singersong professor KMの日記

2005年03月31日(木) 役員の数

 堀江モンはいろいろな問題提起をしてくれる。社員250人のニッポン放送で19人の取締役は多すぎる,という。確かに多すぎる。調べてみると,そのうち4人は社外取締役で,14人が内部昇進組だ。また,従業員数だが,連結でも869人だ。臨時雇用が平均して200人くらいだから,それにしても多すぎる。

 他に,ポニーキャニオンをはじめ子会社12社,フジテレビをはじめ関係会社4社となっているから,これら子会社にも役員を送り込んでいるとなると,社員にとって大変有り難い会社だ。入社して将来役員になれる確率は極めて高い。

 また,取締役は,日本の場合,処遇という色彩が濃い。処遇だけならよい。しばしば,担当が割り振られる。何々担当役員となる。この役員が張り切ると,屋上屋となる。船頭多くして船,山を登る。組織は混乱するばかりである。堀江モンの一言で,こういうことを考えるきっかけが与えられた。そういう意味では,今回の「事件」は我々経営学徒にはよい刺激剤だ。



2005年03月30日(水) またまたダウン

 昨日は教授会,そしてその後の歓送迎会だったが,2次会の誘いも断って,帰宅したが,やはり不調。風邪です。38.1度の熱が出て,ぶっ倒れていました。今朝も少し熱が残っていたので,休んでいたのですが,スケジュール表を見ると,夕方から結構大切な会議があるのを思い出して,大学へ向かった。熱はおさまったので,もう大丈夫だとは思うけれど。寒暖の差が激しいこのごろ,どうも調子が今ひとつだ。

 閑話休題

 下記記事を発見。そういえば,一昨日の大学院ゼミで話していた内容とも関わって,西武もなかなか複雑。こういう展開になるとは思っていませんでしたが,こういう経緯になるということは,かなり根が深いことをうかがわせます。

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堤被告実弟・豊島園の康弘社長解任、不正関与の疑い

 西武鉄道は30日、遊園地「としまえん」を運営する連結子会社「豊島園」(東京)が同日開いた取締役会で、堤康弘社長(66)を解任したと発表した。

 康弘氏は、証券取引法違反の罪で起訴された堤義明被告(70)(前コクド会長)の実弟で、少なくとも7、8年前から、豊島園の不正経理に関与し、会社に損害を与えた疑いが強い、という。

 後任の社長には、西武レクリエーションの斉藤修・取締役(55)が就任する。

 不正経理疑惑は、西武鉄道が、グループ企業の財務や法務の見直しを進める中、今年1月に浮上した。西武鉄道は、康弘氏に調査協力を要請していたが、応じないため、解任を決めたとしている。

 豊島園の取締役会には康弘氏も出席した。5人の取締役のうち、康弘氏ら2人を除く3人が解任に賛成したが、康弘氏は特に反論しなかったという。関係者によると、康弘氏は「現時点ではコメントするつもりはない」と話しているという。

 不正疑惑の具体的な内容について、西武鉄道は「調査で確証が得られるまでは明かせないが、康弘氏が私腹を肥やしたとは言える」としており、刑事告発も検討する。

 康弘氏は、豊島園以外にも西武建設、西武運輸などグループ5社の取締役を務めており、西武鉄道は、これらの役職の退任を求めることも検討するという。

 西武鉄道グループは、中核会社のコクドを分割し、西武鉄道などと合併するグループ再編案を検討しているが、康弘氏は「銀行による西武グループの強奪」などとして反対している。
(読売新聞) - 3月30日19時24分更新



2005年03月29日(火) 天災は忘れた頃にやってくる

 地震,雷,火事,親父,とはよく言ったもので,最近の親父は別として,やはり地震は怖いものの筆頭である。今朝また,スマトラ沖でM8.7の大地震があったと報じられている。問題は私の住む関西だ。

 一昨日27日の日経記事で,西日本は地震活動期に入ったという。南海・東南海大地震の発生する約五十年前から中国・近畿地方を中心に内陸地震が多発する傾向があり,活動期は南海・東南海地震後も十年ほど続く,という。そしてその後,30−90年は地震が少ない静穏期になる,という。前回の東南海(1944年)、南海(46年)地震の前には、死者7千人を超えた濃尾地震(1891年、M8.0)を皮切りに姉川(1909年、M6.8)、北丹後(27年、M7.3)など内陸地震が続発した。

 次の南海・東南海地震は2030―40年ごろに起きる可能性が高いという。で,その前に,1995年に阪神大震災,2000年に鳥取県西部地震,01年に芸予、さらに今回の福岡県沖と西日本の地震は活発になっている。だから,今朝「29日11時45分頃地震がありました。震源地は京都府南部 (北緯35.1度、東経135.7度) で震源の深さは約10km、地震の規模(マグニチュード)は3.7と推定されます。」などというのを知ると,いよいよ気をつけねばと思う。

 「天災は忘れた頃にやってくる」という。



2005年03月28日(月) 自分探し?

 今朝のテレビで,「ニート」(Not in Education, Employment, or Training つまり,学校にも行かず,職に就かず,何らかの自己啓発訓練もしていない)について話されていた。じっくり見ていたのではないが,個性重視などが行き過ぎて,自分にあわないなどといって仕事をすぐにやめるから,「ニート」が生み出されてくるという。それとの関連で,最近気になる言葉がある。「自分探し」ということばだ。おいおい,自分は探さなくても,そこにいるではないか,と思ってしまうのだ。現実の自分から出発しないで,そんなはずではない,というところから出発しているように思えてしまう。

 第一,今の自分でない自分がどこか別世界にでもいるというのだろうか。しかも,人間は可変的,可塑性がある。抽象的な自分などいない。社会との関わりの中でしか自分は発見できない。仕事をしている中で自分を発見するのだろう。自分にあわないからと言って仕事を辞めてしまえば,いつまでたっても自分を発見できないだろう。転職するのならよいが。

 「ニート」などという言葉が流行るのは困ったことだ。それで何か,正当化されてしまうように見えるのいけない。「ニート」という本が昨年出版されたが,早速読んでみたものだった。こういう若者を生み出す社会の病理に目がいってしまう。少し前に流行った「パラサイト・シングル」などと同じ構図だ。衰退に向かう「豊かな国」の病理のように思える。



2005年03月27日(日) 暖かくなって

 急に寒くなったと思ったら,今日あたりまたまた暖かくなって,大勢の人が外に出ていた。で,私も女房と散歩。墓参り。先週の彼岸には忙しかったので,墓参りに行けなかったが,今日は殊勝に墓参り。散歩ということで,歩いていったのがいけなかった。何せ,往復3時間弱。途中買い物もしたとはいえ,疲れた。「過ぎたるは及ばざるが如し」というところか。

 昨日は証券経済学会関西部会で,役員会・研究会,で,その後,報告者と飲んだ。テーマがテーマだけに,私の若い頃に勉強して途中で断念したテーマであっただけに,話し込んでしまった。

 閑話休題

 日曜日はニュース・ショーが多いが,どの番組でも,ライブドアvsフジテレビ・ソフトバンク問題を取り上げていた。昨日の学会役員会でもひとしきり話題になった。あちこちで取り上げられている。私の専門領域とぴったり一致するところだけに,目を離せない。勝ち負けを問題にするのもおかしいかもしれないけれど,結局誰が勝って,誰が負けたのか,あるいは誰が勝ちそうで誰が負けそうか,そういう目で見がちである。世間もそういう目で見て,岡目八目「楽しんでいる」。

 持ち合い崩れが進んだら,当然出てくる問題で,今回の問題が起こる前から,われわれ「業界」では,いずれ問題になると話し合っていたところだ。それだけに,やっぱり来たかというのが正直なところだ。果たして,日本企業はこれにどう対処するのか。まさに,目を離せない。



2005年03月25日(金) 寒い

 この季節にしては寒い。去年は暖冬と言うこともあって,今頃は桜も開花していた。今調べなおしたら去年の京都の開花日は3月24日とあった。今年は,今日あたり雪が舞っていた。何と寒いことか。今日の京都の最低気温は0.8度であった。寒いはずだ。

 閑話休題

 それにしても,フジテレビvsライブドアの争いは,ここに「ソフトバンク」が「ホワイトナイト」として割り込むという展開となってきた(下記記事参照)。全く目が離せない。貸し株制度を利用しての展開である。「ソフトバンク」の投資会社SBIがニッポン放送が保有しているフジテレビ株を貸し株制度を利用して,借り受け,フジテレビの筆頭株主に躍り出た。そのほかでの協力関係を結ぶという。

 貸し株制度はその用語解説では次のように言われている。「信用取引で証券会社が売方顧客に対して貸し付ける株のことです。通常、証券会社は証券金融会社からその株式を借り入れ、顧客にその株式を貸し付けることが多くなります。」(http://www.cji.jp/China_stock/Triding/yogo2.htm#016)

 これからもわかるように,今回のようなケースはあまりない。通常は空売りの手段として利用されることが多いので,今回のように支配権をめぐって利用されることはあまりない。今回の争いでは,そのような微妙な手法を,両陣営とも使ってきている。

 持ち合いを軸にした日本的経営が盤石でなくなったことを,今回のケースはみせつけた。一方向的な「株主重視」型経営への移行が進むと考えるのは間違いだ。というか,「株主重視」一般などというのはあり得ない。ケース毎に違った問題が出てきて,ある形ができあがっていくのだと思う。そこではじめて,「新日本的経営」が固まるのだと思う。

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ソフトバンク・インベストメントがフジの筆頭株主 13.88%

ニッポン放送保有の全株貸与 ライブドア介入排除
 フジテレビジョンとニッポン放送、ソフトバンク・インベストメント(SBI)の三社は二十四日、インターネット関連のベンチャー企業育成を目的とした投資ファンドを共同出資で設立すると発表した。同時にニッポン放送は保有するフジテレビ株13・88%(発行済みベース)をSBIに貸し出し、SBIがフジテレビの筆頭株主となった。この結果、同放送が持つフジテレビに対する議決権はすべて消滅し、同放送の経営権を握る可能性が高まったライブドアが同放送を経由してフジテレビに影響を及ぼすのは困難になった。
 新設ファンドの名称は「SBIビービー・メディア投資事業有限責任組合」。基金の規模は二百億円で、SBI側が二十億円、フジテレビが百六十億円、ニッポン放送が二十億円それぞれ出資する。ファンドの運用期間は約五年間で、二年間延長できる。
 同ファンドでは、SBIが持つ通信・インターネット分野における事業ノウハウと、フジテレビとニッポン放送が持つ放送分野のコンテンツ(情報の内容)、番組制作能力などを融合することで、放送・通信・インターネットの各分野にまたがる有力なベンチャー企業を育成・発掘する。ソフトバンク関係者によると、「将来的には、SBIの大株主であるソフトバンクが実施しているブロードバンドを利用したテレビ放送でフジテレビの番組を流す可能性もある」という。
 これに伴い、ニッポン放送は保有するフジテレビ株13・88%をSBIに貸し出す。貸株が行われる今年三月二十四日から平成二十二年四月一日までの期間は、SBIに議決権が移転する。
 すでにニッポン放送は大和証券SMBCにフジテレビ株8・63%を貸し出している。今回の貸株で、同放送が保有する22・51%のフジテレビ株は現時点ですべて第三者に移転し、ニッポン放送が持つフジテレビへの議決権は消滅した。
     ◇
≪ベンチャー投資が趣旨≫
 ソフトバンク・インベストメントの北尾吉孝CEOの話「(共同出資会社の設立は)ベンチャー企業に投資をするのが趣旨だ。資本提携は会社と会社の関係を緊密にするための手法。ホワイトナイトを買って出るつもりはないが、対立解消のため、私がライブドアの堀江貴文社長と話してみることもありうる」
     ◇
≪今週初めにまとまった≫
 フジテレビの境政郎常務の話「昨年、約九百億円の増資をして以来、資金の有効な使途を検討し、ベンチャーファンドへの投資も研究してきた。SBIとの提携は今週初めにまとまった。東京高裁の仮処分決定とは関係ないが、結果としてフジテレビの企業防衛にも貢献すると思う。ライブドア株の取得は想定していない。ソフトバンク側との提携拡大は、可能性があればそうなってもいいと思う。ライブドアとは、役員同士、話し合いのチャンネルができた段階。提携をするともしないとも決めていないが、現時点では相当に距離がある」
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≪「友好的提携を」 ライブドア≫
 フジテレビとニッポン放送がソフトバンク・インベストメントとの共同出資事業を発表したことについて、ライブドアは二十四日、「弊社としては、ニッポン放送およびフジサンケイグループと友好的な業務提携を築けるよう、交渉を進めさせていただきたい」とのコメントを発表した。同社の広報担当者は「交渉中なので、これ以上は差し控えたい」と話した。
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 ソフトバンク・インベストメント(SBI) ヤフーなどと並ぶソフトバンク・グループの総合金融サービス会社で、設立は平成11年。オンライン証券大手のイー・トレード証券などを傘下に置く。ソフトバンクの完全子会社ソフトバンク・ファイナンスが議決権比率で46・9%を保有していたが、3月中旬に行った公募増資で同比率は約39・8%に低下。持ち分法適用会社となりソフトバンク色は薄らいだ。14年に東証一部上場。17年3月期の売上高は750億円、最終利益240億円を見込む。株式時価総額は3423億円(24日現在)。最高経営責任者(CEO)の北尾吉孝氏は野村証券出身。
(産経新聞) - 3月25日3時3分更新



2005年03月24日(木) 高裁命令が出て

 今朝は,嵯峨野線が「亀岡で霧のため」遅れて,びわこ線には1本乗り遅れた。ま,今日は講義があるわけでもないので,本がたくさん読めたくらいの「被害」というより「効用」があった。「南草津」の駅で学生がたくさん降りたのを見て,今日が成績発表の日であることを思い出した。

 閑話休題

 ニッポン放送の新株予約権発行が高裁でも差し止められた。商法判断としては当然の判断というべきだろう。予想通りであった。問題はこれからだ。朝刊や朝のテレビ・ニュースでも盛んに取り上げていた。日本経団連会長の奥田氏の言うように,これから両者の「和解工作」が行われるのであろうか。ライブドアとフジテレビの提携に進むのだろうか。それを暗示するようなニュース(下記参照)も報じられている。

 この間の争いが両者の「しこり」となっている。私の見るところ,フジテレビが本当に争う気があったのか疑わせるような「稚拙」とも言うべき行動をとったので,やむを得ず提携に進むことになったように見える。本気で争うのなら,フジテレビは,ニッポン放送の株式をライブドアに過半数を取らせてはいけなかった。大枚をはたいても,つまり,TOB価格を引き上げても防戦すべきだった。甘さがあった。一匹狼できた堀江モンが「賭けている」のに,甘さのあるサラリーマン社長日枝氏が思いきった手を打てなかったのがいけなかった。フジテレビの資本力からすれば,十分勝てるはずだったのに,手をこまねいていたとしか言いようがない。

 私は,日本的経営に好意的な見方をする方だから,もっと本気で防戦して欲しかった。手順を誤った。この間私はこの点を指摘し続けてきたつもりだ。私が日本的経営を擁護するといっても,甘い経営を擁護するつもりはない。トヨタ自動車に見られる,「厳しい」日本的経営をしないと,とても国際競争には勝てないと思うからだ。これもいつも言うように,規制産業はおおむね日本的経営の悪い面が出ているように思う。これからも規制産業が堀江モン的人間に狙われるであろうことを,今回の事件は暗示している。日本の経営者,がんばれ,と言いたい。

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ライブドア、フジとの提携で具体案を提示

 フジテレビとライブドアの提携交渉で、ライブドア側は、実質的に過半数を保有するニッポン放送株をフジテレビに譲渡する代わりに、フジテレビの行う第三者割当増資などによって、ライブドアがフジテレビ株を一定割合取得する案を提示した。

 複数の関係者が23日、明らかにした。

 資本提携と同時に、テレビ放送とインターネットとの協業も進める構想で、実現すれば、ライブドアによるニッポン放送株の大量取得から始まったメディア買収戦は、放送メディアとインターネットが融合するわが国初の本格提携に発展することになる。

 ライブドア側は、フジテレビ株の取得割合について、フジテレビを連結決算の対象にできる20%前後を目標にしていると見られる。また、フジテレビに対し、役員2〜3人を派遣することも求めている。

 これに対し、フジテレビ側は、具体的な提携の効果を見極めたいとして、慎重に検討している。

 ただ、ライブドアは、提携交渉が決裂した場合には、フジテレビに対する株式公開買い付け(TOB)を実施する構えだ。

 23日夜に記者会見したライブドアの堀江貴文社長はフジテレビとの提携交渉について、「役員レベルで提携の協議を進めている」と述べた。フジテレビの村上光一社長も「担当役員とライブドアとで会っているのは事実だ」と交渉を認めた。
(読売新聞) - 3月24日3時13分更新



2005年03月23日(水) この時期

 この時期は昔なら余り雑用がなかったのだが,近年は何かと雑用が増えてきた。といっても,私の場合,20日卒業式,そして,パーティ,ゼミコンパという具合だから,あっという間に時間がたった。21日サークルのOB会でこれも幹事会,総会,講演会,コンパと,時間が過ぎた。こちらもあっという間に時間が過ぎた。

 閑話休題

 下記記事に見るように,最近の学生の学力不足がよく問題になる。そこで,いわゆるリメディアル教育,つまり大学教育を受けるに足る学力を大学入学後に補習教育を行おうというわけだ。立命館大学クラスの大学では,とりわけ現在主流の近代経済学を勉強するには,数学を知っておく必要がある。そこでリメディアル教育ということになる。

 いわゆる「底辺」大学では,まさに,全入だから,大変なことになる。こういうところで,大学教育をする意味があるのか,などという話にもなる。まずは,読み・書き・そろばん(今なら算数)ということになる。初等・中等教育で,こういう基本的学習がおろそかになっているようだ。「ゆとり教育」などというのが提唱されて,行き詰まったことはよく知られている。楽をして,楽しく勉強するなどということがもてはやされる。そんな楽なことありえない。苦労するから充実感がある。世の中軟弱になってきているようだ。

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大学・学生の底上げ 学会発足、補習教育を研究

 学齢期人口の減少による受験競争の緩和や「ゆとり教育」で進む大学生の基礎学力低下を食い止めようと、学術団体「日本リメディアル(補習)教育学会」(小野博理事長)が二十二日、発足した。大学生の学力の底上げを目的とした学会が設立されたのは初めて。都内の清泉女子大学で開かれた発起人大会では、調査・研究が不十分だった補習教育の体系的な研究、教育ノウハウの普及を目指すことを決めた。
 同学会のメンバーは、大学一年生を対象とした「補習教育」を研究する大学教員ら約百四十人。理事長の小野氏は医学博士で、独立行政法人「メディア教育開発センター」(千葉市)の教授(コミュニケーション科学)。同学会発足の背景には「ゆとり教育」の影響で今後も大学生の学力低下が予想され、日本の高等教育のレベルが低下するとの危機感がある。
 小野氏はあいさつで「学生の基礎学力格差をどう評価するか、短期間でどれだけ学力を上げられるかが課題だ」とし、教材の開発や大学側の支援に積極的に取り組んでいく考えを示した。
 大学生の基礎学力をめぐっては最近、「受験戦争」の緩和や、大学が面接などを重視する入試を実施している影響で、大学や学部、学科内での基礎学力格差が顕著になってきたことが社会問題化している。
 小野氏が昨春、全国の国公私立大学などの約一万三千人の新入生を対象に行った調査では、国語力が中学生レベルしかない大学生が国立で6%、私立で20%。また英語力でも英文科を除く私立文系の学生の65%が中三から高一のレベルだった。
 「ゆとり教育」の見直しを進めている文部科学省では、平成十五年度から実施している「特色ある大学教育支援プログラム」で一部に補習教育関連事業への支援をしているが、全国を対象とした体系的な取り組みはまだ行われていない。
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≪放置なら格差拡大≫
 ■小野博メディア教育開発センター教授
 十八歳人口減少や大学入試の多様化で入試の競争が緩和された影響により、大学内で基礎学力の格差が顕著になっている。文部科学省が推進した「ゆとり教育」で今後も学力不足の大学生の増加が予想される。このため、リメディアル(補習)教育学会を設置し組織的な研究と大学の教育現場への支援を行うことが必要と判断した。
 かつては「受験戦争」という歯止めがあり、最低限の学力が確保されていたが、今はそれがなくなりつつある。また、ゆとり教育の影響による高校生以下の学力低下も報告されており、このまま放置すれば日本人の教養の格差も広がるという危機感をもっている。
 「大学全入時代」入りを平成十九年に控え、各大学はリメディアル教育を通じた学生の基礎学力確保と、卒業生の学力に責任をもつ「出口管理」が必要になってくるだろう。
(産経新聞) - 3月23日2時45分更新



2005年03月20日(日) 卒業式&インターチェンジ完成

 今日は卒業式だ。今年のゼミ卒業生も多士済々,将来が楽しみだ。思うところは,別途「松村通信」に書いた。彼らの卒業後の活躍を期待したい。10年後にはどうなっているだろうか。再会を約したい。

 閑話休題

 今日,大学の前の名神高速道路のジャンクション(第二名神とのジャンクション)が供用されていた。これは現在の所,草津田上インターチェンジに出るためのものとして供用されたようだ。そういえば,ニュースで草津田上インターチェンジが出来たと報じていたが,インターチェンジの場所は大学の裏あたりになっているようだ。で,研究室の目の前の道に自動車が走るようになった。まだそれほど多くの自動車が走っている風ではない。キャンパス内でも学生施設が完成するなど,ますますにぎやかになってきている。

 なお,インターチェンジの詳細は下記URLで確認できる。

http://www.jhnet.go.jp/press/rel/2005/02/16b/

 開通は19日で供用開始は午後3時からだったようだ。下記ニュース参照。ニュースでは,このキャンパスで完成式を行ったというが,私は気付かなかった。というか,私が大学に来る前に終わっていたのかもしれない。

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新アクセス誕生祝う 名神・草津田上IC完成

 日本道路公団が滋賀県草津市野路町で建設を進めていた名神高速道路の草津田上インターチェンジ(IC)が完成し、19日、記念式が行われた。公団、滋賀県、地元関係者ら約200人が、新たな交通アクセスの誕生を祝った。
 同ICは、名神の栗東IC−瀬田東IC間にあり、1996年6月に着工した。総事業費は約350億円。草津、大津両市から名神へのアクセスが便利になり、周辺地域の発展と、栗東、瀬田東両IC周辺の国道などの混雑緩和が期待されている。また、建設中の第2名神と名神をつなぐ連絡路に位置し、将来は第2名神の本線とも接続する。
 午前10時、はさみ入れ式が行われ、国松善次県知事や伊庭嘉兵衞草津市長がテープカットした。この後、車約70台が近くの立命館大びわこ・くさつキャンパスまでパレードし、同キャンパスで完成式を催した。
 一般車両の開通は午後3時から。(京都新聞) - 3月19日13時45分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050319-00000012-kyt-l25



2005年03月18日(金) 今日は

 今日は順調に大学に着いた。昨日は嵯峨野線,びわこ線ともにダイヤが乱れていて約束の時間に間に合わなかった。今日は約束も何もないのに,昨日と同じ電車に乗ったのに,昨日より30分ほど早く大学に着いた。これが正常なのだけれど。

 閑話休題

 ライブドア,ますます過熱している。今度はニッポン放送の後ろ盾である,フジテレビにLBO(レバレッジド・バイ・アウト)を仕掛けるという。今朝のテレビでうまいこと言っていた。サラリーマンがマンションを買うのに,その新しく買うマンションを担保に借金をするようなものだという。正確な比喩ではないが,あながち間違いではない。これによって,小が大を飲むことが可能になる。80年代のアメリカで結構使われた手法である。

 LBOであれ,TOBであれ,M&A(合併買収)の一手法である。これらは比較的新しい手法であるが,合併買収そのものは古くから行われていた。アメリカでは20世紀初頭,1920年代,そして,1960年代,さらに,1980年代と何度もブームが起こった。で,結論的には,その動機は投資銀行をはじめとする金融機関などが一時に儲けようとするところにある。ただ合併買収企業がその後成功して存続できるかどうかは,合併買収そのものの成立とは直結しない。経営問題になる。合併企業をいかにうまく経営するかにかかっている。ここでは詳言しないけれど,どんな手法が発明されても,していることや結論は同じである。



2005年03月17日(木) ライブドア問題,その後

 いよいよライブドア問題切迫してきました(記事1参照)。以前から書いていることから推察していただけるだろうが,私は,資本の論理で迫るライブドアに対して,フジテレビが資本の論理で真っ向から受けてしまったことが失敗だと思う。「資本主義」の論理で攻められたら,日本企業として,伊丹氏の言うような「人本主義」の論理で反撃する,これが正解だったと思う。

 ようやくにして,その方向が見えてきた。ニッポン放送で労働組合が出来たり,ポニーキャニオン従業員の声明が出てきたり,という具合に,私の見方によれば「まともな」対応になってきた。ただし,初動を誤った。そのミスを取り戻すのには時間がかかりそうだ。ライブドアがニッポン放送への攻撃を仕掛けているのに,当初からニッポン放送が表に出ないでフジテレビの日枝会長が前面に出るなど初動の失敗は大きい。

 かつて,北朝鮮が韓国を相手にせず米国出てこいと言っていたのに似ている。韓国は米国の傀儡だから韓国とは交渉しない。米国と交渉したいと言っていた。最初は米国が前面には出なかったものだ。ところが,フジテレビはまんまとライブドアの作戦に乗り前面に出てしまった。そして,日枝=悪玉,堀江=善玉,というマスコミ受けするシナリオにまんまと乗ってしまった。堀江モンだって,そんなきれいなものではないのだが,老巨悪に立ち向かう若者然とした振る舞いで得点を上げた。日枝会長は,読売の渡辺会長,NHKの海老沢会長と同列に見られてしまった。

 これらマスコミの巨頭がマスコミ対策を誤るなどプロにあるまじきことだ。フジのTOBの代理人大和SMBCは一体何をしていたのか。こちらもプロらしくない。(リンゴではないが)フジも甘い。このあたりの事情は下記サイトを読めばわかる。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/yw/yw05022701.htm

 で,結局勝ったのは,ライブドアに資金提供を行いその見返りに新株予約権付き社債を極めて有利に受け取ったリーマン・ブラザーズなのだろうか。もっとも「ブロードキャスター」という番組で,榊原英資氏がリーマンが勝ってライブドアが負けたと言っていたという。果たしてどうだろう。ライブドアが負けたかどうかはともかくとして,リーマンが勝ったことは間違いない。

 誰が勝って誰が負けたのか,複雑な様相を呈している。堀江モンが過半数を握ったニッポン放送での堀江モンの振る舞いによっては,堀江モンに逆風が吹くかもしれない。堀江モンがニッポン放送の社員を敵に回したらうまく行かないはずだ。かつて,住友銀行が関西相互銀行を合併しようとしたとき,従業員組合はおろ支店長も反対に回り,さらには顧客まで反対をしたので合併できなかったという事例がある。今回も従業員,経営者,さらにはリスナーまで反対に回れば,この合併は成功しないだろう。今後,このあたりに注目していきたい。

閑話休題

 記事2にあるように,日本の高校生の覇気低下は,日本の将来に暗雲を投げかけている。青年の気持ちは大人社会を反映したものである。今の日本が病んでいることは間違いない。この問題はまた別の機会に論じたい。

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(記事1)「新株」異議退ける ニッポン放送は抗告

 ライブドアの申し立てを認め、ニッポン放送が決定したフジテレビジョンを引受先とする新株予約権の発行差し止めを認めた東京地裁の仮処分命令に対し、同放送が行った異議申し立てについて、同地裁民事第八部(西岡清一郎裁判長)は十六日、「仮処分命令は正当」として異議を退ける決定を出した。ニッポン放送は決定を不服とし、直ちに東京高裁に抗告した。
 東京地裁は十一日、「新株予約権の発行は、フジサンケイグループに属する経営陣の支配権維持が主たる目的」として「不公正発行」と認定し、新株予約権の発行差し止めを命じていた。
 異議審でニッポン放送側は、新株予約権の発行目的は企業価値の維持・向上で、支配権維持が主たる目的とした仮処分命令は事実誤認▽企業価値が損なわれるかどうかについて、ニッポン放送側にのみ厳格な立証責任を課しており、仮処分の性質に反し不当−などと新たに主張。
 これに対し、西岡裁判長は「実体を見る限りではフジテレビによる支配権確保を主要な目的とするのと同義」と判断。敵対的買収への事後的防御策として新株予約権発行が正当化できるのは(1)買収者が真摯(しんし)に合理的経営を目指さない(2)買収で会社が回復しがたい損害を被るのが明らか−という「例外的条件」がある場合のみと限定し、今回のケースはこれに当たらないとした。
 また、ニッポン放送側は「新株発行は取締役会の決議事項であるから、取締役の行為によって株主構成が変更されることは、商法上当然に許される」との主張についても、西岡裁判長は「商法は本来、資金調達など取締役の一般的な権限事項について新株発行などが行われた場合、結果として既存株主の持ち株比率が低下することを許容しているにとどまる」と指摘。「現経営者や特定株主の支配権を維持・確保することを目的に新株を発行することまでは認めていない」と退けた。
 さらに、「例外的条件」の立証責任についても、「ニッポン放送が主張立証責任を負う」とした。
 今後、ニッポン放送側の抗告を受け、東京高裁が再度、仮処分について審理。本来予約権の発行日とされていた二十四日をめどに、早期に決定を出すとみられる。
 高裁決定を不服とする側は、最高裁への特別抗告か、高裁に対して許可抗告を申し立てることができる。
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≪価値低下を主張≫
 ニッポン放送総務部の話「正しいと信じていた主張が認められず残念だ。抗告した高裁では地裁審理と同様、『ライブドア傘下に入れば企業価値が低下する』ことを引き続き主張し、マスメディアの公共性を訴える」
 フジテレビ広報部の話「残念な結果だが、今後も裁判は続くので見守っていくつもりだ」
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≪企業価値維持を≫
 ライブドア広報担当者の話「互いの事業の魅力を生かして、ユーザーやリスナーを第一に考えた業務提携を築きたい。フジサンケイグループを大切なパートナーととらえているので、ニッポン放送の企業価値維持を強く希望する」
(産経新聞) - 3月17日3時23分更新

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(記事2)自己中心で刹那的−日本の高校生 米中に比べ際立つ低さ

国に誇り51%/親の面倒43%
 「国に誇りを持っている」という日本の高校生は51%で、米国、中国に比べて二割以上少ないことが日・米・中三カ国の高校生を対象にした意識調査で分かった。日本の高校生は「将来を思い悩むより、その時を大いに楽しむべきだ」「親の面倒をみたくない」と考える割合も三カ国中で最も多く、刹那(せつな)的、自己中心的に生きる日本の若者意識が浮かび上がった。
≪国旗・国歌≫
 調査は、財団法人日本青少年研究所(東京・新宿)が昨年九月から十二月にかけて、三カ国三十五の高校で行い、三千六百四十九人が回答した。
 「自分の国に誇りを持っているか」との設問に、「強く持っている」「やや持っている」と答えた日本の高校生はあわせて51%と、米中両国に比べ目立って低かった。国旗、国歌を「誇らしい」と思う割合も、米中両国の半分以下。「国歌を歌えるか」との質問には、「歌える」と答えた日本の高校生は66%にとどまり、三人に一人は、「少し歌える」「ほとんど歌えない」と答えるなど、国旗国歌に抵抗感を植え付ける自虐的教育の影響を懸念させる結果となった。
 こうした意識は国旗国歌への敬意などに表れ、「学校の式典で国歌吹奏や国旗掲揚されるとき、起立して威儀を正すか」との質問に「起立して威儀を正す」と答えた日本人高校生は米中の半分以下の30%。38%は「どちらでもよいことで、特別な態度はとらない」と答え、国際的な儀典の場で、日本の若者の非礼が批判を受ける下地となっていることをうかがわせた。
≪将来・意欲≫
 将来への希望を問う設問では、「将来は輝いている」「まあよいほうだが最高ではない」と答えた割合は中国が80%と最も高く、日本は54%で最も悲観的であることが分かった。
 さらに、勉強については「平日、学校以外でほとんど勉強しない」が45%(米15%、中8%)、「授業中、よく寝たり、ぼうっとしたりする」も73%(米49%、中29%)と、学習意欲も米中に比べて明らかに低いことが裏付けられた。
 生活面では「若いときはその時を楽しむべきだ」と答えた高校生の割合も三カ国で最も高かった。
≪恋愛・家族≫
 恋愛観では「純粋な恋愛をしたい」と考える割合は九割と日本が最も高かった。しかし、結婚後「家族のために犠牲になりたくない」も日本がトップ。将来「どんなことをしても親の面倒をみたい」は三カ国で最も低く、逆に「経済的な支援をするが、介護は他人に頼みたい」が18%と、米国9%、中国12%を大きく上回った。
 こうした結果から「純愛で結婚したいが、家族の犠牲にはなりたくない。親の面倒は金で他人に見てもらいたい」という自己中心的な恋愛観・家族観が浮かんでいる。
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 【識者コメント】
 ■親から啓蒙する必要
 森隆夫・お茶の水女子大名誉教授(教育行政学)の話 高校生になって自国に誇りを持てないのは、情けないこと。自分自身にも誇りを持っておらず、胸を張って生きていないのではないか。少子化に加え、数少ない子供の質が低下する「劣子化」が今の日本の問題。個人は社会に支えられており、「国あっての自分」「家あっての自分」ということを理解していない。
 対策として、学校と家庭で日本流の人生観教育・職業観教育を実践し、幼いころから自分と国との関係を考えさせることを提案したい。本来、総合学習や生活科はそういった教育を行う場なのだが、指導法に問題があるために実現していない。ただ、子供の教育は一義的には家庭が行うもの。まずは親に対する信念調査を実施して、親が子供や国の将来についてどのように考えているか把握し、親を啓蒙(けいもう)する必要がある。
 ■自信持たせる環境を
 教育関係の著書も多い精神科医の和田秀樹氏の話 大人が考える以上に、若者の間にあきらめが氾濫(はんらん)し、刹那的になっている。
 バブル経済前は、頑張って勉強すれば誰でもある程度の生活ができるという、社会に対する確信があった。しかし終身雇用が崩れ、大学を出ても就職できない状況になり、将来に希望を持てなくなっている。
 あきらめの早さの背景には、社会に対する不信とともに、日本という国や自分自身に対して誇りを持てなくなったことが挙げられる。誇れる気持ちを植え付けるのは学校教育の役割ではあるが、学校だけで実現が難しいのも現状だ。
 学校が徹底した学力向上策を図って最低限の自信を植え付けた上で、マスメディアも含め社会全体が若者が誇りを感じられる環境を作り出す必要がある。
(産経新聞) - 3月16日3時2分更新



2005年03月16日(水) 日本的

 ライブドアが議決権の過半数を制しそうな勢いだ。他方で,ニッポン放送が焦土作戦で,その買収魅力を下げるために,ポニーキャニオン株をフジテレビに売却するという。さらにポニーキャニオン社員の下記記事に見られるような「社員の声」が報道されている。まさしく,日本的。それ自身は悪くない。

 果たして,ライブドアはどういう対応策を講じるのか。ニッポン放送の役員に株式を売らないよう求める文書を送ったと言うが,他方で下記記事に見られるポニーキャニオンの「社員の声」がある。ニッポン放送の取締役会がポニーキャニオン株を売ったら,訴訟となるだろう。そのとき背任罪は成立するだろうか。

 閑話休題

 昨日,寄贈本が2冊届いていた。そのうちの1冊は,草野真樹「利益会計論」(森山書店)だった。私もメンバーである京都会計研の若手中の若手だ。これで研究会の若手の間での研究競争が高まるだろう。そういう期待をもたせる一書だ。

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ポニーキャニオン社員、ほぼ全員がフジ残留を希望

 ニッポン放送の音楽子会社ポニーキャニオンの社員会は15日、同社がフジサンケイグループに残るべきかどうかを尋ねる約400人の全社員を対象にしたアンケートを行った。

 その結果、ほとんどの社員が残留を求めた。社員会は同日、結果をニッポン放送に伝えた。

 全社員を対象としたこの日午前の全体会議で、佐藤修社長が「経営陣としては、フジサンケイグループに残りたい」と理解を求めたのを受け、アンケートを実施した。親会社のニッポン放送の株式の過半数をライブドアに取得され、傘下に入る可能性があるため、結果を親会社に伝え、「社員の声」を尊重した経営判断を促した。
(読売新聞) - 3月16日3時9分更新



2005年03月15日(火) ライブドアをめぐって

 ライブドアをめぐって,いろいろな波紋が広がっている。東電の株主がニッポン放送株をフジテレビのTOBに応じて(市場価格より安いTOB価格で)売ったことに対して損害賠償請求が起こされた(下記記事1参照)。そういう訴訟が起こりうることは予想されたことだ。

 フジテレビも新株予約権発行を差し止められて,軟化してきている(下記記事2参照)。これも当然予想されたことである。どこかに落としどころを求めることになるのだろう。子供の喧嘩じゃあるまいし,落としどころを探す展開になるのだろう。相手が堀江モンだけにやりにくいのだろう。まずは信頼関係の構築が必要だろう。かなりフィロソフィーが違うので決着に手間取るのではなかろうか。

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(記事1)
東電株主「TOBで損害」 会社に提訴要求、訴訟も

 フジテレビのニッポン放送株公開買い付け(TOB)に応じた東京電力に対し、東電の個人株主が14日「合理的な理由がないのに市場より安い価格での株売却に応じ、会社と株主に損害を与えた」として、現役員への損害賠償請求訴訟を起こすよう求める文書を送った。
 60日以内に提訴しなければ株主代表訴訟を起こす方針。
 文書を送ったのは東京都在住で、東京電力株約600株を持つ女性の個人株主。文書では同社がフジへの売却に応じたニッポン放送株の価額が、TOB締め切り日の終値より330円安かったことを挙げ、「公益事業を目的とする会社が特定企業を優遇する理由がない」と指摘。同社の損害は約6000万円と算定している。
(共同通信) - 3月14日18時42分更新

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(記事2)
フジ、戦略を微妙に修正 ライブドアと提携模索も

 ニッポン放送の経営権をめぐりライブドアと争奪戦を展開しているフジテレビジョンは、ニッポン放送の重要資産の売却を検討する一方で、ライブドアとの提携協議を視野に入れるなど戦略を微妙に修正し始めた。
 ニッポン放送がライブドアへの対抗策として打ち出した大量の新株予約権の発行に対し、東京地裁が「ノー」の判断を示したためで、フジは“和戦”両にらみで選択肢を広げ司法の最終判断を待つ構えだ。
 ライブドアはフジに協議を要請。それに対し、フジの日枝久会長も「メリットがあるなら事業提携を考えても良い」と述べ、今週中にも両社の経営幹部が事業提携を検討する可能性も出てきた。
 ライブドアは「事業のパートナーとして友好的な関係になりたい」(堀江貴文社長)としており、両社の協議が実現すれば、ライブドアがこれまで取得したニッポン放送株をフジに売却する代わりに、ライブドアとフジサンケイグループ各社が事業提携に踏み切ることも考えられる。
(共同通信) - 3月14日18時55分更新



2005年03月14日(月) 申告書

 例年,納税申告期限15日ぎりぎりになって,申告書を作ることになる。今年は昨日13日になって,ようやく申告書を作成した。最近は国税庁のHPへ行けば,申告書を「容易に」作れるようになっている。1昨年は確かに「容易に」作れて,便利になったと思った。ところが,昨年はだいぶトラブった。で,結局手書きのものを提出する羽目になった。で,今年はというと,やはりプリントアウトでトラブって,手書きを提出する羽目になった。

 金曜日に大学院生諸君と話したことだが,ネット対応になったのはよいが,これがいちいち対話型で作成することになっている。こんなものエクセル対応にしておいてくれたら,そんな手間もかからないし,システムもたいそうにならず,安上がりで作れるはずである。ところが,大変面倒なシステムにしてある。確かに,システム設計屋さんは受注して儲かるかもしれないが,納税者の便を考えてくれていない。単純なタイプの納税者には「重い」システムなどいらないはずだと思う。エクセル・マクロで作ったような簡便ソフトをダウンロードさせてくれたら,こちらで簡単に申告書を作れるはずだ。例年,ストレスがたまる。何とかならないものだろうか。

 閑話休題

 ライブドア,フジテレビ・ニッポン放送の争いは,新株予約権の発行差し止めが認められ,新局面に入ったようだ。M&Aで取られるさまざまな手法の実験の場になりそうだ。評論家的には,これはこれで見物だ。

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<ニッポン放送>ポニーキャニオン株、フジに売却も

 フジテレビジョンの日枝久会長は14日朝、ニッポン放送がライブドアの傘下に入った場合、同放送が保有する子会社のポニーキャニオン株をフジに売却することを、フジサンケイグループとして検討していることを明らかにした。同放送の亀渕昭信社長も「ポニーの価値がなくなってしまうのなら、今のうちにフジに買ってもらえないか検討している」と述べた。同放送の企業価値を引き下げることで、買収メリットを失わせる「焦土作戦」の一環だが、ライブドア側の反発は必至だ。
 日枝会長は記者団に「グループとしてクラウンジュエルなどの対抗策をしなければいけないのかなあ、と話し合っている」と語った。
 クラウンジュエルとは「王冠についている宝石」の意味で、企業にとって大きな価値がある資産を指すM&A(企業の合併・買収)の用語。これを売却して買収者に対抗する防衛策が焦土作戦の一つとされる。
 ニッポン放送はポニーキャニオンの株式を56%保有。ポニーは04年3月期の売上高が約600億円で、ニッポン放送本体の2倍。同放送にとってポニー株は重要な資産の一つになっている。
 同放送は、ライブドアに支配権を奪われると、ポニーはフジサンケイグループ各社との取引が中止され「破たんを免れない」と主張。こうした事態を避けるため、ポニー株をフジに売却する必要も生じるとみている。
 ただ、ニッポン放送の企業価値を引き下げる行為は、株主代表訴訟を起こされるリスクもある。ライブドアはニッポン放送の役員に対し、ポニー株を売却しないよう求める文書を送っている。
【ニッポン放送株問題取材班】
 ■ことば=焦土作戦
 買収を受けた企業が、買収者にとっての魅力を失わせるための行為。価値が大きいことから「クラウンジュエル(王冠の宝石)」と呼ばれる買収対象企業の中核資産・子会社を売却したり、多額の負債を負う方法などがある。軍事用語から転じた。(毎日新聞) - 3月14日12時10分更新



2005年03月12日(土) ライブドア地裁判断

 昨日,ライブドアによるニッポン放送新株予約権差し止め請求を認める決定を下した。妥当な判断だろう。一部で,立会外取引という手荒な手法で乗り込んできたライブドアに対してはこういう方法で立ち向かうのも認められるのではないかという向きもあったが,かなり違法性の強い方法で対抗するのは,やはり,許されないというのが裁判所の判断だろう。

 この間,企業価値という言葉が盛んに使われた。どちらが企業価値を高めることになるのかというわけだ。フジサンケイ・グループに支配権をゆだねた方が企業価値を高められるというのがニッポン放送側の主張だった。今回ほど「企業価値」という言葉が一般に語られたのは珍しい。けれども,「企業価値」を高める,というのは口で言うのはたやすいが,具体的に考えると結構難しい。理論的には「企業価値=株式時価総額」ということになっている。ではこれを高めるにはどうしたらよいのか。当然業績をあげることだ。ではどうすれば業績をあげられるのか。どの企業・経営者だって業績をあげようと「精一杯」頑張っているはずだから,どうすれば「企業価値」が高まるのか,一筋縄には行かない。

 それにしても,今回の事件は,われわれに研究材料・講義材料を豊富に提供してくれた。その限りで大変「有り難い」。その意味からも今後も注目し続けていきたい。



2005年03月10日(木) 建設ラッシュ&桜開花予想

 最近,大学正門近くの道路沿いで工事が行われている。T君曰く,道路拡幅工事ではないかと。昨日暖かかったので,散歩してみてわかった。そうではない。自転車置き場やバイク置き場を作っているようである。どうしてこんな工事をしているのかと,さらに歩き回ってわかったことだが,これまでバイク置き場のあったところに「防災システムリサーチセンター」なるものが建っている。完工間際だ。そういえば,理工学部の児島先生が研究室移転の話をされていた。こういうのがどんどん建つから研究室移転が行われるようだ。

 そのほかマイクロシステムセンターやインキュベーションもできあがっている。BKCの理工地区はどんどん新しい建物が建っている。それらはまた,経済産業省や文部科学省など官の補助をうまく活用したものだ。中央地区に学生施設が完工間際であるのはよく知られているが,そのほかでもどんどん建っている。で,自転車やバイクがどんどん追いやられていっているようだ。

 調べてみてわかったことだが,防災システムリサーチセンターには文部科学省から5億4490万5千円の補助が出ている(http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/daigaku/04122001.htm)。これは2004年度補助金でもかなり高額な部類である。

 立命館大学の補助金の取り方が多いのは,ひとつにはマッチングファンド,つまり補助金はだいたい半額補助となるので,補助金を貰って何か事業をするためには大学側から同額の資金を用意しなければならない。その資金を用意できない大学は補助金を貰えない。また,意思決定が早い。補助決定がなされても大学の意思決定が遅ければ間に合わないが,これが立命館大学は早い。これが補助金の多い原因である。

 閑話休題。

 今年は寒い冬であった。というか昨年をはじめ近年暖冬が続いたからそう思うだけで,これでも平年並みもしくは平年より少し寒いくらいだ。もちろん,西日本,東日本,北日本とでは違う。いずれにせよ,昨年よりかなり寒いので,桜の開花も遅いようだ。昨年は入学式のあった4月1日には早く満開だったと記憶している。今年は平年並みで4月に入ってから開花するようだ。そういう予想が出ている(下記記事参照,下記URLも参照)。

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<桜開花予想>平年より遅め 東京、静岡は29日

 気象庁は9日、関東から九州の2回目の桜(ソメイヨシノ)の開花予想を発表した。各地とも平年並みか平年より遅い見込み。四国や九州などは先週末の寒波の影響で、前回の予想よりやや遅くなった。主な地点の開花予想日は次の通り。
 26日=宇和島、種子島▽27日=高知、熊本、宮崎▽28日=和歌山▽29日=東京、静岡、名古屋、松山、福岡、長崎、鹿児島▽30日=岐阜、大阪、神戸、佐賀▽31日=横浜、甲府、奈良、高松、徳島、大分▽4月1日=京都、広島、下関▽2日=津、岡山▽3日=熊谷▽4日=松江▽5日=前橋、銚子、館山、鳥取▽6日=宇都宮▽7日=飯田、福井▽8日=水戸▽10日=金沢▽12日=富山▽15日=新潟、松本▽16日=長野【鯨岡秀紀】
(毎日新聞) - 3月9日19時42分更新

http://www.jma.go.jp/JMA_HP/jma/press/0503/09a/sakura1702.pdf



2005年03月09日(水) 熱で

 7日(月)は,大学で本を読んでいたが,何とも調子が悪い。早く帰って,熱を測ったら38度5分。胃腸の調子も悪く,「胃腸風邪か」と言ったら,家族曰く「ノロ・ウィルス」だと。そうかもしれない。8日は一日休養していたが,確かに熱は下がった。別に咳や鼻水が出るわけでもなく,のどが痛くなるわけでもない。で,今日9日は,大学へ来たが,やはり,熱はないけれど,何となく胃腸の調子がイマイチだ。ホント,ノロ・ウィルスなのだろうか。

 閑話休題。

 前回日記でソニーについて書いた。外国人CEOの登場。これをどう評価すべきか,まだ定まっていない。情報によると出井氏が止めるに至った経緯には外部取締役の圧力があったという。その限りでコーポレート・ガバナンスが機能したという。でも,昨日の日経社説でも言うように「経営を新チームに任せるとしながら,CEO不在の東京に出井氏が最高顧問,安藤国威氏が顧問として残る。……全体に責任の所在が不明確という印象はぬぐえない。」

 ただし,ソニーでは顧問の影響力は小さいとも言われ,中鉢氏の手腕への期待もある。もうしばらく推移を見ておきたい。



2005年03月07日(月) セミナー

 土曜日は経営学部校友会セミナーを開きました。田中正晃氏の大変有意義な話で,一堂勇気づけられました。モチベーション・アップにはもってこいの話で,これなら,学生にも聞かせたいと思いました。いずれその機会を持ちたいと思っています。で,日曜日にはその話をまとめ,速報版を仕上げました。

 まとめてみてわかったのですが,これは話を聞いていないと,その感動は伝わらないと言うことです。話と文章の違いがこれだけはっきりと出るのは珍しい。というか,田中正晃氏のプレゼンテーション能力の高さだろうと思う。同氏によると,学生時代私が担当した基礎演習クラスに所属していたというのだが,何せ古い話で,よく覚えていない。当時の基礎演習といえば,50人は下らなかった。私も若い頃だったから,夢中で担当していたと思う。

 閑話休題。

 ソニーに外国人トップが選ばれるという。すなわち「ソニーは7日、出井伸之会長兼グループ最高経営責任者(CEO)(67)と安藤国威社長(63)が退任し、出井氏の後任にハワード・ストリンガー副会長(63)が、安藤社長の後任に中鉢良治副社長(57)が昇格する人事を固めた。同日開く取締役会で正式決定する。」という。はてさてうまく行くのかどうか,興味深い。これまでの所,私としては情報不足のため,コメントを控えたい。



2005年03月04日(金) JR遅延&ニッポン放送従業員の声明

 今朝のJR大幅遅延。京都駅でのアナウンスによると,「架線切断事故(下記にJR西日本のHPからの方法を注記しておく)のため遅れている。現在電車はすべて大阪駅で止まっている」とのこと。ということは,いくら待っても,すぐに動き出したとしても30分以上は電車が来ないと言うことになる。これはたまらん。そこで,駅前の地下の喫茶店で,1時間足らず1杯のコーヒーで,今朝の日経新聞と今朝到着した日経ビジネスを読んだ。

 (注)「午前8時45分頃、大阪駅付近で発生した架線の切断により、JR京都線吹田〜JR神戸線尼崎駅間で停電が発生しました。このためJR京都線、神戸線の上り外側線(主に京都方面行きの新快速が走行する線路)で列車の運転を見合わせていましたが、午前10時35分に運転を再開しました。この影響により、JR京都線、神戸線を中心に、列車に運休や遅れが発生しています。」

 で,ホームに戻ると,どうやら運転再開の1番電車が超超満員で発車寸前の所だった。で,引き続いて電車が来るとのアナウンスがあったので,次の電車に乗ることにした。臨時普通電車が京都始発で到着した。これに乗って,ゆっくり日経ビジネスを読みながら出勤となった。それでもこの電車ですら,途中の駅から乗る乗客の中には立っている人もいた。当初午前中に入れていた打ち合わせての予定が,午後に変えていたのが幸いして,気分的には焦る必要がなかった。

 閑話休題。

 昨夜下記記事を発見した。ニッポン放送の従業員はライブドアに買収されるのはいやだという。これは大きい。私の従来からの考えからすると,こういう事態になると,ライブドアはだいぶ苦しい。もちろん従業員がどういう関係でこう言っているのかわからない。日本電産の永守社長も言うように,日本の場合,被買収企業の従業員を懐柔しないと,買収はうまく行かない。果たしてライブドアの堀江モンはどういう秘策を持っているのだろう。「秘策」がなければ苦しい。フジテレビやニッポン放送が何かよいアイデアを持っているのかどうかは別にして。

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<ニッポン放送>ライブドアの経営参画反対、社員が声明

 ニッポン放送の経営権をめぐるフジテレビとライブドアの争奪戦に関し、ニッポン放送は3日、「社員一同」との署名で「フジサンケイグループに残るという現経営陣の意思に賛同し、ライブドアの経営参画に反対する」との異例の声明を発表した。ライブドアによる同放送株の大量取得以降、同放送社員が意思を表明したのは初めて。
 新株予約権発行をめぐる法廷闘争では、同放送の「企業価値」が争点となっており、声明は従業員が「ライブドア傘下では企業価値が下がる」と判断したもので、裁判の行方にも影響を与えそうだ。
 ニッポン放送には労働組合はなく、2日に同放送では初の緊急社員総会が開かれ、役員を除く全社員238人中217人が参加し、全会一致で声明を採択したという。声明発表の理由は、過熱報道が当事者の思いが届かないところで議論されており、今こそ社員の総意を明確にすべきだと判断したとしている。
 声明は「ニッポン放送にはリスナーと共に50年をかけて築き上げた企業価値がある」としたうえで、「堀江貴文社長の発言には『リスナーに対する愛情』が感じられず、資本構造を利用したいとしか思えない」と指摘。さらに「ライブドア傘下になれば関係各社との関係の見直しを余儀なくされる」と危機感を表明し、「司法の場で適正に判断され、私たちの考えに沿った決定がなされることを願う」と訴えている。【木村知勇】
(毎日新聞) - 3月3日20時31分更新

「ライブドア参画反対」 ニッポン放送社員一同が声明

 インターネット関連会社ライブドアが大量に株を取得しているニッポン放送の社員が三日、「ニッポン放送社員一同はフジサンケイグループに残るという取締役会の決定に賛同し、ライブドアの経営参画に反対する」との声明を発表した。この問題では、フジテレビの労働組合も先月、ライブドア側と全面対決する経営陣の方針に賛同する見解をまとめている。
 声明文はリスナー(聴取者)、スポンサー、広告会社、出演者、株主などにあてられ、二日に急遽(きゆうきよ)開いた社員総会で全会一致で決めたという。
 声明では、ニッポン放送には、リスナーとともに五十年という歳月をかけて築いた企業価値があり、「リスナーのために」を心のよりどころ・判断基準としているとしたうえで、ライブドアの堀江貴文社長には、リスナーに対する愛情が感じられず、経営に参画するというより、資本構造を利用したいだけとしかみえない、と指摘。
 さらに、堀江社長が責任ある放送や正確な報道の責任についても理解しているとは思えない−などとして、フジサンケイグループに残ることに賛同するとしている。
 総会に出席した社員の一人は「自分たちの気持ちを表現しなくていいのかという疑問が社員の中にあった。みんな不安を抱えているが、リスナーを大切にするということで団結していきたい」と話している。
 一方、フジテレビの労働組合がまとめた見解では、「従業員の労働条件と職場環境を守る立場から会社側の姿勢に賛同し、ライブドアの経営参入には反対する」とし、「企業は従業員の存在を無視して発展はない」と、マネーゲーム的な動きを批判。
 さらに、堀江社長の発言が株や金銭の話が多く占めることに対し、「『心』を無視して強引に経営参入しようという者には断固『NO!』を出す」としている。
     ◇
 NHKの橋本元一会長は三日の会見でライブドア問題に触れ「放送には通信とは違う役割がある。テレビ各局は放送のデジタル化が社会に貢献できるよう取り組んでいる」と、堀江社長の発言をやんわりと批判した。
(産経新聞) - 3月4日2時17分更新



2005年03月03日(木) 経営学部校友会

 この3月5日(土)に,経営学部校友会セミナーならびに役員会が開かれる。行きがかり上,校友会関係の仕事は一手に私が引き受けている感じだ。ここのところ,その準備作業が続いている。基本的には事務局で作業をして貰うけれども,私も,かかわらなければならない。

 規約などはあるのだけれど,実際の実行体制が整っていないことがわかった。何せ,誰も彼もが片手間仕事。どうしても,後回しになってしまう。誰かが発破をかけないと進まないわけだ。第一,体制が十分作れていなかったら,ますますもって動かなかったはずだ。とにかく,ここを乗り切って,来年度につなげたい。で,体制づくりを急ぎたい。

 どんな組織でもそうだろうけれど,音頭取りがいないと前進しない。私のいけないところは,ついつい自分でしてしまうところだ。人に任せるより自分がやってしまった方が早い。第一人に頼むのが苦手だ。頭を下げて人に頼むより自分でやった方が早い,ということになりがちだ。で,忙しい忙しいといいながらやってしまう。いけないところだ。

 それにしても,今日一日,いやになるほど,雑用が入ってきた。電話も何度かかってきたことか。春期休暇中だというのに,一向に暇になりません。



2005年03月02日(水) またまたライブドア

 ライブドアによるニッポン放送買収問題,毎日新聞をにぎわしている。で,今日の日経では,日本電産の永守社長のコメントが紹介されていた。ほぼ,私と同意見だ。やや堀江モンよりの意見ではあるが,永守社長に買収経験があるだけに,日本で買収するためには相手企業の社員に歓迎されるかどうかが大切だと言われていた。これも私と同意見だ。フジテレビ側が問答無用の対応をしているのは根本的におかしいと思う。マスコミとしての見識を疑う。水面下で接触しているのかもしれないが,もしそうとすれば,もっとオープンにすべきだろうと思う。

 こんなことを書いていたせいか,先ほど某新聞社から取材をうけた。思っているところを話した。私の日記を読んでいる人々なら,どう話したかはおわかりいただけるだろう。



2005年03月01日(火) 久しぶりにJRネタ

 久しぶりにJRネタですが,今日は嵯峨野線が若干遅れたので,京都駅での乗り継ぎが危ないと思って,びわこ線のホームへ急いだら,こちらはさらに遅れていて,十分間に合った。そうとわかっていたら,急ぐこともなかったのに。

 JRがよく遅れると,誰もが言う。これは時刻表がタイトだからなのか,安全を重視しだしたからなのか,社員のレベルが低下したからなのか,わからない。この方面のことに詳しい誰かに聞いてみたいと思う。

 閑話休題

 下記記事が大きく取り上げられていた。金融庁は三井住友銀行を追いつめて今度は何をしようというのだろう。またまた,大型合併が進むのだろうか。すでに,大和證券グループとの統合が発表されているが,これで効率性がアップしたり,利用者の利便性が上がるとはとても思えない。UFJの場合もそうだった。支店が統合されて不便になるのは利用者だ。これらの動きは,官僚の「自己顕示欲」だとしか思えない。現場不在の金融行政には疑問を感じる。

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三井住友、2400億円の赤字転落 不良債権処理に3000億円増加

今期中の増資検討
 三井住友フィナンシャルグループ(FG)は二十八日、平成十七年三月期連結決算で、二千四百億円の最終赤字となる業績予想の下方修正を発表した。不良債権処理による損失を昨年十一月時点の予想より、三千億円積み増すことなどが要因。自己資本の充実を図るため、今期中の増資を視野に機関投資家などとの交渉に入る方針だ。
 三井住友FGは昨年十一月時点の予想で、十七年三月期決算で千八百億円の最終利益を確保するとしていた。しかし、不良債権問題を終結させるため、債務者区分の厳格化や引当金の積み増しと同時に最終処理も加速させることから、三井住友銀行単体で九千五百億円の損失を計上。この結果、三井住友FGの最終損益は、二千四百億円の赤字に転落する。
 不良債権処理を進める結果、昨年九月末時点で4・4%だった不良債権比率は3%台半ばまで減少する見通し。金融庁の打ち出した不良債権比率半減目標の基準とする十四年三月末の8・9%から約六割減少する。
 過去に支払った税金が将来、戻ってくることを前提として自己資本に含まれる繰り延べ税金資産については将来の収益性は高いとみなされることから、引き続き五年分を計上する。
 ただ、経営の健全性を示す連結の自己資本比率は昨年九月末時点の10・93%から9%台に低下する見込みだ。
 また、三井住友銀行単体では、国債など債券価格の下落によって発生した含み損を処理することで将来のリスクを削減。本業のもうけを示す業務純益(一般貸し倒れ引き当て前)は予想より六百億円下振れし、九千二百億円となるが、「損失はあくまでも一時的要因で、来期以降は予想数値(九千八百億円)程度の水準を確保できる」としている。
 同日、記者会見した三井住友FGの北山禎介副社長は、「(来年度以降の収益によって)自己資本比率は早期に10%以上の水準まで回復できるとみている。攻めの戦略を展開していくことから、資本増強についても検討する必要がある」と話した。
(産経新聞) - 3月1日3時21分更新


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