singersong professor KMの日記

2011年08月29日(月) 収穫の週末

 今週末27日(土)は立命館学園会計人会総会。記念講演に三木義一教授のおはなしがあった。これは収穫で、三木先生は民主党内閣での税制調査会専門委員をされているので、一番最近の税制の動きを教えられた。

 私自身、若い頃は税理士を目指し、試験だけは合格したけれど,開業はしていない。その後方向転換したけれど、やはり関心はある。懇親会でも三木先生の隣に座り,お話しをすることができた。国民が税制にもっともっと関心を持つべきだと,つくづく思った。主権在民というけれど、どうも、日本では「お上」意識が強すぎる。税金は国民が主体的に政府を成り立たせているものだという意識が弱いように思う。

 最近の税制改正の方向は、そういう方向へ向かっているようだ。大いに期待できる。支えていきたいと思う。三木先生の話の概要を、facebookで書いたので、少し紹介しておく。

「一昨日、元法学部教授三木先生からよいお話を聞きました。納税者番号制、歳入庁構想など一定の前進を望めれば,ある種の可能性はありそうです。消費税増税と消費税額控除というカナダ方式が面白いようです。

 ただ、一昨日の話でもそうでしたが、メディア、記者のレベルの低さが障碍のようです。これでは、国民の納税意識を高める方向にはとてもならない。そうなると政治家の大衆迎合で、いつまでも増税はできないと思われます。

 民主主義の本来の姿にならず,ポピュリズム蔓延が世界的傾向のようにも感じます。

 それから、タックスヘイブン利用は富裕層、グローバル企業などで根付いていて,困難な課題のように思われます。国際的な解決が望まれますが、容易には解決しないと思われます。」

 28日(日)は経営学部校友会経営学振興事業セミナーで,安岡正篤氏の高弟伊與田覺氏(論語普及会学監)の「理念と経営」というお話をうかがった。セミナーの概要はいずれ経営学部校友会HPにアップする予定になっているが、毎回セミナーの概要は私がセミナー修了後まとめている。今回は内容も私自身面白かったので長くなってしまった。まだ、先生の校閲を得ていないのでここで細かく紹介できないが、大変収穫があった。

 なかでも、久保田鐵工3代目社長小田原大造さんが、社長就任のとき訓辞をされ、「機械を作る前に人を作れ、人を作る前に人となれ」と話されたなどと言うのには、大変興味を持った。経営は技術や科学ではない。基本は人であり心であると最近つくづく思っているので,大変興味深かったわけである。



2011年08月19日(金) 真のマネジャー

 facebookで「今日の一言」というのをアップしている。昨日アップした言葉は下記である。

 「[神話4]マネジメントは科学であり、専門的職業である。現在はそうでないとしても、少なくとも急速にそうなりつつある。」=根拠なし
「[現実]マネジャーのプログラム−時間の配分や情報の処理、意思決定など−は、マネジャーの頭脳の奥深くにしまい込まれている。」(『H.ミンツバーグ経営論』より)

 これに対していろんな意見が寄せられた。

 第1。「的外れだったら申し訳ありません。弊社でマネージャーを目指す者に対し、「マネジメントは専門職」という意味のことを話します。それぞれの職場でトップでもマネジメントは別物、意識をすっかり変えないといけないという意味合いです。日本ではそこで一流のものが上にあがり、部下もそういう人についていくという感覚が根強いように思います。それをまったく否定するわけではありませんが、マネジメントをどう考えるか、大切だと思います。」

 少し違和感をもちつつ様子を見ていたら、次のような書き込みがあった。

 第2。「マネジメントは専門職、そうとらえる方が組織編成が柔軟に行えるでしょうね。
職場のトップというのは、職歴が長いとか、一番技術レベル高いとかということですね。仮にその人がマネジメントスキルを身につけることができたとしても(少なくともそれは必要と思いますが・・)、その人に人がついていくかは別問題ですね。リーダーシップがからんできます。」

 なるほど、リーダーシップ。新しい論点が加わった。でもこの点はいずれ考えることにしたい。さきに専門職という論点について、私は次のように書いた。

 「マネジメントに広狭二義ありそうです。「マネジメントは専門職」という場合,どちらでしょう。トップ・マネジメントもマネジメントに違いありません。これは専門職なんでしょうか。
専門職というのをどういう意味で言われているのでしょう。我々業界で,高度専門職といえば公認会計士などを指す場合が多いのですが。ある職種での専門家という意味でよく専門職という場合が多いようですが。
意外と専門職ということばを多義的に使っているのに気づきました。整理してみたいと思います。」

 そうしてさらに様子を見ていると、次の書き込みがあった。

 第3。「そう言われて気づきました。専門職という言葉を曖昧に使っています。
私がここで使った"専門職"はそれぞれの職場で身につけた知識や経験に秀でているのとは別で、組織運営管理する能力を身につけた人ということです。
また、一般的に複線型人事制度と言われる形態では、管理職待遇で部下を持たない人を専門職と呼んだりしています。」

 だんだんと議論の整理がついてきた。さらに次の書き込みがあった。

 第4。「かつて似たようなことを学んだなぁとメモを調べてみたら、
 エキスパート(熟練者)<->ノービス(初心者)
 スペシャリスト(専門職)<->ゼネラリスト(総合職)
 プロフェッショナル(有資格者)<->ノンプロフェッショナル(無資格者)
 プロ(本職)<->アマ(バイト)
と書いてありました。
「専門職」の多義性を考える場合、反意語や同意語、用例を集めてみると見えてくることがあるのかもしれません。」

 さらにまとまってきたようだ。そこに次の書き込みがあった。

 第5。「マネジメントが専門職であるという見方は、その手法や技術が、ほかの様々な業務(現場的な)に比較して、現場的なビジネススキルの延長線上にない独特なものであるという面においては、まったく専門職であると思います。また、至って人間的な素養がスキルに含まれるナーバスなものでもあるのではないでしょうか。難しい悩めるテーマですね。」

 そこで、今日、新たにミンツバーグを援用して、次のように述べた。

「現在のビジネススクールは、組織に関するスペシャリスト、たとえばマネジメント・サイエンティスト、マーケティング・リサーチャー、会計士、組織開発の専門家などを訓練する優れた業績を残している。しかし、真のマネジャーの訓練に取り組んでいるところはほとんどない。」(『H.ミンツバーグ経営論』)

 私は「真のマネジャーの訓練」に取り組みたいと思っている。

 もうおわかりでしょう。ミンツバーグが現在のビジネススクールで育てているのは「専門職」であって、「真のマネジャー」ではないと言いたいわけだ。だから昨日紹介した「マネジメントは科学であり、専門的職業である」というところで、さらにこうも言っている。「つまるところ、専門的職業とは『学習あるいは科学のある部分に関する知識』(ランダムハウス辞典)ということなのだ。」(同上)

 ある部分の知識であって、それだけでは「真のマネジャーの訓練」にはならないと考えているわけだ。

 このように、一言投げかけただけで、いろんな意見が出てきて、論点の整理が進む。まさにMBAだ。



2011年08月18日(木) 盆休みと読書

 大学の一斉休暇12日〜19日までは、どうせ行政的仕事が進まないのだから、じっくり本を読むことができる。読めずにたまっていた本、新しく買い求めた本など、手当たり次第に読むことになる。それなりに、アト・ランダムに知識がたまるが、これを整理するのが大変だ。うまく整理すれば、頭に入るし、しばしばそうだが、未整理のままだと、奇麗さっぱり忘れてします。ほとんどの場合、忘れてしまう。

 積んである本を見て、ぱらぱら開けてみると、ポストイットが入っている。あ、この本読んだんだ、などと思うことがある。でも、記憶が曖昧である。未整理のままだと、こういうことになる。でも、結構それが多い。というか、読んだけど、余り役に立たないと、その時思った本だからそうなるのだろう。その後関心が移ったりしてから、それを読むと、全く違ってくる。結構面白いじゃないか、などということもある。

 そんな場合、はさんであるポストイットなど、なぜそこにはさんであるのか分からないことも多い。本の読み方は難しい。



2011年08月09日(火) サマーセミナー

 好例のサマーセミナーは大分。6,7,8日の2泊3日。勉強の後は、飲み会。新鮮な魚をたっぷり食べられました。で、深更に及ぶ2次会、3次会。やりすぎ。

 役職に伴う会議。おつきあいで、自分の仕事が少しも進まない。夏休みなのに、仕事が進まないのは、少しつらい。

閑話休題。

金融不安。どうなるのだろう?

日経平均株価  -153.08  8,944.48
NYダウ     -634.76 10,809.85
香港ハンセン -1,159.87 19,330.70



2011年08月03日(水) facebook

 最近facebookにはまっている。確かに古い知り合いを見つけ出すことができたりする。ただ日本ではいまいち普及していないようだ。MBAではかなりの普及度である。上手な活用法を考えて行きたいと思っている。


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