うたのかけら

2001年09月30日(日) 低気圧

けだるさに身をゆだねつつ ひたすらに雨通り過ぐ刻を待つ日は



2001年09月29日(土) 二條城音舞台

一夜ゆえ美しさ増す音舞台 新たな音の出逢い求めて



2001年09月28日(金) 秋刀魚

秋刀魚焼く香り漂う路地裏の赤提灯が恋しくなる頃



2001年09月27日(木) 秋の草花

草の花可憐に咲いて秋の陽の穏やかなるをいとおしむ午後



2001年09月26日(水) 『心守歌』

隠れ家でぼんやりしたいこの頃は 仕事の山は少しも減らず



2001年09月24日(月) みゆき恋う

みゆき恋う秋風吹けば街角でふいに聞こえる懐かしい声



2001年09月23日(日) 曼珠沙華

夏の日の名残集めて曼珠沙華 朱く燃え立つ都会の路地裏



2001年09月22日(土) 秋の空

伝え得ぬ想いもあれば淡々と心を癒す歌が流れる



2001年09月21日(金) 秋の雨

秋雨が紅葉連れて南下する観楓船も就航すれば



2001年09月20日(木) 大雪山冠雪

北国はすでに冬へと急ぎたる山もほんのり雪化粧して



2001年09月19日(水) また、台風接近

静けさに熱気を孕む嵐前 青松虫の輪唱続く



2001年09月18日(火) 明け方の地震

沈黙を守れば高い秋の波 心の中にも砕けて散って



2001年09月17日(月) ふたりのビック・ショー

響きあう歌声の中新しき歌の扉の開く音聞く



2001年09月16日(日) あのころ、歌は美しかった

永遠の平和を願い歌い継ぐ『長崎の鐘』胸に染み込む



2001年09月15日(土) 笙の音

笙の音が誘う先は高い空 仕事の憂さも溶けて消えてく



2001年09月14日(金) 深いまなざし

慎重に言葉を選ぶかの人のまなざし深く思いも深く



2001年09月13日(木) 『川の流れのように』

せせらぎが流れるごとく清らかにヴァイオリン鳴る喧騒の中



2001年09月12日(水) 向日葵の似合う人

向日葵の明るい花のそのままに微笑む顔は美しすぎて



2001年09月11日(火) {『風』

人生の半分過ぎて今もなお歌い継がれるあの唄を和す



2001年09月10日(月) 台風接近

雲流れ流れて雨を連れて来る嵐の近さ潮の香で知る



2001年09月09日(日) 残る蝉

蝉の声静まり返るその中を通り雨行く激しく強く



2001年09月08日(土) コスモス

高原を吹き渡る風運ぶよにコスモス揺れて 心も揺れて



2001年09月07日(金) カンナ

カンナ咲く夏の終わりを燃やすよに高く花の穂伸ばし伸ばして



2001年09月06日(木) おしろいばな

想い出はおしろいばなの色のよに紅白絞り取り混ぜてあり



2001年09月05日(水) 待宵草

月影の淡い光を集めてはほのかに染まる待宵草よ



2001年09月04日(火) 猫じゃらし

戯れる猫のその手を逃げるよに激しく揺れる猫じゃらしかな



2001年09月03日(月) 『ブリジット・ジョーンズの日記』

秋雨にガラスが光る帆のようにきららきらきらきらめく夜は



2001年09月02日(日) 夜空の雲

ひとすじの雲が夜空に流れては 摩天楼に今日も星なく



2001年09月01日(土) 風の盆

影を引きおわらが消える明け方に 重なる影は夢か現か


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