singersong professor KMの日記

2005年11月30日(水) ゼミ選択シーズン

 学生諸君にとってはゼミ選択は大きな選択、場合によっては賭けかもしれない。だからメールなどでいろいろな質問が来る。それに今回、私が出した「課題」が変わっていてとまどっている面もある。

「1.あなたはどこで生まれてこれまで何をしてきましたか?」という課題を出したのだが、これには、「どのような所を見ているんですか?差し支えなけば教えて頂けませんか。」という質問が来た。

 これに対して、次のように答えた。要は、どこ出身でこんなことを勉強してきて(あるいはできなかったので)これからこんなことをしたいと思うようになった、とか、ここからその人となりを見ようとしているわけです。

「2.自分はどうあろうとしているのか」という課題も出した。これについては「どのようなことを書けば良いですか?」という質問が来た。

 これに対しては次のように答えた。どんな人間になっていたいのか。どんなスキルを持っていたいのか。どんな所に就職して、どんな仕事をしていたいのか。などなどです。要は到達目標を自分なりに持っているかどうかを見ようとしているわけです。

 少し課題をずらすと、答えにくいようだ。どうやら最近の若い人たちは、正解を書こうとする優等生が多いのだろう。こんな課題に正解などない。思うままに書けばよいわけだけれど、それが難しいようだ。それは予め決まった答えがないからだ。世の中、予め決まった答えがないのが普通なのだが、すぐに安直な答えを求めがちのようだ。

 別に若い人だけではないかもしれない。日本社会全体に安全圏で考えようとする。冒険しない。学会でもアメリカの先行研究をそのまま実情の違う日本で踏襲する、それで業績ができて、就職ができる、そういう傾向がある。自分の頭で考えていない。あまり他人事ではない。若いときに「君のオリジナリティはどこにある?」と聞かれて、はっとしたことを思い出す。私の周りの研究者は結構厳しかった。今になって考えると、それは大変良い環境にいたことになる。自分の力では、なかなかそれについていけなかったのだけれど。



2005年11月29日(火) 失敗に学ぶ

 新聞の書籍の広告を見ていたら、渡辺仁「起業バカ2 やってみたら地獄だった」(光文社ペーパーバックス)というのがあった。別に読みたいとも思わないが、そこでの宣伝文句が奮っている。これはその通りだ。曰く「バカは成功に学んで失敗し、利口は失敗に学んで成功する」。いつも私が言っている。「成功の方程式はないけれど、失敗の方程式はある」。だから失敗に学びなさい。つまり、企業で言えば「倒産について勉強しなさい」といつも言うわけだ。



2005年11月28日(月) ここのところ

 今朝は亀岡方面で濃霧が発生したようで、嵯峨野線の電車は相当遅れていた。当方,遅れていても来てさえくれれば、それに乗るまでだ。でも、京都駅は紅葉見物客もあって、ホームは混雑していた。発車間際の電車はすし詰めで、乗れなかった人がホームにあふれていた。だから、電車を降りても前に歩けない。

 それにしても、この土日は忙しかった。土曜日埼玉大学で開かれた「日本財務管理学会」に参加するため朝早くから出かけた。着いたのは昼前だったが、役員会、統一論題司会、懇親会と続いた。宿は浦和に取ったので、懇親会からの帰りに時間はかからなかった。

 日曜日は午後の大阪淀屋橋の立命館大学大阪オフィスでの大学院説明会でビジネススクールの説明をするために、浦和−東京−新大阪−淀屋橋、という移動となった。それでも「のぞみ」は早いので、スムーズだ。17時終了で梅田「旭屋」で少し捜し物をしたので、自宅に帰り着いたのは夜の7時半頃ではなかったか。

 閑話休題。

 耐震強度の計算書偽造問題については、フォローしていると、「住民“二重苦”の恐れ 住居失い業者破産なら債務抱え」だとか、「耐震強度偽造 公的支援、住民に限定 政府・与党検討「責任は建築主」」などという見出しが躍っている。最悪というか一番ありそうなシナリオは、この建築主、たとえば「ヒューザー」が倒産し、建物は退去で、ローンだけ残る、というケースだ。で、倒産した「ヒューザー」の社員たちは、新たに別会社を立ち上げて、事業を続ける、そういうのが一番考えられるシナリオだ。ま、住民泣き寝入りの構図だ。これぞまさしく、株式会社における株主有限責任原則というものだ。そのためにこそ、さまざまな保険機構があるのだが、この会社はそのシステムに加入していないという。だからコストが安くて、安く売れたわけだ。あって欲しくないが、一番ありそうだから怖い。



2005年11月25日(金) 「カリスマ」への期待

 世の中が乱れてくると、人は「カリスマ」の出現を望み、これに期待を寄せるようになる。「カリスマ」はその意味で、ウェーバーの言うように、世間が「つくりだす」もののようだ。クラーナ「カリスマ幻想」(税務経理協会)は、そのサブタイトルに「アメリカ型コーポレートガバナンスの限界」と銘打っているように、現代アメリカ企業の病弊として、そのような「カリスマ幻想」をあげている。

 これはアメリカ企業に限らない。最近の日本の政治で、なぜ小泉首相率いる自民党が圧勝したのか、それはまさに小泉首相に「カリスマ」を見たからだろう。偉大でなくても「カリスマ」を期待している人々は彼を「カリスマ」にしてしまったわけだ。

 クラーナの前記著書ではアメリカ企業のことについて書いているが、日本企業、日本の経営学、でも同様の問題がある。企業の方はまだ健全で、むしろ「経営学」の方が怪しい。カルロス・ゴーンのような「カリスマ」が出てきたので、みんなそれに飛びついている。先日も書いたが、カルロス・ゴーンが光るのは、それを支える有能な日産社員がいたからである。設備もあった。当時足らなかったのはカネでこれをルノーが出したわけだ。中小企業ではそうはいかなかっただろう。経営学の教科書や経営書は、しばしばリーダーシップを論じ、そのリーダーが何もかもをやり遂げるように書いてある。

 確かにトップの役割は大きい。それは否定しない。けれども、武蔵野の小山社長にせよ、我々の先輩である伊藤製作所の伊藤社長にしても、確かに良きリーダーであることは間違いないが、ご両人とも「儲かる仕組み」づくりを強調されている。トップの役割は大きいが、その周辺に人材を得なければ、組織が作られていなければ、競争力のある設備や店舗がなければ、企業は勝ち残れない。ヒト・モノ・カネのバランスが良くなければならない。この当たり前のことをねばり強く追求している企業が「良い企業」なのであると思う。



2005年11月22日(火) 今日のゼミでも耐震強度偽造事件について話した

 今日のゼミでは企業は「ヒト、モノ、カネ」で成り立っていて、などという話をしたのだが、そのついでに耐震強度偽造事件に関連した話もした。

 早速、ゼミ生のH君が耐震強度偽造事件の木村建設が事業停止したという第一報をよこしてくれた。早速調べてみると下記記事(1)を発見した。負債総額約138億円という。さらに民事再生法申請を検討中という情報もあった(毎日新聞)。で、下記(2)のとおり、リクナビに同社の売上高が掲載されていた。2004年6月決算で103億円だという。売上高より多いほどの負債総額では返済はきわめて困難だろう。というかぎりぎりで回っていた会社だったのだと言うことが推測できる。

 で、下記(3)のように、リクナビでは社長が面白いことを言っている。早くて安い工法で施主に喜んでもらっているという。別に一級建築士がこそこそと偽造したのではなく、そういう発注があったのではないかと疑われても仕方のない記述である。しかも、(4)でみるように、建築主のヒューザーのあるマンションは、その広さから、「日本住宅建設産業協会」の優秀事業賞を受賞していたという。いやはや一体どうなっているのだろう。

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(1)記事
木村建設が事業停止=耐震強度偽造物件の施工会社−熊本

 姉歯建築設計事務所(千葉県市川市)の耐震構造計算書偽造問題で、工事の多くに関与していた木村建設(熊本県八代市)が1回目の手形不渡りを出し、事業停止状態になっていることが22日判明した。不渡りになったのは21日行われた手形取引で、帝国データバンクの調べでは、2005年10月末時点での負債は約138億円。 
(時事通信) - 11月22日16時53分更新

(2)リクナビから売上高を抜粋
売上高
93億円  01年6月
97億円  02年6月
100億円 03年6月
103億円 04年6月

(3)リクナビから社長の言葉を抜粋
私は、社長の木村盛好、木村建設の創業者です。
得意分野はホテルとマンションの建設。ずっと堅実・順調に経営してきましたが、突然転機が訪れました。
「海外にはビルのワンフロアを4日で作ってしまう技術があるらしい」という噂を耳にしたのです。本当かどうかどうしても確かめたくなってマレーシア・カナダ・イギリスと現場を見てまわりました。そしてわかったのは噂はウソじゃないってこと。
すぐに技術者を招いて勉強を始めました。その成果が先だって東京の板橋に完成したホテル。11階建てを6ヵ月で作りました。日本の従来工法より半年は早いです。半年違うとコストも1億円は違うらしい。施主さんには非常に喜んでもらいました。
ところが転機がもう一つ。この工法のことが新聞で紹介され数多くの問い合わせや引き合いがきています。全国で既に、ビジネスホテルだけで60棟を施工しました。特に東京では年内に4つのホテルを着工することも決まっています。
しかし、現状に満足してはおりません。これからも日々の努力・勉強を怠らず、常に新しいチャレンジをしていきたいと思っています。当社にご応募いただく学生の皆さんにも是非、好奇心やチャレンジ精神を持っていていただきたいですね。

(4)建築主は表彰されていた
問題物件に優秀事業賞 「広いマンション」に評価

 耐震強度偽造問題で、震度5強以上の地震で倒壊の危険性が指摘された東京都江東区の「グランドステージ住吉」が、社団法人「日本住宅建設産業協会」の優秀事業賞を受賞していたことが22日、分かった。
 同賞は協会会員の事業を対象とし、関係法令の適合が応募基準となっている。提出書類に構造計算書は含まれていなかった。国や自治体による建物の検査結果は調べたという。
 協会によると今年5月、「広いマンション」という事業コンセプトや事業成果などが評価され、建築主の「ヒューザー」(東京)が表彰された。審査の際には宅建業法などに関する検査は行っているという。
 受賞物件に問題が指摘されたことについて、同協会は「現在詳しく調べており、今後、賞の取り消しも含め検討していく」としている。
(共同通信) - 11月22日12時4分更新



2005年11月21日(月) 土日

 前にも書いたように、19日(土)は証券研OB会の皆さんに少し話した。その内容は「松村通信第62号」で書いたようなことであるが、もう少し整理し直して話したつもりだ。今M&Aの話は皆さん関心があるから話しやすい。

 日曜日は東京国際女子マラソン、高橋尚子選手の活躍に釘付けとなった。で、その他両N君来訪で、なんやかやで時間は過ぎた。でも骨休めにはなったように思う。

 月曜日研究室で仕事をしていると、次々とスケジュールが埋まってしまった。これで9月17日の土曜日から12月17日の土曜日まで、14週連続毎土曜日仕事と言うことになった。もちろん土日とも詰まるというのも5回ある。サバティカルでこれ。一体週休2日制などというのはどこへ行ったのだろう。学会出張もこれに含まれているわけだが、公的なおつきあいや半公的なおつきあい、それと全くの公用とさまざまである。これでサバティカルでなければ、完全にパッティングの連続となるのだろう。というか公用の場合バッティングしたら、当然1つしかできないわけで、その方がマシだともいえる。あきらめもつく。D大学のM先生の場合も同様のようだ。K大学のT先生もそのように見える。でも、要領の悪い私だから、これを負担に感じてしまうのだろう。皆さんどういう時間配分をされているのだろうか。



2005年11月19日(土) 紅葉シーズン

 京都はいよいよ紅葉シーズンである。京都駅全体が乗客であふれていた。わが嵯峨野線も観光客でごった返していた。亀岡行き快速なる臨時電車も出されていた。私が乗った電車が折り返し、その臨時電車になったのでわかった。おまけに東海道線は、自動車が陸橋にぶつかったとかで、その点検のためかなり遅れていた。そんなこんなで京都駅は乗客であふれかえっていた。

 今日は証券研OB会で少し話すことになっている。これからその準備をせねばなるまい。ま、かなりできあがってはいるのだけれど、最終チェックと言うところだろうか。証券研OBの皆さん、例年この時期にOB会があるから、遠方組は宿が取りにくいようだ。今京都で宿を見付けるのは至難なのである。

 閑話休題。

 耐震構造に問題のあるマンションが建てられていたという件。住民は震度3の地震でも相当揺れたと話している。怖い話だ。これらのマンションを建てた会社は「ヒューザー」という会社だが、その宣伝が奮っている。「私たちヒューザーは都心周辺で、100平米を越すマンションを3000万円台からという価格でご提供することを目指し、実現してまいりました。」そりゃ安いはずだ。やはりあまり安いのにはわけがあると言うことだ。

http://www.club100m2.com/

というサイトに物件が紹介されているが、首都圏にしては格安だ。よほど手抜きしないと、こんな価格にはならないのではないか。



2005年11月18日(金) ひどい話

 今朝のニュース、ワイドショーなどで報じられていた、耐震強度の計算書を偽造していたと言う話、ひどい話です。それで「京王プレッソイン茅場町」は当面営業自粛するという(下記にニュース参照)。強度基準を緩めれば建築コストが安くなるという。「コスト削減のプレッシャーがあった」と話しているという、と報じられている。でもそれは、今回にみられるように、結局は高くつく。あまりにもひどい。我々の身近にそんなことのないことを祈るのみだ。

 問題の「京王プレッソイン茅場町」は、今年8月に開業したばかりのようだ。で、シングル一泊7,980円(朝食無料サービス)、となっているから、はやっていたはずだ。最近私も東横インなどをよく利用する。安い。で、朝食(といってもおにぎりとみそ汁だけ)がついている。どうせ出張しても、夜は飲み歩き、ただ寝るだけ、で、翌朝は二日酔い気味となれば、軽くおにぎりなどは最適。で、利用することが多くなっている。

 「ホテル1棟(東京都中央区)を含む14棟は既に完成し、耐震性が不足している恐れがある。うち、千葉県船橋市湊町の湊町中央ビルと川崎市のマンションの計2棟は、いずれも建築基準の3割から7割程度の強度しかなく、震度5強の地震で倒壊する可能性が確認された。」(共同通信) という。これらマンションの方は住民に周知徹底されているのだろうか。個人情報保護法の関係で公表できないという。「姉歯建築士は問題の21棟のほかに、過去5年間で計約90棟の構造計算書の作成にかかわっていた」(読売新聞) という。大丈夫だろうか。

 なお、今回の件についての国土交通省による調査報告は下記サイトにある。結構詳しく書いてある。

http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/07/071117_.html

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耐震強度偽装、都内のホテルが営業中止

 千葉県の建築設計事務所が首都圏のマンション20棟とホテル1棟の耐震強度を偽装していた問題で、京王電鉄は18日、同社が東京・茅場町で経営するホテルが中に含まれているとして、そのホテルの営業を同日から当面の間、中止することを決定した。

 建物の強度がどの程度不足しているかは確認されていないが、同社では「お客様の安全を第一に優先して決めた」としている。

 営業中止が決まったのは、東京都中央区の「京王プレッソイン茅場町」(地上14階建て、客室265室)。京王電鉄グループが“宿泊特化型ホテル”として2002年から展開を始めたホテルチェーン「京王プレッソイン」の6号店で、今年8月5日にオープンしたばかり。同チーェンは、立地の良さと低コストが売り物で、茅場町店も平日はほぼ満室の盛況ぶりだったという。

 京王電鉄が偽造を知ったのは17日で、同日夕以降、対応を協議した。その中で問題の建築設計事務所が「京王プレッソイン茅場町」の設計にかかわったことは確認したものの、どれほどの強度不足かは不明だという。

 だが、「宿泊客の安全が第一」との考えから、営業中止に踏み切ることとし、18日午前から、ホテル内にポスターを張って利用客に「営業中止」を知らせたり、予約客に電話連絡をとって他のホテルへの振り替えを行ったりするなど対応に追われた。

 16日の夜から19日まで宿泊予定だった大阪市の会社員女性(29)は「起きたらドアの下にホテルからの紙が挟まれていて、事実関係を初めて知った。何もなかったからよかったが、もし大地震が起きていたら誰が責任をとるのか」と、憤った様子だった。

 耐震強度の偽装問題は17日、国土交通省が発表して表面化した。千葉県市川市の「姉歯建築設計事務所」が2003年2月〜05年10月の間、建物の設計にかかわる「構造計算書」を偽造。ホテル「京王プレッソイン」のほか、東京、千葉、神奈川の1都2県内のマンション20棟に、建築基準法の耐震基準を満たしていない可能性が出ている。
(読売新聞) - 11月18日12時31分更新



2005年11月17日(木) 人材

 立命館大学でもビジネス・スクール、アカウンティング・スクールを来春開設することになっている。私はその要員となっている。で、入試だ何だでかり出されそうである。ところが先約がいっぱい入っている。スケジュール調整が難しい。サバティカルが吹っ飛びそうな勢いだ。こんな下支えがあるからこそ、この大学はまさに「ロー・コスト・オペレーション」なのである。大学の「高収益」の秘密はこのあたりにありそうだ。問題はこれが、大学としての「本来的な長期的ハイ・パフォーマンス」につながるかどうかだと思う。

 最近つくづく考えるのであるが、結局組織を支えているのは人材である。だから、良い人材がいるかどうか。またその人材をストレッチさせているかどうか。これにかかっていると思う。それを組織的に行えるかどうかで、その組織のパフォーマンスは決まってくる。いくらトップが走ってもそれを支える組織、人材がいなければ話にならない。日産自動車でカルロス・ゴーンがもてはやされているけれど、日産自動車にはそれだけの人材がいっぱいいたと言うことだと思う。これをストレッチさせたから回復軌道に乗ったのだと思う。これが「へなちょこ」企業であったら、いくら良いトップが入ってきたからと言って、そうはならなかっただろう。

 明らかに中小企業は人材不足だ。人はいる。でも人材ではない。中小企業はそれだけトップが大変なわけだ。人をうまく使いこなして、徐々にそれを人材に育て上げ、組織を固めていく。中小企業が成長するには時間がかかるのである。まさに「企業は人なり」である。



2005年11月16日(水) ブッシュ大統領

 ブッシュ大統領が京都で宿泊し、今日日米首脳会談が行われるという。京都駅ではゴミ箱が片づけられ、コインロッカーが封鎖されるなど厳戒体制下にある。われわれ通勤客にとっては、この点ではさほど影響はないが、観光客にとっては不便この上ないだろう。

 「大統領は16日朝、首相と金閣寺を視察。首相主催昼食会後は、京都市内で米国のアジア外交に関する政策演説を行う。一方、ローラ夫人は京都の伝統的家屋「町家」を見学するほか、同市内の高校を訪問。
 大統領は16日午後、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のため、韓国に向かう。」(京都新聞) - 11月16日9時21分更新

 このように報じられているので、今朝も金閣寺上空にはヘリコプターが飛んでいた。警戒のためだろう。で、ローラ夫人が訪ねる「町家」ってどこでしょう?



2005年11月15日(火) 今日はちょうど

 今日はJRが遅れていたので、逆にうまく乗れた。先週の火曜日は、JR遅延遅延でひどい目にあったので、嵯峨野線で先週より10分あまり速い電車に乗ったら、びわこ線が少し遅れていて、その遅れたのに間に合ったという次第。先週より45分ほど早く着いた。ただ、遅れてきたびわこ線の電車はよく混んでいた。こういうとき、どう座るかを考える。さっと補助いすに座った。これが正解であった。奥へ入ったら座れなかっただろう。

 こういうのは通勤に限らないが、電車を利用するときに、いつも、ついつい、ビヘイビアが正解であったか、失敗であったか、考えるものだ。誰でもそうなのだろうか。それとも私だけのことだろうか。

 閑話休題。

 追加的に書きます。ブッシュ大統領は今日夜に大阪国際空港に着いたそうだ。「大統領は16日朝、首相と金閣寺を見学。首脳会談、政策演説の後、同日午後にアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のため、韓国に向かう。」という記事を読んで、何ともはや忙しい日程で、このためだけに日本に来て、というか、京都に来て、これで秋の京都を楽しめるのだろうか、と思った。御所と金閣寺を見ても、われわれ京都人からすれば、たいしたことないだろうにと思ってしまう。もちろん、日本へ来て小泉首相と会う、それだけに意味があると言うことなのだろうけれど。



2005年11月14日(月) 観光シーズン

 私の通勤路線である嵯峨野線は、観光路線でもある。平日の今日ですら、京都駅で降り立ったら乗り込む乗客の数がいつもより多い。観光シーズン、紅葉シーズンだからだろう。おまけに、ブッシュ米大統領が15,16日と入洛するという。御所で日米首脳会談が行われるという。12日に同志社大学へ行ったときですら、すでに御所に近いと言うこともあって、交通規制が行われていた。報道によると、昨夜も「夜の車列“厳戒態勢” 米大統領入洛控え 府警が予行演習」などと報道されていて、交通規制があったようだ。御所は14日から全面規制で入れず、また金閣寺訪問も計画されているようだから、先の観光客の行路と一致しているだけに、市内交通の大混雑が予想される。何せ世界で一番狙われている人物の訪問だから大変だ。巻き添えになりたくないものだ。



2005年11月11日(金) 阪神?

 07年〜09年の間に阪神が優勝しても、日本シリーズは大阪ドームで行うかもしれないという。甲子園球場のリニューアル工事との関係だという。でも「日刊スポーツ」のこれに対するコメントが奮っている。

 「03年以前のダメ虎なら、こんな問題は話題にもならなかっただろう。猛虎ならではの、リアルな問題が巻き起こった。」

 「捕らぬ狸の皮算用」で終わらなければよいのだが。

 



2005年11月10日(木) 知らないことが多すぎる

 自分でも知らないこと多すぎる。ま,これは勉強不足と言うべきなのだろうけれど,知らないことが多すぎる。一体これまで何をしてきたのだと思わざるを得ない。自分の無知さかげんに嫌気がさす。世の中にはいろいろある。全部知ることはできないとしても,結構自分が知っているべきところで,知らないことがあると焦る。もっと勉強しなければならないと言うことですね。慚愧,慚愧。



2005年11月09日(水) 今日のニュースで

 今日のニュースで感じたままを書いておく。

 「全国小売酒販組合中央会」で乱脈経理が捜査の対象になっている。年金運用で数百億円の損失を出し、着服や不正経理が発覚している。わが友人S氏の年金も危ういのだろうか?

 「経営再建中の三菱自動車は8日、2004年5月にまとめた事業再建計画に盛り込んでいた京都市への本社機能移転を取りやめ、東京に残る方針を固めた」そうだ。「業績が回復基調にあることから、東京に本社を置くコストを賄える見通しとなり、京都市移転を白紙に戻すことにした」という(読売新聞) 。こんなことで三菱自動車は再建できるのだろううか。

 のど元過ぎれば熱さ忘れる、とはよく言ったものだ。



2005年11月08日(火) それにしても

 昨日も書いたけれど、まさに、JR遅延の季節。今日はひどかった。嵯峨野線で13分遅れ、そこで10分遅れのびわこ線電車に乗り遅れたら、次に来たのが20分遅れ。待ち合わせ時間などを合わせると、いつもより40分あまり遅れて大学に到着。で、4回生ゼミ生諸君を10分少し待たせてしまった。原因は新大阪駅での「人身事故」だという。

 昨夜は、お通夜の「はしご」だった。友人のご母堂のお通夜に出かけたのだが、その同じ葬儀会場で経済学部のM名誉教授のお通夜があった。後者は知らなかったのだが、そこでS先生にばったり出会って、M先生のお通夜に来たの、と聞かれて、えっ、と言う感じ。で、せっかくのことだから、こちらにもお参りした次第。偶然とはいえ、こういうことってあるものだ。

 それにしても、いろいろあるものだ。



2005年11月07日(月) またまたJR遅延

 JR遅延の「季節」になってきた。今日は京都駅発23分遅れ、で、南草津駅でもバス待ちとなった。自宅を出てから、大学に着くまで2時間近くかかってしまった。ま、読書時間がそれだけ増えたと思えばよいのだけれど。



2005年11月06日(日) 校友大会と講演

 昨日は、校友大会であった。当方、幹事会、財部誠一氏講演、そして懇親会、それから、例によって、2次会、3次会とフルに参加。久しぶりに午前様となった。

 財部講演は結構面白かった。要は中国の急成長ぶりに注目すべきだというのである。中国の自動車生産台数でみても、1990年の第1位日本1348万台、第2位米国978万台、第3位ドイツ498万台で、このとき中国はわずか47万台でしかなかったのに、2000年には第1位米国1280万台、第2位日本1014万台、第3位ドイツ553万台であったのに対し、中国は207万台と急成長しており、これが、2010年には第1位米国1400万台、第2位中国1070万台、第3位日本960万台、第4位ドイツ600万台、第5位韓国400万台と予想されており、さらに中国の飛躍が予想されているという。中国が1000万台プレーヤーになると言う。トヨタ、ホンダも中国で生産を始めている。

 周知の通り、「2005年7月21夕、中国人民銀行は、人民元対ドルレ-トで2%切り上げて1ドル=8.11元とする一方、同日より通貨バスケットを参考にする管理フロ-ト制を導入すると発表した。」これが米国の圧力で切り上げられたように伝えられているけれど、決してそうではない。たったの2%切り上げで、かつ通貨バスケットを「参考にする」管理フロートにするというのは、決して中国の通貨当局がグリップをゆるめるのではないと言う。第1米国は中国が米国債を買ってくれているから、現在の米国における赤字がファイナンスできているのであって、大幅な元切り上げはそれを不可能にするから決して米国の望むところではない。米国と中国はそういう相補関係にある。中国の不良債権は貸出の60%とも言われているが、日本のように金利引き上げでバブル崩壊の愚を犯そうとはしないだろうという。米国もそうで、大幅な金利引き上げとなる元の大幅切り上げを望まないだろう。

 日本だけがプラザ合意でアメリカの圧力を受けて円を大幅に切り上げ、金利を引き下げバブルを生み出し、そして今度はバブルを崩壊させ、また、市場にすべてをゆだねるという愚を犯した。その結果、世界の成長率4%というまれに見る好況期に日本だけはようやく1%成長を遂げているに過ぎない。政策ミスの連続である。

 しかも今の日本の多少の好調は、しかし、二極化現象が見られる。トヨタ、ホンダに見られるように、米国で生産し米国で売るという、つまり、マーケットに近いところで生産しマーケットで売ることにより、搬送コストが大幅安となり、ものすごく儲けている。世界の好況の影響を享受している海外市場依存企業は好調である。しかし国内での生産は減少しているのだから、必ずしも日本の景気が一本調子で上向いているわけではない。まさに二極化を招いている。また、日中などからのファイナンスで成り立っている米国の好況、バブルとも言える不動産価格の上昇がいつまで続くのかの問題もある。

 こういう興味深い話であった。いちいち納得のいく話で、私などが日頃思っていることをうまくまとめてもらったようにも思う。



2005年11月04日(金) あほがうつる?

 師匠筋に当たるT先生の言葉である。「あほとつきあったら、あほがうつる」。何と直截な表現だろう。確かにそれは言えるのだろう。低次元の人たちとつきあって、そのレベルの話をしていると、それで自己満足してしまって、それ以上向上しないということだろう。確かによくわかる。それだけに怖い話ではある。

 わが師匠もこんなことを言われた。今は偉くなっているK教授がかつて3流(!?)私立大学で教えていたが、一緒に教科書を書こうというので書いたのだが、K氏分担部分がくどい。そこで、わが師匠曰く「あほな大学で教えていて、あほになりよった」。怖い話である。K氏は自己研鑽に励まれて、今は日本のトップランクの超一流大学の教授である。

 知らず知らずのうちに、相手のレベルにあわせてしまう。自己研鑽を怠る。気をつけていないと、そういうことがどうしても起こりがちである。だからこそ、研究会や学会で、それも一流研究者のいるところで、もまれていないといけないわけだ。人間弱いものだから、どうしても流されてしまう。かくいう私も流されやすい方で、自戒を込めて書いているのだが。



2005年11月02日(水) 今朝は

 今朝,いつも通り「花園駅」からJRに乗り込んだら,後ろから乗り込んだ人から声をかけられた。それがS大学のY助教授だった。これから大学へ出勤とのこと。京都駅まで話した。同じ電車に乗って大学へ向かったのは初めてではなかったかと思う。山陰線複線化の話などで「盛り上がった」(勝手に盛り上がっただけだけれど)。

 小泉内閣改造,東証システムダウン,といろいろ続いている。システムダウンについては別途論ずる必要もあろうが,小泉内閣の改造については,今朝の新聞で,それで支持率が一段とアップしたという。それは安倍氏が官房長官になったからだと解説されていた。小泉チルドレンの猪口さんのドレスについてもいろいろ言われている。「おはようコールABC」のコメンテーター山本健治氏が,一体国民は何を見ているのか,と怒っていたが,同感だ。

 さすが立命館大学先輩の山本氏だ。こういうようにはっきり言う人間が少ない。山本氏のコメントはあまりに早朝で,あまり多くの人の耳には届いていまい。「とくダネ!」(フジテレビ系)で,小泉人気の危険性に少しは疑問符を付けていたが,よほど注意して聞かないとそうは受け取れないだろう。

 今の小泉人気の危険性はもっと声高に語られるべきだと思う。そうでないと,ほんとに危険になる。危険性を声高に語れば,その危険も薄れるはずだと思うからだ。


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