“monster”という言葉を“モンスター”ではなく“妖怪”と訳す(怪物ではなく妖怪とするあたりに浅羽さんのセンスを感じる)とか、浅羽さんの翻訳はできるだけカタカナ語に頼らずに、旧来の日本語に当てはめる方針みたいですから。
それだからなんというか、翻訳が垢抜けないというか、やぼったいイメージになるのじゃないかな。
「火吹山の魔法使い」はこれが独特の雰囲気を醸し出していて面白かったのですが、私も正直なところ「ソーサリー」のような壮大なファンタジー作品には、旧版(創元推理文庫)の翻訳の方が似合うかな、と考えています。
でも私はどうせ旧版(創元推理文庫)は持っているうえさんざん遊んでいたので、新旧版を見比べながら翻訳の違いを再び楽しめることができる今回の新訳は歓迎です。
昔からのソーサリーファンは、すでに旧版(創元推理文庫)を所有しているなら、新旧の違いをそんなに気にしなくてもいいと思うのだけどなー。

そもそも、どの翻訳が似合うかなんて、先入観の問題だと思うのですよ。
「バルサスの要塞」だって旧ソーサリー風の翻訳にすれば、もっと精錬されたイメージになっていたと思うのですけど、誰も翻訳が悪かったなんて言わないでしょ。
私の愛するアーティストの“東京プリン”が“ドラえもん”のTVアニメのOP曲を歌っていたとき、「イメージをぶち壊すな!」「あの歌を男が歌うな」「なんでこんな歌手にファンがいるんだ」「ドラえもんは東京プリンに殺された」などと東京プリンの公式掲示板に、一部のドラえもんファンの嫌がらせの書き込みがあって、かなりむかついた覚えがあります。まだ小さな子供達やドラえもんファンでない人には割と好評だったのに。
それまで20年以上変わらなかったOP曲のイメージに、ドラえもんファンは固執していたのでしょう。自分のもつドラえもんのイメージを大事にしたいのはわかりますが、他人の気持ちを傷つけていいはずがありません。私にとってドラえもんファンのイメージは最低となっています。新しい変化を受け入れられないとは器量の狭い奴らめ、ってね。
そんなわけで、例えソーサリーのイラストがアニメ絵になって復刊していたとしても、私は受け入れる度量を持とうかと考えています。


2003年06月20日(金) ある一日(実話)

この日、私は愛車ホワイトアルバム号(と命名しているマツダのAZワゴン)と共にドライブしていた。
そして、とんでもない危機におちいってしまったのだ。

「と、止まるな。ホワイトアルバム号!」
私の叫びも虚しく、ホワイトアルバム号は頼りないエンジン音を最後に走行が止まる。ガス欠だ。
私は片側3車線の国道のど真ん中で、立ち往生してしまったのだ。
「気分はフリーウェイの戦士だぜ」
などとつまんないことを考えながらハザードランプを点灯させ、車の外からハンドルを握って車を押し始める。
国道の脇に寄せようとしたのだが、わずかに坂道になっているらしく、苦戦する。

しかし今回の運試しは「吉」と出たようだ。
「ダイジョウブデスカー」
「ダイジョウブデスカー」
アメリカ海軍のようなマッチョな2人の兄ちゃん達が、自転車に乗ってやってきたのだ。
「テツダイマショウ」
「テツダイマショウ」
2人は車の後ろに取り付き押し始める。車はスムーズに脇道に向かって移動した。
「ドウデスカー」
「ドウデスカー」
「あ、ここまででいいです。助かりました」
「イッタイ、ドウシタンデスカー」
「コショウデスカー」
「いや、ガス欠なんですよ。近くのガソリンスタンドまで走ってきますから、もう大丈夫です。ありがとうございました」
「ソレハ、トオイデスヨー。20プンハカカリマスヨー」
「ワレワレガ、ジテンシャデイッテキマショウ」
「いや、そこまで迷惑かけられませんから」

私はだんだん運試しの結果が「凶」であったことに気づいてきた。
「メイワクダナンテー」
「ワタシタチ、アナタトトモダチニナリタイ」
「ワタシタチ○○チョウノ、キョウカイノモノデス」
「アナタトモットオハナシシタイ」
「エンリョスルコトハアリマセン。ガソリンカイニイッテキマスヨ」
「いや、一人で大丈夫ですから」
「ホントウニダイジョウブデスカ?」
「ムリシナクテイイデスヨー」
「ソウデス。コレモナニカノエンデス」
「イマハ、タイヘンデショウケド、アス、マタオアイシマセンカ」
手伝ってくれた手前、邪険にも扱えない。彼らとのお話しに30分を費やした私は、まだ名残惜しそうな彼らへ手をふったあと、ヨロヨロとガソリンスタンドへ向かったのであった。


2003年06月19日(木) シャーロック・ゲームズの冒険 季節外れのサンタクロース(奥谷道草/白夜書房)

この作品はクロスワード・ランド7月号にのっていた、はみ出しゲームブックです。
今月は三ヶ月に一度の増量版で推理ゲーム仕立てとなっています。
今回はプロレスジムの中が舞台。ジムの会長、ジャイアント馬(笑)の死因をさぐるためにゲームズが呼び出されます。しかし、ゲームズが到着する前に新たな殺人事件が・・・という話し。
捜査手順はクロスワード・ランド4月号「天狗の石つぶて」と同じ、事件現場の図面をみて、気になる箇所に対応したパラグラフに移動して調査するものです。
んー。本音を言っていいですか。
私にとってのゲームブックの定義は“分岐小説”の意味合いが強いので、このタイプのシステムは推理ゲームであって、ゲームブックではないのですよ。そんな理由で「シャーロック・ゲームズの冒険」は私好みでなかったりします。
でもまあ、それでも最後まで読んでしまうのは、これはこれで面白いからなんだけど。でも・・・。
やっぱり難しいわぁ。私推理が苦手なんですよ。(こっちが本当の理由かも)
しばらく考えたけど全然わからない。
悔しいけど今回も自力で犯人を見つけることができませんでした。
ちくしょう。次回の10月号こそは解決してみせるぞ。


*おまけ*
クロスワード・ランド6月号「おむすびコロリン」でわからなかった謎がわかりました。
というより、恐れ多くも奥谷道草氏(HUGO HALL)本人に聞いてしまいました。

Q.トンネルの所々に配置された、黒いおにぎり型の石の意味。
A.落ちる距離の長い穴の印として置いてみたのですが、イミシンすぎたかなあ。

Q.もぐらが出したおにぎりのクイズ。
A.すみませんすみません。単純な飛び先間違いでした。

奥谷道草様。丁寧なご回答ありがとうございました。感謝。
(でもバグは今月号にもあったなぁ)


2003年06月18日(水) たまにはセンチな日記を

ぼんやりと朝の国営放送を聞いていると、「名曲アルバム」の時間になった。
いつもなら何気なく聞き流すクラシック番組なのだが、今回流れてきた曲が「展覧会の絵」だったので思わず本腰を入れて見てしまった。
「展覧会の絵」といえば、この曲をモチーフに作成されたという、同名のゲームブックを連想する。
実はこの曲自体も作曲者であるムソルグスキーが、親友の遺作となった何枚かの絵をモチーフに作曲したものなのだ。ムソルグスキーは親友の死後、その絵達を見てわずか3週間後に組曲「展覧会の絵」を完成させたという。
テレビでは曲をバックにその友人の絵が写されていた。想像していたより不思議な絵だ。
「キエフの大きな門」の絵だけは、ゲームブックの挿絵とほぼ同じものだった。これを見るとゲームブックのラストを思い出して、妙な感動が呼び起こったりした。
本物の友人の絵を見ることで、ゲームブック版「展覧会の絵」のイメージが補完された気がしたのだ。
絵、音楽、ゲームブック。どんなものであれ、やはり良いものは残したい。
このゲームブックが創土社で復刊できたことを改めて嬉しく思う。


2003年06月17日(火) 電脳破壊作戦(R・ウォーターフィールド/社会思想社) その10

(ネタバレ注意。この作品をプレイ予定の人は、読まないようにして下さい)

引き続き、八人目の君

ようやくアルカディオンに辿りついた。
もうぐずぐずしていられない。目的地に接近した今、アルカディア人に怪しまれる前に、女王コンピューターを破壊しなくては。
まず目的地の建物を捜そうと、道を歩く人間に場所を尋ねるとこれはあっさり判明した。
さらにその建物自体にも何気なく近づくことができた。入り口の扉の前で今まで苦労して集めたパスワードを入力すると・・・・・・正解!
一発で扉が開いたので、素早く中に潜り込む。

それにしても、こんな簡単でいいのだろうか。
あまりの順調さに思わず首を捻りたくなる。全アルカディア人の中枢ともいえる建物にもかかわらず入り口に門番すらいないとは。
これじゃあ9ケタ(しかも1と0しかない二進数)のパスワードさえ知っていれば、誰でもフリーパスではないか。
しかも、地下室で武器庫を発見。なぜ爆発物と女王コンピューターを一緒の建物に入れるのだ。まるで爆破してくださいと言わんばかりだ。
まあそれならと武器を拾い上げ、かけつけてきた巡回の警備員を手榴弾で吹き飛ばす。
そして女王コンピューターの部屋で爆弾をセット。急いで部屋を出ると警備のアルカディア人達に囲まれてしまう。だが女王コンピューターの爆発音とともに、奴らは呆けたように立ち尽くしてしまった。
やったぞ。私は使命を果たしたのだ!


2003年06月16日(月) 電脳破壊作戦(R・ウォーターフィールド/社会思想社) その9

(ネタバレ注意。この作品をプレイ予定の人は、読まないようにして下さい)

八人目の君

技術点12
体力点15
運点11

体力こそないものの、今回は技術点12の強さにものを言わせて危なげなく冒険を進めることができた。
今度こそ惑星ハルマリスでレジスタンスのボスに会い、パスワードのヒントを聞き出すことに成功した。
いよいよ次はアルカディア人の本拠地、アルカディオンだ。

さて、アルカディオンへの表向きの渡航目的は、2人のアルカディア人(それも傲慢な中央アルカディア人だ)の乗客を運ぶことだった。
気は進まぬがこれも任務の一つ。しばらく我慢するしかあるまい。
ところがアルカディオンに向かう宇宙船の中で、アルカディア人の1人が異常を訴える。
理由はわからないが、彼にはなにか異変がおきているらしい。
こちらにはかまうなと、もう1人のアルカディア人が私に警告をしてきた。
ほほう。野外の冒険が終わったら、今度はアルカディア人との心理戦か。これは面白い。
私はうまく立ち回ることができた。そして見事アルカディオンにある、武器庫を開けるパスワードを知ることができたのだ。もう最終目的地に向けて準備は万端だ!

続く


2003年06月15日(日) 電脳破壊作戦(R・ウォーターフィールド/社会思想社) その8

(ネタバレ注意。この作品をプレイ予定の人は、読まないようにして下さい)

七人目の君

技術点11
体力点21
運点12

再び惑星ハルマリスの荒野を横断する私。
今回は違うルートを選んでみた。すると食人植物に襲われて体力が3まで激減。
半死半生で道を歩いていると、おや?ここはまたロックハザードの巣じゃないか。
どうやら今回は、よけいな寄り道をしたようだ。
今回は巣を無視しようかとも考えたが、どうせ体力3。駄目もとでロックハザードと戦ってみると、無傷で勝つことができた。巣の中を捜索した私は、金や奇妙な杖を手に入れた。
しかし帰りは運試しに失敗して崖から滑り落ちてしまう。残り体力1。もう行き倒れ寸前だ。

さらに道を歩くと、謎の光の物体が登場する。どうやら未知の生命体らしい。
奇妙な杖を差し出すとその物体は礼を言い、レジスタンス組織のボスの名前や、こちらの知らなかった合言葉まで教えてくれた。どうやら私は正しいルートを選んだようだ。(でも、これって運が良くないと初回の冒険ではわからないぞ)
その後、やっと農場に辿りついた私だが、なんと戦闘機が登場して空襲を受ける。あたりの畑は一面火の海だ。
必死に逃げ道を探す私。ここで運試しをせよとの指示。サイコロをふって・・・やった成功だ!
「奇跡的に君は比較的軽傷で炎を突破できた。体力点2点を失う」
おーい。体力が1しかないんだよ。結局ゲームオーバーかよ。

続く


2003年06月14日(土) 電脳破壊作戦(R・ウォーターフィールド/社会思想社) その7

(ネタバレ注意。この作品をプレイ予定の人は、読まないようにして下さい)

六人目の君

技術点9
体力点21
運点11

三番目の惑星ハルマリスに無事たどり着いた。
前の惑星で没収された剣を再び調達するために、まずは人間の闇商人と交渉する。
相手は腹黒い奴で結局戦闘になったものの、相手の秘孔をついてあっさり勝つことができた。
(この主人公は武術に優れており、剣が使えないときだけ、六分の1の確立で相手の秘孔を狙い打つという“即死ルール”が使えるのだ。剣がないことへのぺナルティは技術点−1だけ。実は武器がない方が強いのではないかと思うのだがどうだろう?)
続いてこの惑星のレジスタンスのボスが農場にいるとの情報を元に、宇宙港を出て寒々とした荒野を横断することになった。(ニ番目の冒険で間違って迷いこんだシーンだ)
道中に惑星ハルマリス現住のロックハザード(ファンタジー世界のロック鳥みたいな奴)を発見する。
何か光るものを掴んでいたので、断崖絶壁にある巣の中に侵入してみると、当然ながらロックハザードが騒ぎ出した。
強力な体当たりをうけて、崖から転落死。
うーむ。アルカディア人に捕まるならともかく、つまらぬ好奇心を出して失敗するのは悲しい。
でもゲームブックの冒険では、必要なアイテムがよくこんな所にあったりするから判断が難しいんだよなぁ。

続く


2003年06月13日(金) 電脳破壊作戦(R・ウォーターフィールド/社会思想社) その6

(ネタバレ注意。この作品をプレイ予定の人は、読まないようにして下さい)

五人目の君

技術点7
体力点20
運点9

前回進んだところまでは順調に進む・・・ことができない。
惑星ラディクスで、町の壊し屋ロボット“ストリートファイター”と戦って負けてしまった。
この冒険はそんなに戦闘バランスが厳しくはないのだが、さすがに技術点7ではつらいか。
余談だがこのモンスター(?)のイラストは、馬鹿でっかいトンカチの頭みたいなので笑える。ネーミングもいいよ、うん。
この作品は敵役のアルカディア人にも個性の違う3種族(戦闘バカ、芸術肌、頭脳明晰)が存在してそれがうまく生かされてる作りになっている。
本作品と「仮面の破壊者」を比べると、ゲーム性は少し違うようだが、登場するキャラクターが魅力的という点では共通しているようだ。

続く


2003年06月12日(木) 電脳破壊作戦(R・ウォーターフィールド/社会思想社) その5

(ネタバレ注意。この作品をプレイ予定の人は、読まないようにして下さい)

四人目の君

技術点10
体力点14
運点8

前回進んだところまでは順調に進み、惑星ラディクスで私は再び逮捕される。
今度もアルカディア人は死刑を避けたくば、レジスタンス活動の情報を話せともちかけてきた。
私は取引きに応じ、自分の使命とは関係のない情報を少し話した。全人類の為だ、許せ。
こうして裁判の判決は“死刑”から“死の可能性”に減刑となった。アルカディア人達が見物する闘技場で、もしも生き残れたら放免してくれるそうだ。異星人のわりに、やることは人間同士の戦争とそっくりだな。
ともかくも、なんとか醜悪な合成獣を剣で打ち倒すと、大勢のアルカディア人達から割れんばかりの拍手が鳴り響く。こうして私は宇宙船に戻ることができた。
しかし闘技場での体力の消耗は激しく、三番目の惑星“ハルマリス”にたどり着いたあと、雑魚との戦闘でほどなく力つきる。

続く


2003年06月11日(水) 電脳破壊作戦(R・ウォーターフィールド/社会思想社) その4

(ネタバレ注意。この作品をプレイ予定の人は、読まないようにして下さい)

三人目の君

技術点10
体力点22
運点10

前回進んだところまでは順調に進む。
惑星ラディクスのレジスタンス組織のボス、ザガリアス教授と連絡がとれた。
しかし面会するほんの1時間半前に、彼はアルカディア人に逮捕されてしまった。
急いで彼の研究室を調べてコードの手がかりがないか調べる。(ここはイラストをみてコード番号を捜し出す)
が、いくら見てもわからない。
悩んでいるうちに、研究室にかけつけたアルカディア人に、私まで逮捕されてしまった。
アルカディア人は死刑を避けたくば、レジスタンス活動の情報を話せともちかけたが、私はきっぱりと断った。仲間を売るなどとんでもない事だ。
翌朝、私の処刑はすみやかに行われた。

続く


2003年06月10日(火) 電脳破壊作戦(R・ウォーターフィールド/社会思想社) その3

(ネタバレ注意。この作品をプレイ予定の人は、読まないようにして下さい)

ニ人目の君

技術点10
体力点18
運点7

2度目のプレイでレジスタンス組織のボス“べラトリックス”に会うことができた。
彼女(べラトリックスは女だ)は、女王コンピューターの収められた建物の扉を開ける9桁のコードの一部を知っていたのだ。
なんでも、惑星トロポスのアルカディア人達はこのコードを忘れないようにと、自らの行進曲にコードを織り交ぜているらしい。そういって彼女はアルカディア人の行進曲を歌ってくれた。
なんというか・・・こんな重要な情報を行進曲にするとは、アルカディア人もずいぶん間抜けな気がする。
人類がこんな奴等に虐げられているかと思うと、涙が出てきそうだ。

続いて惑星トロポスを出て、二番目の惑星ラディクスにたどり着く。
ここのレジスタンス組織についての情報はほとんどない。
ひとまず博物館を見学すると、高科学兵器のバリオン手榴弾を発見。思わず(選択肢もなく)これを盗み出してしまった。
警備員達から逃げ続け、フェンスを越えると突然荒涼とした世界に飛び出してしまう。
夜の寒さに体力を消耗しながら、荒野を歩くと謎の光の棒と遭遇。ここで戦闘になって死亡してしまった。

(なんなんだこの不条理な展開は!と思ったが、後になって博物館から出るときにパラグラフ移動を間違って、違う惑星に行っていたことが判明した。アハハハハ)

続く


2003年06月09日(月) 電脳破壊作戦(R・ウォーターフィールド/社会思想社) その2

(ネタバレ注意。この作品をプレイ予定の人は、読まないようにして下さい)

一人目の君

技術点8
体力点22
運点8

極秘任務を帯びた私は、商人に扮して地球を飛び立った。
最初に降り立ったのは惑星トロポス。
環境は地球に近いが、植民者した最初の惑星だからか、地球では廃れた文化やファッションが残るレトロチックな星として知られていた。
ここのレジスタンス組織のボス“べラトリックス”に会うのが第一の目的だ。
宇宙港から出た私は、無人タクシー(当然のようにタクシー内には監視カメラが設置されている)をつかまえる。
“べラトリックス”の潜伏する店の情報はあるが、それをアルカディア人に気づかれる危険は冒せない。目立たないよう、ひとまず人間用にあてがわれたホテルに移動した。

到着したホテルは、廃屋同然の薄汚れた建物だった。アルカディア人の警備兵が入り口を見張っている。壁には「要注意。街へ車を乗り入れることはできない。違反者は処刑される」と書かれてあった。
げんなりしながらフロントに向かうと、アルカディア人の係員が眠りこけていた。しかし、少々様子がおかしい。私は調べてみた。
フロント係は死んでいた。
「殺人だ!」
入り口にいた、アルカディア人の警備兵が私に襲ってきた。
「違う!俺じゃない」
あわてて弁明したが、奴らは聞く耳をもたない様子だった。必死に応戦したが、奴らの攻撃の前に私は死んでしまった。

続く


2003年06月08日(日) 電脳破壊作戦(R・ウォーターフィールド/社会思想社) その1

今月は創元推理文庫特集をしようと思ってましたけど気が変わりました。久しぶりにFFシリーズをネタにしようかと思います。
ただ今回取り上げる「電脳破壊作戦」は、まだプレイしたことがない作品なのです。
本書の冒険の舞台は宇宙。つまりSFものです。
最初に世界の歴史と背景の説明がありますが、ちょっと要約してみますと
*******************************************
遠い未来。人類は地球から宇宙へと進出し、2453年には地球以外に3つの惑星を住処とするようになっていた。そして新たに見つけた4番目の惑星「アルカディオン」。だがその惑星の雲の下には・・・。
人類と異星人との戦闘は12年間続き、もはや人類はアルカディア人の奴隷と成り下がっていた。今や人類を救う望みは、アルカディオンにある女王コンピューターを破壊すること。それに成功すれば、知識の中枢を失ったアルカディア人は、女王蜂を失った蜂の巣のように大混乱をおこすだろう。
この重大すぎる任務を担った者。それが君だ。
まず君は各惑星を渡り歩き、それぞれに活動する反乱軍と連絡をとって、女王コンピューターに近づく情報を手に入れなければならない。そして人類を解放に導くのだ。
*******************************************
こんな感じかな。なかなか凝っています。
著者のR・ウォーターフィールドの印象はあまりないのですが、第2作目(本書は1作目)の「仮面の破壊者」を読んだ限りでは、丁寧な世界観の描写が素晴らしいと思う一方で、「おいおい、こんな行動するかよ」という選択誌を選ばないとクリア不可能な箇所があるという、ゲームとしては納得できない所もあったのですが、さてさてこの作品はどうでしょうか。

続く


2003年06月07日(土) 輝け!ゲームブック魔法使いコンテスト─後日談

たけたろう「はいはい、プリンさん。本なんか読んでる場合ですか」
山口プリン「邪魔するなよ。今日は、本屋で買ってきた“送り雛は瑠璃色の”を読むのに忙しいんだ!・・・おや?なんでまだ君がいるわけ?」
たけたろう「私だって好きでゲームブックサイトに戻ってきたわけじゃありませんよ。先日の魔法使いコンテストに異議がでたのですよ」
山口プリン「なんだって!そんな馬鹿な」
たけたろう「馬鹿なのはあなたです。ちょっと読んでみますね」

>ところで魔法使いコンテストも楽しく拝見しておりました。
>メスロンが出るまでの引きが面白かったです。

>あと、ウィザーズ・クエストの呪文数は1つだけではありませんよ。
>「眠りの呪文」、「プースリ・プースリ」を忘れてます。
>かなり序盤、パラグラフ186で覚えられます。
>(他にもあったかな…?それはわかりませんが…)

>ウィザーズ・クエストは僕がブーム当時から持ったまま
>現在まで残っていた数少ないゲームブックのひとつだったので、
>コンテスト最中に「お、プースリ・プースリの事が書かれてないな」と
>すぐに反応してしまいました。(じゃ、書き込めよ!(自己ツッコミ))

山口プリン「ウグガガガアアアァァァァァァ・・・・!」
たけたろう「これで、あなたがいかにいい加減な審査をしていたかがわかります。まだ余罪もあるのじゃありませんか」
山口プリン「いや・・・その・・・この本は昔読んだものだから内容を忘れていて・・・」
たけたろう「入手したのは今年ですよ!こうなると“エンチャンター”も怪しいですね。あなたは文庫本好きだから、JICC出版局のゲームブックをプレイすることは少ないですからね」
山口プリン「ネタギレで困っていたのだ。しかしちゃんと1回プレイし・・・」
たけたろう「1回!たった1回ですか!当然クリアは出来てないですな。この調子じゃ、ディノンもそうですね」
山口プリン「違う!あれはちゃんと何度もプレイしてクリアしたんだ!信じてくれ!」
たけたろう「信じられるもんですか」
山口プリン「あの2冊以外はちゃんと読んだんだ・・・信じて・・・うん?君ィ、人様からのメールを無断で日記に転載していいと思っているのかね」
たけたろう「うおっ。そろそろ話しを変えましょうか」

たけたろう「えー。前回まともな審査ができなかった創元推理文庫のユニコーン・ゲームブックですけど物置から本を取り出せました。せっかくですから改めてコメントをお願いします」
山口プリン「ふむふむ。スランバー(眠り)、リペルアンデット(悪霊退散)、パワーボルト(稲妻)、ヒーリング(治療)、インビジビリティ(透明)、フットステップ(幻聴)、ライト(明かり)、フライフィート(壁歩き)、フロート(体重軽量化)、セサミ(開錠)の呪文ですか。
ああ、読んでいると思い出しました。呪文の数こそ少なめですが、戦闘シーンでは効くか効かないかは別として、全ての呪文を使用することができます。敵の前でインビジビリティを唱えて姿を消したあと、続いてフットステップの呪文で偽の足音を追いかけさせるという連続技が、私はお気に入りでした。実際にはあまり使わない手でしたけどね。地味な呪文ばかりですが、一つ一つの呪文の存在意義が大きいです。一応評価したときの点数も変えておきました」
たけたろう「はい、ご苦労様でした」


2003年06月06日(金) ファラオの呪い(オリバー・ジョンソン/創元推理文庫)

ゴールデンドラゴンシリーズ最終巻。
今回は古代エジプトの国を治めたファラオ、カーフート大王の墓に眠る財宝を求めて冒険をします。
冒険の内容は大きく2部構成になっているといえます。
前半はエジプトの町中が舞台。買い物をしたり、スリや暗殺者から身を守りながら、カーフート大王の墓の手がかりを探します。後半はピラミッドの中に入って、さまざまな罠や魔物と戦うインディジョーズのような冒険活劇です。
ピラミッド探検という、ある意味これ以上ないほどオーソドックスな題材だけあって、本書はどちらかというと地味な作品かもしれません。全体に特に印象深いシーンもありませんでした。
ただ前半部分、ピラミッドの入り口に至るまでの経路が複数用意されているので、例え後半のピラミッドの中でゲームオーバーになっても、飽きずに繰り返し遊べると思います。
本書背表紙の解説文には“難度Aクラス”と書いていましたが、“炎の神殿”や“ドラゴンの目”ほどはクリアに苦労しませんでした。
私はゲームブックブーム当時、難易度の高いゲームブック達に手を出して、全然クリア出来ない時期がありました。
そんな時にクリアしたものだから、この作品には今でも妙な安心感を感じるのです。


2003年06月05日(木) ドラゴンの目(デイヴ・モーリス/創元推理文庫)

ゴールデンドラゴンファンタジーシリーズで、唯一の魔法使いが主人公の作品。
(もっとも剣も扱えるので、魔法戦士に近いかもしれない)
炎に包まれた生き物を召喚する“炎のトラ”、死者の魂を呼び出す“死人返し”、スズメバチの群れを呼び出して襲う“死の群れ”などなど、登場する呪文はまるで悪役が使いそうな魔法なのですが、魔法の描写に迫力があるので気にいっています。
物語の舞台や敵の設定も独特。1千年の昔に栄えたタリオスという廃虚の都で、地上最強の魔力を持つといわれる至宝「ドラゴンの目」を探し出すというお話しなのですが、潮が満ちるとその都市の大半が海面に沈んでしまうという設定、そして同じく「ドラゴンの目」を狙う、サンゴの体をしたミューという種族。水晶に閉じ込められた謎のカマキリ男。未知の神話世界に迷いこんだかのような雰囲気は、他の作品には簡単に真似できない素晴らしさです。
反面、戦闘のバランスが厳しすぎる気がします。戦闘を避けて終盤まで進んでも、今度は“ボトルシップ”か“黄金のリンゴ”というアイテムが手に入らなくて、クリアできなかったです。
しかし、今までそう思っていたのですが先月やっとクリアしました。実は、どんなに最初の能力値が低くても、必要最小限での危険で確実にクリアできるコース(いわゆる真の道)があったのを発見したのですな。
そのコースだとまともに戦闘や行動の成否チェックをする必要が全然ない。12種類の魔法もほとんど奇麗に使い切れるようになっていました。むしろ、いつも戦闘が厳しすぎて、「一回だけじゃとても足りないよー」と思っていた治癒の魔法が余ったのにはちょっとビックリ。
いや、炎の神殿に続いて、十数年ぶりのクリアは気持ちいいです。
ただ少し不満点もあり。真の道を外れてプレイした場合、一応クリアできる可能性はあるのですが、さっきも言ったように戦闘バランスが厳しくなりすぎて実質無理っぽいです。これはFFシリーズもそうなのですが、クリアしたければ真の道探しの為に何度も作業的なプレイする必要がでてきます。
ブラッドソードシリーズのように救済処置をいくつも用意して、読者の選択の自由も尊重してほしかったな。とは思いました。


2003年06月04日(水) 失われた魂の城(デイヴ・モーリス Y・ニューナム/創元推理文庫)

ゴールデンドラゴンシリーズ4巻目。
この巻のみ、デイヴ・モーリスとオリバー・ジョンソン以外の著者に、Y・ニューナムという作家が登場しています。いったい誰でしょう?
正体はデイヴ・モーリスの奥さんだそうです。ゲームブックに理解のある奥さんは羨ましいですね。
いやいや、思わず愚痴っぽくなりました。
さて「失われた魂の城」はある裕福な商人から、亡き父の魂を救い出してくれという依頼を受けるところから物語が始まります。彼は生前、スランという悪魔と契約して金持ちとなった為に、死後はその悪魔の城に魂を拘束され助けを待つ身なのだそうです。
私としては「そもそも、そんな契約した君の父さんが悪いのでしょうが」と思うのですが、冒険自体はとても面白いです。
この物語の敵となる悪魔スランは“乙女の涙”や“四つ葉のクローバー”といった6つの品物が弱点とわかっていて、前半はその道具を集める為に町の中を奔走するのです。
そして後半は、いよいよ悪魔の城に乗り込むわけです。
スランとの最終決戦では、必ずしも全ての道具を持っていなくて大丈夫ですが、その分不利な戦いとなります。このあたりの絶妙なゲームバランスがとてもいい。
最初は町のならず者たちとやりあっていた主人公が、終盤になるにつれて超自然の危険につき進んでいくようになる展開にもワクワク。純粋なファンタジー小説としても良く出来ている気がします。
ゲームと物語の融合というのは、こういった作品のことを指すべきだ。そう思わせる一冊でした。


2003年06月03日(火) 炎の神殿(デイヴ・モーリス オリバー・ジョンソン/創元推理文庫)

 ジャングルの奥深くそびえる、炎の神殿と呼ばれる遺跡に潜入し、「カタクの黄金の偶像」を手に入れようとする話し。
 通常のゲームブックの主人公は、無色透明なキャラクターが多いが、この作品はプロローグで因縁の魔術師、ダモンティールとの過去の経緯が説明されていて、ストーリーに深みを与えています。
 ネタバレになるので書きませんが、ミンキーという子猿の相棒とのエピソードも印象的です。
 昔にプレイしたときは、本書はものすごく難しい、戦闘シーンでもサイコロ運がよほど良くないとクリアできないだろうという印象でした。実際当時は、半分のところまですらクリアできなかったです。でも、先月になって再プレイしてみると、これが思ったよりあっさりクリアできました。
 どうも昔の自分は「ゲームブックは自由に行動を選択できる=好きに行動して良いはずだ」という解釈をしていたようで、安全な道筋を探そうという発想が無かったみたいです。思い返せば以前は冒険中のヒントを理解せず、いかにも罠がありそうな入り口から進入しては、ゲームオーバーを繰り返すパターンが多かった気がします。これなら難しくて挫折していた他のゲームブックも、今プレイすれば大丈夫かもしれないなぁ。
 まあ、そうはいっても「炎の神殿」が簡単なゲームバランスだったというわけでもありません。
 前半は山場の戦闘シーンで、○○の選択肢を選ばなければいけないことに気づくまでが大変でしたし、後半は後半でダモンティールが生み出した、主人公のコピーとの戦闘が厳しすぎです。(勝率5割)
 そんなわけで、10数年越しに「カタクの黄金の偶像」と対面したときはなかなか感無量でした。


(追記)
 あれから時々プレイを重ねた結果、回復アイテムを使用することでコピーとの戦闘は比較的に安全に切り抜けられることがわかりました。
 このシリーズの真の道探しは難しくやりごたえがあります。


2003年06月02日(月) シャドー砦の魔王(オリバー・ジョンソン/創元推理文庫)

これもゴールデンドラゴンシリーズの一冊です。
シリーズ中なぜかこの作品だけは、ゲームブックブーム当時に読んでいなかったので、古本屋で発掘して割と最近になってプレイしました。
ストーリーは、ララッサの王に使える近衛隊(主人公)が、国を乗っ取ろうする魔王ダークローブ卿を倒さんと、化け物の巣食う城に単身乗り込むというもの。
なんというか、わかりやすくて骨太で格好良いです。ブーム初期のゲームブックにはこういうのが多かったなぁ。
実際に読んでみても、シリーズ中でもっとも典型的な内容に思いました。もうベスト・オブ・典型的と思えるくらい。
気になる箇所もあります。本書には、どんなに最良の選択誌を選んでも、サイコロ運が悪いと一発でゲームオーバーになる箇所があるのです。ランダム要素は立派なゲーム性なのですが、これがゲームの終盤となるとつらい。お陰で、クリア間近にして4回もゲームオーバーになりました。気が短い読者なら、ルールを守るのが馬鹿らしくなるかも。
しかしだからといって、退屈な内容かといえばそんなことはありません。むしろ、へんに凝った設定がないぶん、冒険に集中できました。
錆びた鎧に身動きがとれなくなった老騎士とか、ミノタウルスとコンビを組んで襲ってくる青年とか、登場キャラクターも一癖あって面白い。ダークローブ卿との最終決戦もなかなか燃えます。
「シャドー砦の魔王」を読んでいると、久しぶりにゲームブックの原点を感じさせてくれましたね。
背景設定やルールが複雑化した上級者向けゲームブック。ゲーム性を下げてTVゲームや映画を原作に作られた初心者向けゲームブック。そんな風に二極化したゲームブックブーム後期の作品達とは、違う面白さを感じるのは私だけでしょうか。


2003年06月01日(日) 吸血鬼の洞窟(デイヴ・モーリス/創元推理文庫)

吸血鬼退治のお話し。
もう少し説明すると「主人公は真夜中の嵐に襲われ、人里離れた大きな屋敷へと逃げ込もうとしていた。そしてそこは吸血鬼のすむ屋敷だった・・・・・・」というストーリーで、非常にシンプルかつ王道の物語となっております。
ただFFシリーズの“地獄の館”のように、最初のうちは善人を装った屋敷の主人から、もてなしを受けるというわけでもありません。屋敷の門の模様が実態化して襲ってくるやら、チェスの駒と戦うやら、骸骨楽師達の演奏に囚われるやらと、脈絡もない罠や怪物達が次から次へと襲ってくるのです。
なんだか不条理すぎる展開とも思えるのですが雰囲気は出ているので、お化け屋敷感覚で何度も楽しむことができました。特にあのもう一つのラストの展開なんか、あんなに意表をついたゲームブックは、後にも先にもこの作品だけです。
私の場合は、一回のプレイに長時間かかったり、異常に難易度が高かったりするゲームブックは、一度クリアするとそれっきりプレイしなくなることが多いです。しかし、本作品やブラッドソードシリーズのように、適度な難易度でクリアまでの道のりも複数用意されている作品は、繰り返し遊べるのでお得だなー。と気に入っています。

それから本書はゴールデンドラゴンファンタジーというシリーズの第1作目です。
このシリーズの特徴は能力値ポイントの設定や、サイコロを使った戦闘システムなどがある割に、FFシリーズよりルールが簡単なところでしょうか。
ゲームブック当時は、それが物足りない感じがしたものですが、今になって再プレイするとこれが丁度いい感じなのです。変動する数値が少なく、“○○番の鍵”のように数字のついたアイテムもないので、メモを取らずとも記憶だけで遊べます。電車の中などでも気軽にプレイできるので、オススメですよ。


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