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+ rat rhyme +



    













ねぇ 向こうでそっと輝いている
あのきらきらしたものはなに?


その正体を確めたくて
一刻も早くそっちに行きたいのだけれど


近づこうとすればするほど
きらきらも遠ざかっていく


うかつに動かないほうがいいのかと
じっとこちらで蹲っているのだけれど


息を殺せば殺すほど
きらきらは薄れていく


決してこの手に掴むことのできない
あのきらきらしたものの正体


それは


きっと…















    














ぼくの中の何かが
音をたてて崩れていく
引き裂かれていく


もう一度積み上げようとしても
その力さえ残ってはいない


見上げた夏空の
真正直な青さが
眩しくて目を閉じる


無数に選べたはずの道を
選ばずに来てしまったから


真上から照らす太陽が作る
短い影の先は
追いかけても掴めない
きみのようだと思う

















    













伝えたいコトバを飲み込むと
それがどんどん重さを増して
降下していくんだね


気がつけば
もう這い上がれないほど
きみから離れてしまったよ
















    











驚くばかりのスピードで
弱さに飲まれるわたしの心


助けを乞う隙すら
与えられないまま


ここから救うチカラを持つのは
きみからの言葉だけだなんて
あまりに茶番すぎて
認めたくない













    











溢れ出した想いの
流れゆく先に
何があるだろう


この幾筋もの流れを
ひとつに結んだら
きみの元へと届くだろうか


あまりの激しさに
きみを壊してしまわないよう
あまりの緩やかさに
きみに見過ごされないよう
いっときたりとも
目を逸らさずにいたけれど


この流れが
海を見ることはあるのだろうか













    











小さく開かれた窓から
頬を刺す光が
涙を乾かしていく


昨日までは
鉛のようだった心
ズブズブと
ベッドにのめりこむしかない体


きみからの言葉が
あってもなくても
わたしはわたしでしかないのに











    













泣かないことを課してきた


カンタンに涙を流したりしない


けれど


カンタンに涙を流すあの子が


カンタンに幸せを手に入れていた















    













これ以上傷を増やしたら
もう二度とたちあがれない



嘆くそばから
自らすすんで傷を作りに出向いている

















    











きみがくれた
この塊は
ぼくの中にとどまり続けて
ときどきにその重さを変える


あるかなきかの羽根のごとく
ふわり 心を包み込んだと思えば
抱えているのもイヤになるほど
ずしり 心にのしかかる


その重さはすべて
きみの心しだい















    












手に入らないものを
欲してしまうのはなぜだろう


欲しいと願い続ければ
いつか手に入るとでも言うのだろうか


それを教えてくれるためなんだろうか


それとも


欲しいと願い続けても
叶わないことがあると
教え続けるためなんだろうか















    











きみの心にすべりこんでいく
あの音楽のようであれたら


好きかどうかも
考える必要さえないまま
ただなんとなく毎日耳にして


どこまでもカタチない
あの音楽のように
きみの心に混ざりたい













    














真実が
どこにあるのかわからないぼくに


ただ一度だけきみが
手を翳してくれさえすれば


次に踏み出す足の方向を
すっかり定めてしまうことができるのに

















    












不確かなぼくが作り出す
不確かな明日に怯えていた


けれど


不確かな明日の中には
確かなきみがいて
いつのまにかぼくは
不確かさの中にある確かさを
まばたきもせず見詰めていたんだ
















    











それがきみの心から発せられるなら
どんな言葉でもいい
二度と立ち上がれなくなるくらい
傷つけられてもいい


放りっぱなしにされるくらいなら















    












今を語るキミと
未来を手繰るわたし


お互いにとって
都合のいい言葉の中にだけ
それぞれの居場所を見つけては
小さくうなづくわたしたち


決して寄り添えない心たち















    












たとえきみが
ぼくを必要としない時でも
きみへと続く道を
探さずにはいられない


湿った夜の道は
ぼくをとても弱くさせるけれど
弱さの中にある かそけき強さで
あたりを照らして進むだろう















    










きみにとって
決して失えない何かになれたらいい


それなしでは
生きていけなくなるほどの
頼りなく弱い何かではなくて


それを失ってしまったあとでも
ずっときみを温め続けるであろう何か


それゆえに 失えないもの
















    












眠れぬ夜
自分だけのため
口ずさむ唄


遠くで響くは
夜汽車の音
中でまどろむ人の
眠りをさまたげぬよう


哀しい唄に
心をまるごと沈ませ
引き上げたときには
すべて
あとかたもなく
溶けてしまうならいい


あなたへの想いも
それをいだくわたしも















    











きっと 
きみの求めているものは
安心なんてものではないから
突然の雨に降られても
あわてて傘をさしたりはしないんだ


名前を呼べば
すぐに息切らし駆けてくるような
犬に心惹かれたりはしないんだ


きみは
どしゃぶりの中を
びしょぬれになりながら
迷子になったネコを
ずっと探し続けるんだね


そんなきみを見ながら
手にもった傘を
さしかけられずにいる















    












ねぇ いっしょに
月に爆弾をしかけにいこうよ


ねぇ いっしょに
途方もない夢を見ようよ


爆弾のスイッチを
2人でいっしょに押した後は


漆黒の闇の中で
飽きるまで抱き合って眠ろうよ















    











狭い 狭い
繭の中から
ずっと出れずにいた


あなたがわたしの手をとった時
わたしははじめて
世界に色があると知った


あなたが見てきた世界の色を
今 知りたくてたまらない














    













解き放たれた想いは
きみの心をどれだけ揺さぶっただろう


昨日と何ひとつ変わることなく
同じ距離を保ち続けるきみの側で
同じ笑顔を浮かべることは
きみが思うよりもずっと
骨の折れることだったりするんだけど…
















    












きみと見る果てしない夢の中
そこでしか
きみに触れることはできない
そこにしか
きみと心を通わす道はない


夢がさめて
引き返す場所がなくなったとしても
ぼくはこの
目をあけたまま見ている夢の中で
きみを抱きしめずにはいられない















    












どんなときも
自分の歩幅で歩くきみの
背中を見失わぬよう
小刻みについていく


湿った潮風に
乱れた髪を
撫でつけるフリして
太陽にかざした手
こんなに近くにいるのに
繋げない手
















    












結局
あなたとわたしは
「わたしたち」にはなれなかった
ということなのよね


これから先も
「あなた」と「わたし」でいるしかないなら
あなたとは無関係な他人でいたいと思うことは
さして我儘なことではないでしょう?















    











たとえあなたが
あの日のことを
きれいさっぱり忘れちゃったとしても
あたしは一生忘れない


あたしだけが覚えている記憶が
増えるだけだとしても
あたしの記憶の中に
あなたが幾層にも重なっていくのは
やっぱりうれしいことだから


あの日
差し出してくれた手の温もりは
あたしだけのものだったから















    











きみに憎まれるくらい
愛されたかった


少しも変わらぬ距離のまま
隣を歩くくらいなら…












    











そのことに気づくのに
どれだけの時間を費やしたのか
振り返るのもイヤになるほどさ


孤独なんてもんは
ちっともカッコイイもんじゃなくて
孤独を守ろうとしてた自分は
もっともカッコ悪いもんでさ


孤独が孤高の高みに昇れるまで
どれだけの時間 
のたうちまわらなきゃいけないのか
知らないまま 知り得ないまま 
低い孤独の中で横たわったまま


今 見えているきみの手は
ぼくを孤高へと押し上げてくれるかい?
それとも
ぼくの孤独を終わらせるものかい?















    











雨の匂いがする
濡れた髪と新緑と
冷えたアスファルトが
一息に交じり合って
ぼくを閉じ込める


もうじき
夏が
光と腐敗をつれてくる


その前に
雨に包まれて眠ってしまおう














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