白日の独白
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2007年10月31日(水) |
何があった訳じゃない。 |
最初から感じていた事だけれど、やっぱり彼女とは一緒にいられないと想う。 噛み合わない会話に冷やりとさせられたり、視線を逸らし続けるのはもう疲れた。
想像以上に僕は彼等を侵食しているのかもしれない。 しかしそうでなければ僕の存在理由は無くなってしまう。 自分自身に恐怖したとしても逃げることなど出来ない。 言葉は毒にも薬にもなる。 後悔している暇などない。
僕は『死ぬような目に合う事』を殆んど考えた事がない。 それは『合うかも知れないし合わないかも知れない』事だからだ。 不安を生み出すのが自分なら不安に呑み込まれるのも自分。 考えても仕方がない事は考えないようにしている。 その代りに四六時中『死ぬ事』を考えている。 死は絶対的な存在で誰にでも確実に訪れる。 死ぬ事を考える事は僕に唯一安心感を与えてくれる。 何故人はそれを忌み嫌うのだろう。
僕にはある種の才能があると想う。 それを名付けるとすれば『オウム』や『カメレオン』あと『カリパク』とか。 まぁ言葉の響きだけで大体どういう能力かは察することが出来るだろう。 クダラナイしあまり褒められたものではないことは承知の上だ。 だとしても僕はそれで今までどうにかこうにか社会に適応することが出来た。 生きていく上では結構役に立つ能力だと想う。 でも先生はこの能力を「向かない」と言った。 その時は僕にこんな才能があるなんてよくわかってなかったから「へぇ」って想う程度だった。 でも今ならとてもよくわかる。 「向かない」のだ。 僕には決して。
僕、また此処にきちゃったよ。 君には他に行く所なんてないからね。 僕の話を誰かに聞いてほしかったんだ。 君は大して弱くないのに強がるのを止めてみたら。 僕だって一応馬鹿じゃない。 君は利口でもないけれど。 僕じゃ駄目だって事くらいわかってる。 君はどうして駄目なのかはわかっていない。 僕、また気休めに手首でも切るのかな。 君はそれが気休めにもならない事を知ってるね。 僕も時には助けて欲しい時があるんだ。 君のそれは自己憐憫に過ぎなね、残念ながら。 僕は大丈夫なんだって言って欲しいのはいけないのかな。 君を慰められるのは君しかいないと想うけれど。 僕、このままじゃ死ぬしかなくなっちゃう。 君は途中で投げ出すことなんて出来ないよ。 そうだろうか? だから此処に来たんだろう?
そして大人になってしまえば案外恵まれていた事を知るのだ。
王冠とラインストーンと金色にピカピカ光るライターケース。 ケースの中には職場のネーム入りのライターが入っていた。 「返します」とメールしたら「君によく似合うからあげるよ」と返された。 困るんだよな・・・・酔っ払った僕がマルメンのライターと勝手に交換させたんだろうけど。 使い難くて重たい。だけどいつでも返せるように鞄には入れいている。 僕は一体何を考えているんだろう。 打算的な期待と恐怖心による拒否反応。 凄く凄く馬鹿みたいだ。
人生最悪な記憶探しも好い加減厭きてきた。 案外『最悪』ってないようである。 どれも過去の遺物に過ぎない。喉元過ぎればってヤツね。 僕は合理主義者だしそれに健忘能力にも長けている。 青い顔した振りしたってやっぱり健康なの。ナイス。 でももう2度と戻りたくないっていうなら14歳前後。 両手に包帯を巻いて寝たり「その顔どうしたの?」と聞かれた頃。 見ず知らずの人だけでなく毎日会う友達にも聞かれるのはキツイ。 何て言えばいいんだよ。薄笑いする以外どうしようもない。 今だって何も言えない。
シビアな十代の影響力は絶大で、僕は逃げられないのです。
人生最悪な記憶ってやつの発掘作業が現在行われています。 所々から、もう見慣れたガラクタが顔を覗かせます。 誰かがガラクタを苦虫を潰したような眼で見てくれればと少しだけ想います。 汚染された土を誰かに投付けて、それで殴られるのも楽しいかもしれない。 勿論そんなことはしません。 僕は掘り出したガラクタを少し眺めて、それでまた穴に戻していきます。 全く持って不毛な作業です。 けれども今はやらずにはいられないのです。
一言でも多く喋ればそれだけ死にたくなるなんてわかっているのに!!
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