singersong professor KMの日記

2002年03月29日(金) 今日は新ゼミ生補講

 今日は新ゼミ生補講で,ここ数日その準備で忙しい。何をするかも頭を悩ます所だ。ここの所,忙しくて集中的に時間がとれない。2時から始まるというのに,まだ,あれこれ考えているところだ。

 そんなこと考える前に体を動かせ。その通りでした。書きかけですが,早速のこされた準備を始めます。で。ここで中断します。



2002年03月26日(火) 今年の春休み

 今年の春休みほど忙しい春休みはない。一つは,プロジェクト研究のための作業に結構時間をとられた。合宿,印刷,発送,いずれも時間がかかった。

 もう一つ,この際パソコンを購入したことに伴い,そのシステム安定化と部屋の片づけ。これも時間がかかった。これにつきあってくれた大学院の西山君には申し訳ないが。

 そのために,やる必要のあった大学院「経営財務」のレジュメ作成が遅れ遅れ,それに精神的にも追われた。これは実はまだ完全には完成していない。

 それに,実は5月20日締切の原稿がある。こちらの方は全く進行がストップしている。頭の片隅に常にこれがあって,それにも関わらず,上記の仕事をしているわけで,これが精神的には苦痛である。

 そうこうしているうちに,9月締切の原稿依頼が舞い込んで,これはこれで大変。というのも「金融市場分析実習」用テキストを,これも夏休み明けには原稿完成にこぎ着けるという約束になっているからである。

 わが家の方も4月から改築するということで,こちらも落ち着かない。そんなこんなが重なって,精神的に大変苦しい。

 それに,やめればよいのに,おつきあいがよい(だらしなさの証明?)。何度も書いたように,次から次へと「おつきあい」。そうこうしているうちに,明日27日に急遽葬式に行かなければならない。これは不幸だから,一度きりだから,行っておく必要がある。これなどは,1回きりだからたいしたことはない。そういう精神構造だから,今も,会議を一つ完璧に忘れていた。もう今頃は会議は終わった頃だろう。ごめんなさいというしかない。

 要は自分の要領の悪さ,能力の低さのしからしむるところだ。そう思うとき,時に自己嫌悪に陥るのだ。

 これから4月にはいると,一挙に忙しくなる。「かんにんしてー」と言いたくなるわけだ。仕事を楽しむ境地になりたいものだ。



2002年03月24日(日) 卒業式関連で飲み会ばかり

 一昨日の卒業式と経営学部卒業パーティで,ゼミの諸君と写真を撮っただけではなく,今年度「有力」卒業生,田嶋君(環境インス,以前私のパソコンをみてもらった),ご存じ学生ベンチャーの淵君,「基礎演習」クラスの服部君らとパーティで酌み交わせて良かった。

 パーティ終了後,話しておいた「新六三」へ大学院の西山君と行ったが,ゼミの諸君は残念ながら来なかった。ま,西山君とゆっくり話せたので,これはこれで良かったか。

 昨日は,私の出身サークルでもある会計学研究会OB会幹事会・新OB歓迎会でした。少し幹事の出席率が低かったので,新会長のM氏の焦りが感じられた。無理もない。かなり求心力のあったN前々会長が宮津へ転勤されて欠席の上,S前会長も欠席ということで,心細かったろう。

 でも,若手が多少元気になってきたと思う。F君を中心に,T君も頑張ってくれている。次世代が見えてきているだけ,心強かった。T君も卒業後十数年と,いよいよ脂がのってきていると感じました。懇親会半ばで,出席幹事すべてが新OBに言葉を贈った。

 これまでにない内容の濃い話が多かったように思う。新OB,さらには出席の現役幹部には,大変役に立つ話ではなかったか。さすがに会計研OB会という重厚なものであった。

 2次会は「新都ホテル」地下ラウンジ「ラグーン」であった。結構,あちこちで話が盛り上がっていたと思う。で,「問題」は3次会に流れなかったことで,恒例のメンバーが帰りがけ「行方不明」(?)というか散り散りになったからだ。最後私はF君とタクシーで帰ったが,「新六三」あたりへ行くことも考えたが,なにせ,その前日も大学院生と「新六三」へ行っていたし,その前々日も「琵琶湖ホテル」のラウンジでかなり飲んでしまった(だらしなさの証明2)ということもあって,「踏みとどまった」。F君には申し訳なかったが。

 ここでも書いたと思うが,26日,28日と,まだまだ「懇親会」が続く予定でもあり,少しセーブしたというところです。家へ帰ってからビールを飲む「余力」がありました。風呂も入ったし,これくらい「余力」を残しておくと,今朝も快調で,昨日の残りのカレーライスを食べた次第。

 「サンデープロジェクト」で「疑惑の照合商社」ならぬ「疑惑の百円ショップ」辻元議員の話を聞いて,これと鈴木宗男議員と同列に論ずることはできないと感じた。およそ国益をないがしろに私益を追求した鈴木宗男議員の行為はとても許せない。やはり言われるように,たかだか「百円ショップ」の類だというのが実感で,カワイイもんだと思った。



2002年03月21日(木) インス卒業パーティを終えて

 昨日はインス卒業パーティであった。橋本君の名司会で盛り上がった。ご苦労様でした。

 2次会西武プリンスホテル・ラウンジからの夜景は抜群だった。夜景を眺めていたのは最初だけ。あとは,カクテルのオンパレードとなった。ご存じの通りの酒好きぶりを発揮して,ジンベースのカクテルを全部「制覇」(?)した。

 で,壊れてしまったようだ。でも,とにかく盛り上がった,旧基礎演習クラスの人たちも混じって,大盛りあがりであった。

 で,土橋さんがこの日記の隠れファンであることを知った。ここでこう書いてしまったら,少しも「隠れ」ではなくなるが。ごめんなさい実名を出して。ま,これも壊れてしまって言っているとご理解ください。

 そこで,「だらしなさの証明」の話が出ましたが,その第2弾を実際に演じてしまいました。つまり,飲み過ぎて,止まらないという「だらしなさ」です。

 後半,哲平君,生子君と話していて,結構真面目な話をしていながら,何を話していたのかな,という感じです。言ってもらえば,そうそうと思い出すのですが,なにせ,飲んでいたので,今は思い出せません。これも「だらしなさの証明」になってしまいます。慚愧,慚愧。




2002年03月20日(水) 片づけ

 昨日など,一昨日にコピー機は入ったものの,研究室は大混乱。そこで,片づけをということで,古いパソコンの廃棄と,廃棄寸前パソコン(初期FMV)の移動。そして,玉突き式にパソコンの移動を行うなど,大変でした。FMVなど引き取り手があればよいのですが,相当古い。ネット端末として使うことができればそれで良いというような人に引き取ってもらえば幸いと言うところです。

 で,その他の部屋の片づけも大変でした。それでもまだ片づいていません。書類の整理が必要です。雑誌の廃棄などもこれからです。その間にも,プロフェッショナル・スクールに衣替えする4月からの大学院講義(「経営財務」)の準備もしなければなりません。

 追悼号や記念号で,他大学の論集に,依頼された論文受注残2本も片づけなければなりません。それに,「金融市場分析実習」用テキストの執筆も,これからです。これから,ファイナンス・インスティテュート運営委員長の「片手間に」これらの仕事を片づける必要があります。

 今日は,これからインスティテュート関連会議,そして,夜にはインスティテュート第1期生の卒業パーティです。これを成功させたいと思っています。こちらはゼミの橋本君が頑張ってくれています。

 そうこうするうちに,4月です。新入生が入ってきますね。今年は桜が早いので,入学式は落花盛ん,あるいは散り果て,の時期になりそうです。ホント,あっという間に時間が経ちます。

 忙しいくらいがちょうど良いくらいだと,自分に言い聞かせて,今日も頑張ろう。そして,楽しもう。



2002年03月19日(火) 開花も間近

 ここ滋賀県でも開花も間近のように感じます。今朝,理工学部の松田先生がバスを降りたところで桜の木を見ておられたので,一緒に見ましたら,蕾がかなり膨らんできていました。

 卒業式も間近で,昨日など今年卒業の学生ベンチャー「ネットバード」の淵君と長話をしました。優秀な学生と話していて楽しいのは,一を聞いて十を知る,無駄な説明がいらないと言うことです。会話がぽんぽんとはずむ。こちらも頑張らねばと思わせてくれることです。

 昨日わが研究室にコピー機が入りました。ちょうど居合わせた淵君に手伝ってもらって,梱包を解いて作動確認をしました。これで,高速プリンタ,コピー機,新パソコンと機器は充実しました。あとは部屋の片づけです。ここの所片づけに追われていますが,ご存じの通り,少しも片づきません。部屋の前は,捨てるゴミの山です。それでも片づいた感じがしません。

 前回日記の,だらしなさの証明,ですね。そんなこと「自慢」している場合か,といわれそうです。お叱りはごもっとも,鋭意片づけを進めます。これだけ新規に機器が入ってきたのですから,また部屋が狭くなりました。本は増える,機器は増える,あとは勉強だけですね。

 昨日も紹介したウェブ・ページにもありますし,その他のウェブ・ページにもあるのですが,丹羽春喜,「小泉構造改革」で 日本は破局を迎える,「正論」平成13年9月号掲載(http://homepage2.nifty.com/niwaharuki/seiron9.htm),さらには,少し古いですが,同じ丹羽氏も加わった日本経済再生政策提言フォーラム,総選挙を間近にひかえ、諸政党に強く要望する,平成12年4月13日(http://www.osaka-gu.ac.jp/php/haruniwa/teigen.html)もお薦めです。

 どうしてこうも政治家や官僚,マスコミ,「主流派」経済学者・エコノミストは頭が固いのでしょう。国民生活や国益よりむしろ,自分たちのメンツばかりを考えているように思います。



2002年03月15日(金) だらしなさの証明

 自分はだらしない人間だなーと,自己嫌悪に陥ることがたびたびである。ま,私とつきあったことのある人なら誰でも知っているかもしれない。一見几帳面そうに見えるようだが,実際はそうではない。

 まず,酒好きである。際限なく,我を忘れて飲んでしまう。午前様になって,わが奥様に文句を言われること一再ならず。これはだらしなさの証拠の第一である。

 第二。個人研究室に来たことのある人は誰でも知っていることであるが,散らかり放題である。誰でもあきれて帰っていく。だらしない証拠の第二である。

 ま,あげだしたらきりがない。ここの所,よく飲む。3月は授業がないので,ついつい度を超してしまう。あれこれしなければならないことはいっぱいあるのに。

 9日の土曜日は京都会計研終了後,今度就職が決まった京都大学の大学院生のお祝いで,ついつい,飲んだ。

 13日,APU(立命館アジア太平洋大学)にいる,私の教えた牧田君(もう立派な先生です)と京都駅で飲んだ。私より立派になった門下生は頼もしくもあり,しかし,同業者としては競争相手でもあるわけで,複雑な心境である。こんなだらしない私のもとで育ったと言うより,親はなくても子は育つの類だろう。

 ただ,私はあちこちの研究会に連れていった。そこで偉い先生に教えてもらえるような機会を提供した。じつはこれは私の恩師である,河合信雄先生の教育手法でもある。それを見習っただけである。

 ま,私のだらしなさの証拠を,気付いたらまた書きたいと思う。



2002年03月12日(火) T君合格,パソコン立ち上げ

 今日は4回生の卒業合否発表だった。T君とJRで出会った。それで,今日が合否発表日だったことを思い出した。で,T君が合格ときき,これで,4回生卒業研究登録者みんな卒業できたということになる。

 で,M君,T君連れだって研究室へ合格報告に来てもくれた。「結果オーライだね」ということになった。会社での成績は大学の成績と必ずしも連動しないものだ。愛嬌のあるT君のこと,必ずや,先輩諸氏にかわいがられるのではないかと思う。

 夜,卒業パーティ実行委員の橋本君も来室してくれた。生協で食べながら話した。卒業パーティでみんなに披露する写真がないという。そういうと,ファイナンス・インスティテュートはあまり写真好きがいなかったのか。わがゼミでも写真を撮った記憶がない。それは,女性がいないからではないかというのが,橋本君の意見。そうかもしれない。もし写真をお持ちの人は橋本君に伝えてほしいものだ。

 昨日今日と,パソコンの立ち上げにかかりきりである。といっても,大学院生の西山君に立ち上げてもらっている。いつも,出来合いのパソコンを買ってすませているので,こんなにも立ち上げが大変だとは知らなかった。いつも買うパソコンは出荷段階ですぐに立ち上がるようにできているから,大変でないのをはじめて知った。

 これらは,私のまわりにいる優秀な大学院生諸君のおかげで,はじめて可能なのである。感謝。



2002年03月11日(月) 証人喚問

 ついつい鈴木議員の証人喚問を最後まで見てしまった。予想通りの展開であった。この問題を通じて痛感したのは,日本における土建を中心とした利権構造の根深さである。

 鈴木という人間が土木の利権を仲介していたということははっきりしている。いらぬ高速道路ができたり橋ができたり,港ができたり,海を締め切ったり,などなど,利権から来ることは明々白々。

 最近「ゼネコン自壊」という本を読んでもいるところで,根の深さを思わずにいられない。大体が竹下政権の誕生に裏社会が関わっていて,バブル期に裏世界が表世界に深く関わるようになったこと,その際,土建が密接に関連していること,またそれに銀行などが資金提供をしたこと,こういうことが,その後の不良債権処理を遅らせたこと,こういうことを考えると,一鈴木議員の問題ではないことを知るべきだと思う。

 ましてや,自民党のプリンスとされた加藤紘一議員の疑惑も浮上してきて,腐食が構造的であることを思い知らされる。こりゃーもう駄目だという思いと同時に,世の中こういう事は洋の東西を問わずあちこちで起こることだ,というのも事実。

 要は,これら問題をどう処理するか,ということにつきる。世の中,どんなに厳しい規制を作っても抜け道を探す人間は出てくるもの。規制はしなければならないけれど,問題が発覚してから,どのように処理するかで,その社会の質が決まってくると思う。

 今回の場合でいえば,土建と利権の構造にメスを入れるべき時に来ているということを,そうしないと,日本の財政赤字問題解決への道がみえてこないし,またそうしないと健全な保守が育たないということを自覚すべきだと思う。今こそ,政界の自浄能力に期待したい。といいながら,無理だろうなと,思ってしまう。絶望しそうになる。

 バブル崩壊後も日本版ペコラ委員会(1930年代にアメリカで20年代の証券市場の熱狂の問題点を議会が徹底調査したのにならって)を作るべきだという意見が結構あったけれどもそれができなかったことなどからも,今回も無理だろうなと思わざるを得ないわけで,完全なクリーンはあり得ないとしても,そこそこクリーンでないと,政治への絶望が,全体主義をもたらすことが怖い。

 一体皆さんはどのように思われているのだろうか



2002年03月08日(金) データと情報

 年度末も押し詰まって,各種予算執行の締め切り日が近づいてきた。生協へ行くと,あちこちで予算執行のための買い物風景が見られた。当方とて例外ではない。

 大学院の飛田君,徳能君ともども,買い物に走った。まだ,月曜日にも買うべきものが残った。それは月曜日に回した。なにせ,生協店舗で「蛍の光」が聞こえてきて忙しい思いをした。休み中は,店舗の閉まるのが早い。リンクショップは5時閉店。せわしない話だ。

 どうも最近テレビを見ていると,鈴木宗男議員の横暴を伝えるものが多い。弱り目にたたり目,もう,これでもかこれでもかとばかりに,暴露話が出るわ出るわで,そんなの今になって何を言っているのという感じだ。そのくせ,氷山の一角などと報ずる。氷山の一角だとわかっているのなら,なぜ氷山を報道しないのか。

 最近のマスコミで足で稼いで集めた情報が少ないとよくいわれる。発表ネタを垂れ流しているだけだといわれる。これについては以前書いたことがある。マスコミのレベル低下がじつはそういう鈴木宗男問題にみられる,不正の跋扈をもたらしているのである。

 もし健全な報道が行われておれば,はじめから不正が跋扈するはずがない。政権交代がないから,という問題はあろうが,第三の権力としてのマスコミがだらしないから不正が跋扈することへの反省がほしい。

 足で稼ぐと書いたけれど,足だけではない。頭もない。よく昔から,データはデータでしかない。それが情報になるには,データをつなぎ合わせて情報にする頭が必要である。情報が過剰だといわれる。そうではなかろう。データがあるだけである。まだ情報にすらなっていない。これをつなぎ合わせるだけで情報になる。

 よく諜報活動,つまりスパイ活動というのが話題になる。華やかなスパイ活動が映画になったりする。しかし,本当の諜報活動の大半は地味な情報分析にあてられると言う。つまりデータを寄せ集めてこれを情報にまとめ上げるのである。

 会社の有価証券報告書でも,たとえば,ゼネコン準大手のフジタの投融資残高で,「わざ」という不可解な会社への投融資残高が,「わざ」の開発事業がストップした91年以降も一貫して増え続けている。とりわけ91年から94年の投融資残高の純増額と受取利息額がぴったり一致する。「わざ」に年間20億円もの利息を支払う能力があったとは思えない。これは,フジタが利息分を追い貸ししていた疑いが濃厚だということになる。

 投融資残高の増加,という単なるデータも,これを分析することよって,追い貸しだという情報に化けるわけである。もちろん受取利息としてこれが配当原資にすらなっているのである。商法でいう「蛸配当」以外の何ものでもない。この辺りのことについては,高橋篤史「ゼネコン自壊」東洋経済新報社,199-200頁に書かれている。

 こういうデータと情報の関係を知れば,いかにデータ分析が重要かが分かるはずだ。皆さんもデータを集めて,これを情報にしてほしいと思う。そのためには頭がいる。そういう能力こそが企業をはじめとする社会において意味のある能力である。



2002年03月06日(水) 長引く不良債権問題の本質

 今日の日経,マーケット総合面「大機小機」欄に,(パピ)「長引く不良債権問題の本質」というのがありました。

 「不良債権」というとらえ方は銀行からの視点である。世の中では,銀行は何をしている,金融庁はどうするつもりだ,という視点から議論され,何でも金融サイドの課題にされがちである。銀行が過去の後始末を早く終え,金融機能を回復することは重要・緊急であるが,そちらの側面だけの話なら,問題はこんなに長引いてはいない。
 不良債権を借り手の視点からみると,返したくても返せなくなった債務の重荷である。なぜ返せなくなったかはそれほど単純ではない。今やむしろ重要な課題は,借り手が国際競争力のある企業として復活し,借金を返せるだけの実力をつけることだ。そうでなければ不良債権処理は賽(さい)の河原となる。
 それこそ「構造改革」なのだ,という声が聞こえる。それはそうなのだが,「不良債権の最終処理を行うことにより,資源が成長分野に流れ」「2,3年内に解決する」(骨太の方針)は少し楽観的すぎないか。現在直面している問題の本質はもっと根深く,日本人の適正な「時価評価」が迫られているのだ。

 ここで言われていることは,私が以前から言っていたことでもあります。私は貸借対照表貸方の問題ではなく借方が問題だ,と言ってきました。まさにそのことを言っているのです。ようやくにしてこういう論調が増えつつあるのですが,この記事は「大機小機」という囲み記事でしかありません。まだその段階でしかない。というか一向に本質理解が進まない。苛立たしい限りです。

 小泉首相は,大恐慌期アメリカのフーバー大統領になぞらえる向きも,ようやくにして現れています。不況対策ではなく,不況をむしろ深刻化したのがフーバー大統領でした。

 この間,橋本首相が,緊縮財政と金融ビッグバンで失敗したのが1997年でしたから,同じ轍を踏む小泉首相の気が知れません。一度目は悲劇だが,二度目は喜劇だと誰かが言っていましたが,まさに,その通り,喜劇そのものです。鈴木宗男などという役者も現れたりして。



2002年03月04日(月) 何とも良い天気なのに

 何とも良い天気なのに,落ち着きません。週末にかけて,「連結財務分析プロジェクト」のアンケート発送で,田中君,西山君,徳能君,それにゼミの久保田君,正村君,基礎演習の田村君らの協力を得て,作業を行いました。それに費やしたマンパワーは結構なものでした。今日,郵便局から郵便物を取りに来て貰う算段ができました。今,郵便局待ちしているところです。

 実は,落ち着かない原因の一つに,この春から始まる「プロフェッショナル・スクール」,つまりは新型大学院のための,講義資料作り,シラバス作りを並行して進めているためです。

 どういう内容で教えるか,ということと,どの程度の学生が集まっているのか,という二つの要素を考えながら,資料作りを進める必要があるので,なおさら大変です。しかも,15回という回数で教える必要があるわけです。

 「経営財務」というのが,どういう科目なのかということも問題です。ミクロ経済学,マクロ経済学などといえば,内容はもう決まっています。「経営財務」とか「財務管理」という名の付いた教科書類をごらんになると分かると思うのですが,実に様々です。ファイナンスに端を発した「経営財務」と,会計や経営にその源をもつ「財務管理」では,かなり内容が違います。教育目的もかなり違うはずです。ところが,そこらあたりについて,深く突っ込んで書かれているとは思えません。

 その点を,大変よくわかって書かれている教科書に,村松司叙「財務管理入門」同文舘,というのがあります。そこで次のように書かれています。
 「現代のアメリカ財務論は,近代経済学のうち,新古典派経済学に基礎をおいたきわめてファッショナブルな学問として展開されているが,アメリカの大学における経営学部のカリキュラムをみると,保守的とも思われるほど伝統的な財務管理論に固執し,これをまず徹底的に学生に学ばせ,その基礎の上に立って,当世流行のファイナンス論に向かうようにしていることがわかる。」

 今まさに日本の企業経営も転機にさしかかっています。それだけに,「経営財務」も内容の吟味に時間がかかるし,ましてや,聴講生に興味ある内容としなければならないと思うと,なかなか大変なわけです。

 こういう作業と同時並行で進めるわけですから,頭のなかが分裂気味です。今朝も,新入生歓迎ファイナンス企画の内容についての電話やらなにやらで,こちらにも時間をとられます。

 何とも天気も良いのに,そんなこんなに追われています。それにしても,どうしてこんなに天気がよいの,と言いたくなる,陽春というに相応しい良い天気ですね。



2002年03月01日(金) あまりよい話が書けなくて

 ほんと,あまりよい話が書けなくて残念です。「日経ビジネス」3月4日号では,英エコノミスト誌記事が翻訳掲載されています。「ニッポンの悲哀」というのですが,これが哀しいことにうなずかされてしまいます。

 実は,昨日夜,例によって生協で軽くそばを食べたのですが,徳能君,正村君,それに1回生の田村君と一緒でした。そこで,話したことと全く同じ調子の記事でした。

 日本はこのまま「安楽死」(安楽ではないですね)というか,衰退に,ずるずると向かい,これが世界の波乱要因になる,ということが懸念されています。無策としか言いようのない,政府・議会の対応にはあきれてものが言えない,ということでしょうね。

 昨日は,在日米軍に全部お引き取り願って,その分自衛隊で肩代わりしたら,米軍に支払っている金(なんと日本政府は米軍に「駐留してもらっている」ので,7000億円も支払っているのです)を,日本人(自衛隊員)に支払った方が,はるにか「まし」だと,話しました。その代わり絶対に海外派兵などしないと宣言すべきですが。

 ま,自衛隊はともかく,何かきっかけがないと,日本経済の立ち直りが望めそうもない,というようなことを話しました。昨日も書き,そして話しましたように,「痛み」をこらえなさいと言って登場した政権に,みんなが賛成していたと思ったら,今度は,景気を何とかしろ,と言い出す始末。首尾一貫しませんね。私ははじめから「痛み」など堪えられるわけがないと言っていましたが。

 閑話休題。「今日の日記」などという項目を設けられると,これは,かなりのプレッシャーですね。中道君。


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