singersong professor KMの日記

2004年05月30日(日) 最近

 最近面白い本に出会った。一つは永谷敬三「これからだ!日本経済」朝日新聞社,と,渡辺利夫「私のなかのアジア」中央公論新社,がそれだ。どちらも,「金融ビジネス」最近号に諸表が出ていたので,面白そうだと思って買ったのだが,「あたり」だった。いずれ紹介したいと思う。一読を薦めたい本だ。

閑話休題

 昨夜,びわこ線電車が遅れた。したがって帰宅も遅れた。京都駅で乗り継ぐために,走った。最近はちょっと走っただけで息切れがする。ま,歳ですね。電車遅延の原因は「人身事故」だという構内放送だった。で,ニュースを見たら,下記がわかった。

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予備校生はねられ死亡 滋賀・野洲町、自宅に遺書

 29日午後8時半ごろ、野洲町富渡甲のJR東海道線下り線で、野洲郡内の男子予備校生(18)が播州赤穂行きの快速電車にはねられ即死した。
 守山署によると、予備校生は線路上に横たわっていたといい、自宅に遺書があったことから自殺と見て詳しく調べている。
 この事故で、新快速電車など上下6本が部分運休、下りは米原−草津間で約1時間運転を見合わせ、後続電車6本が最大約50分遅れ、約2500人に影響が出た。(京都新聞)



2004年05月27日(木) 女子学生比率上昇について

 某MLに紹介させていただいたことだが,学園広報誌にこんな記事がありました。こちらでも紹介しておきたい。そして,私の思いも書いておきたい。

「女子学生比率を「関関同立」4大学で比較すると,80年代までは一貫して,関学,同志社,関大,立命の順であった。しかし,90年に関大と同率(21.1%)となり,以後,関大を引き離して同志社に接近し,最新のデータ(2002年)では,関学(41.2%)に次ぐ位置(37.2%)にある」という。

 女子学生数の推移は,1960年217,1965年921,1970年1,345,1975年2,084,1980年2,098,1985年2,124,1990年4,251,1995年7,359,2000年10,357,2002年11,585,となっています。

 道理で最近女子学生が目立つはずです。かつて「女子学生亡国論」といわれたが,最近見るところ,むしろ逆に,「男子学生亡国論」とでも言いたい感じだ。女子学生の元気の良さ,しっかりした考えは,男子学生の「頼りなさ」を浮き彫りにする。もちろん,私のゼミ生などでみると,元気な男子学生も多い。でも,何となく女子学生と比べて頼りなげな男子学生も見かける。

 今さら,男女同権もない。当然過ぎるようになった。でも,会社の方はまだ遅れているようだ。今年あたりの就職戦線を見てもそう思う。要は会社の上司が女子社員を使うスキルを持っていないのだろう。これからの日本にとって,それは大きなマイナスだ。この点,女子学生諸君と議論して,社会に何か提案できないだろうか,と思う。



2004年05月26日(水) 暑い!

 暑い。ここのところ毎日暑いが,とくに今日など大教室で講義をしていると,蒸し風呂状態。終えて廊下へ出ると涼しく感じられる。教室内は若い人の熱気で大変な暑さだ。学生諸君はそれでも座って聞いているだけだが,こちらは立って,少しく動き回って,マイクで「がなって」いる。暑いはずだ。

 今日も講義を終え,アイスコーヒーを飲んで,のどを潤して,そして,部屋へ戻って,洗面すると共に,下着を替えた。下着がぐっしょりなるほどの暑さだ。で,不調のパソコンにウィルス・スキャンをさせている間,居眠ってしまった。パソコン不調の原因として,ウィルスを疑ってみたわけだ。Cドライブにはウィルスは見つからなかったようだが,どうして,立ち上がらなくて,青画面になったりするのか。今,Dドライブでチェック・ディスクをしろと言ってきた。ハード的に問題があるようだ。

 U君の言うように,わがパソコンは成人病なのだろうか。



2004年05月25日(火) 原稿を書いたり

 昨日は,「専門演習」きっと最長ではなかっただろうか。午後3時50分から始めて,終わったのは8時頃になっていた。お疲れさん,といったところ,何せ,1つの章を終わらないかぎり,ゼミも終わらない,という方針なので,仕方ない。間に一度休憩を入れたが,学生諸君も疲れただろう。で,おなかもすいた。

 終了後,何人かと生協で食事をした。これは恒例。でも昨日は皆空腹で,少しは人数が多かった。というより,先週より多かった。先週は少なかったので,Y君が言うように,「先生を独り占めできるから得」だったようだが,今週はどうだったろう。進路問題なども話題になった。どうやら,進路問題について,そろそろ考え始めたようだ。こういう食事をしながらのほうが,進路問題などの相談に乗りやすい。ゼミの時間に進路問題など話すことはほとんど出来ない。例年,12月の「就職対策補講」のときには,そういう話が出来るが,それ以外では,やはり,こういう食事の時間が一番良い。率直に相談に乗れる。

 昨日,ようやく25日締め切りの原稿(各社決算発表関連)を,一日早いが出しておいた。28日に掲載されると言うが,字数制限もあり,舌足らずだったとは思う。短い場合,少し言いすぎでも,言い切ってしまう方が,すっきりと話の筋が通るので,そうする。1000字程度では,実証など望むべくもない。言いっぱなしになる。それでも,実証を旨とする私としては,書くときにはデータにはあたる。ただ原稿ではデータをつけないだけだ。

 それと,やはり本当は留保条項をつけたいところだが,そうするとくどいし,そのためにまた字数が増えるので,思い切って言い切ってしまう。これも仕方ないだろう。いずれそのことなどは,掲載後に話したいと思う。



2004年05月22日(土) またまた

 またまた,パソコン不調。昨日ゼミのU君に診断してもらった。ルーターを入れることにもしたが,生協に在庫がない。パソコンがU君曰く,パソコンが成人病にかかっているそうです。で,人工透析をしてきれいにしようと言うわけです。でも,在庫がなかったので,来週に持ち越しとなりました。

 今日はメールを開けると30通ほどありました。なんということでしょう。で,そのうちのかなりがウィルス。Netsky-Qが多いようです。ひどいことに教授会のML名でたくさんのウィルス付きのメールが来ることです。どうやら学内にウィルスが蔓延しているのでしょうか。その名を騙っているのでしょうか。一応バリアがかかっているから安心ですが。

 とにかくパソコンに振り回されるのはいやですね。



2004年05月21日(金) 昨日今日

 昨日は,大阪オフィス(アカデメイア@大阪)での社会人大学院講義を終えて,大阪駅から新快速に乗ろうとホームに上がったら,人で満員。芦屋の駅で専攻電車の故障でダイヤが混乱していた。遅れて着いた電車は満員で,立ちっぱなしで京都へ戻った。山陰線も少し遅れた。ま,本を読んでいたから良いか,というところ。

 去年もそういうことがあったが,新快速のホームに上がって,電車を待っているときに,向かいのホームから快速電車が発着しているのを見て,しまった,あれに乗った方がよかったと思ったのは後の祭り。そうとわかっていたら,快速電車に乗るのに。こんなことでも,ついつい,悔やんでしまう。人間が出来てない。

 今朝のテレビで名古屋商法を放送していた。お徳用を売りに元気の良い名古屋企業。今や大阪を追い越している。大阪が,住友銀行のように東京に出ていってしまったりしているのとは対照的に,名古屋を基盤に頑張る企業が多いようだ。トヨタ自動車がその筆頭だ。大阪が元気を失っていることは,関西人としては残念だ。

 確かに,松下,シャープ,三洋などの電機メーカーがここへ来て良くなってきている。もちろん,京セラ,村田製作所,ローム,日本電産などの電子部品の京都メーカーも良い。確かに繊維は悪い。京都でも大阪でもこれは同じ。何か発想の転換が必要なのだろう。少し考えてみたい。



2004年05月19日(水) UFJの経営者交替

 下記記事に見るように,昨日今日の記事で気になるのは,UFJの赤字計上,トップ交替だ。要は,金融庁に言われて,赤字を計上せざるを得なくなったわけだ。銀行出身のM先生と話して,確信を持ったのだが,これは要は不良債権の大本である事業法人の存続可能性に関する判断の相違,金融庁は破綻寸前と考え,銀行は存続可能だし存続させるべきだと考えた,ということだ。

 しかも,その結果「経営改善計画」に反しているから,いわゆる3割ルール,予定利益の3割を下回ったから,経営者交替となったわけだ。これって何だろう。要は,見解の相違。しかも当局=官が,銀行=民の判断に介入したわけだ。これのどこが「自由化」「規制緩和」なのか。相変わらず,官は固くグリップを握りしめている。かつての行政指導とどこが違うのか。

 以前から,私が言っているように,官主導の,それもお節介だ。銀行経営者に問題なしとは言わない。だが,だからといって官が仕切るのはよいことなのか。「規制緩和」だ「民営化」だと声高に主張する,政治家やマスコミもこの問題には,いっさい何も言わない。むしろ拍手喝采。官が民を「指導」するのは,そんなに喜ばしいことなのか?

 「自己決定」(したくても)できない経営者に,「良い経営」を期待することはできまい。

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3トップ交代 UFJ最終赤字3000億円超

 UFJホールディングス(HD)は十九日までに、平成十六年三月期の連結最終損益を三千億−四千億円の赤字に下方修正する方向で最終調整に入った。金融庁の指摘を受け、不良債権の処理損失が最終的に一兆二千億円程度まで膨らむ見通しとなったため。三期連続の赤字決算が確実となり、HDの杉原武社長、UFJ銀行の寺西正司頭取、UFJ信託銀行の土居安邦社長の三人が引責辞任する方針を固めた。



2004年05月18日(火) 専門演習

 月曜日は,ここのところ,毎年5限目が「専門演習」となっている。ファイナンス・情報・インスティテュートでは,一斉にこの時間を「専門演習」の時間にあてている。それというのも,午後3時50分から始めて,あとは何時まで延びても良いように,他の科目とバッティングしないように,この時間を演習の時間にしているわけだ。

 で,昨日は終わったのは,午後7時30分を過ぎていた。午後8時だったっけ。とにかく,1つの章が終わるまで,続けるわけだ。で,終了後,ゼミ生何人かと生協へ行って食事をする。昨日はゼミ長+Y君だった。昨日は少なくて寂しかったが,Y君曰く,先生を独り占めして質問できるから得をした気分だという。また,Y君の言うように,ゼミの時間には話せない,内輪話だとか裏話,それに,個別にどのように勉強したらよいのかの話など,結構貴重な話をしているようだ。話している方は,夢中で話しているから,学生諸君がそのように受け止めてくれることは,それはそれで,有り難いことだし,時間をとる意味もある。

 もちろん,私もそう言う効果を期待して時間を割いているわけで,また,直接学生諸君のストレートな意見が聞けるのがよい。うわさ話のような所にも,結構,いろんな参考になる事柄がある。会社で,アフター5が盛んなのも,そういうインフォーマルな話し合いの中に結構重要なファクターがあるからだ。



2004年05月16日(日) 昨日京都駅で

 昨夜も仕事で遅く帰り,例によって午後10時38分京都駅発,嵯峨野線の電車で帰ろうとしたら,京都駅で上り線で人身事故があり,発車を見合わせているという。結局,9分遅れで発車したが,いったい何だったのだろうと思っていたら,ニュースで以下のことを知った。

 嵯峨野線での事故ではないが,発車を見合わせたようだ。事故の起こった時刻の頃には,発車前の嵯峨野線電車に乗って待っていたのだから,野洲行き電車入線時の事故を目撃できる状況だったかも知れない。知らぬが仏。何だろうな,と思っていた次第。

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ホームから転落、女性重傷 JR京都駅 6400人に影響

 15日午後10時35分ごろ、京都市下京区のJR京都駅で、滋賀県甲南町の女性(21)がホームから線路に転落、入駅してきた野洲行き快速電車の車輪に足を挟まれ、重傷を負った。救出のため電車は約1時間停車、後続の上下計18本が遅れ、乗客約6400人に影響が出た。
 七条署によると、女性は「気分が悪くなってふらふらとした」と話しているという。(京都新聞)



2004年05月14日(金) 水曜日,木曜日

 ここのところ,水曜日と木曜日に仕事が集中している。水曜日は午前中,インス関連会議,今週は執行部会議だった。これがしばしば1時頃までとなる。それから弁当を食べて,また,食べながら次の時間の「経営財務論」のレジュメの見直しなどをしながら最後の講義準備をすることになる。

 で,14時10分から1時間半の講義となる。今週の場合,前回のし残し部分があったので,かなり飛ばした。じつのところ,飛ばしすぎて最後はゆっくりと話すことになった。それなら,前半あんなに飛ばさずに,じっくり説明すべきだったなどと反省した。講義を聴いていた学生諸君がそれに気付いたかどうか。

 講義終了後なにやかやしているうちに,4回生ゼミ生諸君が来室。それでパソコン関連の話となった。実は,金融庁のHPにある「EDINET」でうまく情報が取れない,と話していたので,これへの対処の話というか実験となった。情報学科のU君ら試行でわかったことは,JAVA関連で,大学のネットワークからはうまく動かないことだ。情報システム課にお願いして対処してもらわないと(できるのかどうかはわからないが),学内からは見られないと言うことがわかった。

 「EDINET」は有価証券報告書の電子閲覧装置なので,これが見られないと言うことは大学として問題だろう。

 その後,学生諸君と生協で食事をしながら,話の続きとなった。で,そのあと,私としては恒例となっている,「経営財務論」講義のQ&Aの作成に取りかかった。全部を終了させることはできなかったが,見通しは立てられた。

 木曜日は,午前中そのQ&Aを完成させて,「経営財務論」の来週のレジュメを完成させ,印刷を依頼できるところまでこぎ着けた。ぎりぎり仕上げて,急ぎ弁当を食べて,12時30分からの「卒業研究」に臨んだ。スティグリッツ「人間が幸福になる経済とは何か」の輪読をしている。90年代なぜアメリカの景気は良くなったのか,というのが論点となった。

 終了後,出版社サイテックのKさんに,寄贈本送付のための打ち合わせをした。そして忙しいことに夜の大阪オフィス(アカデメイア@大阪ともいう)での,社会人大学院「経営財務」のために,大阪へ向かわねばならない。で,夜はその講義を済ませ,21時45分大阪発の「新快速」で京都の自宅へ帰るのが通例。流石に疲れた。特に,蒸し暑いので余計に疲れるわけだ。節酒のこのごろだが,こういうときは一杯やりたくなる。で帰宅後軽く一杯飲んだ次第。



2004年05月13日(木) 基本に忠実

 いつもよく言うが,やはり基本に忠実な人が最後には勝つと思う。最近の大学改革の話でも,奇をてらうというか,「受け」を狙って新しいことをしたがる。一体それが社会に有用なのか。今日も,経済学部のO先生とバスで一緒になって話したことだ。

 最近義務教育で「ゆとり教育」が批判され,「百マス計算」が取り上げられていた。要するに,読み・書き・計算を徹底的に鍛えるという教育法だ。まさに基本に忠実。そうして鍛えられた子がその後も成長しているという。そうだろう。

 大学でも同じだ。とりわけ学部教育は基本,基礎が大事だ。リベラル・アーツという考え方もある。我々がコア科目などと位置づけているのは,そういう基本が大事だと言うことを学生諸君に訴えているわけだ。でも,法人としては,どうしても「人気取り」が先行しがちだ。

 基本に忠実,これこそが教育の生命だと思うが。



2004年05月11日(火) データ

 この大学にはデータがたくさんある。問題はそれが使い切れていないことだと思う。教員の研究でも学生・院生諸君の学習研究でも十分活用されていない。もったいない。確かにデータにおぼれてはならないけれど,データに裏付けられた話をすべきだと,私は思っている。

 で,データをあれこれといじくっている次第。もちろん,時間が十分とれないので,,合間を見つけては作業をすると言う具合で,進まない。でも,そういうデータと格闘していると,それなりに楽しい。そういう境地には入れれば,学生・院生諸君などしめたものだと思う。そこへ行くには少し時間を必要とするかもしれない。でも,この大学の豊富なデータを活用してほしいと思う。



2004年05月07日(金) 1回生社会見学

 昨日はファイナンス・情報・インスティテュート1回生の社会見学として,大阪造幣局への見学とセミナーを行った。午前9時BKC集合,バスで大阪という行程だった。9時集合は少しつらいが,ま,さほどでもない。今年は連休明け直後と言うこともあり,また事務担当者の人事異動もあって,事務局との事前打ち合わせがやや不十分で少し,いろんなところで,手間取った。出欠をとるのもやや混乱気味であった。

 問題は造幣局見学後の昼食弁当である。当初,造幣局の外の庭で食事していたのだが,そこはダメだと急に言われて,あわててバスに乗り込み,車中で弁当を食べた。弁当の内容はよかったのだが,造幣局の職員に怒られる始末。旧大蔵省直轄の組織だけあってうるさい。いまでは独立行政法人となっているのだが,体質は変わらないようだ。確かに貨幣を造っているところだから厳格さは必要なのだろうが,見学者へのサービスももう少し充実させても良いのではないかと思う。

 午後北浜近くの「エルおおさか」で,セミナー。魚住アナウンサーとの掛け合い,いちのせかつみさんの話,須原さんの話,それぞれに聞かせる工夫をされていた。でも,昼食の場所など,課題は残った。来年の企画について,須原さんとも帰途話し合った。

 16時終了,歩いて,淀屋橋の大阪オフィスへ行き,18時からの大学院「経営財務」の講義に備えた。そして21時15分まで講義,その後若干の質疑を受け,帰宅したのは22時半を過ぎていた。猛烈サラリーマンの「セブン・イレブン」(午前7時出社,午後11時帰宅)と言うほどのことはないが,少し疲れた。



2004年05月04日(火) 憲法改正論議

 昨日は,憲法記念日と言うことで,憲法論議が盛んだったようだ。テレビでそのうちの一つが目に留まった。で,改憲派は現実重視,護憲派は平和憲法の理想主義・先進性を言うのみで,意見がかみ合わない。果たして理想か現実かなのだろうかという疑問を懐いた。どちらも現実を見ていないとしか言いようがない。理想派はそれでよいとしても,北朝鮮が危ないとか言うけれど,現実派がこれまでどうして日本が侵略されなかったのかという点について,何も触れていない。おかしな話だ。

 米軍が日本に駐留しているという現実を両者が触れずに議論していたのは滑稽だ。日本が「非武装」でいられるとしたら,それは米軍の圧倒的な戦力に守られていたからだとも言える。もちろん米国が本気で日本を守るかどうかは別問題で,存在そのものが防衛に役立ったとも言える。その後は,おまけに自衛隊もある。

 問題は9条を改正して,自衛隊の現実を追認したとして,次に米軍駐留の是非が問題になるだろう。自力で防衛するということになったら,米軍駐留の根拠がなくなるはずだ。ここを論じないで9条が自主憲法でない云々を議論するのは,いわば片手落ちだ。護憲派が9条が歯止めになっていたというのは,ある程度事実だが,反面自衛隊の活動に歯止めがかかったのは事実としても,駐留米軍に対しては何の歯止めでもなかったのだから,総体として論じないと余り意味はなさそうだ。

 改憲派・護憲派ともに,日本政府の自主性を言う。それは当然だ。けれどもそこに信頼を置けないから,議論が上滑りする。ひいては日本国民が真剣に考えることだろう。少なくとも,日本の支配層がまじめにこれを考えないといけないのだが,議員の意見を聞いていても,軽いのだ。そこが気になった。


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