「隙 間」

2006年05月31日(水) 本当に話したかったこと

本日付をもちまして、私、会社を辞めました。
いわゆる体調不良を原因に……。
そして、入社して、とても、一番、お世話になった上司と、最後の最後で会話ができた気持ちで、嬉しくて、楽しくて、切なくて、胸がいっぱいです。
五年間のうちの三年間、社内的にも珍しいほど長い期間タッグを組んで数々の仕事をしてきました。
その間、話はたくさんしてきました。たくさん怒られたし、たくさん助けてくれて、引っ張り上げてくれました。
だけれども、話はしていても「会話」をすることはできませんでした。
でも、「実は「会話」はできていたんだ」ということ、お互いがお互いの考えていること、考えそうなこと、そして、それを相手に要求できるかできないか、どう切り出せばよいのか、その諸々の……いわゆる、「あ」「うん」の関係は、実はきっちり、お互いにできていたのです。
勝手な自分の気のせいではなかったんだ、と確信できました。
きっとこの人はこれを求めている。そしてそれを僕に答えさせるにはどうしたらよいかわかった上で、それを口にしている。そしてそのやり取りの中で、僕がこういうリアクションをした時に僕自身が求めているものを察知して、うまくさじ加減を調整してくれる。
甘えも弱音も、空元気も見栄も、わかってくれる。
逆に、僕自身でも、この人はきっと本当はあれを求めているんだけど、あえてこれを僕には口にしているんだろう、ということがわかる。
弱音もどこまでは許されて、どこからは単なる甘えにしか聞こえなくなるだろうということがわかる。
インドかどこかのことわざに
「人生の中で、人は必ず三人の師に出会う」
というものがあるらしい。
この上司は、間違いなく、そのうちの一人だ。
この人に出会えた。
ただそれだけで、この会社に出会うことができた、そのことに関わるすべての人に、心から感謝しています。

社内のお世話になった方々に挨拶をして回ったのだけれど……
二日間じゃ足りない。全フロア(B1F〜5F)すべての部署に、一緒の仕事をしたことが無くても相談にのってくれたり、冗談を言い合ってくれたり、あたりまえのことだけれど、自分の周りにはこれだけたくさんの人がいてくれた。
「一人で一物件やり遂げた」
とはいえども、一人ではない。
「私ではなく、私たち」
一人を気取っていられるのは、周りにたくさんの人たちがいてくれるから。
私の周りのすべての、人たちへ、こころから、
ありがとう。



2006年05月29日(月) 「明日の記憶」

話題の「明日の記憶」を観た。
いやぁ〜、いい映画だった。
ラストの切り方、最後にどんなところでエンディングにするか、も良かった。
とにかく、観て損はない。
ただひとつだけ、イチャモンをつけるならば……。
CGが少し、余計な演出……というほどのことで使用されているわけではないんだけれど、だからこそ、使わなくても良かったんじゃ……と思ってしまった。



2006年05月28日(日) 消化不良

今日はなんとも消化不良の一日。
まずは床屋にいってサッパリしてきた。しかも、一睡もしないで最後まで起きていた。顔剃りのあの感触を堪能できた。
行きがけは曇り空だったのが、終わって出てきたらいい天気!
よし、オッケー!
神保町へ向かう。勿論、歩き。
今日は東京ドーム経由のコースを歩いていくとラクーアを通りがかったところで……。
「レイヤー(注:コスプレイヤー、コスプレに興じている人々)……?」
ドームシティでイベントが開かれているらしくて、すごい数のレイヤーさん達が!
生で初めて見た!
すっげぇ〜! みんなすっげぇよ!
年柄もない言葉が漏れてしまった。
「な、なんか、こ、怖い……」
遠巻きにしながら逃げるように神保町へ向かう。
別に、取って食われたりするような獰猛な方々ではありません。むしろ、笑顔でポーズを取ってくれるような、優しい方々です、念のため。
で、お目当ての定食屋に向かうと、なんと定休日。
げっ!
それならお目当ての喫茶店へ……定休日。
げげっ!
神保町の店は日祝日が定休日が多いのを忘れていた……。
本気でショック……。
憂さ晴らしに(?)三省堂で本を物色して購入。
少しだけ憂さが晴れた。
そうなると、今度は腹を満たさねば、ということで神田のお店へレッツゴー。
そこは年中無休、ぬかりはない。
きちんと胃袋を満たしてあげる。
そして帰り。
ずんずん歩く。北へ。
秋葉原、上野……。
千駄木でコーヒーを飲みながら、小説のネタも進んだし、重松作品も読み進めたし……。
オッケー。
でも、なんで消化不良だったのかって?
読んだり書いたりしている人がみなそうなのかわからないけれど。
本を読んでいる時、その本の世界に入り込む感覚がある。
本を閉じると、元の自分に帰ってくる。
小説を考える。正確には僕の場合は浮かんでくる、なんだけれど。
だから余計、なのか、その間はその世界に間違いなく入り込んでいる。
筆を止めれば戻れるわけじゃない。気力がついてゆかなくなった時、言葉が見つからなくなった時、自分の言葉でいじり始めてしまった時に筆が止まるだけ。
だから、もどかしさが残る。
だから、消化不良……。
今日の歩数は
「12492」



2006年05月27日(土) 灰色の空にシャンと立つ

雨空のハッキリしない天気。
浜松町へお出かけ。駅へ向かう途中、谷中の住人である野良猫たちが軒先に集まって雨宿りをしていた。
などというのどかな光景をほほえましく思いつつ……。
用事を済ませた後、浜松町からふと、駅に向かわずに、歩きたくなった。
「雨に唄えば」
なんて洒落た気分とはまったく違うけれど。
灰色の空にシャンと立つ東京タワー。
浜松町からずっと北上。
銀座のとある喫茶店、カフェじゃない「喫茶店」(苦笑)で、コーヒー一杯で三時間近く缶詰。
やっぱり、「カフェ」より「喫茶店」!
おかげさまで、神保町、銀座にアトリエができた感じ……お店の人には迷惑だろうけれど(苦笑)
今日の歩数は
「20073」



2006年05月26日(金) 「歓びを歌にのせて」

この映画。
言葉が、無い。
完っ全っに、ヤラレた……。
どうしようもなく、なった……。
なぜだろう……?
とても、例えどんな他人でも、人前には出せない、
みっともない、顔になってしまった。
夜道を、ひたすら、歩いて、帰った。
あっ、という間だった。
叫びたい、声をあげたい、伝えたい!
でも、そのどれひとつも、できなかった。
そうしてしまったら、これ以上、どうしようもない、みっともない、
自分の姿になってしまいそうだったから……。



2006年05月25日(木) 「ナイロビの蜂」

映画「ナイロビの蜂」を観た。
CMだと切ない恋愛映画チックだけれど、実際の感想は……。
観る前から「恋愛映画ではない」と知って観たのだけれど……。
クライマックスで、やっぱり恋愛映画、なのかなぁという印象を投げかけられた。
いいお話だった。
妻の謎の死を追いかけてゆく夫。
そして、妻の想いを胸に抱きしめる……。
……うん。
恋愛モノです。確かに。
社会批判モノでもあるけれど。



2006年05月24日(水) 「神様からひと言」

荻原浩著「神様からひと言」を読んだ。
後で気がついたのだけれど、この作家さん今上映している「明日の記憶」の原作者だった……。
読み終わって、しばらく気がつかなかった。
今回のお話は、リストラ対象としてお客様相談室なんてお荷物部署に転属させられた男、とにかくクレーム処理に奔走し、やがて会社の謀略に気づく。そして私生活でも彼女に逃げられ行方がわからなくなってしまう。探しつづける。最後の最後に、若気の至りで左の腕に彫り込んだティンバーウルフが、吠える。
牙と愛をむきだして……。
痛快なお話。
「明日の記憶」といえば渡辺謙主演プロデュースで話題だけれど、近いうちに観に行こうと思っている。
ああ、他にも観に行きたい映画があるんだけれど、どれから行こう……?



2006年05月23日(火) 入谷、浅草

今日はふと、台東区の図書館に行こうと思った。
「台東区生涯学習センター」
実はうちの上司の設計した物件。
へんっ、台東区民だもんねっ、遠慮することはないんだもんねっ、と足をむける。
鶯谷経由、入谷で焼きたてパンのお店で昼食用にパンを買う。
生涯学習センター裏の公園でベンチに座ってパンを早速食べてみる。
……うまい!
これはクセになる!
合羽橋商店街をぐるりと回る。食品サンプルだとか、色々面白いものが店頭にあふれていて楽しい!
学習センターでひと通り本やビデオや自習室やらを覗いて……
浅草に!
浅草で夕食のつもりが、コーヒーを飲みながら本を読んでいたら何故か胸とお腹がいっぱいに……。
そのまま何も食べずに歩いてご帰宅、そして晩飯(苦笑)

今日の歩数は
「24624」



2006年05月22日(月) 親子丼、ありがとう

今日はまず、ランチで感動。
「鳥つね」という鳥料理屋さんの親子丼が美味しい、と評判を聞いていた。
親子丼というと人形町の「玉ひで」が有名だけれど、そこよりも美味しいんじゃないのか? と言われるくらい。
上野から秋葉原に向かう途中の、いつも歩いているコースの一本隣の道に、そのお店はあった。
親子丼は「並・上・特上」の三種類。
お値段千三百円の上親子丼を注文。
……美味しい
……知ってしまってごめんなさい
……また来てもよかですか?
とにかく、プリプリの鶏肉と、とろ〜りとかけられた卵がたまらない!
笑顔がほころんでしまって、どうしようもない!
秋田県産の比内鶏と名古屋コーチンを使用していて、ご飯は勿論無農薬で、お酒を造るとき使用する水を福島の酒蔵から取り寄せて研いでいる、とのこと。
ああ、しあわせだった……

お茶の水まで歩いて、地下鉄で表参道へ。
そこから、渋谷、代官山、恵比寿を回って(勿論歩いて)恵比寿から神保町へ。
キッチン南海で早めの晩御飯を食べて、ニューヨーカーズ・カフェでPC電源繋げてネタノートを整理して……。
さすがに帰りは地下鉄で(苦笑)
今日の歩数は
「27534」



2006年05月21日(日) 記憶の場所

抜け道探しのつもりだった。
いつもと違う覚えのない路地に、
フラフラと入り込んでみる。
両手を広げられないほどの、
両側には鉢植えや花が、
それぞれの玄関以外の場所を覆っている。
そのままの道幅で九十度に折れ曲がった。
こんな道もあったんだ、と小さな発見を感じていた。
曲がり角を曲がる。
思わず足が止まった。
初めてではなかった。
十年ほど昔、僕は確かに、ここで、
シャッターを切った。
この風景を、この場所を。
今はまた、目を閉じて、
心のネガに焼き付ける。
ゆっくりと現像するように、
深呼吸をする。
あの頃の僕は、まさか今の僕を想像できただろうか。
まぶたを開ける。
当然のように、僕の前には
露地がずっと続いている。
十年前の僕にほくそ笑む今の僕を
同じように十年後の僕はほくそ笑むのだろうか。
誰かの家から晩御飯の匂いが
鼻先をくすぐる。
懐かしい、あったかい、みそ汁の匂いだ。
僕はクスリと笑って、また、歩き出す。



2006年05月20日(土) 休日の動物園と「ベターハーフ」

今日は朝七時半に目が覚めた。
しばらくぼ〜っとした後、洗濯して布団を干して。
時計を見るとまだ午前中。
よし、それじゃあ、と外へ出る。
最初は谷中銀座に足を向ける。でも、日暮里駅前に来てふと、方向転換。
谷中霊園を通り抜けて上野公園へ。
そしてふと、上野動物園に入っていた……(苦笑)
土曜日なので混んでいるかと思いきや、案外空いていた。
でも、家族連れや幼稚園の遠足のお子ちゃま達はたくさん来ていた。
みんなが動物に向けてカメラを構えるのに対して、自分は動物なんかそっちのけ!
とにかく、そこらじゅうの家族やら子どもやらを撮りまくる。
早い話、小説の資料集め……。
でも、いつも大事なところでポカをやるのが悲しい性。
残り半分くらいのところで、デジカメの充電が切れてしまった……。
これからという大事な時に!
まあ、また撮りに来ればいいや。

場所をアメ横のいつものとある店(?)に変えて、お次は読書の時間。
今回読んだのは
唯川恵著「ベターハーフ」
唯川作品を読んでいると、自分がよく描いている女性像にとってとても参考になりうることを感じる。
勿論、同じ土俵にあげること自体畏れ多いけれど。

バブル絶頂の頃からの一組の夫婦の物語を、実際の時代背景をベースに描かれてゆく夫婦の姿。
なるほど……大変、参考になりました……。
今更勧めるまでも無い素晴らしい作家さんだけれど、唯川恵作品、江国香織作品はちょっとという女性でも、そうでない普通の女性でも(なんのこっちゃ 苦笑)読んでみて下さい。



2006年05月19日(金) 銀座で自分をまとう

今日は大手町からスタート。
皇居沿いに南下。日比谷公園の松本楼でランチ。
オムハヤシで胃袋を補充し、銀座へ……の途中、インド人の新婚夫婦だろうか、こっちをみて手招きしている。パーカーにジーンズにデイバッグを背負ってる、ヘッドフォンをかけたままな自分以外に、誰もいない。
駆け寄ると「ピクチャ、ピクチャ……」デジカメを差し出す。少し離れたところで奥さんらしき美人さんがニッコリ微笑んでいる。
……美人やなぁ
よくありがちな?インド人顔の旦那さんには目も合わせず(苦笑)
「オーケー、オーケー!」
と二つ返事。
ふたり寄り添うが、日本人の記念写真にありがちな立ち位置。
全体を写そうとして自分たち自身が豆粒みたいにちっちゃく写ってしまう。
「ノーノー」
もっと前に出てこんかいっ! ちっこくて誰だか分からん写真になってまうぞ、おらぁ!
と?優しく手招きして、ハイ、パシャリ。
画面で確認してもらって
「オー、オーケー! サンキュー、サンキュー」
新婚さん?二人に笑顔で手を振り、銀座の路地という路地を一列ずつ歩いてゆく。
日も暮れてスーツ姿のサラリーマンがクラブ接待にいそしむ中。
こんなアメ横散歩な格好のままでいる自分が、なんだか誇らしげに感じる。
ちょい前だったら、引け目を感じて早々に退散していたかもしれない。
ふんっ、サラリーもらって生活させてもらう人間とは違う人種になってやる、という人間はじゃっかん強気……?

今日の歩数は
「15043」



2006年05月18日(木) 人種……?

ハッピーなラブソングをヘッドフォンで聴きながら、別れの哀しい物語を読む。
自分にとって悲しい出来事なのに、どこかで冷静にそれを物語として書こうとしている。
道行くたくさんの人の姿を眺めながら、それぞれのふとした表情や仕草をメモに刻んでいる。
後ろの席の騒がしいお客の話に耳を傾けたり……。
自分が本当はどんな人種なのか……?
そんな人種であろうと酔っているだけなのかもしれない。



2006年05月17日(水) BGM

歩いている時に欠かせないもの。
それは音楽。
MP3プレーヤーを手に入れ、その中には篠原美也子全曲を勿論入れて、今回「RENT」のサントラも入れた。
メチャクチャ、心地良い。
歌詞に耳を傾けている内はまだ違う。
歌詞が消えて、音楽そのものとなって頭の外に流れている感覚になった時、それが最高の時間、いわゆる「ウォーカーズ・ハイ(?)」に突入する。
そうなると筆が進む進む!(苦笑)
いつもそういう状態になれるわけではないからクセ者だけど、それを求めて今日も歩く。
神保町から秋葉原、そして上野方面へ。
秋葉原で四ポートのUSBのHUBを買って、しばらくはPCの買物も無くなるなと思いつつ。

今日の歩数は
「13987」



2006年05月16日(火) ハンバーグ

今日は地元アメ横をぐるぐると。
ガード下のあの雰囲気、あの活気。ニヤリとしてしまうぐらいの心地良さ。
とあるハンバーグ屋で食事をとった。
「百パーセント手作りハンバーグの店」
の看板と、店先のメニュー看板に惹かれて。
階段を上がって店の扉を開ける。
そこには……
明らかにスナックの世界が!
どうやら元はスナックだったのをそのままレストランにしたみたい。
テーブルも、イスも、ソファも……苦笑
味は結構美味しかった。
まろやかな味で、煮込みハンバーグを頼んだのだけれど、家庭のよりちょっと美味しいマイルドなシチュー(デミグラスソース)に、ホッカリ(柔らかい)ハンバーグとパスタとポテトとコーンがたっぷりと。
お値段は九百八十円。
さて、今日の歩数は
「9007」



2006年05月15日(月) 単騎、千里を走る

今日はまたまた神保町へ。
今度は、さらに「また」?と言われそうだけれど「いもや」へ。とんかつではなく「天丼」の方。
ここもまた高校時代以来だから、ひと回り……くらい振りの訪問だった。
有無を言わさずにどんぶりをかき込む。「ごっそさんっす!」五百円をチャリンと払ってのれんをめくりながら神保町の街へ戻る。
これだよね、これ。
満腹感を抱いたままその足で飯田橋へ。
「単騎、千里を走る」を観た。高倉健主演の、ヒューマンドラマ。
ちょいとお茶目なシーンがあって場内からも思わず失笑がわく。
うーん、名作、という感じはしなかった……。
帰りにこじんまりとした小奇麗なカレー屋で晩御飯。「チーズ焼きカレー」という、なかなか美味しいカレーを食べた。ピザのようにトマトスライスをチーズでとじるような形で、カレーの上に乗っている。
うん、今度またここで食べよう……

今日の歩数は
「9787」



2006年05月14日(日) エンジェル、幸福な遊戯

まずは、石田衣良著「エンジェル」を読んだ。
前回読んだ石田作品は「LAST」という短編集だった。その作品を読んだ限りでは、いわゆる売れっ子作家(微妙な表現かもしれないけれど)の作品だった気がして次は別に急がなくてもいいか、と思っていた。
会社の同期にふと、「石田作品としては、らしくないかも……」と勧められた。
翌日、ふと立ち寄った本屋で、パタッと「目が合った」。
本屋の文庫のコーナーで見てみて欲しい。棚の平台の部分に並べられている本の数々は、いわゆる売れ筋作品や売れ筋作家の代表作品が表紙を向けて並べられている。
石田衣良作品というと、だいたいが「IWGP(池袋ウェストゲートパーク)」シリーズ作品が平台に並べられている。テレビドラマ化された人気作品でもあるのだから当然かもしれない。
そんななか、平台ではない普通の棚の背表紙で、ハタ、と目が止まった。
「エンジェル 石田衣良」
読みかけのがまだあるけれど、これは目が離せない……レジに持ってゆく。
……二日で読んでしまった。
確かに、「LAST」の時とは違う満足感。最後のスピード感が素晴らしかった。
この本を紹介してくれた同期よ、ありがとう!

さて、読みかけの本というのもその直前に読みきった。
角田光代著「幸福な遊戯」
角田作品は不思議だ。特にこれといった感動があるわけでもない。教訓じみたものがあるわけでもない。読み終わると、淡々とした読後感を感じる。
でも、何故かまた角田作品を手にとってしまう。
何か自分の中で確かめたい、という気持ちになる。
何故、角田作品を手にしてしまうのか?
今回、その答えは見つからなかった。
でも、きっとまた手にしてしまうだろう。
日常すぎる作品なのかもしれない。
わからない。
でも、これだけは感じる。
マニアックなファン心理、のようなものなのかもしれない。
誰でも知ってる超有名な作品を書いているわけではないかもしれない。自分達だけが知っている優越感。他の誰かに知られていってしまうのは、嬉しいけれど寂しい気持ちになってしまうようなもの。

本一冊を読むと、その物語の中の世界という別の人生を送ってしまったかのような錯覚に陥る。一つの別の人生を送り、また今の自分の人生に舞い戻ってくる。
やっぱり本は、いい。
いつか自分も誰かにそんな何かを与えられるものを作れたら、どれだけ素晴らしいだろう……。
そんな日に向けて、また一日を過ごそう。



2006年05月13日(土) グルメの一歩

今日は、我が社会人の食の故郷「大塚」にいってきた。
何気にB級グルメの名店があったりする、なかなか粋な街。
のれんをくぐったのは「キッチンABC」。
濃い味とボリュームで、おそらく三十代の事務系サラリーマンには、ちとヘビーなメニューが盛りだくさんの洋食屋。お値段はかなりお手頃。
あの頃、ぼ〜くは〜、若かぁった〜……。
六年前にここに通っていた頃は、ぺろりと平らげて満腹の胃袋と幸せを満たしていられたのに、三十代に突入した今は、ちとヘビーだった……。
でも、味覚はまだまだ大丈夫。満たされている。
今日食べたのは「ジャンボ焼き」。豆腐と肉を甘辛く煮込んだもの。
さらっとしたスープの唐辛子の効いた辛さが、体を熱くする。肉よりも豆腐の量がすごい。吹き出る汗。かき込む白飯。
初心忘れるべからず……?
な一日だった。



2006年05月12日(金) 芝公園〜麻布〜六本木〜渋谷

今日は歩いた。
気が付いたら歩いていた。
浜松町で電車から降りて、用事を済ませる。丁度お昼時。
なんとなく芝公園を横目にテクテクとランチのお店を探しながら歩いていると、気が付いたら麻布十番に突入していた。
じゃあ、麻布十番で何処か安くてボリュームのある店がないかな、と歩いていたら、あそこって六本木ヒルズのすぐ裏だったのね……苦笑
とりあえず、それじゃあってことでヒルズでランチ。
でも、やっぱり単価が高い!
こう感じるのは貧乏性のせいだろうか……。
で、じゃあこの道を真っ直ぐ行けばすぐ渋谷じゃないのさ、ということで渋谷に向かう。
ちょい、こばらが減ったので、マークシティを通り抜けて「髭チョウるうろう飯店」でひと休み。劇団ひとりさんが、テレビで紹介していたけれど、以前自分が食べた時はそれほどでも、と思っていたのでそれを確かめてみようと思った。
感想は……。
……まあ、それほど美味というわけではないと思う。
ただ、しっとり豚ホホ肉のそぼろがご飯を胃袋に流し込んでくれる、お手軽さは良かった。
帰りは湯島まで地下鉄、そこから徒歩。
青空にシャンとそびえる東京タワー。公園のベンチでお弁当箱を広げるOL。
歩く事で、すべてが新鮮に感じることができる。風景に出会える。
歩数は
「20797」
天気も良かった。



2006年05月11日(木) 五十番

本日もまた歩いた……。
千駄木、東大赤門前、本郷、神保町、神楽坂……。
神楽坂では、もうお決まりの忘れてはならない定番「五十番」の肉まんをお土産含めて購入して頬張りながら散策。
歩数は
「18439」
だった。



2006年05月10日(水) マイシアターとノスタルジー

今日、とうとうマイシアターを手に入れてしまった……
といっても、ホームシアターという意味ではない。
行きつけの映画館というヤツ。いわゆる名画座という懐かしい響きは知っているだろうか?
最近の言葉に置き換えると、ミニシアターとでも言うのかな……。
まあ、そういうところの会員になって、その劇場で上映される作品はパスカードで見放題! 年会費一万円!
二本立てで半月サイクルで作品は入れ替わる。いわゆる昔の名画しか上映しないわけではなく、話題の作品をロードショーのタイミングをずらして上映する。邦画洋画わけ隔てなく。
今回選んだところは、場所は飯田橋。神楽坂の入口。
なぜここを選んだのかと言うと……
近くに「五十番」があるから!
神楽坂というただでさえ魅力溢れる街ではあるけれど「花より団子」!
「五十番」とは中華のお店。しかもただの中華ではない。
ここの肉まんが、とにかくうまい! でかい!
手のひらほどの大きさ、かぶりつくとあふれる肉汁、ジューシー。
それを食べながら神楽坂の路地裏を散策しつつ、上映まで時間をつぶす。
こういうのがやりたかった……!

でも今日は神保町の「いもや」にリベンジ。
そうそう、言い忘れていたけれど、「いもや」は神保町に四、五店展開している定食屋。「天ぷら」と「とんかつ」の二種類がある。
今日は「とんかつ」の方に行った。
さくさく衣に、ふわふわのかつ。
山盛りのキャベツの千切り。
ああ、十二、三年前のノスタルジー……。
もう、そんなに時間は流れに流れてしまったのね。
ああ、東京砂漠。そしてオアシス。
七百円でタイムトリップ。
充電満タン。

そして今日の歩数は
「13473」



2006年05月09日(火) ビバ、神保町・学生時代の街!

今日は懐かしの食堂……高校時代にお世話になっていた名店「いもや」に行くつもりだった。
高校時代といっても、大学構内の学食で食べる事が多かったけれど、たまに本を買いにいった時に「いもや」で食べていた。
天ぷらのお店。高価な食べ物のイメージを覆す低価格。
某チェーン店のようなものとは違う。美味しい。
もっぱら天丼を食べていた。お値段はたしか、六百円くらいだったかな?
そんな郷愁にかられて、いざ古本屋街を通り抜けてゆく。
そこで、予想外の出会いが……!
「キッチン南海」
ここは噂には聞いていたけれど、入ったことが無かったお店。
カツカレーが有名だった気がする。
ふらーっと店内のカウンターに座ってしまっていた。まあ「いもや」は今度にしよう。
メニューをぱっと見ていると店員のお兄さんが注文を聞く。思わず
「チキンカツ・生姜焼きのライスセットを」
と口走る……。
カツカレーは今度にしよう……(苦笑)
出てきたお皿を見て、驚いた!
普通の中皿に、こんもりと崩れそうなほど高くキャベツの千切りの山が!
それにかぶせるようにチキンカツが乗せられている。それも大きい!
厚さは三センチくらいで、大人の手ぐらいの大きさ!
ころもはサクサク、チキンはふんわり!
生姜焼きはキャベツの山の裾野の半分を埋め尽くすように盛られている。
うかつにライス大盛りにしなくて良かった……。
ほとんどのお客さんは「カツカレー」を頼んでいる。
皿をみると、山となったライスに、何故かキャベツの千切りの山が。
カツもやはりサクサクころもに、ぶ厚そうだった。
よし、「いもや」の前に、まずここの「カツカレー」を食べにこよう……。
さすが神保町学生街。
これだけのボリュームで七百円だなんて!



2006年05月07日(日) 待ちに待った休み明け

今日はあいにくの雨模様。
ほぼ普段と変わらないルートで街を歩く。
「8056」
うーん、雨が降ってたからなのか、これが本当に普段の平均値なのか……。
待ちに待ったゴールデンウィーク明けだ。
明日から、お休みになっていた店も開くようになるから、ランチ巡りも再開できる。
さーて、何を食べに行こうか……。



2006年05月06日(土) 日本美人!

さてさて、どこへ行っても人だかり。
今日は近場でもあまり足を伸ばしていなかったエリアに行ってみた。
不忍通りをぐぐっと南下して、湯島神社に。この時期なのに、何故か合格祈願に来ていた中学生の男の子連中が六人くらいで絵馬に書き込みをしていた。
やっぱり若さに負けるね、あのパワーには思わず苦笑いしか浮かばなくなる。
湯島神社を出て秋葉原方面にUターン。秋葉原はそのまま通過して、昭和通りを北上。
そしてマイ・ホームタウンのアメ横で一服。
と、その前に……。
下谷の方をぐるっと回ったら、なんとお神輿が!
キュキュッと結い上げたいなせな半纏姿の日本美人。
……そして、ふんどし一丁のおっさん達。
あいやさ、やっぱり日本美人はいいねえ。
ヒュッと引いた切れ長の眉。艶やかな黒髪をひとまとめに結ったところから見せるうなじ。
茶髪にはできない美しさ!
東京下町ならではの光景を満喫してきました。
今日の歩数は
「13330」
やっぱり平均一万歩強みたい……。



2006年05月05日(金) 歩数

だいたい今日はいつもと同じくらい歩いた。
歩数は……
「13294」
約6.6キロくらい歩いていることになる。
どれくらいの範囲をを歩いたのか。
スタートは千駄木。まず北に向かう。西日暮里の北側をぐるりと回って山手線の外側に出る。そこでUターン。
日暮里駅前をそのまま南下していって鶯谷駅の南側で今度は山手線の内側に。そこはちょうど上野の寛永寺の裏側になる。線路に沿ってさらに上野駅公園口の前に出て、連絡橋を渡ってロータリー側のペデストリアンデッキから丸井上野店で小休止。
次は帰り道。
上野公園を突っ切って芸大前を通り、谷中の隠れた名物「ヒマラヤ杉」の下をくぐり抜けて、更に大名時計博物館脇を通ってはい、到着。
……最近上野に出るまではいつも歩いてる。
上野以外のところに向かう時くらいにしか電車に乗らなくなっている。
明日は電車を使おう。
うん、どこかの街を歩きにいこう。



2006年05月04日(木) やられた……

さてさて、万歩計デビューの日。
結果は最後のお楽しみに、ということで……。

ざっと今日の散策ルートを説明がてら……。
千駄木からまず上野に抜ける。そのまま浅草方面へ。
途中のブックオフでしばし本を物色。「ゴールデンウィークセール」のひと言に負けてしまい、二冊購入。まだ一冊読みかけなんだけれど、もう次のヤツを買ってしまった。まあ、本棚の中のコイツら(?)と目が合ってしまったのだから仕方が無い。
そして合羽橋商店街を横断していざ、浅草寺へ到着。
伝法院通りやROXやら仲見世通りや食通街、新仲見世……と、ぐるぐる徘徊。
そう言えば「そば屋のカツ丼と中華屋のカツ丼は味が違う」と言う事を思い出し、カツ丼が置いてある中華屋でカツ丼を食べることに。
またもや店先の「タイムサービス カツ丼ただいま四百五十円」の看板につられて店を選ぶ。味は……。
店にもよるのはたしかだけれど、確かに味のベースが違う気がする。
要はベースのダシが違うらしいのだけれど、中華屋の方はあっさりしているような感じがした。
気になった人は、実際に食べ比べてみてください。
で、つまみに「きなこジェラート」を片手に、しらみつぶしに浅草の通りという通りを歩き回る。
……いい年こいた男が一人、ジェラート片手にぶーらぶら。怪しい光景だったかも。もしこれが外国人のごっついオッサンだったら様にもなっているだろうけれど。
で、ひと通り通りを制覇したところで針路を上野に向ける。
てくてく歩く、歩く、あるく……。
上野駅に出て、ライトアップされた不忍池の弁天堂をぐるりと眺めながら家へ向かう……。
さあて、家に着く前にちょいと一服。
ミスドに入りコーヒーのみを注文し、いつものごとく文庫本を取り出す。
読みかけのヤツ……。
重松清(またまた登場)の「ビタミンF」!
全七編の短編集で、そのうち二本までの読みかけだったのが、気が付けば全部読み終えてしまった。
一編終わるたびに言葉にならない溜息と「やられた」という白旗を揚げざるを得ない感嘆の苦笑い。
本っ当にスゴイ。
こんな作品を書ける人がいるんだ。
一つの物語が終わるたびに、一日が過ぎてゆくような満足感。
都合五日間をたったの一時間半、ミスドの中で過ごしてしまった……。
至福のひと時。

ご満悦で帰宅。
さてさて、忘れかけていた万歩計の数値は!
「27835」
一歩の歩幅を単純に五十センチとしても、約十三.九キロになる。
今日はたしかにいつもより歩いた気がするので、普段はたぶん一万歩前後だと思う……。
明日以降に期待!



2006年05月03日(水) 万歩計!

自分がどれだけ普段歩いているのかが、ふと疑問に思ったので万歩計を手に入れてみた。
勿論、色んな機能が付いているような高価な代物ではない。
ただ純粋なまでに歩数のみをカウントする純朴で安価なヤツ。
「万歩」というだけあって、「一日一万歩を目安に……」とよく言われているけれど、現実は無理だろう。
ところが、今の自分なら、かなり、余裕で、軽〜く越えられる自信がある。
なんせ環境が整っている。
と、言う事で明日から万歩計を装着して出掛けることにしてみよう……。



2006年05月01日(月) 「RENT」「僕の大事なコレクション」映画レビュー

毎月一日は「映画の日」
ということで、これほどおいしい話は無い。
今まではすっかり縁の無い生活だった。
一日が祝祭日、土日である確率は低かったりする。
だからあまり関係が無いと思ってすっかり忘れていた。

ところで何がおいしいのかって?
首都圏ではその日に限って鑑賞券が「一律千円」で映画が観られる。
通常は一般で千八百円。前売りやチケットショップで買っても千五百円が関の山。

そこで今回映画にどっぷり浸かってきた。
観てきたのは「RENT」
オフブロードウェイで話題になり、まさに伝説的なミュージカルとして公演されてきたもののを映画化。
舞台とフィルムでは全く次元が違う、再現できるわけが無い、との批評は置いておいて……。
とにかく、良かった。
ミュージカル初演時のオリジナルキャストを六人出演。
歌がスゴイ。予告編やCMでおなじみの「seasons of love」でまず「ガツンッ」とアゴに一発貰う。あとはもうなされるがまま。
とにかく心地良い時間がそのまま最後まで続く。
テーマはエイズや同性愛や夢と現実の狭間で友と共に「今日」を生き抜いてゆく若者達の物語。
けっして軽いものではない。
エンドロールが流れ始めた時、
「えっ? もうこの時間がおわってしまうのっ!?」
と、ひたすら悔しかった。
人によっては「で、だから何?」と感じてしまう事も或るやもしれないけれど、できれば、好きな人と一緒に観て欲しい物語。

さて「次はどうしようか?」ということで今日二本目の映画を観に行く。
二本目は「僕の大事なコレクション」
ロードオブザリングのイライジャ・ウッドが主演(ジョナサン役)。ユダヤ系アメリカ人の彼が、亡くなった自分の祖父の思い出の人を探す物語。
自分や自分に関する人の色んなもの、それこそ「おしゃぶり」や「土や石ころ」やそんなものまで? と思うようなものをとにかく「コレクション」として集めてゆく。
「忘れてしまいそうで怖いんだ」
というようなセリフが印象的だった。
通訳とドライバーとして同行する孫とその祖父(ウクライナ人役)とその飼い犬の三人と一匹の珍道中……と思いきや。
その祖父の時代は勿論ジョナサンの亡くなった祖父と同世代で、暗い過去の時代を生きてきた。そしてジョナサンの祖父の記憶を辿っていったその先で、自分達の過去とも向き合う事になる。
静かにゆっくり流れてゆく風景とストーリー。
最後にそっと胸の奥を握り締められる展開。
思わず「はぁ〜……」と息が漏れてしまう作品だった。

映画二本立て、しっかり堪能してきた……。
世間はすっかり「ゴールデン・ウィーク」!
自分はどっぷり「ホリデー・ウィーク」!
しっかし、こう出かける先々にこう人が多いと、辟易してしまう……。
スローライフ、もほどほどにしないとね。


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