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気がつくと 頭のてっぺんから 足のつま先まで きみが浸透していた ふとした時に 口をついて出る言葉は あの頃のきみがよく言っていたもの よくもここまで 記憶の中で生き続けさせてきたものだ 追い出すチャンスは何度もあったのに きみの放った冷たい言葉の中に 隠されていた温もりが 今になってわかる わかりにくい優しさが うまく伝わらないことに いつも苛立っていた 後から後から押し寄せてくる後悔に 消されてしまう前に きみがいつも吸っていたタバコに 火をつけて 煙と一緒に吐き出してみた とてもにがい味がした |
みぞおちが痛い 知ってしまった事実を 欠片も残さず 消し去りたい どうあがいても 消えてくれない事実を前に 息が出来なくなった きみを忘れ去る日なんか 何度眠っても永遠にこない |
果てしない憎しみの渦の中に 引きずり込まれていきそうです あたしとは何の関係もない人を 心の底から憎んでしまいそうです それがもたらす影が 日に日に大きくなっていって 逆らえないくらいになったら あたしの行く道は どうなるのでしょうか それに飲み込まれてしまうのでしょうか どうかあと少し ここで踏みとどまる力をください |
きみ以上に 好きになれる人なんかいなかった 大好きだけど 憎たらしくて 頭もよくて 口が達者で だけど 優しくて 喧嘩もして 頬もぶたれて ほんとに好かれてるのか自信がなくて だからいつもまとわりついて 時々ほっとかれて 時々だきしめてくれて 季節がいくつ変わっても その香りにきみを思い出す 今 きみの隣には 違う誰かがいると知っても |
きみの今を知った時 ある人から 「つい最近1つの波が終わったんだね」 と言われた意味がようやくわかった 心当たりが全くなくて 何のことだろう?と思っていたけど きみの中でのぼくが すっかり終わってしまった ということだったんだね ぼくの中では もう終わった出来事だったつもりが 実は少しも終わってなんかいなくて 何もかもが きみに繋がっていって 終わらせるすべがなかったから そのまま手をつけずに 放置していただけだった きみの中でぼくが すっかり息絶えた事実を知るまでは とても終わらせることなんか出来なかった やっとこれから少しずつ きみを終わらせていけるから きみはその人を大切にしてください あの時のような苦しみを その人に与えないでください |
あなたは結局 自分より弱い者しか 好きになれない人だったのね |
きみが 共に歩く人を見つけるまでに これだけの月日を費やしたことに 救いを見出してもいいのだろうか その間 きみの中で 存在できたと思ってもいいのだろうか だとしたら もう それで すべて いいことにしてしまおう おしまいにしてしまおう |
あの頃のきみにとって ぼくが少しでも救いとなりえていたなら それを喜ぼうと思う そうでもしないと 浮かばれやしないよ |
大嫌いだと思うことで 大好きだった事実を 打ち消そうとしてきた 傷つけることで 傷つくまいとしていた こんな思いにかられるくらいなら あの長い時を もっと慈しみながら過ごせたのに 幾度もきみに好きだと言えたのに きみはもう 共に歩く人を見つけてしまった |
もし 今のわたしのまま あの頃のあなたに出会っていたら 2人は離れずに ずっと一緒にいられただろうか ありえないことばかりを並べることで この大きな隙間を埋める |
きみはきっと そのことを決めた時 ぼくとの時間を思い出したに違いない そして きみの未来においても ぼくを断片的に思い出す時が 必ず一度はやってくるだろう それが きみを苦しめたり ふしあわせにしたりしないよう 祈りたいけれど ぼくは今も 思い出の中のきみでさえ 完膚なきまでに傷つけてしまう どこまでも 決して分かり合えなかったぼくら それなのに 出会ってしまったぼくら |
あなたより 一秒でもいいから早く 幸せになりたかった |
あの長かった時間は わたしが思うよりずっと深く あなたを焼きつけていた あなたを もうすっかり消してしまったと あなたは もうすっかり消えてしまったと そう 思い込んでいただけだ あなたが とても必要だったと どうやって伝えたらいいのか 少しもわからなかったから あなたの中で わたしが色を失ってしまっても わたしの中であなたは 永遠に生き続けてしまう 泣きたいのに 涙も出ないほど 残酷な現実だけがそこにある |
あなたが いつも わたしより ほんの少しだけ 不幸ならいいと思う そういうわたしは とても不幸だと思う |
きみと話をしようと思えば 出来なくもないし きっときみも 話に応じてはくれるだろう けれど きみと話をしないほうの道を 選びとろうと思う それが 最良にして 最高の選択だと思う どうか きみがいつの時も どこにいても しあわせでありますように |
もしかするとぼくは きみになりたかったのかもしれないな どうにかしてきみになろうと きみに近づこうと がんばってはみたけど どうしてもきみにはなれなくて いつもイライラして ケンカばっかりしていた そのたびに きみのことがわからなくなっていって クタクタにつかれはてて 二度と会わない二人になった きみはいま どこでどうしているのかな ぼくが与えてしまった傷が もうすっかり消えうせてくれているといい 幸せに笑っていてくれてるといい ぼくは今 誰にもならずに ぼくのままでいることができるようになったよ |
長い夜が明けて 得体の知れなかったものの姿が 隅々まで見えた 小指の先ほどもない 取るにたらないものだった 再び日が暮れて 夜がやって来ても 闇を照らすランプは もうこの手の中にある 真昼のように照らす光の 導くままに 行くべき道を進んでいく |
理屈でどうこうできるものじゃないから 動けない時は動けない 誰が何と言おうと |
誰の言葉もいらない 誰とも話しをしたくない 誰からも見られたくない 誰にどう思われてもいい 誰もいないところにいきたい |
もしもきみに会わなければ 心の隙間を何で埋めていたんだろう そんなことを考えるヒマも惜しいくらいに あたしはあたしを生きるのでせいいっぱい |
きみにしか抱えられないものだから それはきみだけの荷物なんだよ ぼくにはぼくの荷物があるから これを抱えて生きていくよ 時に荷を増やし 時に荷を降ろしながら 誰とも分け合うこともなく 強がって口笛なんかも吹いてみたり 寂しくて歌なんか歌ってみたり そうしていく道すがら また 荷物を抱えた人たちと すれちがいざまに笑いあい じゃあ と 手を振って別れていくんだ |
全てを見渡せる場所へいこう みんなからも こちらが全てお見通しになるけど 怖がらずにいくわ 背中を押されてしまったから |
もっとほかに やるべきことはたくさんあった そのすべてを すっかりやらずにきたくせに ふへいをいうなんて おかどちがいもいいところ だから すすもう いくさきはもうわかっている |
冷静さを通り越して 冷たくなっていく心 |
捨て去ることが 惜しいだなんて 一度たりとも 思わなかった 捨て去ることで また新しい何かが この手の中を埋め尽くす 今も昔も その喜び以上に あたしを支えるものなどない |
出会った時のきみはすでに 夢に選ばれていて ぼくの遥か先を歩いていた 最初から背中さえよく見えなかったのに きみから放たれ続けていた光は 消えるどころか ますます強くなっていった ぼくは天空の神を崇めるように 顔をあげ 跪いた それはとても自然なことだった そして 先を歩き続けるきみの光が届く場所に いつまでもいられますようにと 心から願った |
ぼくが見つめてきた孤独と きみの指先の冷たさは きっと同じものだから もしも繋ぎ合わせたら 一つになって溶けていくよね |
もう 心ゆくまで ワガママになろうとおもう 誰かの怒りを買った時は すぐにどこかへ売り飛ばす どうせ高くは売れやしない 安い安いシロモノだ 背負う荷物はなるべく少なくして 薄暗い足元をたどるようにして 震える体を抱きしめながら 温度を確かめながら それでも 顔をあげて進む |
逃げようと思って逃げるのと 結果的に逃げてしまっていたのとでは 明らかに違う 前者は俯瞰 後者は渦中 前者は選択 後者は迷い 明白じゃないか |
行き先のわからないバスに乗って あてのない旅に出た そこに行けば 誰かに会えるような気がした けれどもバスは 今いるここと 寸分たがわぬ場所に ぼくを降ろして 行ってしまった 見たような景色の中で 見たような感情に飲まれた なんだ 結局誰にも会えなかったんだ はじめから ずっとひとりだったんだ |
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