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+ rat rhyme +



    











ずっと
息を殺すように生きてきたから
どうやって自由に呼吸をしたらいいのか
まるでわからない


きみのまえで
強いふりをしても
弱さを切り売りしても
それはあたしではないあたしだと
きみにすっかり見抜かれているのに














    









つい と背中を押されれば
すぐにでも涙が出てきそう


溢れそうな気持ちを抱えて
必死でバランスを取っているわたしに
曖昧な言葉を投げて寄越すなんて


そして
それを投げ返せと言うだなんて











    










今はもう
きみでいっぱいになってしまった場所には
今まで誰がいたんだろう
今まで何があったんだろう














    









痛む胸を押さえているくせに
「痛い」と言えないでいることに
最大の後悔をしている


それなら


新たに軋むような痛みを作って
大袈裟に倒れこむことなど
今すぐにでもやれてしまうわ











    










恋は
わたしの中の強さを
すべて奪い取っていく


そして
世界で一番自信のない生き物になる













    









きみにとって
ドアを叩き続けることは
当たり前の動作だったのかもしれない


でも


わたしにはそれが出来ないから
ドアを叩き続けてくれたきみを
好きにならずにはいられなかった















    










わたしの言葉ときみの言葉は
おもしろいように違う


きみの言う白と わたしの思う白は
たぶんものすごくかけ離れている


それに気づいたとたん
不自由が纏わりつく


でも
それに気づいているのはたぶん
わたしの方だけ


だから
何にも気づいていないふりをして
きみの言う白に思いを馳せる












    










向い風に煽られた砂塵が
目に当たって泣きそうになっても
わたしはわたしの行きたい方向を目指しゆく


だってそこには
あなたがいるから













    









きみの声がとても優しくて
耳に心地いい


誰かに愛されることが
わたしの望みだと思っていた


でも 違う


わたしは誰かを愛したかったんだ
愛せる誰かを見つけたかったんだ












    










きみが「うん」と言ってくれさえすれば
ぼくはきみを
世界一幸せにする自信はあるんだ


だから「うん」と言うのが
きみにとって一番いい選択なのだと思う












    










きみとわたしを繋いできた
切れそうで切れない一本の糸は
いつもきみが揺らしてくれていた


わたしが
その糸の存在をすっかり忘れていたときでさえも
きみの揺らす糸の震えで
わたしは自分の所在を確めていた


今 糸を手繰り寄せれば
きみに辿り着けるのだろうか
目印をつけ忘れてきたことが
ひどく悔やまれる














    










わたしが飲み込んできた言葉を
もしも全部あなたの前に晒したら
きっととても驚いて
逃げ出してしまうと思う


わたしが発してきた心にもない台詞が
どれだけあなたの心に
残っているというのだろう


もしそれが
あなたを少しでも傷つけていたとするなら
傷となって存在できたことに
喜びを見出すこともできるのに















    









きみと違う空の下で
仰ぎ見るサクラ


夜空いっぱい広がる薄墨が
ぼくの中のきみなのだとしたら
きみの中のぼくは
雨に濡れそぼった花びら一枚ほどもない


こんなことに
気づかなければよかった


きみの心の中で咲けないのなら
花である意味もない













    









後悔の中で生きていくより
一瞬の中を生きたいのに


本当に知りたいことを知るのは
嬉しいことのはずなのに


なんでこんなに怖いんだろう


毎日毎日
手を変え品を変え
恐怖心を煽りたてにくるものだから
もう泣くことしかできない











    









約束なんか大嫌い
未来を縛るのも大嫌い


でもいま


約束をしたがってる自分が
一番大嫌い











    









放っておくと拗ねるくせに
ぼくを放っておくことは
なんとも思ってないんだね


放っておかれるとイヤなのは
きみもぼくもおんなじなのに










    










気がつけば
ものすごい高さまで昇っていたんだね
足がすくむ 目が眩む


ここから見える景色を
何度も何度も見直して
ここに来てもよかったのかを
幾度も幾度も確める


もしも今の足場を踏み外したら
どこまで落ちていくんだろう


願わくばもう
どこにも落ちていきたくないのに












    









見ようとしなければ
何も見えない


変わらずそこにあったものでも
まるで見ようとしていなかったから
ついぞ目に入ることはなく
ずっと違うものを探していた


それに気がついた時
ぼくはとっさに
きみと無関係になれる道を探してしまった
そんな道はないというのに












    








諦めることで自分を守ろうとするのは
もうやめた


これから増えるキズの1個や2個くらい
もうどうってことないわ








    








これは運命などではなく
ただ単純に
スイッチが入ってしまったという
現象のひとつにすぎない


わたしですら
スイッチの場所を探すのに苦労していたのに
キミはどうしてこうもかんたんに
スイッチの場所を探し当ててしまえたんだろう










    









どんな時も
同じリズムでドアを叩き続けてくれたキミ


変わらぬ強さで
そこに居てくれたキミ


だけど


ぼくはドアの開け方を忘れてしまった


キミはいつも
ドアを叩くだけ叩くのに
開け方を教えてはくれないから
ぼくが開けるより他
キミに会う方法はないのだけれど


いますぐにここを開ければ
キミはまだそこに居てくれるだろうか?
もうキミは
他所にいっちゃったんじゃないだろうか?










    









もっと知りたいというキモチが
胸の奥で育っていたことに気づく
これは すでに 
恋に落ちてしまったことを意味するのですか?














    









今はまだ
会いたい時に会えないわたしたち


このさきも
会いたい時に会える日はないわたしたち










    








何も信じちゃいなかったよ
キミの全部を


キミの言葉には
意味も含みもありはしない


なんていえるほど
何一つ知りもしない
キミのことを


ぼくが知ってるキミは
ずっと昔の ほんの僅かな
断片にすぎないのに











    







何も言わずに消えていく恋


何も言えずに冷めていく恋









    










それは
記憶であったのか
はたまた夢であったのか
わたし自身でさえ
すでに判断がつかぬような
感情のひとつであった


その感情には
確かにはじまりというものがあった
だが終わりというものがなく
いや 正しくは
終わりが見えなくて
そのことが
酷く悲しいことのように思われた


けれど
今は違う


今も変わらず終わりは見えないし
見えたりする日もこないのだろう


それがわかった今も尚
それがわかった今だからこそ
きみの幸せだけを祈ることができる
きみの幸せを祈ることが
終わりに似た響きを連れてくるのだ











    







無遠慮な春がまた来る
急速に失速する希望が
光のもとに晒される


冬の冷たさゆえに
火のぬくもりを知る
暖かな春は
その何もかもを鈍らせる


春の光の中で
わたしは少しずつ錆びを身に纏う









    






キミとわたしを隔てる線を
みずから引いたというのに
あまりにキレイに引けたから
キミと一緒に眺めたくなる












    









あのとき きみと
強いふたりになれていたらな


ぼくが持っていた凶器を
すっかりきみに見せてしまっていたらな


そうしたらぼくは
その重さに耐え切れずに
へたり込まずにいられたのかな


そうしたらきみは
この重さを
少しだけ肩代わりしてくれてたかな


弱さを見せられないのが
ぼくの弱さだったから
たとえまやかしでも
強いフリをしなきゃいけなかった


理由なんてないのに
理由なんてないのに











    







薄暗い足元を照らす灯火に
手を翳す
でないと
突風に吹き消されてしまう


この火が消えてしまったら
あたしはもう
ひとたまりもなく
呑まれてしまう


あたしの中に眠る闇を
指でなぞったりしないで
声で揺さぶらないで


翳した手の中の火よ

どうか

消えたりしないで







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