白日の独白
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他人は僕に『愚痴』をこぼすけれど、僕には解らない。 何故無関係の人間に聞かせる必要があるのかが。 僕は母に「何故か」と訊いていて、ふと思い当る。 僕のしていることもまた彼等と同じだということ。 全能な母を持つ僕には、他人は役立たずとしか見えていないだけ。 『柵』とは無縁と決め込んでいる僕には、その息苦しさが解らないのは確かだけれど。
周囲では『癒し系』と評判の彼は、実は占い師に転職希望だそうで、早速占われた。 彼曰く。僕は『直感』の人らしい。色々と人付き合いの仕方を指南された。 暫く聞いていると、『いかに自分は人を上手に扱えているか』という話だった。 ウンザリしたので「次は壺でも売って下さい」と言ったら「ほら、信じてない」と。
可笑しな人だった。何か『ほら』だか。
中学生の僕は何もかも持余していた。 いや、持余すことも出来ずに、寧ろ無いものとしていた。 それが僕の生きていく上で、安定を齎す優れた対処法であった。 時折、乖離した心と身体・空想と現実に気付いて動揺することはあったが・・・・。
中学生を目の前にすると、知らず知らずに中学生の僕と比較している。 中学生は中学生の僕じゃないし、僕はもう中学生じゃない。 中学生の僕はそろそろ卒業して、中学生の現実を見なければいけないと想う。
6/8 22:09 [本文] 別に愚痴を聞くのが嫌な訳じゃない。 ただ全然進んでないように見えて、何だかもどかしかった。
6/22 21:10 [本文] どうでもいいことに悩むことで、人生が潤えばいいんじゃない。
独りで生きる甲斐性無しが寄り集まる。 見た目『家族』が出来上がる。 役立たずは何人集まっても役立たず。 寧ろ数が増えた分だけ性質が悪い。
他人が一体何を考えているのか、どんな人生を過ごしたのか興味がある。 自分を語る言葉や身振り、醸し出す雰囲気を眺めるのも楽しい。
他人が一体何を考えているのか、どんな人生を過ごしたかはどうでもいい。 自分を語る姿というのは滑稽としか言い様が無い。 それに微笑を浮かべて頷いている自分もまた。
そんなこんなで身動きが取れない。
2004年06月14日(月) |
インターコンチネンタルホテル21階。 |
ベイビューを一緒に眺めているのに、僕達は何時も独りのままだ。 それはとても気楽で、僕の望んだ通りの関係。 けれど一方で、僕は満ち足りなさを何時も何時も抱えている。
此れは僕の解決すべき問題。 誰とでも何度でも繰り返しているのだから、誰の所為でもない。 僕を満たしてくれる『誰か』は絶対に現れない。 僕自身が変わればいいだけの話。
鳴り止まない電話に思考を吹っ飛ばされ、言動に纏りを欠いた。 通過儀礼とも言える30分間、聞えない時は「死ね」と呟く。 知らない人の為に知らない人の自由が奪われて、非情緒的に喜んだ。
今は安穏とした微温湯だとしても、確実に温度を上げているのを感じる。 微温湯が沸騰する前に、僕は飛び出すことが出来るだろうか。 『まだ大丈夫』と呪文のように繰り返す。
2004年06月11日(金) |
プラットホームの不協和音。 |
電車が来ると手を叩き、奇声をあげている少年が独りいた。 時折電車に近付き過ぎると祖父らしき人物が引き戻す。 少年の手にはリズムはなく、声には意味がなく、顔には独特な表情。 恐らく全身で『快』を表現していたのだと想う。 少年が何だか可愛く思えた。 しかし祖父は少年の行動に困惑しているようだった。 見守るしかないもどかしさや諦めというような表情で立ち尽くしていた。 少年と祖父、奇異な目でチラリと見ては無関心を決め込む人達。 気付くと微笑んでいる僕は、とても場違いで、とても醜い気がした。
2004年06月10日(木) |
現実化すれば不安ではない。 |
君の誕生日がもしも今日じゃなかったなら、僕達はどうなったのだろう。 何事に限らず、甚だ勘違いしているのは僕だ。 追い立てられ、押し潰されそうな気もするが、何でも無いような気もする。
足許を掬われるのはきっともう直ぐ。 それを望んでいるのは僕。
将来の夢とか読書感想文とか、テレビで文集を読まれるのだけは勘弁して欲しい。 だから僕は、『殺す側』にも『殺される側』にも回らないでおこうと決めていた。
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