--> + rat rhyme +





+ rat rhyme +



    











重なった誤解の上に
さらに重たい誤解が乗っかってきて
荷物をほどく気もおきない


けれど
イヤでも目に入ってくる荷物の大きさに
心底うんざりする


いざとなれば


宛て先の間違いでしたって
送り返すくらいのことは出来るんだから













    











逃げ込む価値すらない場所に
本気で逃げ込もうとする浅はかさ













    










何もかも思い通りにはいかないわ
そう言ったのはきみじゃないか


だからもし
きみの思い通りにいかないことがあったって
それを受け入れていく覚悟は出来てるんだろ?













    












きみの準備が整うのを待たずに


恋に落ちていくよ













    









愛情が
必要なときに必要なだけ
貰えたり与えたりできるようだったらな


欲しくないときに
注がれたりしても
お互い扱いに困るだろ












    











思い出を美化する心が
もっとも汚らわしい













    










止まっていた時間が
少しずつ動き出した


鈍った細胞の一つ一つが
丁寧に磨かれていくみたいに


深く呼吸を一つ


まだだいじょうぶ


うなづきながら


やってくる明日を睨む











    










もしかしたら
すでにあの時
答えは出ていたのかもしれない


去ってゆくきみの背中を
見送ることなく歩き出した時


こわばってゆく心を
止めることができなかった


それでも
自分だけが不幸だなんて思わない


そんなつまらない荷物はもう
どこかに置いてきた













    











すぐに終わる恋なら
しないほうがまし


先を見極められないほど
子供だということの証し











    











もうきみの香りを
覚えてしまったなんて


まだ内緒にしておくことにしよう












    










鞄を拾った
きっと誰かが落としたのだろうと
あたりを見渡してみたけれど
人影はどこにもなく
仕方なく家に持ち帰った


鞄は
ものすごく重かったから
中にはきっと素晴らしいものが
ギュウギュウに詰まっているに違いないと
期待感ではちきれそうだった


鞄にはカギがついていたので
あけることは出来なかったから
好奇心を抱えたまま
一晩過ごした


翌日 落し物を届けに行く道すがら
重い鞄に手を焼きながら歩いていたら
小さな石に躓いて転んだ


その途端 手から離れた鞄が
地面に叩きつけられて
その口がパックリと開いた


あんなに重い鞄だ
中の荷物は相当のものだろう


慌てて中身を掻き集めようと
体勢を整えた


けれど


鞄は 空っぽだった


 


わたしはヨロヨロと立ち上がり
ゆっくりと鞄の蓋を閉じて
それからもう二度と
鞄に手を触れることはなかった


そして
足早に歩き出した













    











「心配はいらないよ」


きみが言ってくれた言葉を


少しの疑いも差し挟むことなく


素直に聞けていた自分に


実は一番驚いていた













    









遡ることも 
変えることも出来ない過去に
留まり続けようとする愚かしさに
気づいてしまった


得体の知れない力によって
抜け出せないのではなくて
自ら抜け出さない道を
選んでしまっているのだと
すっかりわかってしまった


そこに留まり続けることに
意味を見出せなくなってしまった
正体がわかってしまうと
なんだかとてもあっけない



もう一秒だってムダにはしない


こうしている間にも
朝は来て
明日が来て
冬が 春が 夏が来る
いつまでも同じ自分のままで
未来を迎えたりなんかしない












    











歪んだ時を修正してくれたのは


ほかでもない


生まれてきた言葉そのものだった




おかげでたいがいのことは


もう1人で乗り越えられる













    











肉体から離脱する心
幻想の中の 
さらなるまやかし
急速に下降していく想い


今まで見ていた夢は
悪夢だったのかしら
幸せなものだったのかしら
もう思い出せない
思い出そうとすら思わない













    










一度解体されたココロが
余分なものをすべて排除したのち
再び形成されゆく様は
えもいわれぬ心地よさとともに
少しの寂しさを見せる


けれど
それは一過性のものにすぎず
そこに掬われてしまった日には
またもとの自分


進むべき場所が見えてしまった今は
帰り道も残さず
わき目もふらず
進むしかない












    










結局のところ

手の中にあるカードで
何かを生み出せないのなら
どこにいても
だれといても
いつになっても
何も作り出せはしないということだろ


気づけてよかったじゃないか











    










秋の日差しが作る
長い影の先に
ふと過ぎ去った日々を重ねてみました


あの頃は
怖いものばかり
指を折って数えて
その多さを
誰にも見透かされないように
必死で紗をかけていました


とりわけ
失うことの怖さには
快適な眠りを妨げられるほどの
圧倒的な攻撃を受けもしましたが
今となってみれば
失うことの怖さなど
新しいものに気づけぬ怖さとは
比べものにならないものでした


失うということは
それまでこの手の中にあったものが
なくなるということで


新しいものに気づけないということは
得るよりも先に失っているということで
すなわち
何も得ていないということで
失うことすらできないということで…


どちらがより怖いかと言えば
それはもう明白で…


失うことの怖さを数えてきた指で
この先どれほどの新しいことを
数えあげていけるでしょう
幸せの定義が何であるのか
いまもってよくわからないのですが
指折る数のその分だけ
答えの扉は開いてゆくでしょう


日は沈み また昇る
何万回と繰り返されてきた中で
一日たりとも同じ名前を持つ日がなかったように
やってくる毎日そのものが
新しいことであったりするのかもしれません



もうすっかり日も暮れてしまったようです
長かった影も闇に溶けていきました
明日につける名前を考えながら
静かな眠りにつこうと思います
それでは またどこかで














    











とにかく
なにをするにも時間がかかります
食べたいものを決めるにも
着ていく服を選ぶにも


せっかちなあの子は
いつもあたしを責めます


「スロースターターのくせに
いったん走り出したら
もう姿も見えない位に突っ走ってるってどういうことっ!!
速いのか遅いのかどっちかにしてよ」


そうかもしれません…
言われるまで
気づきもしませんでした


ちょうどいい力の配分の仕方を
誰か教えてはくれませんか?


こう見えて
興味のある分野を学ぶのは
得意だったりするんです













    










どうやら
今年もまたきみと
真夜中に降る雪を
窓からそっと眺めることになりそうだよね
まずはそのことに感謝


漆黒の空から舞い降りてくる銀の粉を
じっと黙って見上げていると
吐く息の白さだけが
空に昇って消えていく
それが時々とても悔しい


ぼくはね
「ずるいなぁ 息だけが上に…。
 どうせならぼくごと一緒に連れてってよ」
って思ったりするんだけど
きみは何を思っているんだろう


物言わぬきみが
夜空に目をこらして
体中に冬の記憶を行き渡らせているのを見ると
また来年もこんな風に
きみと冬を迎えられたらと
願わずにはいられなくなるんだ
あと何回雪を見れるかな
考えただけで悲しくなるから
今は考えずにおこう


いつもそばにいてくれてありがとう
柔らかな毛に覆われた
小さききみの温もりは
確かなものを伝えてくれる












    











道なき道をゆくぼくを
そっと支えてくれるもの


それは 


えもいわれぬさやけき光


目も潰れるほど猛き漆黒



いつのときも
導かれるがままに…












    










神様みたいな人と会いました
わたくしは
神様みたいな人の前で
バカな子供のように振舞っていて
とても自由でありました


神様みたいな人は
神様みたいな心をお持ちなので
バカな衆生であるわたくしを
微笑みながら見ていてくれたのですが
もしかしたら心の中で
「バカなやつめ…」
と思っておられたかもしれません
けれどわたくしは
ほんとに呆れるほどバカなので
神様の本心はさっぱりわかりませんでした


何はともあれ
わたくしは
その神様みたいな人に
また会いたいなと思ったのであります













    









はずれくじを引いちゃったんなら
脳天気に笑って
ビリビリっとやぶいて
宙に放り投げて
それまでのことはぜんぶ忘れちゃえよ


もしかしたら
次の次の次くらいが
あたりくじかもしれないじゃん


てゆうか
あたりくじだよ うん ぜったい
こうゆう予感 結構当たるんだ











    










もうどうにでもなれ
かなりなげやり


楽しいと思えない場所には
もう行かない












    










残念だったな
なにもかもがステキに見えてしまう魔法は
知らないあいだに
すっかりとけてしまったみたいだぜ


見ていたものがすべて
まやかしだったって気づくには
ものの10秒とかからんだろうさ


その後で
いやというほど押し寄せてくる後悔に
さんざっぱら頬を打たれるといい












    









大きな目をしっかりと見開いて
まっすぐに
だけど
優しくこちらを見ていたきみを
少しだけ信じてみたいと思えたから


それをそのまま
伝えてみればいいのかもしれない











    










傷ついてしかるべきことがあっても


少しも傷ついていなかったという事実に


実は一番傷ついていた




どこまでも


自分にしか向いていないカメラ…











    










なんでもかんでも昔話にして
先を急ぐ


ぼくらに与えられた時間は
限られているから
立ち止まっているヒマなどない
傷ついたりするヒマもない


今 空になった手で
再び新しい何かを掴む


待っているのももどかしいから
光の中まで迎えにいくよ













    










もうすぐ雪が降る
すべてをあの白に溶かして
ふりだしに戻れるだろう


冬が終われば
必ず春はやってくる


もうじきあたしの冬も終わる











    









ひとのきもちはかわるもの


きょう だいすきでも
あしたもそうかといわれたら
とんとわかりません
だれもほしょうはできません
とつぜんきらいになるかもしれません


もうわたし
そんなあいまいなものに
たよろうとするのはやめにしたの
じぶんのきもちにすら
せきにんがもてないのに


だれかを すきとか きらいとか
もうぜんぶがぜんぶ めんどくさい


しあわせって
もっとほかのばしょに
あるようなきがする











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