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みんみん



 違い

何度も書いていることだが、Kは頭が大きい。
Kさんあたまおおきいねー。なにはいっとんがかねー(何が入っているのかな)。

「食べたいー、とか、寝たいー、とか、遊びたいー、とか」

じゃありー(仮)さんの頭の中は?

「もうちょっと具体的。とんかつー、とか、どこどこの餃子ー、とか」

あ、なるほどね。


2008年09月06日(土)



 負うた子に

水をこぼしたくてしょうがない。

食事を始めてすぐに水分を要求するのは本当に飲みたいからだが、おなかが満ち足りてからの場合は、液体で遊びたいからだ。
「ぶーぶ、のむ」
水が飲みたいと言った後で、Kはそのままシャーとコップをひっくり返す。テーブルは水浸しになり、床には水たまりができる。そりゃ楽しいだろうよと思いつつ、やっぱり、もうー!と言ってしまう。
「やくそくげんまん」しても全く約束にならないので、強制的に片づける。
ぶーぶのむー、ぶーぶのむー、ぶーぶのむー! と泣いて叫ぶが、おかあさんはこわいおかあさんになるよ。

私は床を拭いてKを正面から見上げる。泣きやんでいるが目には涙が残っている。
涙、出とる。
もう泣いてはいないけれど、Kの気持をいとおしむように声をかけずにはいられなかった。すると。

「だいじょうぶよ〜」

いつもほがらかなKがふっと引く瞬間がある。そんな時私は、ただKをぎゅー、として、背中をぽん、ぽん、ぽん、とたたきながら、大丈夫だよ、大丈夫だからね、と言う。Kの不安を解いてやりたく、そして私自身を落ち着かせるためでもあるかもしれない。かつてそんなことをして欲しかったような気もする。

ただ。
してもらってうれしかったことやしてもらうとうれしいだろうなということをして、してほしくないことをしない(ようにしたい)。

2008年09月05日(金)



 あにいもうと

金沢の友人宅へ。晩ご飯をごちそうになりに。
友人宅には5歳の男の子と3歳の女の子がいる。いつもはKも連れてゆくのだが、その日はずっと別の友人たちを案内していたので、今回は大人だけで。りー氏も仕事を終えるなり駆けつけ、東京より2名、市内瓢箪町より1名、富山より2名の総勢5名でお邪魔した。
新鮮な野菜(友人は専業農家)の料理や手巻き寿司をごちそうになる。

ひとしきり食べて満足したらしいお子達が、海苔をちぎって顔にくっつけて遊んでいた。ヒゲのように、あるいは眉毛のように。ドリフのようでおかしい。
それで気づいたこと。

大人がウケていると、3歳になるKNちゃんが更にエスカレートして大きな海苔のヒゲをくっつけ出した。
たぶんKがいたら、Kも真似をしてくっつけてくれと言っただろう。そしてきっと楽しんだと思う。それはあくまでK自身が楽しいということだ。
KNちゃんの行動は、彼女自身ももちろん楽しいだろうけれど、それだけではなくて、「私の動作はウケている」という自覚に基づいている。よりウケるように考えて行動している。そこには私たち大人という他者に対する意識がある。そのような認識は2歳になったばかりのKにはまだないであろう。複雑な心の動きだ。
言葉や運動能力など、発達には大きな個人差があることを日々実感している。KNちゃんにはSくんというお兄ちゃんがいるし、保育園での集団生活も2年目になるから、そもそも学習する機会は多いだろう。個性という前提を了解しつつも、それでもなお、個人差を越えた大きな成長の段階というものを感じた。

もうひとつ。
こんな光景は、あまり経験がなかったような気がした。
海苔を持って遊ぶということを、私はしなかったんじゃないか。
りー氏はなおさらだろう。この場にりー氏はいたけれど何も言わずに皆と同調していた。もし家でKが同じようなことをしたら、「食べ物で遊ばない!」と言ったに違いない。
もちろんその通り。その通り。その通り。



Sくんがへんな踊りをしながら部屋に入っていった。
その後をKNちゃんも同じようにへんな踊りでついていった。

「なに、流行ってるの?」

いや、お兄ちゃんの真似をしてるんでしょ。
なるほどこの人(りー氏)にはそういう風に見えるんだな。

2008年09月02日(火)
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