うたのかけら

2002年03月31日(日) 初夏の陽気

初夏の陽気の銀座通り抜け紅枝垂咲く店先に立つ



2002年03月30日(土) 花散らし

 花散らし去り行く人の肩に落つ花びらひとつ闇に浮かんで



2002年03月29日(金) 年度末

 縁あればふたたび出逢うこともある信じてやまぬ年度末かな



2002年03月28日(木) 検査完了

完了の一言だけで今までの苦労が消える春の宵かな



2002年03月27日(水) 春の雨

春雨に散る花びらを眺めつつ後片づけする一日となる



2002年03月26日(火) お疲れモード

ドリンクを片手に今日も残業でため息ひとつつきたくもなる



2002年03月25日(月) 松林図屏風

群集のひとりとなりて松林に吹く風を聴きしばし佇む



2002年03月24日(日) 春雷

春雷の轟く中もひたすらに報告書書く仕事であれば



2002年03月23日(土) 花曇り

車窓より眺める桜うっすらと花曇り空染め上げており



2002年03月22日(金) 満開の桜

満開の桜を見上げ次年度をひそかに期して友と語らう



2002年03月21日(木) 春分の日

春分ということ忘れ終日報告書打つ一日となり



2002年03月20日(水) 追い込み

追い込みで弥生の刻は倍速で流れることを感じてやまず



2002年03月19日(火) 部下の背中

追い込みの修羅場を迎え部下たちの背中の広さふと感じて



2002年03月18日(月) 彼岸入り

彼岸入り蕾を抱く桜花日に日に数を増していきけり



2002年03月17日(日) 春の菓子

はんなりと春の陽射しを集めたる菓子を求めてしばし寛ぐ



2002年03月16日(土) ノーサイド

笛の音がひとつの時代終わり告げ新たな道を探し始める



2002年03月15日(金) 春一番

退職をいきなり部下が告げる中春一番は通り抜けてく



2002年03月14日(木) ホワイト・デー

マシュマロのような想いもあればこそ今日のこの日を少し気にする



2002年03月13日(水) 春の宵

春の宵ひたすら君と仕事して夢を見る暇ないことを知る



2002年03月12日(火) 春の光

限りある光に背伸びする花のいじらしさなど君は知らない



2002年03月11日(月) 懐かしい唄

懐かしい唄の調べとともにある徹夜の記憶今も鮮やか



2002年03月10日(日) 春眠

春眠のけだるき中に明日からの仕事のことを思い続ける



2002年03月09日(土) 仲間はずれ

世の中は割に合わないことばかり仲間はずれの部下は呟く



2002年03月08日(金) 星の降る音

流星の流れる空を想いつつ笙の調べに身を委ねたり



2002年03月07日(木) 春燈

春燈帰れぬ君のため息を映して曇る空を仰げば



2002年03月06日(水) 啓蟄

啓蟄や眠りのさめた部下ひとりエースのオレに任せろと言う



2002年03月05日(火) 遍路

腰鈴の音はんなりと遍路坂たしかな歩み告げて響けり



2002年03月04日(月) ひとかすみ

ひとかすみ遠くの峰にかかるときおだやかになる心見つめる



2002年03月03日(日) 桜餅

桜餅はんなりとして春の陽を集めて甘き香り残しぬ



2002年03月02日(土) バスケット

鮮やかにシュートを決めて振り返るはにかんだよな君の微笑み



2002年03月01日(金) 弥生

弥生はや仕事の山に挑みたる部下の横顔きりりと締まる


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