-->
きみとしか 見ることのできない風景が 確かにある 頬を伝う涙が どれほど冷たく乾いて あたしを震えさせても きみとだけ 触れることのできる光が あたしの歩を進ませる |
ともするとこれは 迂闊な恋だったのかもしれない 心の隙間を少しも作らないように 夢や幻をギチギチにつめて 明日を迎えていたのに 迂闊な恋に足を取られて ここから先へ進めない |
さみしがり屋のきみのための場所が ぼくの中にはたくさんあるんだ その場所を一つ一つ丁寧に きみに示したとしたら きみはここにいてくれるのかな |
何をそんなに恐れているんだろう こんなにも曖昧な空気の中に 身を置き続けるくらいなら あなたが好きだと泣くことくらい たやすく出来そうなものなのに 何がそんなに怖いというのだろう |
きみに手紙を書いてみた とても長い長い手紙になった 読み返しながら あーでもないこーでもないと 色んなところを削ったり 色んなことを付け加えたりもしたんだけど 最後には破り捨てた だってぼくは きみに手紙が書きたかったわけじゃない きみと話がしたいんだ きみの声がききたいんだ きみと一緒に笑いたいんだ 1人でいると 涙ばかり出てくるのは 一体何の作用なのかな? |
きみの放つ言葉は いつだってちゃらんぽらんで はっきりしなくて 信用なんかできたもんじゃない けれど その中にはいつも 途轍もない誠実さが隠されていて 見つけるたびにドキッとする |
たとえきみと 今を分かち合えたとしても ぼくの孤独は 消えたりしない きみとぼくの孤独が共鳴して さらに深まりゆく孤独の中に 身を投じてゆく 水底に輝く光を 見開いた目で確めて 手触りをなつかしむように きみの孤独を愛でたいだけなんだ |
夜が誘う 抑えていた想いを 解き放てと そんな誘いに乗るまでもなく 抑えることなど とうに出来ない |
失くしてしまったものの中にしか 価値を見い出せないあなたのままなら わたしは あなたの前から姿を消すしかないのね |
あなたとわたしの交わす言葉は どこに繋がっていくんだろう それが未来に繋がらないというなら わたしたちはどこに向かっているんだろう 行く先もわからないのに わたしはあなたに 弱さを見せすぎてしまった |
満たされたはずのこころから すぐにこぼれていく何か こんなことなら いっそカラッポのままでよかった |
はじまりは ほんの些細な交差から 長い時をかけて交わった糸は ほどけずこのままゆくのだろうか それとも なにかの力が加わった途端 いともたやすく切れてしまうのだろうか そんなことさえ 予想もつかない今 |
きみに気づかず過ごし続けるより きみに気づけたことを喜ぼう たとえきみの目が ぼくを見ていなくても |
それは 誰の目にもとまらぬほど 淡い淡い孤独だった だが ひとたび気づいてしまったら その底を確めずにはいられぬほどの 深い深い孤独だった わたしたちは その深淵の奥底で 1つに結びついていた |
ずっと探していた人が もしもきみだというのなら ぼくはなんてバカバカしい遠回りを してきたのだろうとおもう ずっと探していた人が きみであってほしいから ぼくは最短距離で きみへと向かう |
今 測りかねているきみとの距離は 実際のところ どんな風に増えたり縮んだりしているんだろう それは ぼくにはもちろん きみにだってわからないことだよね だからお互い 日に日に 含みのある言葉だけが増えていくんだよね |
わたしには決して言えない一言を 何の衒いもなく言えてしまうきみの その子供のような素直さに どうしようもなく惹かれている その素直さを わたしの言葉が傷つけることのないよう 細心の注意を払うことなんて ちっとも苦じゃないわ きみを失うことに比すれば |
気づかれることも滅多になく うっかりと見過ごされがちな 小さな幸せたちは それを恨むこともなく 今日もぼくらの頭上に 小さくて小さくて 何よりも確かな幸せを 降り注ぎつづけている |
あたしがぐずぐずしていると きみはすぐどこかへ行ってしまう きみの関心が あたしに向いているうちに きみの中に残る何かを 次々植えていかなくちゃ きみの中に あたしのカケラをたくさん入れておかなくちゃ 振っても音がしないくらいたくさん |
1人で抱える荷の重さに 耐え切れなくなったから あなたを必要としたんじゃない それをわかってくれていようがいまいが 全選択をあなたに任せる 覚悟だって出来ている あとは あなたの答えに従うだけ だから 正直に答えてね 傷つくことから あなたとわたしを守ろうとしないでね 何もかもから自由になった場所で 言葉を交わせる2人になれたらいい それは わたしだけが描く明日かもしれないから |
その人を想うきみのココロと あの人を求めるぼくのココロを 通い合わせたら 新しい何かが生まれたりするのかな 一番近くにいるのに 触れることができない ほかの誰かのものになってしまうのを 黙って見てるしかないなら きみから一番遠い人になりたい |
求めるために伸ばした手で きみに何を与えられるというのだろう もう 簡単には会えないきみは ぼくの知らない場所で きみだけの明日を見ているのに その明日に ぼくはいないのに |
正解がアでもイでも どちらでもいい どちらを選んでも 正しくはない 間違いでもない ただ きみとぼくが 今もこうして 関わり続けていること その中にしか 答えはないんだよ |
かつて 一度でも あなたと対等だったことがあるだろうか わたしより ずっと先を歩いていたあなたに 少しでも追いつきたくて つかまえたくて 休むことなく走っていた 抱えた疲れに気づこうともせず あなたという光を追った あなたはいつも わたしを冷ややかに見下げていた それさえも わたしには力になった ある日 とても静かにやってきた終わりの中に 走れないあなたの姿を見た そしてわたしは走るのをやめた 息を吸うことも出来ないほど 疲れ切っていたから あなたの後姿すら見えなかった 今おもえば 走れないことが あなたの抱えた弱さだったのかもしれない |
笑っちゃうほど臆病なぼくたち もう転んだりしないよう そぅろり歩いている 行く先はいつだって不確かだから 優しさを確めずにはいられないんだ だから 身の丈以下の幸せで 充分満足しちゃえるのさ |
ハラハラと散りゆく 残酷な花びら 振り切れず 静かに下ろす手 ほんとうは泣きたかったわたし |
この恋は 何の準備もなく 突然に始まったことじゃない 始まる準備は 長い時間をかけて ずっとされていたんだ ぼくの預かり知らぬところで |
きみが ずっとココロに置いているそのステキな人を 忘れることができるというなら ぼくだって ずっとココロに置いているあのかわいい人を すっかり忘れてしまえるさ ぼくだけがきみに夢中だなんて ワリにあわないや そうしていつまでも お互いの好きな人を 電話で自慢しあうんだ |
きみを今も苦しめている痛みは ぼくが与えたものではない きみを苦しめてでも 傷となって残れる人に 胸苦しいほど なりたいと願ってしまった きみはおそらく 大事に抱えたその傷から 目を離すことはできはしないんだろうね |
HOME BACK INDEX NEXT |