singersong professor KMの日記

2002年02月28日(木) プロジェクト研究作業

 昨日、今日とプロジェクト研究のための作業でおおわらわです。明日も続きそうです。

 大学院の徳能君、西山君、田中君らの協力を得て、作業しています。単純作業ですが、だからこそ、「しんどい」わけです。昨日などSCDRにたまたま居合わせた田村君らにも協力してもらいました。とにかく、そんな作業の連続で、ほかのこと何も手がつかないありさまです。

 ところで、今朝の日経では、不良債権処理に公的資金をいれて景気対策を講ずるという記事でいっぱいでした。で、それにサプライズがない、と酷評されていました。

 小泉内閣発足当初から、構造改革一辺倒の姿勢に懸念を示しつづけてきた私としては、今になって「景気対策」を考える政権のあり方に疑問を感じざるを得ません。

 そうすれば、こうなることはわかっていたのにといわざるを得ません。昨年来の「松村通信」やこういうコメントで、私が何を言っていたかを覚えていてもらっているのではないかと思います。そういう人たちには、私がこういうのは当然だと思ってもらえるでしょう。

 要は、貸借対照表貸方(金融経済)ではなく、借方(実物経済)こそが基本だということです。実物経済がよくならないことには、不良債権がいくらでもふくらみ、そこでまた、対策を講じるという悪循環に陥ります。今回の対策はその典型です。

 どうして、ドラスティックな経済政策を打ち出せないのでしょうね。



2002年02月26日(火) 合宿は無事終了

 前回日記に書きました,パソコン不具合は,電源を切り,バッテリーを外し,再度立ち上げると,セーフ・モードで立ち上がり,復元しますかと聞いてきましたので,「はい」「はい」とやると,立ち直りました。これで一安心。

 合宿研究会は無事終了。ついでに浜松在住の立命同期生にあってから帰りました。同君は従業員10人を使って税理士事務所をやっているのですが,やはり不況ではあるようです。けれども,浜松はホンダ,河合楽器の生まれた土地,それに,中京地区にも近いので,大阪や京都の程の不況ではなさそうです。

 それにしても,浜松駅前の再開発は大変見事なものでした。バブルの産物のようですが,ものすごく大がかりな再開発だったのだろうと思わせるものでした。土地が安かったからできたと言っていましたが,それにしても,大がかりな再開発だったと思います。京都駅の比じゃない。それにしては人通りが少ない。これも不況の影響かもしれませんが,50万都市ということもあるでしょう。

 それにしても,浜松と言うところ。のんびりしている所という印象を持ちました。暖かかったということもありますが,浜名湖周辺の気候のよい場所であるには違いありません。同志社の松本先生曰く,この辺りの人たちは寿命が長いのだろうな。確かにそんな気のするよいところでした。もちろん,鰻も美味しかったですが。 



2002年02月23日(土) えっ,パソコンが真っ暗!


 前にもお話ししましたように,明日は浜名湖で研究会です。立命館大学だけではなく,同志社大学や大阪経済大学のメンバーも参加しての研究会です。立命館大学のプロジェクト研究(連結財務分析プロジェクト)の一環ですが,さらに欲張って,このさい「金融市場分析実習1」の内容に関わった話も詰めようと言う予定になっています。

 で,実はノートパソコンをかの地へ持参して作業をすることにしていたものですから,昨日は大学から「金融市場分析実習1」のあのデータをMOでファイルに入れて持ち帰り,昨夜「朝までテレビ」を見ながら,そのデータをノートパソコンに入れて,準備万端整えておきました。

 それで,今朝はご丁寧にも,娘にさわらせないよう,申し伝えておいたのに,先ほど娘から研究室へ電話があって,画面が真っ暗で作動しないという。何と言うこと,覆水盆に戻らず。今日帰ってから調整しなければなりません。

 果たしてうまく行くかどうか。あれほど,娘にさわらせるなと言っておいたのに,一体わが家はどうなっているのでしょう。この顛末は,来週にお知らせします。



2002年02月22日(金) 雪印食品,再建を断念

 今日の日経で「雪印食品,再建を断念」という記事が一面に出ていました。これを読んで,日経ビジネス今週号(2月18日号)で,もう一つ印象に残った記事を思い出しました。

 それは雪印アクセスの湯淺社長へのインタビューです。当社はチルド・冷凍物流網で優良会社で,取引先メーカー4000社のうち雪印グループは3社だけという会社です。

 で,そのインタビューのタイトルが印象的で「雪印ブランドは「邪魔な存在」」というものです。そこで,「雪印乳業の再建への取り組みをどう見ているか」との問いに対して,「記者会見で「ブランドを守る」と言ってしまった。グループ会社の社長たちは,「(ブランドは)下ろさなければいけない」と言ってたんだ。私も雪印ブランドを捨てることが再建策の前提条件だと思っていた。消費者が不信感を抱いているのだから,未練はあっても下ろすしかない。」と言っていました。

 この事件は見事に経営とは何かが現れていて,私にはまことに興味深いのです。だから最近の松村通信41号でも触れたのです。そこでは会社が官僚化してしまっているという点に触れたのですが,何と言っても経営はトップである,ということを感じさせます。もう一つ過去の栄光によりかかるなと言うことです。成功体験は変化対応を遅らせます。これは今の日本全体に言えることではありますが。

 さらにもう一つ,3番目に,危機管理と言うことです。これは大学院の諸君に話したことですが,雪印食品本社に熊本の畜産家が抗議に押し寄せたとき,本社前で悶着が起こり,これが逐一報道されていたことです。銀行が取りつけ騒ぎになりそうなとき,マニュアルがあって,店頭で騒ぎがおきてそれが外に見えるのは拙い,かえって騒ぎを大きくする,だから,まずは預金を引き下ろしに押し寄せる人々を店内に誘導する。会議室であろうとどこであろうと,店内に誘導する,これがマニュアルです。これを知っていましたから,抗議に押し寄せた畜産家たちを,とりあえず社内に誘導し,それから策を講じるのが,あの場合良策だったと思います。

 危機管理マニュアル的にはその筈です。雪印が危機状況にあることを自覚しておれば,それができたはずではないかと思ったのです。牛乳の時から,危機管理が全然できていなかったことは間違いありません。だからこそ私も,「内向き」だと指摘したのでした。

 経営はトップである。成功体験に寄りかからず変化対応を機敏にする。それと,危機管理を行う(実はこれもトップの重要な仕事です)。この3つをつくづくと感じさせた事件でした。で,ついに「雪印食品」は完全消滅するわけです。



2002年02月21日(木) 乗り間違い

 今日は電車の乗り間違いをしました。乗り換えの京都駅2番ホームでぼんやりとしていて(というか本を読んでいて)「南草津」駅に止まらない,新快速に乗ってしまいました。で,車中も本を読んでいて,「南草津」の直前の駅「瀬田」に止まらないことに気付いて,初めて,新快速に間違って乗ったことに気付いた次第。

 もちろんどうってことはないわけで,一つ先の「草津」まで行って,再び普通に乗って戻ってくればよいわけです。で,少し重い荷物を持って陸橋を上り下りし,下り線ホームに回って,普通で「南草津」へついたわけです。

 間違ったのには理由があるわけでして,京都駅で普通は新快速の次にきますから,つい確かめもせず乗り込んでしまったのです。で,「草津」から折り返して「南草津」に着いたのは,むしろ本来乗る予定の「普通」が京都駅から来るより1分ばかり早いのです。ただし,「草津」での階段の上り下りがきついだけです。

 時間帯によっては,新快速で「草津」へ行って,普通で「南草津」へ戻った方が,かなり(少し?)早いことがあるようで,そういうことをしたことのある学生諸君の話を聞いたことがあります。

 実は,そのとき読んでいた本が「会計ビッグバン」という本で,昨年9月に会計研OB会で話ししたことを,少しふくらませて,論文を書こうと思い始めたところだったのです。

 ま,いろいろあります。今度の24日(日),25日(月)は「浜松」へ合宿(我々仲間の学習会)に行きます。忙しい人が多いものですから,無理矢理強制的に囲い込んで,時間をとらないと,仕事ができないからです。




2002年02月19日(火)

 久しぶりに寒くなりましたね。京都でも今朝雪が積もりました。BKCびわこくさつキャンパスでも雪が舞っています。そうかと思うと晴れ間も見える。変な天気。前にも書いたことがありますが,大阪市水道局の

http://www.city.osaka.jp/ame/kouu/kouu60.html

というサイトへ行って,ここ2,3時間先の天候を予測しています。西の方で雨が降っておれば,しばらく後に降り出すと考えるわけです。逆に西の方で雨が上がってくれば,もうしばらくで雨がやむと考えるわけです。重宝しています。で,今は滋賀県の一部や兵庫県中部や大阪府北部山間部で降っているのですが,これは雪でしょうね。

 昨日,入試の合否判定や修士論文審査のための教授会があったのですが,終わったのは9時半。7時間に及ぶ会議。こんなの滅多にありませんが,疲れました。こんなに長時間会議をするなど,愚の骨頂。

 会議の長い会社は業績の悪い会社と決まっていますが,立命館大学はどうでしょう。今,組合から頼まれて,立命の財政分析をしているのですが,これが超健全財政。借入金より,繰越資金の方が多いのですから,いつでも借金を返せる状態です。

 大学の財政はまさにキャッシュ・フローを中心に動いています。ふつうの会社の貸借対照表や損益計算書とおよそ違うのでとまどってしまいます。



2002年02月17日(日) 今週の日経ビジネスを読んで

 「日経ビジネス」今週号(2月18日号)に,京都企業の名物社長,日本電産の永守重信氏のインタビュー記事がでていました。
 「買収した会社に年報800万円のお茶くみの社員がいました。「今の賃金を維持したかったら,ラインに入って組み立てをしてくれ」と言いました。それでも500万円くらいの仕事なんですが,仕事がつらいと言って組合に駆け込んでいきました。会社のなかには自分が働くよりも多くのペイをもらっている人がたくさんいるんですよ。」(95頁)

 そうでしょうね。立命でもそういうところあるでしょうね。D大学など,もっともっとそうでしょうね。国立や公立の大学はさらにそれ以上かもしれません。そういえば,公務員ではそんなのざらかもしれません。

 合理主義者,永守氏は,他方で,「銀行株を手放すことはありますか」という質問に対し,こうも言っています。
 「ありません。創業以来,お世話になっていますからね。恩義を忘れたら日本人じゃないですよ。アナリストと論争にもなります。「この株を全部売り払ったらええじゃないか」と。僕は「この銀行がもし潰れたら,これは香典や」と言っています。」(96頁)
 見事なもんです。

 それと,今週号特集「日本経済カウントダウン」なかなか読み応えがありました。そこで興味深いところは次のような所でした(42頁)。
 「米国のある学者は----「コイズミは破局待望論者なのかとワシントンではいぶかり始めている」と言った」
 富士通総研理事長福井俊彦氏の次の言葉。
 「危機を高唱して人々の行動を硬直させてはならない。今は挑戦の時と,前向きにとらえるべきだ。企業は早く重荷を捨て,リングに上がって戦うべし。政府に期待することなかれ」。

 今日のテレビでサンデープロジェクトなども面白かったのですが,金融より実態だと言う声がようやく聞こえてきたけれど,まだまだ,金融オンリーの声も大きいのが気になりました。
 もう一つの特集。癌治療薬が厚生省の不作為で認可されず多くの日本人が死んでいる事実が報道されていました。この特集が一年前にも放送されたのを覚えていますが,そのときから,遅々として進まぬ,日本の医療現場に悲しくなりました。


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