singersong professor KMの日記

2006年05月31日(水) アメリカがくしゃみをしたら

 かつて「アメリカがくしゃみをしたら日本は風邪をひく」といったものだ。最近の証券市場もその通りだ。日本の景気がよくなってきて株価が上昇の気配を見せていても,アメリカの景気悪化が懸念され,ニューヨーク株式取引所で相場が下落すれば,たちどころに,日本の市場も下落する。ここのところの日本の株価はそんな状態に見える。

 日本という国は,どうしようもなくアメリカに左右される。政治的にもそうだ。かつて,自民党の大物政治家後藤田正晴氏が「日本は半独立国だ。アメリカの従属国のようなものだ」と言っていたのを思い出す。やはり戦後の日本はどうしようもなくアメリカの影響を受けざるを得ない。そのことを意識しておく必要はあると思う。アメリカとけんかをする必要はないが,といって何もかも言いなりになるのもいかがなものかとも思う。

 日本の将来は,アメリカという大国と興隆する中国という大国との間でいかにバランスをとりながら生き残っていくかにかかっていると思う。そのどちらをもカードに使って,両国との間で駆け引きができるかどうかだと思う。NYSEの下落を受けての東証の株価下落をみていてそんなことを思った。



2006年05月30日(火) 連日

 連日,どこかが遅れる。今日は琵琶湖線が遅れた。で,昨日同様,ドア・ツー・ドアで,所要時間は1時間45分。ま,今日は車中,ずっと本を読んでいたので,そして,講義が迫っていなかったので,バスを降りるまで時計をみていなかったので,そんなに時間がかかったのか,という感想を懐いただけだが。



2006年05月29日(月) またまた遅延

 月曜日はどうもいけないようだ。先週7時13分発のJR嵯峨野線が運休となって,超満員となり,遅刻気味になったと書いた。ところが今日は,JRは順調で,南草津の駅までは定刻に到着したのだが,近江鉄道バスが来ない。理由はわからないが,行列をして待った。いつもなら,バスの方が電車の到着を待っている状態なのに,今日はバスがなかなか来ない。どの乗り場のバスもこない。で,研究室到着は,8時45,6分で,メールチェックする時間もなく,講義へと向かった。大学院「経営財務」第1クウォーターの最終講義である。これで,このイライラからは逃れられそうである。



2006年05月28日(日) コンプライアンス

 今日に日経新聞「中外時評」に、これだけコンプライアンス、コンプライアンスと叫ばれているけれど、肝心の官にコンプライアンスの意識が低いと指摘されていた。同感である。論説委員塩谷喜雄氏による「希薄な官のコンプライアンス、役所は判決を黙殺する」というのがそれである。

 いちいち紹介しないけれども、こういうのを読むと腹が立ってきてしようがない。官は形式的な法令遵守をしているようだが、肝心のところで法に従わない。この場合、判例法であるところの、最高裁判所の判決に従わない。判決で行政の誤謬や怠慢が指摘されると、素直に誤りを認めない。水俣病で最高裁判決に従わない。これで法治国家といえるのか。どこかの社会主義国と、これでは変わらない。



2006年05月26日(金) どのくらい本を読む?

 昨日はゼミ・コンパ、京都でのコンパだから、こちらはゆっくりするが、学生諸君は滋賀県勢は帰りを気にする。会場設定はなかなか難しいところだ。で、最後はラーメンとなった。昔は、コンパの後の麺類は定番だった。最近は必ずしもそうでもないが、それでもそういう状況になることは多い。

 学生諸君に、「いったい何冊読むのですが」とか「どのくらいの早さで読むのですか」などとよく聞かれる。これなどケース・バイ・ケースとしかいいようがない。またどんな本かで違ってくるので、一概には言えない。愚問といえば愚問だということになる。とにかく、講義でのQ&Aなどでも、愚問も多い。答えようがないケースも多い。でも、そういう「愚問」にも、できるだけ答えるようにしている。ケース・バイ・ケースですなどと答えている。

 今回の場合でも、同様だ。ケース・バイ・ケースだ。一つの例を挙げて答えておくと、よくこういったものだ。新書1冊を、新幹線の東京への車中でほぼ読んでしまう、というものだ。ところが、近頃新幹線のスピードが速くなって、読み切れないことが多い。もちろん内容にもよるが。



2006年05月25日(木) 阪急と村上ファンド

 阪急と村上ファンドの交渉が長引いている。村上ファンドは高く売りたいし、阪急は安く買いたい。その利害は真っ向から対立している。容易にまとまりそうにない。下記記事をみていても、それがわかる。

 村上ファンドとしてもこのあたりで手を引きたいだろうと思う。本拠をシンガポールに移したのが、捜査の目から逃れるためなのかどうか知らないけれど、ライブドアが一罰百戒、あれだけ厳しく追及されたので、村上ファンドも戦々恐々、片方では逃げたい気持ちだろうけれども、資金を預けてくれているファンドなどの手前、逃げ腰とは思われたくないだろう。阪急側はそのような村上ファンドの足元を見ているはずだ。

 村上ファンドはむしろ追いつめられているように見える。阪神電鉄経営陣も居直ったらどうかと思う。タイガースの星野前監督は村上ファンドの元では阪神に残る気がないと表明したが、経営陣も捨て身でかかれば、村上ファンドに手じまいさせることができると思うが、どちらもどちらという感じだ。

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<阪神株売買>村上ファンドとの交渉継続を確認 阪急HD

 阪神電気鉄道株と経営統合を目指す阪急ホールディングス(HD)は25日午前、臨時取締役会を開き、阪神の筆頭株主で村上世彰氏率いる村上ファンド(保有比率約47%)と進めている阪神株売買交渉について協議し、交渉継続を確認した。
 阪神も同日の取締役会で話し合い、阪急との統合の意思を再確認した。阪急と阪神は、6月29日に予定している両社の株主総会を見据え、阪神株の公開買い付け(TOB)に要する日程などから交渉の月内決着を目指す。
 阪急と村上氏側の交渉は、売買価格が大きな焦点になっている。この日までに村上氏側は姿勢を軟化させ、時価(25日午前の終値968円円)前後まで譲歩してきたが、阪急の希望価格とはなお隔たりがあるという。
 阪急の角和夫社長は、24日に東京都内で開いた決算説明会で「株主や社債保有者に迷惑のかからない統合条件にする」など時価より安い価格での取得方針を説明、さらに阪神の株主総会で村上氏側提案の取締役が選任された場合でも粘り強く交渉を続ける考えを訴えた。この日の取締役会でも、交渉の経過を説明した上で、こうした考えを表明した模様だ。
(毎日新聞) - 5月25日12時43分更新



2006年05月22日(月) JR,今日はまいった

 今日は1時間目の講義に間に合うように,いつも通り,余裕をみて7時前には家を出た。いつもJR嵯峨野線7時13分発という電車に乗るのだが,駅でのアナウンスによると,この電車は車両不具合により運休します,とのこと。これは「ヤバイ」と思った。というのも,そうなると,2本分の電車の乗客が次の28分発に押しかけることになるからだ。案の定,電車は超満員で,乗れない人も出るし,乗降に時間もかかって,9分遅れの到着となった。また途中の駅でも遅れに遅れ,京都駅には8時頃に着いたのではなかったか。当然京都駅のホームも満員。

 とにかく,大学へ着いたのは9時直前。研究室でパソコンをとって,急ぎ教室に向かったが,少々遅刻となった。普通なら大学まで1時間あまりで到着する。時間がかかっても1時間半で到着するところが,2時間もかかってしまった。出足につまずくと,講義も何となく調子が悪い。何ともはや最悪だった。

 



2006年05月21日(日) 好天

 最近は雨も多いが(そういえば,昨年は異常な小雨だったので,四国の早明浦ダムが干上がって,ダム湖に沈んだはずの村役場の建物が見えたなどと騒がれていたことを思い出す),日曜日は好天で,ここ2,3回,日曜日午前中は女房殿と散歩をしている。今日は散歩といっても,結構町中の散歩となった。すると,とある川魚店(ここはなかなかよい店だが,よく売れていて,売り切れで買えないことが多い)でウナギの蒲焼きを買った。これが昼食メニューとなった。鰻丼は大好きなのだが,我が家族はあまり好きではない。こうなるとどうしても回数が少なくなる。今日はおいしい蒲焼きが売り切れていなかったのでラッキーだった。昼食は鰻丼となった。スーパーでときに買う,蒲焼きとは段違いに柔らかく,これを専門店で食べたら相当の値段のするものだろう。こういうことがあると,一日ハッピーな気分に浸れる(単純な性格!?)。



2006年05月19日(金) 阪神と京阪

 今日の日経新聞近畿版で,阪神電鉄問題について,住友信託銀行の高橋会長が,京阪の経営諮問委員会で,京阪が阪神と統合すべきだと述べたという。「沿線住民の利便性向上や関西経済の底上げを考えると京阪との統合が最適」と指摘したという。その通りだと思う。阪急と阪神では,どうもしっくり来ない。競合路線を持つものが統合するのがよいのかどうか。それに,カルチャーも違う。その点京阪と阪神の方が親和性が強い。ただ,阪急が革新的だとすれば,京阪と阪神は保守的という親和性だ。保守的だから動かない。阪神はもはやそうも言っていられない状況にあると思うが,それでも未だ動きが鈍い。まさに保守的。保守的なもの同士だからうまく動くかどうか。

 財務的に見るとはっきり分かる。阪急の連結有利子負債依存度60%に対し,京阪,阪神ともそれが46%と低い。逆に連結自己資本比率は阪急16%に対して,阪神21%,京阪24%となっている。阪神と京阪は阪急と比べたら,財務は健全だといえる。覇気がないのかもしれない。梅田地区の開発の状況を見ればよく分かる。阪急側は再開発が進んでいるのに,阪神側は変わり映えしない。阪急は負債を利用してでも再開発を進めている。阪神は保守的で借り入れもしないが再開発もしない。だから,村上ファンドにねらわれたわけだ。経営改革の注文がつけやすかったわけだ。

 まだ決着がつかないが,今後も注目していきたい。



2006年05月18日(木) 一日何をしていたのか

 日々忙しい中で,ぽっかり一日空くと,なんやかや整理をしているうちに,一日が終わる。買いたかった本を買ったりしているうちに,時間がたつ。したかったことをしているうちに時間がたつ。たまっていた仕事を片づけているうちに時間がたつ。一体何をしたのだろうなどと振り返ると,何もしていなかったような気分になる。忙しい中での一日のゆとりは,あまり有効に活用できない。誰でもそんなものだろうか。どうやら私は時間の使い方が下手なようだ。慚愧,慚愧。



2006年05月16日(火) 仕組み

 今朝はバスの中で経営学部のA先生と出会ったが,話しこんだ。日本企業で,どうしてゆとりがないのか。たとえば,フランスのルノーなど4週間もバカンスで工場を止める。それでも回っている。ドイツ企業でも交替で休暇を取る。だから,13ヶ月分の人員を抱えていて,それで12ヶ月の仕事をするという。誰かが休んでいれば,別の人間がその仕事をするわけで,不正も起こりにくい。それに比べて,日本企業はぎりぎりで回している。ときには,ある仕事はその人が休んだら回らなくなる。その人に任せきりになるから,時に不正が起こる。

 まさに,日本企業は信頼関係で成り立っている。日本的経営の美点とされている点でもある。しかし,不正には弱い。ぎりぎりで回っているだけに,バッファーがない。ゆとりがない。これなど,どこかの大学にも言える。性善説ですべての人が有能であるという前提(ありえないことだが)で組織が回っている。仕組み作りが下手である。人頼みである。ディペンズ・オン・その人である。下手な組織ほどそうである。日本企業でもそんなにひどいところは少ないかもしれないが,問題が起こってみると,そんな状態であったことが分かったりする。

 監査の問題もそうである。日本企業では監査がおざなりになりがちである。今回の中央青山監査法人の例でも,それは言える。もちろん,金融庁が張り切りすぎている,という面もないわけではない。どちらもどちらである。仕組みとして,組織として,不正を防止する,そういうことを考えないと,誰かの責任に帰してそれでおしまいでは,いつまでたっても是正できないだろう。中央青山だけが問題なのではないはずである。仕組み作りをしないまま,処分だけ先行しても,再発は防げまい。



2006年05月13日(土) またまた政治の話

 またまた政治の話になるが,「日経ビジネス」最新号に小沢一郎民主党代表に対するインタビューが載っていた。ま,政治家の言うことだから,話半分に聞いておけばよいと思うが,さすが政敵に対する指摘は辛辣だ。これはそれほど誤っていないと思うので,紹介しておきたい。

「小泉さん自身に哲学も理念もないんだよ。だから,役人の言う通りになる。任せる以外ないんだよ。俺の考え方はこうだ,というものが何もないからね。
 小泉さんのやりたいのは何か,分かるかい。郵政と道路という旧田中派,経世会の牙城を崩すことだ。その狙いは成し遂げつつある。派閥はもうバラバラでどうしようもない。彼は目的を達成したんですよ。でもそれは国民には何の意味もないこと。しょせん,自民党の中の権力闘争に過ぎない。
 先に触れた道路公団の改革などを見れば,それは明らかです。小泉さんが党内抗争に明け暮れる一方で,どっこい官僚システムは手つかずのままだ。」

 実に明快である。



2006年05月12日(金) 金融ビジネス

 今朝は,嵯峨野線が遅れていて,逆にラッキーに電車に乗れた。で,今度は琵琶湖線。これもダイヤが乱れていて,むしろラッキーに乗れた。さい先のよいスタートと言うべきか。

 最近読んだ,「金融ビジネス」2006年春号で,カーティス・コロンビア大学教授の「巻頭言」が気に入った。というか常々私が思っていたこと,書いていたことを述べてくれている。私の思いが間違っていないことを確認することができた。ここでも紹介したい。

 「小選挙区制になり,半分以上の議席を取ろうとすると,みんな同じようなことを言うようになる。自民党と民主党の政策の違いなどわからない,ということになる。候補者としても,あまり個性の強くない,見た目がよくて,育ちがよくて,話のうまい,反発を呼ばない,素人が人気を集めるようになる。」「小選挙区制では,現職有利という特徴もあり,その意味でも緊張感がなくなる。おもしろい政治家はいなくなり,悪い意味でのポピュリズムが蔓延する。」

 その通りだろう。この国の政治の劣化はますます進んでいる。たった1頁だが,このほかにも紹介したい論点がいくつか述べられていた。一読を薦めたい。



2006年05月10日(水) 急に暑くなって

 急に暑くなって疲れる。4月の平均気温は平均以下で,寒い日もあったのに,一転して汗の出る今日この頃。気候不順である。教室は蒸し風呂状態。ところが,大学のクーラーは稼働しない。外気温28度を超えない限り,クーラーを稼働させない。ところが,教室内は蒸し風呂状態になる。もっとも,大学のクーラーは「安物」で,温度調節ができない。いったんはいると,今度は寒すぎて,女子学生など悲鳴を上げることになる。最近は各家庭にエアコンが入っているので,快適な生活を送っている。それだけに,大学の教室内の条件に,なじめないだろう。

 もっとも,日経ビジネス最新号では,老人が亡くなった後の部屋の整理を請け負うビジネスがあるという。その記事によると,独居老人が亡くなって,整理に言ってみると,クーラーの入っていない部屋が結構多いという。確かに,昔はクーラーなどなかった。その時代を生きてきた人たちには「不要」にうつるのか。いや,お金がないからそうなるのだろうという。これなど悲しい現実だ。それと比べると,大学の現状は「贅沢な悩み」なのだろうか。確かに大学トップは,クーラーなき時代の感覚で物事を見ているのは間違いないと思う。やけに「現代的」なことを言うかと思うと,急に先祖返りして古い感覚でものを言う。これが老人の常のようだ。



2006年05月07日(日) 迷惑メール

 迷惑メールを削除するのが日課になっている。内容も見ずにサクサク削除していて,誤って削除しないか多少気になるが,そんなことも言っていられない。「学生課」などと名乗っているので,何かを思えば,これが迷惑メールであった。これなど,中身を見ないと迷惑メールかどうかわからない。必要なメールにたどり着くまでに少々時間がかかる。



2006年05月05日(金) 連休気分

 連休は気分的に休まる。買い物をしたり,で,仕事もしている。でも,何か追われているという感じではない。ゆったりとした気分でいられる。で,巨人阪神戦も少しはテレビ観戦した。

 天気もよいから気分もよい。まさに新緑の季節。割合この季節は好きだ。よく人に薦めるのは,この季節天気のよい日に,京都国立博物館の前庭が気分がよい。ずっと行っていないが,若いときにすごく気分がよかった記憶がある。この新緑の季節になるとそれを思い出す。



2006年05月01日(月) 5月

 5月に入った。5月1日,かつてはメーデーだというので,大学も休みだった。今は連休中も講義がある。この連休の狭間の1日,1時間目から遅くまで講義や演習がある。

 前回,書くより読む方が好きだと書いたが,ようやく,連休を前にして若干の心のゆとりを取り戻し,その好きな読み物をしている。岩波新書の「中国激流」というのがそれだが,こういう自分の専門から少し離れた分野の本は楽しめる。中国がいわれているほど,まっしぐらに成長を遂げていけると考えるのは楽観的すぎるということだ。通常の公式報道と違った分析がされていて,納得できる内容だった。一党独裁と市場経済との矛盾がいずれどこかで調整されざるを得ないと思わせる内容だった。そうだと思う。もしかすると,臨界点を超えつつあるのかもしれない。オリンピックと万博が終われば,中国もどうなるかわからない。少なくとも,このままストレートに発展するとは思えない。何かが起こると予感させる。なおしばらく見守る必要がありそうだ。


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