singersong professor KMの日記

2011年01月30日(日) 経営大学院5周年記念行事

 昨日(29日)、大阪のMBA新キャンパスとなった富国生命ビルで経営大学院開設5周年記念行事を行った。式典でのご挨拶を行った。とくにその後の記念講演・シンポジウムでの基調講演に,元ソニー社長、現在はクォンタームリープ創業者・代表取締役の出井氏を迎えての,賑々しい式典となった。出井氏となると、一般参加者が大勢で,新聞紙上で広告を出したら一気に希望者が増え、すぐに定員を超えお断りする始末で、そのネームバリューは流石であった。ご挨拶をしたが、やはり、オーラを感じさせる人であった。

 式典のあとは新阪急ホテルで懇親会を行ったが、一日を通して,盛会であったと言える。とはいえ、研究科長としては,少しばかり疲れを感じる一日であった。出井氏のお話「世界市場における日本企業の戦略」など,有意義であった。

 この間いろんな人のお話を聞く機会が多いが、この「失われた20年」を経て,次の段階をどう展望したらよいのか,確かに未知の部分もあるが、少子高齢化時代を迎えて,日本がどうしたらよいのか,最低限の所は見えている。問題は実行あるのみなのだが、その前に立ちはだかっているのは,既得権益である。これの解決は実に難しい。みんなが勝手を言い始めたら,解決はおぼつかない。そうこうしているうちに,日本という国の沈下が早まる。焦りを感じるが、落ちるところまで落ちて,おしりに火がつかないとどうにもならないのだろうとも,あきらめに似た感情を懐いてしまう。



2011年01月27日(木) 沖縄

 1月24日−26日の間、沖縄の琉球大学へ行ってきた。T准教授からの招聘を受けて講演などを行った。私にとって,初めての沖縄だった。講演の方は,熱心な学生諸君のおかげで気分よく話せた。
 そして、せっかくの沖縄と言うことで,若干は案内して貰った。とくに、希望して普天間基地と嘉手納基地の見学に行った。その途中における米軍基地の広大さには,驚かされた。沖縄県のなかに米軍基地があるのか,米軍基地の間に沖縄県があるのかと思わせられるほど,基地が多かった。自動車で走っていたら,道路の両側が米軍基地、などという所も多かった。それがフェンスで囲ってあるわけだから、当然、普通の日本人には立ち入り禁止区域ということになる。

 観光案内書には基地のことは,一言も触れられていない。でも,沖縄にとっての基地の重さは,それら基地を見てみればわかる。下記HP(沖縄県知事公室基地対策課のHP)を見つけたが、それによると、「国土面積のわずか0.6%に過ぎない狭い沖縄県に、在日米軍専用施設面積の約75%に及ぶ広大な面積の米軍基地が存在しています。/米軍基地は、県土面積の約11%を占めています。とりわけ人口や産業の集積する沖縄本島においては約19%を占めています。」ということになる。

http://www3.pref.okinawa.jp/site/view/contview.jsp?cateid=14&id=579&page=1

 上記ウェブ・ページの地図で沖縄本島における基地の広さがわかる。しかも、この地図ではわからないが、島の一番平坦でよい場所に基地がある。嘉手納基地のよく見える場所、普天間基地のよく見える場所に連れて行って貰った。普通の観光客では,そんな場所はわからないだろう。かつて、自民党の後藤田正晴氏が日本は半独立国だと言っていた(さすが一流の政治家だ)が,沖縄へ行くと,それが実感できる。そういう正確な事実認識の上にたって初めて正しい政策が行えると思う。

 ま、泡盛も飲んだけれど、何といっても今回の収穫は,米軍基地を実感できたことだ。沖縄で米軍人によるレイプ被害などが,沖縄の人たちの神経を逆なでしていることは間違いない。と同時に沖縄にこれと言った産業がないのも事実だ。基地依存の現実がある。そのことを改めて実感できた。今回の最大の収穫だ。



2011年01月22日(土) 寒い

 今年の冬は寒い。それで服装も重装備となっている。先週末、東京で経営学部校友会のセミナーを開いた。大勢の参加が得られた。やはり元産業再生機構代表冨山和彦氏のネームバリューもある。でも何といっても、東京の校友の熱さだ。講演は2時間を超えるという熱のこもったもので、私も十分満足した。講演録はすでにまとめてあるが、いずれ経営学部校友会HPにアップすることにしている。ご参加の皆様方の満足度は高いものであった。アンケート結果からもわかる。終了後の懇親交流会はやや時間不足だった。でも私のゼミ生たちが集まったので,2次会、3次会と流れ、結構飲んだ。ま、何時ものことだけど。

 翌日日曜日に、ついでに東京での某学会の打ち合わせを行った。京都に帰ってからは火、水と認証評価関係の打ち合わせに結構時間をとられた。その他会議もあった。そして、来週25日に沖縄琉球大学での講演のための準備がある。レジュメ締め切り間際になっても,まだ完成しない。もう今日中にはレジュメを送る必要がある。幸い、メールという便利なものがあるので、ぎりぎりでも間に合う。もっとも、それがいけないと言えばいけない。ついつい、それに甘えてぎりぎりまで手を加えてしまう。ま,確かに,ブラッシュアップされてよいものにはなるが。

 その他、先週の新幹線の中で読んだ本とかも,いずれ紹介したい。安富「経済学への船出」というのを読んだが,面白かった。それに例の「ブラック・スワン」の著者、タレブの最近の本「強さと脆さ」も一気に読んでしまった。



2011年01月09日(日) 酒場放浪記

 酔っぱらいの話ばかりが続くけれど、最近BS-TBSで毎週月曜日に放映している「吉田類の酒場放浪記」という番組が気に入っている。また、その番組のサイトも充実している。

http://sakaba.box.co.jp/index.html

 年末31日にはスペシャルで、紅白歌合戦を最近は見なくなったけれど、この番組はばっちり見た。東京の居酒屋が中心だけれども、時々その他の地方の居酒屋も紹介する。吉田類のひょうひょうとしたところもよい。ウィキペディアによると、1949年6月1日産まれで、「高知県出身の酒場詩人」だと紹介されている。「シュールアートの画家として主にパリを拠点に活動後、イラストレーターに転身。1990年代からは酒場や旅に関する執筆活動を始めるかたわら、俳句愛好会「舟」を主宰している。」とも紹介されている。

 この番組で紹介されている居酒屋、京都は4軒だけだが
#136 千本中立売「神馬(しんめ)」
#137 三条木屋町「よしみ」
#138 三条京阪「伏見(ふしみ)」
#139 新京極「スタンド」
#140 裏寺町「静(しずか)」

となっているから、古い店が多い。東京へ行ったときに,一度言ってみたいと思う店もある。新橋の店「和作」はランチタイムに行ってみた。酒はどうしても一人で行かない。となると、東京ではその連れて行ってくれる人と行く。ましてや宴会となると、居酒屋ではなくなる。そんなこんなで、行ってみたいけれどいけていない。



2011年01月08日(土) 酔っ払い?

 ここ2日続けて,6日、7日と大阪で飲んで帰った。で、ふらふら歩いて帰る途中、我が女房殿に出会い、「あんなにふらふらになるまで飲むなんて」といわれてしまった。慚愧。慚愧。気持ちよく歩いて帰っただけなんだけれど,ふらふらしていたようだ。確かに、その日はとても風呂には入れる状態ではなかった。ま、大阪で飲んで京都まで電車で帰れたのだから、それなりにしっかりしていたはずだけれど、気分よく,ふらふらと歩いていたのだろう。で、ヒトが見ると「酔っ払い」。

 さすがに昨日は大阪で飲んでも,しっかりかえって、風呂に入れる「余力」があった。それも自分で沸かして入ったくらいだから、これは「酔っ払い」ではなかったわけだ。正月三ヶ日飲んで,二日休肝日をとって飲んだのだが。いろいろあって,飲みたくなることもある。で、飲めないヒトは気の毒だとも思う。7日は嫌な懸案の仕事を一気に片付けて,大阪へ出かけた次第。これって、自己弁護だろうか?



2011年01月02日(日) あけまして

あけましておめでとうございます。

元旦の朝日新聞で教育問題に関して世論調査が掲載されていた。職業柄関心を持たざるを得ない。そこで一番目について気にかかったことは,「学ぶ機会」という項目で,「全体的に強い平等指向がうかがえる」という。これからの学校教育を考えるとき,「すべての子どもに基礎的な学力を身につけさせること」が86%と大多数を占め,「できる子どもを伸ばすこと」には否定的だった,という。戦後に日本の平等主義は,高度成長をもたらし,成功してきたといって良いかもしれない。けれども,「できる子どもを伸ばすこと」に否定的,と言う調査結果に対しては疑問を感じざるを得ない。

戦後教育の最大の問題はエリート教育を否定したことだ。旧制高校,いわゆるナンバースクールはその役割を果たしてきた。そのように育てられた世代が戦後も社会をリードしていた昭和50年代頃までは,日本社会もそれなりにバランスがとれていた。そういった世代が退くにつれて,社会の劣化が始まったように思う。そしておまけに,とどのつまり上記のようなアンケート結果だ。エリートがノブレス・オブリージュ,高貴な身分のものにとっての義務感がなくなったら,そして本来エリートである人たちが自由主義を謳歌したらどうなるのか。およそその結果は推して知るべしだ。80年代末の日本のバブル・バブル崩壊,2008年米国のリーマン・ショックしかりだ。また,改めてこの問題を考えてみたいと思っています。


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