つまらない諍いごとの続きたる何もできない誰かのために
気骨ある上司が消えて遅滞する仕事の山に挑む部下たち
街路樹の色異なれば流れたる時の速さも異なるような
水面打つ雨激しさを増しており川の流れは見えないけれど
鮮やかにゴール駆け抜け旨い酒汲み交わす日を密かに誓う
フルートを楽しむ彼のまなざしの奥を貫くまっすぐなもの
ひたすらに単票を打つひとときも今となっては夢の跡かな
見上げれば満ちてくる月微笑んで門出を祝う秋の夕暮れ
瑠璃彩を流したような暮れ方の空を仰いで願うことなど
釉薬の下に秘めたる想いなど微かな紅が語りかけてる
落ち着いた光を浴びて曜変の艶やかなるをしばし見つめる
考えぬためにひたすら服洗う 水に流せぬこともあるけど
プラタナス色づく街の片隅でふと口ずさむ懐かしの唄
澪標辿れば舟は友の許 土産は元気満載となり
秋雨に降り込められて原稿を急いで綴る放課後もあり
ひたすらに君と打ち合う一刻もセピアに染まる記憶の中で
2001年10月15日(月) |
セイタカアワダチソウ |
川風を黄色に染めていく花が 厳しい冬を密かに告げる
秋の凪 きらめく果てに思い馳せ 来し方のこと 行く末のこと
秋うらら 澄み渡る空の向こう側 漣光る海が広がる
退官を便りで知れば年老いた恩師の背中懐かしくなる
また来たよ もぐら叩きに燃える秋 笑顔の下に怒り隠して
雨の中 桜紅葉の散る夜は心静かに本を紐解く
波飛沫激しくかかる崖の上 硝子の館きらりと光る
北国の過酷な自然克服し浪漫が消えた今の世の中
硬質な歌に秘めたる情熱を想えば遠い学び舎の秋
虫の音がひときわ高い杜の中 篝火燃えて夢幻に誘う
街の灯がぼちぼち灯るこの頃は暮れきる速さ 日々に増したり
ピラカンサ色づく度に想い出す 幼き頃の小さな夢よ
横浜の秋に似合いのジャズを聴き 更けゆく夜の贅沢を知る
雲間より差し込む月の色淡く 照らす世界の平和を祈る
恋うさぎ空を見上げて考える 今宵十五夜月はどこかな
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