singersong professor KMの日記

2007年10月30日(火) ここのところ

 ここのところ,時間がとれない。26日金曜日朝1番で胃レントゲン撮影をして(相変わらず気分の良いものではない),午後京都駅近くの「コンソーシアム京都」で,野村プロジェクト報告。で,その準備はレントゲン撮影後大急ぎで行った。

 27日(土)は朱雀キャンパスで経営管理研究科の入試業務。で,終了後,全国大学会計人会サミット。懇親会のみの出席となった。で,終了後さらにのみに出かけた(よせばいいのにと言われそう)。

 28日(日)経営管理研究科合否判定教授会。終了後懇親会。

 29日(月)朝から2時頃まで,経営管理研究科で指導している社会人大学院生Hさんに対する論文指導。その後,ゼミ生の大会発表論文下書きを読んで,4時前からはゼミ。大会発表論文提出日を間近に控えて,論文指導に熱が入り,9時過ぎまで指導した。

 そんなこんなで,ほとんど時間がとれない。ただ,そんな中で読んだ,金田秀治・近藤哲夫「トヨタ式ホワイトカラー革新」(日本経済新聞社)はなかなか面白かった。
 



2007年10月23日(火) 今度は

 赤福も問題だが,今度は比内地鶏の偽装があったという。これらすべて,氷山の一角ではないのかと思ってしまう。何もかも信用できない。今回の場合など無茶苦茶としかいいようがない。

 それにしても,よくこれだけ,次から次へと発覚するものだ。通報制度が整備された結果でもあるのだろうが,よくもまあと思う。赤福は食べていたことははっきり覚えているけれど,比内地鶏など食べたことがあるかどうかもわからない。ほとんど食べていなかったと思うが。とにかく,100分の1の値段で仕入れていたものを,普通の値段で売っていたのだから,相当のもうけになっていたはずだ。そのもうけはどこへ行ったのだろう。

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比内地鶏12種偽装 味劣る廃鶏使用 賞味期限改竄も
10月23日8時0分配信 産経新聞

 秋田県大館市の食肉加工製造会社「比内鶏(ひないどり)」(藤原誠一社長)による比内地鶏の偽装問題で、同社は22日、偽装していた商品はおでんやつみれなど12種類に及ぶことを明らかにした。卵を産みにくくなった「廃鶏」と呼ばれる雌の鶏を使用し、このうち薫製は賞味期限を1週間程度改竄(かいざん)していたことも判明した。

 偽装発覚後、初めて記者会見した同社幹部は「社長は(偽装を)把握していたはず」とした上で、「もうけよう、売り上げを伸ばそうという安易な気持ちがあった。迷惑をかけて申し訳ない」と陳謝した。

 同社は秋田県が20日に実施した聞き取り調査では、鶏肉や卵の薫製しか偽装を認めていなかった。事態を重視した県は22日、対策本部を設置。今後約1カ月かけて偽装の実態を調査する。

 同社は昭和60年の設立時から偽装を開始。当初は「比内鶏」と称していたが、天然記念物の比内鶏を商品名に使うのは問題があることから、数年前に「比内地鶏」に変更した。売り上げ減少に伴い、偽装した新商品を次々と販売するようになり、平成18年度は売上高の約25%が偽装商品だった。

 比内地鶏は通常、1羽2000円程度で取引されているが、偽装に使用した廃鶏は親会社の鶏肉卸会社が1羽20〜30円で購入していた。廃鶏は肉質が硬く、味は劣るという。



2007年10月22日(月) サブプライム問題

 サブプライム問題がいよいよ実体経済に影響を及ぼしはじめたらしい。ニューヨークの株価下落が東証にも波及してきている。今日は500円を上回る下落が報じられている。しばらく株価,経済の動きに目を離せなくなりそうだ。1987年のブラックマンデー以後,1998年のLTCM破綻,2000年のITバブル崩壊,そして今回のサブプライムショック。これらをそのたびごとに流動性を供給してしのいできたわけだから,流動性が過剰になるはずだ。今や,金とドルとは切り離されているので,信認をうけさえすれば,ドルは垂れ流すことができる。これまではうまく回っていた。今後もうまく回るのかどうか。誰にもそれがわからない。日経新聞や日経ビジネスに関連の特集が組まれている。みんながこれを意識し始めたと言うことだろう。みんながそう思うと株価は美人投票なので,その通りに動きやすい。注視しておきたい。



2007年10月19日(金) 赤福,公益通報者保護法

 赤福,結構好きだったが,問題発覚。下記記事からもわかるように,かなり「悪質」のようで,営業禁止処分で,今や出回っていないのだろう。今後に注目したい。問題の発覚は内部通報からである。平成16年6月に公益通報者保護法が成立し、平成18年4月1日から施行されている。不二家事件をはじめとして,近年発覚事例がよく報じられるのは,この法律施行がきっかけだろう。

 この法律については下記サイトを見ると良い。
http://imamura.houmu.com/koueki1.htm
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/koueki/

 最近の食品業界はパート,アルバイトで成り立っているようなものだから,よほど衛生管理をきっちりしておかないと,不正が発覚しやすい。

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赤福、不正を認識? 不二家問題発覚直後に偽装を中止
10月19日10時16分配信 産経新聞

 店頭で売れ残った「赤福餅(もち)」の再利用が新たに発覚した老舗和菓子店、赤福(三重県伊勢市)が冷解凍による製造日偽装や売れ残りの再利用の大半を、今年1月下旬に中止していたと農水省に報告していることが19日、分かった。大手菓子メーカー、不二家の期限切れ原料使用が明らかになった直後で、同社は会見で関係を否定しているが、自社の不正を十分に認識していたとみられる。
 三重県伊勢保健所は19日午前、赤福に対し、無期限の営業禁止処分を通達した。農水省も同日、本社工場と再生餡(あん)の卸し先、名古屋工場(名古屋市中川区)、大阪工場(大阪市淀川区)の4カ所に、各保健所と合同で、JAS(日本農林規格)法と食品衛生法に基づく立ち入り検査に入る。
 農水省によると、同社は当初、製造後に出荷ヤードにある商品を冷凍▽配送車で出荷した後に余った商品を持ち帰り冷凍していたことを認めていたが、18日夜に提出した文書で、店頭に売れ残った商品を回収して再出荷のため冷凍したり、餅を分離した餡を再利用していたことなども認めた。
 農水省の質問に対し、同社が回答した書類によると、店頭売れ残りや配送車内の商品の冷凍は1月26日、餡の再利用は1月13日をそれぞれ最後に中止したと釈明。その後、冷解凍による再出荷は出荷ヤード内の商品だけにとどめていたという。
 赤福の浜田典保社長は18日夜の会見で、1月上旬から報道が相次いだ不二家問題と自社の偽装・再利用中止との関係について否定したが、餡の再利用の中止は不二家問題発覚の数日後で、同社が不正を認識していた可能性をうかがわせている。
 また、同社が売れ残りを再利用した餡を卸していた「和菓子の万寿や」は、浜田社長の弟が社長を務めており、グループ全体の責任に発展するのは避けられない状況になっている。



2007年10月18日(木) 珍しい

 研究室でパソコンに向かっていると,電気がおちた。停電だ。ほんのしばらくしたら復活したが,パソコンは一瞬にして消え,その時作っていた文書もろとも消えた。被害は少なかったが,ひやっとした。作成中のメールがダメになったくらいで,すぐに書き直した。でも,同じ文書にはできない。別に内容さえ同じなら良い。それにしても珍しい。原因は何だろう。

 それにしても,最近は根気が続かない。データ入力や変換などと言う単純作業をしていると眠くなる。ま,ぼちぼちとやりますか。



2007年10月17日(水) 時間不足,そして過剰流動性

 機嫌良く仕事はしているが,時間が足らない。そう無理の利く年齢でもないので,ほどほどにしていると,仕事がいくらでもたまってくる。少し焦りを感じながら,日々を過ごしているが,とにかく前進しない。安直に仕事をひきうけすぎるからであるのは間違いない。で,先送りするのは,自分の仕事と言うことになる。原稿などがその最たるものだ。

閑話休題

 最近学生諸君にサブプライムローンを話すことがある。下記記事からわかるように,こういう影響も出るわけだ。日経ビジネス最近号(10月15日号)で行天氏や藤田氏へのインタビュー記事があるが,とくに,行天氏はサブプライムローンの影響に懸念を示されている。過剰流動性。どこかで聞いた単語だ。そう,バブル最中で盛んに言われた言葉だった。ということは,今や再び,今度は世界的規模でバブル崩壊が起こるのだろうか。世界経済は難しい舵取りを迫られていることになる。

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半導体事業の売却を断念=買収ファンドの資金調達難航で−三洋電機
10月17日9時1分配信 時事通信


 経営再建中の三洋電機は17日、国内最大の買収ファンド、アドバンテッジパートナーズとの間で進めていた半導体事業の売却交渉が難航したため、同事業の売却を断念したことを明らかにした。米国の低所得者向け住宅融資(サブプライムローン)問題などで、アドバンテッジの資金調達が難しくなったためとみられる。三洋は今後、同事業を継続し、他の事業との相乗効果によって再建を進める方針だ。



2007年10月15日(月) 証券経済学会

 13,14日の土日は関西大学で証券経済学会だった。初日は大忙しだった。11時からウェブサイト委員会,同時刻から共通論題打ち合わせ,12時から役員会,13時から共通論題司会,そして,会員総会,懇親会と続いた。終わってから,T,N,B各氏とお茶でも,の予定がお茶ならぬビールとなった。関大前のお店で飲んだのだが,そこから見える路上はまさに,学生天国だった。ほとんどキャンパスの中かと見まがう光景,いや,キャンパスの中では飲めないだろうから,キャンパスの延長に飲む場所があるという,学生諸君にとっては最高の立地。ここBKCは,そんな近くに飲む場所がない。キャンパス内にあるにはあるが,やはり,一応キャンパス内なので,キャンパス外ほどはじけられない。

 2日目も朝第1番目の報告から聞いて,朝の2番目の報告での討論者であった。まさに,大忙しだった。先週に学会を主催したところなので,朝に車中で改めて対象論文を読み直して,コメントを再考した。やはり読み直すと,気づくこともある。それと,せっぱ詰まるとひらめきもある。

 とにかく,今回の学会はプログラム委員でもあるので,進行にいろいろと協力しなければならない立場でもあり,忙しくなったという面もある。もっとも,前の週の主催と比べたら,何と言うことはないが。前の週の日本経営財務研究学会第31回全国大会の後始末もある。今日も支払などをしたが,まだ残っている。すべての仕事が終わるのは,もう少し先になりそうだ。学会の主催というのは,なかなか,やっかいなものである。



2007年10月12日(金)

 最近,「徳」だとか「仁徳」などについて語らなくなったように思う。経済でも自由に金儲けすればよいという風潮が強い。もちろんCSR(社会的責任)なども叫ばれているが,環境問題だとか健康問題だとかを直裁的に問題にするだけのように見受けられる。その根元に「徳」を据えているようには見受けられない。「徳」を根元に据えれば,環境問題,従業員問題,その他すべての問題を一元的に取り扱えるはずだ。

 「徳」などというと儒教的で古くさいと思われてしまう。とりわけ戦後日本ではそう思われている。しかしそれは人間の基本であるはずだ。スミスもケインズも「徳」(virtue)を考えていたという(松原隆一郎「イギリス経済思想における共和主義の影」佐伯・松原編著『共和主義ルネサンス』NTT出版,2007年所収)。それがどうして,戦後日本で,とりわけ近年問題にされなくなったのか。現在世界を席巻している新自由主義の影響が大きいことは明らかである。上記,佐伯啓思・松原の共編著はそう言う問題意識で書かれている。共感するところ大である。

 閑話休題

 下記記事が出ていた。今朝のニュースでも報じていた。今朝の首都圏ではJR,私鉄,地下鉄ともほとんど無料になったと言うことだろう。首都圏では地下鉄を媒介にほとんどの私鉄,JRが相互乗り入れしているので,混乱は倍加する。この損害額はいくらになるのだろう。

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自動改札、使用不能に=首都圏のJR、私鉄、地下鉄−日本信号製、始発から各駅で
10月12日11時31分配信 時事通信


 首都圏のJRや地下鉄、私鉄の各線で、12日の始発から自動改札機が起動せず、使えなくなるトラブルが相次いだ。いずれも列車の運行に影響はなく、各社とも乗客に改札をそのまま通過してもらうなどの措置を取った。
 トラブルが起きたのはいずれも日本信号(東京都千代田区)が製造した自動改札機。同社は不具合を認め、復旧作業を急ぐとともに、詳しい原因を調べている。
 JR東日本によると、12日の始発前に各駅で自動改札機の電源を入れたところ、山手線を除く各路線の約189駅で、一部の自動改札機が正常に起動しなかった。同社は異常のない駅も含め、管内の約500駅で自動改札機の利用を中止していたが、午前7時50分から改札機の利用を順次再開した。
 同社の自動改札機は日本信号のほか、東芝、オムロンが製造。このうち、日本信号製だけが正常に作動しなかった。 



2007年10月08日(月) 日本経営財務研究学会を終えて

 6,7日と日本経営財務研究学会第31回全国大会を主催した。実行委員長としては,やはり,大変だったというのが実感である。私のもとで育った若手研究者TT君の獅子奮迅の努力の結果,成功裏に終わったのではないかと思う。門下のTS君,N君などの協力も大きかった。さらには,ゼミ学生,とりわけゼミ長のN君の活躍も大きかった。もちろんそのほかのゼミ生諸君の協力は有り難かった。これらがなかったら,決してこのような成功は収められなかったと思う。昨日終了後打ち上げコンパをしたが,ほっとしてよく酒が回った。準備段階などを含めて4日連続で飲んだことになる。

 100名あまりの参加者であったとはいえ,やはり,学会の主催というのは大変だ。肉体的にも疲れるが,精神的な疲れが大きい。緊張感もある。これを高揚感というプラスの力として利用しようと,前向き前向きに考えるようにした。

 そのほかにも多くの方々のご協力を得られた。そうでないと,とてもこんな成功は収められなかったと思う。まだ決算が終わっていないので,どうなっているかわからない。確かに,こういう学会を皆さんの協力を得て開催できることは,幸せでもあると思う。まさに皆さんの協力の結果が,この成功をもたらしたと思う。有り難いことだ。改めて皆さんに感謝したい。



2007年10月04日(木) どうして?

 年36%の配当をうたい文句にしたL&Gが捜査されたという。どうしてこういう詐欺にだまされる人が多いのか?いつもそう思ってしまう。そんな高配当などあり得ない。配当なら良い。元本保証などありえないとわかって良いのに,下記記事に見るように1000億円も集めたという。本当か?と思ってしまう。

 こんな場合,いつも思うのだが,だました方が悪いのは当然として,だまされる方もだまされる方だと思ってしまう。中高年のおばさま方がだまされているようだが,常識がないというか,だまされやすい人たちがいることも事実のようだ。こういう事件が起こると,いつもなぜだまされるのかがわからない。人を疑わない「善人」というか,何というか,わからない。なぜこうも簡単にだまされるのか,誰かに教えてほしい。

 とまあ,書いておいて,今日の日経記事「空費される資本,新興市場,(上)」を思い出した。ライブドア事件の時もそうだったが,あれだけMSCBを発行しても,その転換を可能にする株式の「買い」がある点だ。今回記事の「モック」の場合もそうだが,最初に株主を儲けさせたに違いない。誰しも(!?)欲に目がくらむようだ。そこが危ない。そう言う意味では詐欺と証券市場,とりわけ新興市場の一部銘柄とは紙一重の所がある。欲のない者はだまされない。だませない。むき出しの資本主義は,そういっただます人,だまされる人を生み出す。それはまた寂しい社会でもあると思う。


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華麗な人脈で顧客に“安心感”アピール L&G本社に80人の捜査員
10月3日11時19分配信 産経新聞


 有名演歌歌手やタレント、元警視総監…。
 華麗さを演出するとともに肩書をフル活用して安心感を醸成し、全国で5万人から1000億円超の資金を集めていた健康商品販売業「エル・アンド・ジー(L&G)」(東京都新宿区)に3日朝、警視庁などの合同捜査本部による強制捜査のメスが入った。



2007年10月01日(月) その通りだが

 下記記事を発見。全くその通りだと思う。私のゼミ生などを見ていると,そんなことはないと思うが,一般的には言われている通りかと思う。一般論では語れない。ただ,安定志向はあるように思う。でも,これはまた大人社会の反映でもある。夢を語れる社会でないと,安定志向になってしまうと思う。形式主義に流れ,夢を語るのは青臭いという風潮は学生だけではない。社会がそうなっている。

 政治やメディアを見ていても,些細なことにはこだわるが,大状況について語ることがない。将来の青写真を描けていない。方向性が見えない。方向性を語らない。私見によれば,今こそ日本人の生活の質を高める必要があると思うが,誰も語らない。語られるのは格差社会解消という後ろ向きの話ばかりだ。格差社会解消は必要だが,前向きの話はできないのだろうか。

 なお,生活の質といったが,詳細には書けないけれど,例えば,女性が安心して出産し,働ける社会でないと,質の高い生活などできないと思うが,それが可能になったと言えるのだろうか。先日,NHKでノルウェーの話を放送していたが,そこでは将来の不安が少ないように思う。将来に対する漠然とした不安が,今の日本の閉塞状況を生み出していることを思えば,そう言った将来に期待できる社会を構築するのが,政治の責任のはずだと思う。それが****。


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大学生、強まる無難志向 入学動機は消極的、就職「安定企業に」
10月1日8時0分配信 産経新聞


 学歴を得るために消極的に大学に入学し、進級・卒業するためにまじめにキャンパスライフを過ごし、就職活動は安定志向−。社団法人「日本私立大学連盟」がまとめた学生生活実態調査で、こんな傾向が強まっていることが分かった。希望すれば誰でも入れる「大学全入時代」を象徴しているようだ。

 調査は4年に1度、調査票記入方式で実施。今回は昨年9〜10月、加盟する122私大の学生6639人が回答した結果をまとめた。回答率は68・0%。

 大学進学の目的では「大卒の学歴が必要」が50・2%でトップ。「家族、先生の勧めや友人も進学するから」(26・2%)とともに4・6ポイント増加し、主体性に欠ける傾向が強まった。その半面、「自分のしたいことを探す」(35・7%)は5・7ポイント減。「自由、青春を楽しみたい」が4・2ポイント、「より深く学んだり研究したい」は1・2ポイント減らした。

 大学生活で大切なことについては「進級・卒業」(21・0%)が12・5ポイントの大幅な伸びを示した。「講義・ゼミなどの出席」(21・9%)や「良い就職先を見つける」(12・2%)も3ポイント前後増えた。

 代わりに、「良い友人・先輩を得る」「趣味を生かし才能を伸ばす」「経験を豊富にし見聞を広める」「専門的知識・技術を習得する」は6・6〜3・2ポイント減らした。形式的な勉強を重視する姿勢が強まっているようだ。

 どんな企業を志望するかでは、「安定している」(47・9%)が2ポイント増加し、トップに躍り出た。「給与が高い」(24・9%)も3・9ポイント増えて3位。安定志向が強いようだ。

 逆に、前回首位だった「自分の能力をいかせる」は38・1%と9・4ポイント減少して2位に転落。もともと少なかった「能力主義が徹底している」は3・5ポイントも減らし、2・9%に落ち込んだ。

 調査した私大連盟では「進級、卒業、就職という現実的意識が思いの外のしかかっている」としている。

 和田秀樹・国際医療福祉大教授の話 「就職氷河期が終わり、大手銀行が2000人規模で採用するなど“売り手市場”になっている。大量採用時代になり、企業側はベンチャー精神がある人材より、無難な優等生を求めるようになった。学生気質が変わったというよりは、社会環境の変化に学生が敏感に適応した結果ではないか」



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