singersong professor KMの日記

2005年12月29日(木) 上海領事館員事件

 JR南草津駅から大学までバスに乗るが、かがやき通経由と松下東口経由の2系統ある。最近少しだが笠山経由というのも出来た。通常はかがやきか松下東口のどちらかだ。今日のバスは松下東口経由だったようだ。ところが運転手が勘違いしてかがやき通に入ってしまったようだ。車中本を読んでいたので運転手のアナウンスで気がついた。バスは、かがやき通を京滋バイパスまで進んで、それからバイパスへ右折し、松下東口の道まで進みこれを再び右折し、国道1号線まで戻り、何時もは透らぬ「座・わいわい」の前の道へ左折し、滋賀銀行の支店を左折して通常ルートへ戻り、「野路北口」から「南田山」という何時ものコースへ戻って、大学へと向かった。すごい遠回りをしたものだ。

 「上海領事館員が「遺憾な行為」で自殺したが、これに中国の公安が関与していたとして、政府が、中国に抗議した」と報じられている。報道によると「総領事館の男性館員(電信官とも報じられている)が、中国側から外交機密に関する情報提供を強要されたとの遺書を残し自殺した」が、その「背景に中国公安当局者が関与していたとの見方を示し、中国側に抗議した」という。「中国側による「遺憾な行為」や抗議の内容、日時、回数などについては「外交案件であり、遺族側の強い希望もある」として、詳細な説明を避けた。」という。中国側はこれを無視しているという。

 ここで「遺族側の強い希望」という言い回しから、ある程度想像がつく。またこれに関する別の報道でも「知人の中国人女性に(中国の公安の)男を紹介された。(中国の公安のその)男は、中国人女性が違法行為を行ったとして「(知人は)罰せられる」と電信官に告知。さらに違法行為の“共犯”として、電信官も処罰や強制送還の対象になると告げた。」まさに、脅しである。「知人の中国人女性」なるものも怪しい。この領事館員はどのようにしてこの中国人女性の「知人」になったのだろうか。

 産経新聞では、以下のように、さらにつっこんだ記事が書かれていた。
「こうした工作活動が語られるとき、「女性の影」が取りざたされることも少なくないようだ。北京でも日本の外交官が過激なサービスを行う店に出入りしたり、大使館ナンバーの車が深夜、スナックの入り口近くに長時間駐車されていることがあるという。中国では女性が同伴、過激なサービスをするスナックやカラオケ店が多数あるが、多くは公安、軍関係の後ろ盾があるとされる。たとえ自ら「違法行為」を犯さなくとも、その場にいただけで取り調べを受ける理由になり、「弱み」になるケースもあるという。」

 怖い話である。もっともわれわれは「日本政府の秘密を知る人間」でもないから安心だが。



2005年12月27日(火) 突然の

 昨日は、院生諸君との突然の「忘年会」となった。鶏料理はおいしかった。鶏スキは久しぶりだ。昔田舎へ行けば、すき焼きといえば「鶏スキ」であった。最近鶏で鍋物といえば、水炊きと相場が決まっている。そのため「鶏スキ」は久しぶりだ。しかもおいしかった。焼き鳥もおいしかった。

 滋賀県は残念ながら「安くておいしい店」が少ない(知らないだけかもしれないが)。大阪は安くてうまい店が多い。京都はうまい店も多いが安くない。滋賀はどちらもない、というのが実感だ。それでも昨日はおいしかった。探せばあるのだろうが、遠い。滋賀県は車社会なのだ。それでは飲めない。運転代行がはやるのだろうけれど。

 それにしても今年の冬は寒い。今月中は寒そうだ。年が改まったら、少しは寒さがゆるむのではないかと期待している。



2005年12月25日(日) 高校駅伝

 結構高校駅伝が好きで見る。京都を舞台に繰り広げられるのも良い。午前中に女子、午後に男子が走る。思うのはアフリカからの留学生のことである。プロスポーツでは有りだとは思うが、アマチュア、ましてや高校となると、どうも違和感をもつ。駅伝でアフリカからの留学生を受け入れ始めたのは、大学、それも箱根駅伝の山梨学院大学ではなかったか。それが高校生にまで及んできたという印象である。それで、少し引っかかる。

 今日の1区4人のアフリカ勢が先行し、最後には4位で日本人が次のランナーにつないだが、アフリカ勢にはとても太刀打ちできないという風だった。その点女子は違う。こちらは日本の方が外国よりレベルが高いので、留学生を入れる必要がない。最近のスポーツは、どうも男子より女子の方が元気がいい。今の日本の状況を象徴している。

 これを見て思うのは、どうして日本の会社はもっと女子を積極的に活用しないのかと言うことだ。これは男性の上司が女性の使い方になれていないからだと思う。少子高齢化の時代、これは日本経済、日本社会にとって大きな損失だと思う。最近の新聞記事でも、少子化の原因の一つに女性が子供を育てながら働く仕組みが日本では不十分だということが書かれていた。それに男性が「甘えん坊」だということもある(これは他人事ではない)。女性に負担がかかりすぎて、働けなくなるということである。もったいないと思う。



2005年12月24日(土) いろいろ思う所

 今朝は膝が痛くて病院へ行った。膝に20CCの水がたまっていた。こんなのは初めてである。一昨日の大雪で滑って足を踏ん張ったときに痛みがあったが、それが原因だろう。出張中、少々足を引きずってがんばった。東京の地下鉄やJRは、関西以上に階段が多い。どこでもそうだが、どうしてエスカレーターは「昇り」ばかりなのだろう。膝に負担のかかるのは「昇り」より「降り」である。

 特に東京で移動するときに思うのは、東京は健常者・若者の街である。高齢者には冷たい街であると思う。言い換えれば、効率至上主義だ。かえって地方の街の方が高齢者に優しい。ま、そういうところに高齢者が多いと言うこともある。けれども数だけを言えば、東京の方が高齢者が多いはずだ。大阪でも時々それを感ずる。実のところ、東京や大阪の方が駅舎が古い。京都や滋賀の方が新しいことが多い。高度成長期の効率一辺倒の時代に作られた駅が東京などには多いということも一つの原因だと思う。

 東京在住の高齢者は地方の高齢者よりかえって寂しく生きているようにも思える。東京出張の際、ホテルから外へ一人で呑みに出たが、にぎやかな店だったが、隣に座った高齢の「おじさん」に話しかけたら、喜んでもらえた。こちらも一人で呑んでいて、退屈だったので話しかけたのだが、にぎやかな街で一人は寂しかろう。もちろんその「おじさん」は奥さんが同窓会か何かで出かけたので、一人で少し呑んで食事をしに来ていただけだが、にぎやかな都会での「ひとりぽっち」がいかに寂しいか、よくわかる。これはよくいわれることでもあるが。



2005年12月23日(金) 大雪

 大雪の中、昨日今日と東京出張だった。往復の新幹線は大幅にダイヤが乱れ、遅れていた。昨日など、とにかく来たのに乗ったのだが、それでも1時間くらい余計に時間がかかった。別に車中は本を読んでいればよいのだが、彦根、関ヶ原から岐阜、愛知県に至るまで雪が積もっていた。それで徐行運転をするので遅れる。今回は寒気の吹き出しが激しいので、岐阜県にまで大雪が降ったようだ。昨日の京都も10センチの積雪で、駅に向かうのも大変だった。足を滑らせて、痛めていた膝がさらに悪化して、東京でもつらかった。

 それにしても便利なのは、近頃のビジネスホテルにはLANが接続できるので、ホテルでインターネットができる。で、メールで連絡をしたり出来て、これは便利だった。もっとも、普通の人は携帯電話で殆ど済ますのだろう。私は未だに「無携帯」。いずれもたなければならないとは思うけれど、「無駄な」抵抗をしているわけだ。



2005年12月21日(水) 耐震強度偽装事件関係者の哀しい出自

 昨日、耐震強度偽装事件一斉捜索が入り、昨日今日とあちこちで取り上げている。この事件に関連して、家族にも話したのだが、関係者はどうみてもエリートではない。底辺からはい上がってきた人たちだ。姉歯氏は母子家庭で工業高校を出てから苦労して1級建築士を取ったという。小嶋氏も高校卒業後転々として今日に至っているという。黒幕といわれている内河氏といえども、関西の私立K大学の、それも短期大学部出身だという。営々として、ようやく今日の地位を築き上げてきた人たちばかりだ。

 今回の事件は下層から上り詰めてきた人たちにありがちな、がむしゃらさが、悪い方向に出てしまった典型例に思える。育ちの良い人は人を押しのけてでも何かをしようとはしないことが多い。その中でも良いケースでは、エリート意識から社会に善をなそうとする。下層から上り詰めてきた人たちの場合、かなりヤバイこともしがちである。政治家でもそうである。かつての田中角栄などという人は、そういう成り上がりの典型で、最後はロッキード事件で起訴され、それでも権力を拡大していった。

 自由社会だから、確かに社会に流動性はあるが、下層からのぼるには一筋縄ではいかない。努力、幸運、が必要だが、時には、人をけ落とす必要もある。人に嫌われることもある。それが行き過ぎると、今回のようなことになる。ある意味で「哀れな人たち」である。私なども、下層から出てきているので、よくわかる。私の場合、人を押しのけるということが苦手で、自分の出来ることだけをしてきた。けれども、下層からはい上がってきた人を私は結構知っている。多かれ少なかれ癖がある。理解は出来るが好きにはなれない。だから今回の事件などを見ていて、当然好きにはなれないが、哀れを感じてしまう。



2005年12月20日(火) 寒波

 最近は、会う人ごとに「寒いですね」が挨拶となっている。今朝もそうだった。JRも山陰線や北陸線から来る電車の屋根の上には雪が積もっている。嵯峨野線も面白い。6両連結の電車の家、京都行き前4両は園部から、後ろ2両は福知山から来ていて、園部で連結する。だから、後ろ2両には雪が積もっていて、前4両には雪がない。こんなことを知っていたからといって、何になるものではないが、ま、お宅的知識というところだろうか。

 で、この寒い中、22,23日と東京出張だ。でも、東京の方が京都や滋賀よりは暖かいのではなかろうか。その日に新幹線が止まらないように願うばかりだ。



2005年12月19日(月) 公を利する精神

 今年の冬は寒い。ここ数日雪がよく降る。で電車が遅延する。今日も、嵯峨野線、びわこ線とも遅延した。でも別に困らない。車中読書すればよいからだ。「日経ビジネス」最新号(12月19日号)を読んだ。そこにまた、興味深い記事があった。

 伊藤忠商事会長丹羽宇一郎氏「国を滅ぼす「もう1つの感染症」」というのがそれだ。企業が失敗する条件が3つあるという。「保守」「思い上がり」「自己満足」だという。保守は保身と言い換えても良いという。どの要素にも底流に「私利」の心があるという。全くその通りだと実感する。

 逆に成功する条件は「顧客」「競争」「変革」の3つだという。底流にあるのは、自分以外の他者、つまり「公」を利する精神であるという。全く同感だ。

 丹羽氏はまたいう。「今夏の衆議院選挙以降、国会の論戦はすっかり静かになった。
 本質的な議論は置き去りにされ、検証なきままに物事が既成事実化されていく。本来は、国民が安心して暮らせる国を作るため、公的機関の運営を効率化することが目的のはずなのに、何でもかんでも「民営化」と「小さな政府」に帰結させる。結果として、実態は何も変わらず、組織の名前をつけ替えるだけの民営化が横行する。」

 そして「異を唱えた者には理由のいかんを問わず、「守旧派」のレッテルを貼り、排除の対象と見なしていく。恐ろしいのは、その傾向にメディアも国民も慣れてしまったことだ。」

 「日本中で倫理のタガが外れようとしている今、あらゆる組織のリーダーの自戒と、国民全員の「異を唱える勇気」がきわめて重要になってきている。」

 私が最近言ってきていることと全く同じだ。同憂の士があるということだけでも心楽しい。



2005年12月17日(土) 積雪

 比良山が白かった。積雪のようだ。今年の冬は一段と寒い。今日、明日と冷え込み、各地で雪が降ると予想されている。関西地方でも今夜遅くには雪が降るという予報がされている。そして、このまま1月まで寒いと予想されている。暖冬続きだったが、今年は厳冬になりそうだ。

 国土交通省は、総研が開業指導したホテル238について、調査すると報じられている。よくビジネスホテルを利用する私にとっても気になる話だ。きっと知らない間に、総研が開業指導したホテルに泊まっていたのではないかと思う。それらホテルの耐震強度がどのようなものか知らない。また、たまたま地震がなかっただけかもしれない。怖い話だ。



2005年12月15日(木) 今朝も

 今朝も嵯峨野線が遅れてきて、1本後のびわこ線電車に乗らざるを得なかった。ここのところ、毎日といって良いほど、どこかで遅れる。JRは距離が長いので、どこかで何かがあるとすぐに波及する。ま、宿命のようなものだと思う。

 今朝のニュースでも、昨日の証言の様子や矛盾点を克明に報じていた。あちこちにほころびが出てきている。いったん嘘をつくと、嘘に嘘を重ねなければならなくなり、その一つが潰されこれを修復するために、新たな嘘を言わなければならなくなる。そしてその一つがまた潰されると、という悪循環に陥る。素人が見ていても、ほころびが目立つ。野党議員の追及は見事だったが、与党議員の追及はだらしがなかったともいう。そうだろう、あまり追及しすぎると、自分たちに火の粉が飛んでくるのだろう。そう思わざるを得ない。まさにドラマを見るがごとくである。というか、ドラマより面白い。おもしろがってばかりもいられない、怖い話である。もう少し様子を見たいと思う。

 さらに、下記のようなニュースもあるが、「耐震強度が基準の15%しか」ないというマンションはどんなマンションなんだろうと思ってしまう。

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耐震強度偽装問題で、神奈川県藤沢市は15日、耐震強度が基準の15%しかなく、震度5弱で倒壊の危険がある同市藤沢のマンション「グランドステージ藤沢」(10階建て)の住民に対し、建築基準法に基づく使用禁止命令を出した。(時事通信) - 12月15日13時1分更新



2005年12月14日(水) またJRの話

 今日のJR嵯峨野線、20分遅れの電車に乗って、結果的にびわこ線にも乗り遅れ、それも遅延(下記ニュース参照)、近江鉄道バスでも満員で次のバスにしたら、いつもなら自宅を出てから最速1時間10分、標準的には1時間20分程度で、研究室に着くのに、今日は2時間かかってしまった。なんという長時間通勤。ま、車中や乗り継ぎ待ちで、本を読んでいたので困りはしないが、これが講義日であったら、余裕で研究室到着のところが、遅刻ということになるところだった。JRさん何とかしてよ、といいたい所だけれど、事故を起こされても困る。

 閑話休題。

 今日は姉歯氏らの証人喚問。衆議院の委員会中継のサイトは、相当ビジーのようで、アクセス困難。ま、夜のテレビニュースなどで取り上げてくれるだろう。

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JR京都線 線路点検による列車の遅れ  10:35 現在

午前7時1分頃より、JR京都線茨木〜千里丘駅間下り線でレールの点検を行い、現場付近では列車の徐行運転を行っておりましたが、点検が修了し安全が確認されたため、午前9時53分より通常速度で運転を行っています。この影響により、JR京都線・神戸線の列車に現在5〜10分の遅れが発生しています。



2005年12月13日(火) 寒波襲来

 最近の12月中旬にしては寒い。第一級の寒波襲来という所だ。日本全国で10度を超える所はほとんどない。いや5度を超えない地点のほうが多い。まさに寒波という名にふさわしい。暖冬になれた我々にはこたえる。

 今日午後SCDR(スチューデント・サイバー・ディーリング・ルーム)においてQUICKによるActive ManagerとAMSUSの説明会をもった。なかなか使えることがわかった。これまでAMSUSをデータベースとして利用することが多かったが、Active Managerも結構使えることがわかった。これだけの設備を備えている大学は他にあまりないだろう。学生諸君には十分に活用してもらいたいものだ。

 環境には恵まれているのだが、その活用のためのソフト面が弱い。これがわが大学の弱みだ。マンパワーが不足している。だいたいにおいて、日本の企業、とりわけ官庁は、ハード志向が強い。ソフトが弱い。コンピュータでもハードはつくれるが、ソフトが弱いから、マイクロソフトにことごとく利益を持って行かれているのが実情だ。ハード作りの「しんどい」ことばかりしていて、それで儲かっていない。日本の電子産業はその点で遅れている。これはしかし、コンピュータだけではない。金融もしかりだ。身軽に儲けているのは英米で、日本の金融機関は図体が大きいだけで儲けていない。要はソフト面が弱いからだ。

 金融でも外資系は設けている。その外資で働いているのは、多くが日本人である。私のゼミの卒業生でも外資に働いている。この外資は儲けている。で、日本の金融機関は儲かっていない。銀行が今期好業績だと言うが、それは政府・日銀の超低金利政策のおかげであって、銀行が自力で儲けているのではない。未だに護送船団方式に頼っている。官頼みだ。なかなか自立できない。そこで働く日本人の能力がないのではなく、その能力を生かせない組織が問題だ。先にも述べたように、外資で働いているのも日本人だ。日本の金融機関でスキルを磨いた日本人だ。そういったスキルを日本の金融機関の中では十分活用できないから、外資に逃げ出す。ようやく不良債権問題が片づいた言うのに、つまり、マイナスからゼロに戻しただけで、これをプラスにするにはなお時間がかかりそうだ。



2005年12月12日(月) 出張

 9,10日、東京代々木「国立オリンピック記念青少年総合センター」において、平成17年度「証券ゼミナール大会」で、指導講師を務めた。第1日目は、朝京都を出て、駆けつけた。もう何度か講師を務めているので、会場の場所は知っていたのだが、今回は経路を変えて、少しでも早めに着こうと考えた。京都駅から「のぞみ」に乗るのは一緒だが、今回は、品川で乗り換え、山手線外回りで原宿へ行き、そこで地下鉄に乗り換えて、一駅目の「代々木公園」でおりて、会場まで歩いた。節約時間はわずかだが、乗り換えが楽である。新宿でJR中央線から、小田急線に乗り換えるのに、いつも少し迷ってしまう。その点原宿で地下鉄に乗り換えるのは楽だ。それができるようになったのも、新幹線が品川駅で止まるようになったからだ。

 証券ゼミナール大会、今年も「コーポレート・ガバナンスのあり方」というテーマのCブロックで指導講師を務めた。今年からパワーポイントでのプレゼンテーションを義務づけられたので、進行は容易であったのではなかろうか。今年は、初日に懇親会を行うということで、ちょっと度を超して呑んだ気がする。ゼミ生諸君らと外でしこたま呑んだ。2日目朝は「奈良漬け」状態だったが、こういう状態は良くあることで、なれた手順で進めることができたように思う。でも、2日間で、合計10時間を超えるセミナーでの緊張の続く仕事は、やはり結構疲れた。帰りは、例年通り、小田急「参宮橋」、新宿、JR中央線、そして、東京駅から新幹線「のぞみ」で帰った。

 11日(日)は、朝から大阪へ出かけた。大阪・梅田スカイビルでの大学院説明会。各大学大学院がビジネス・スクール、アカウンティング・スクールの説明会を行い、その後個別相談に応ずるというものだ。個別相談は、2人の事務職を中心に進めたので(私も相談に応じたが)、11時半からのパワーポイントを使っての40分のプレゼンテーションが、私の中心的な役目だった。各大学の中でトップで、口火を切る役目だった。大勢の参加者があったので、やりがいがあった。他大学の説明役にも、大阪経済大学のK氏、関西大学のS氏、T氏と、知り合いが結構多く、どこの大学も、この時代大変なわけだ。ま、他人事ではないが。夕方5時までの説明会で、一日が暮れた感じであった。

 まさに、出張三昧の3日間であった。



2005年12月08日(木) 金融機関の判断?

 耐震強度偽装問題は、いよいよ証人喚問に向かうようだ。で、ヒューザーが成長した背景に銀行融資があったという記事を発見した。下記がそうであるが、成長企業には銀行も着目するようだ。後一歩で株式上場だったのではなかろうか。小島社長の自信の裏には、このようなバックがあったのだろう。昨日書いたように、もはやいかに倒産するかの段階に入っていると思うが、銀行などに擬装が見抜けないのは、当然としても、バブル期にもそうであったように、融資競争は激しい。けれども今回の場合でいえば、この融資が不良債権化していることは間違いない。

 融資担当者の、人を見る目、事業を見る目がいかに大事かということである。財務的な審査だけからは、これは判断できない。ヒューザーへの融資を踏みとどまった金融機関もあるのだろうか。それが知りたい。そしてもし踏みとどまっていたとすれば、何を根拠に踏みとどまったのか。それがわかれば大変参考になるのだが。それとも、踏みとどまった金融機関はないのだろうか。
 
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業態超えて貸出競争=銀行が急成長のヒューザーに

 耐震強度偽装マンションの建築主である新興デベロッパー「ヒューザー」(東京都千代田区)に対し、貸し出しの低迷に苦しむメガバンク、都内の地方銀行、第2地方銀行の3行がメーンバンクとして融資を競い合っていたことが7日、明らかになった。
 帝国データバンクによると、ヒューザーは専有面積100平方メートル超の割安マンションの販売を武器に業容を急拡大させた。2001年3月期の売上高が84億円、最終利益が400万円だったのに対し、05年同期にはそれぞれ121億円、10億1900万円にまで成長した。
 一方、日銀の量的金融緩和政策でカネ余りが続く中、銀行は業態を超えて融資に奔走。帝国データによると、ヒューザーの今年3月末時点での借入額は前年比38.1%増の88億8600万円に上り、このうちメーンの第2地銀が32億円、地銀とメガバンクがそれぞれ12億円程度を1年以上の長期融資で実行している。 
(時事通信) - 12月8日7時0分更新



2005年12月07日(水) 耐震強度の偽装問題

 耐震強度の偽装問題は、ますます広がっている。そして登場人物も広がりをもっている。これらの人物もだんだん表に出なくなってきている。ヒューザーの社長など、はじめはテレビにも出ていたが出なくなった。とても返金する力もない会社だろう。どう考えても倒産するのだろう。倒産会社に支払能力などあろうはずもない。マンション購入者にはローンだけが残るのだろう。ひどい話だ。

 ヒューザーは今きっと、倒産の仕方を考えているのだろう。資産をどこかに隠匿して、倒産しようとするのが、この場合の常である。で、ほとぼりが冷めた段階で、別の人間などを社長にたてて、新規に開業する、これもよくあることだ。木村建設は早々と倒産した。建設業界は、大手ゼネコンでも自ら建設する部分より、下請けなどに任せるのが常だから、建設会社というのは、容易に開業できるはずだ。不動産会社などはもっと容易に開業できる。

 だから、小規模の建設業者が圧倒的多数なのである。一業者あたりの従業員は約12名だとされている。仕事はいろんな業者に任せるわけで、だから建設業は究極のネットワーク産業だといわれている(金本良嗣編「日本の建設産業」日本経済新聞社、1999年)。不動産業者も零細だ。2003年度「法人企業統計年報」でみると、建設業では一社あたり従業員数は約8人で、不動産業では約2人である。こういう業者に補償能力はない。だからやっかいだ。

 さらに「法人企業統計」で見ると,建設業の場合,業者の98%は資本金5千万円未満で,さらに43%の業者は資本金500万円未満の零細業者なのである。不動産の場合も同様で,97%は資本金5千万円未満であり,44%の業者は資本金500万円未満なのである。もちろん建設業者の多くは下請け業者だろう。



2005年12月06日(火) さすが100円ショップ

 今年の冬は早いようだ。今も比良山に雪が積もっている。今朝もJRで山科を透ったとき、雪だった。もっとも、JRも遅れていて、20分遅れの電車だった。ただ、少し前の電車が遅れてきたので、それに乗ったので、当方は多少の遅れだったに過ぎない。

 天候は昨日から良くはなかった。昨夜帰るとき、まだ雨は降っていなかったが、少しおかしかったので、折りたたみ傘をもって出た。京都へ戻ったら、案の定雨だった。今朝もその傘をさして大学へ来た。

 その傘が、じつは、先日傘を持たずに出て、天気が崩れそうになったので、いそぎ南草津駅前に100円ショップに飛び込み、物色していると、折りたたみ傘があったので、これを買ったけれども、結局雨が降らなかったので、研究室においていたものだった。でも、やっぱり100円ショップ。今朝バスから降りて傘をさしたら、様子がおかしい。部屋に着いてから、よく見たら骨が曲がっていた。さすが100円ショップ。



2005年12月05日(月) 経営・会計・商学

 経営・会計・商学分野は、まさに実学の分野である。理論研究を行っていても、いつも実務での有効性に配慮しなければならない。実務家がはっとするような新しい切り口、あるいは歴史研究でそこから何かを学べるものでなければならないと思う。某コンサルタント氏から、実学系の学会状況について手厳しい批判をいただいた(私信という形だが)。その批判の多くは当たっていると思う。

 今回は某大学院生の報告内容についての批判であった。実証分析のはずだけれども、アメリカの実証分析をそのまま日本にあてはめて、自分の仮説を検証するという態度でなく、ただただアメリカの実証分析を日本にあてはめてみた(それもうまく処理されていないようだったが)というもので、これでは実務家の目から見たらとても聞くに値しないし、これは指導教員が指導していないのか、指導教員のレベルが低いのかのどちらかだろうという批判であった。大学人としては、耳が痛いが、あたっているとも思う。

 確かにその学会のレベルが低いという面はある。すべての学会がそうであるとは言えないだろうが、他の実学系学会でも似たような状況はある。とても他人事とは思えない。どこかおかしい。私の師匠筋に当たるT先生は、だから、日本の学会を全くと言っていいほど、軽視ないし無視されてこられた。そうすると、日本の学会でのプレゼンスは低い。海外での評価は高いのだが、日本では低い。このギャップは何なのだろうか。先生が軽視ないし無視される理由もわかるような気がする。

 残念ながら、経営・会計・商学分野には、従来、他の学問で一流になれなくて、こちらなら何とかなるという「何とか崩れ」の人たちも多かった。それはそれでよいとしても、実学系であるからには、実務・実際界ともっともっと交流すべきだったのだろう。そしてそこから学ぶべきだったのだろう。勝手な「象牙の塔」にこもってしまっていたのは、とくに、実学分野の学問においては致命傷だった。だからいつまでたっても、輸入学問(それも変な輸入)から抜け出せなかったように思う。

 やはり、仮説検証という基本的スタンスから、実際界、とくに日本の実際界を分析すべきだと思う。もちろん海外を分析しても、日本、さらには世界的に役に立つという分析もある。

 自戒の念を込めてこれを書いている。



2005年12月04日(日) 常盤文克氏

 昨日は、立命館大学経営管理研究科開設記念シンポジウムが、大阪梅田スカイビルで行なわれた。私は主催者側としてこれに参加した。記念講演は、前・花王会長の常盤文克氏「質のモノづくり」であった。その後パネルディスカッションも行われたが、内容の濃いお話しだったと思う。

 景気は良くなってきたが、二極化している。その裏には質の問題がある。選択的消費、つまり消費者は量が満たされて、今や質で選ぶ。質を基本においてビジネスをしなければならない。これを考えて対処している企業とそうでない企業の二極化とも言える。

 グローバリゼーションなどという。だが本質はアメリカナイゼーションである。だから質といっても「日本の質」、日本文化に根ざした質、日本流、会社でいえば、わが社流がなければならない。自分とは何かがないといけない。アメリカのマネをしていては超えられない。自分自身に魅力がなければならない。ネット社会であるからすでにあるモノの中から組み合わせて新しいモノを作ることが容易になっている。まさに新結合(イノベーション)、新しい質を作らないといけない。

 選択と集中、とはよく言うけれど、そのためには、何かを捨てなければならない。捨てると新しい仕事ができる。変わる、それは変態、さなぎが蝶に変わるように元の姿と変わったモノにならなければならない。リストラとは元来そういうモノである。首切りではない。中小企業の中に注目すべき会社がある。そこでは「自分たちの質」をもっている。「仕事のプロセスにも質」がある。他人のできないことをしなければならない。「匠の技」では日本は誰にも負けない。心と技で質を極めなければならない。

 知のつくりかたを変えないと違った質は出てこない。アメリカ文明がすべてではない。ヨーロッパに学ぶ必要がある。東洋にも素晴らしい知がある。西の知と東の知を融合し第3の知を作らなければならない。そこから夢のあるスクールを作って欲しいという注文だった。

 そういうお話しであった。文章にすると面白くないが、お話しは実に面白かった。


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