くじら浜
 夢使い







眺める   2003年05月20日(火)

 夏が始まろうとする頃、海の見える小高い丘に登った。

 海を見下ろすその丘には一本の巨大なガジュマルの樹があり、いくつにも枝分かれをした幹には、上から垂れ下がった茎や枝が幾十にも重なり合い、その土台を造りあげている。
でこぼこだらけのその幹にはところどころに不気味な穴が開いていて、ムカデ(らしきもの)や名も無い生物たちの巣になっている。

 そういえばあの頃夢中になって遊んだこの樹。その核から真っ直ぐに伸びた、太くてそれでいてしなやかな枝には、何人の子供達が乗っても折れることなく、ただ静かに揺れるだけだった。

 樹は巨大でなければならない。
 幹は枝を支えなければならない。
 枝は子供達を守らなければならない。
 強くてそれでいてしなやかでなければならない。
 そして落ちた子には教えてあげなければならない。

 樹は相変わらずそこにあった。

 樹に登り、隠れ処にしていたその場所から海を眺めた。
海も相変わらずそこにあり、海もやはり強かった。
そして海も今でも子供たちに教えていた。







雨に打たれる   2003年05月15日(木)

顔を天に平行に持っていき
雨は垂直に顔を叩き
目は真っ直ぐに水滴を見つめ
上から下へ
下から上へ
果てることないイノチの繋がりを感じる






夢をみる   2003年05月13日(火)

夢はどこに繋がってるのかと考える
意識の奥底
宇宙の胎内
目の延長線上の微かなトンネル
記憶の中の確かな残像
交差するはずのない平行線がいつか交わるかもしれない





   2003年05月12日(月)

一日遅れだけど、
母の日おめでとう。







   2003年05月11日(日)

空をつきさす程に真っ直ぐ高く
透通るくらいに藍より青く
地中奥深く這う根っこのように





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