冒険記録日誌
DiaryINDEXpastwill


2022年06月10日(金) 箸休めランキング パクリ?リスペクト?

ともみ「こんにちは!この冒険記録日誌でお馴染みのともみです。山口プリンさんは、ちょっと休憩という事で、今回は私がミニランキングを紹介するわ。題して、怪しいリスペクトゲームブック作品ランキング〜!」
たけたろう「んー、何か危険な香りのするランキングですよ。」
ともみ「ゲームブックって、ファミコンゲームとか漫画とか映画とか、原作付きなものがかなり多いよね。んで、そういう作品って、もちろん版権をとっているのが当然だよね。でも、なかには原作ありとは謳ってないけど、どーみても元ネタはあの作品だよね。ってのがあるわけなの。」
たけたろう「つまりパクリってことですか?」
ともみ「そうとも限らないわ。登場人物の名前は違うし、設定はよく似ていてもストーリーは別物、もしくはその逆って事で、完全に同じじゃないなら、元の作品をリスペクトしただけとも解釈できるからね。もちろん、そうじゃなくて、安易に他人の作品にのっかって稼ごうって考えなら、論外よ。そんなわけで今回は、“そうは書いてないけど、どうみてもあの作品だよね”ってゲームブックを、ベスト3で発表します!」


第3位 【薫の君によろしく! DOKIDOKI平安京ストーリー】

発売元  双葉文庫
執筆者  柴崎 あづさ
過去の冒険記録日誌  2002年03月27〜29日に感想あり

 これは、主人公の女の子、清原リサが平安時代にタイムスリップしてしまったあげく、十二単衣姿を着て大冒険するっていうゲームブックよ。この平安時代の感じが、発売当時に大人気だった氷室冴子さんの小説「なんて素敵にジャパネスク」にそっくりなんです。
 「なんて素敵にジャパネスク」の方は、タイムスリップみたいな超自然要素はなくて、普通に平安時代の物語。ただ、主人公の瑠璃姫(るりひめ)が、この時代ではぶっとんだ、現代人っぽい性格で、そのうち帝や東宮を弑殺しようとする陰謀に巻き込まれるわけ。婚約者の高彬(たかあきら)と拗ねたりしながらもいい感じになったり、東宮、今でいう王子様だけど、性格はワイルドな鷹男(たかお)に言い寄られたかと思うと、昔好きだった幼馴染の吉野君(よしののきみ)が意外なところで登場して、恋愛要素もたっぷりなのも人気の理由なんでしょうね。
 それで、「薫の君によろしく!」は、主人公が元々現代人だから、行動パターンは瑠璃姫だし、やっぱり似たような陰謀に巻き込まれるし、当然、東宮も登場する。さらに高彬のポジションにあたる許婚が高階彰(たかしなあきら)と名前が似ているのよ。
 もちろん全部一緒じゃなくて、東宮の名前がタイトルにもあった薫の君(かのるのきみ)で、物語は彼との関係がメイン。対してジャパネスクは高彬が本命だったから、ここは結構大きな違いなんだな。それにしても高階彰の扱いは酷いと思う。
 でも、この作品がジャパネスクファンを狙っているのは、間違いないでしょう。私のお気に入りの、守弥(もりや)と煌姫(あきひめ)のポジションになるキャラがいないのは残念だけど、あの2人は第1部には登場していなかったしね。1冊のゲームブックにあれもこれも詰め込めないからしょうがないか!


第2位 【誘拐犯はエイリアン?】

発売元  ポプラ社文庫
執筆者  若桜木虔
過去の冒険記録日誌  2003年8月29日に感想あり

 若桜木虔さんのゲームブックといえば一部で悪名高いんだけど、この作品については小学生の女の子向けの普通のゲームブックだよ。中盤以降はクリアにつながるルートが一本しかないし、それがすぐにわからないから、結構難しいけどね。内容は、主人公が普通に学校に通っている吸血鬼の女の子が主人公で、ある日怪事件に巻き込まれてしまうって話し。
 この主人公の設定が、赤川次郎の小説「吸血鬼はお年ごろ」シリーズにそっくり。「吸血鬼はお年ごろ」の主人公の女の子、神代エリカはハーフの吸血鬼で、超人みたいな力があるけど、普通の学生をしているし、昼間や十字架も平気。でも、ニンニクに苦しんでいるシーンは読んだ気がするな。そしてよく怪事件に巻き込まれる。お父さんは純血種の吸血鬼で、この父娘のコンビが作品の特徴なのよ。
 そして「誘拐犯はエイリアン?」の主人公、神宮寺千秋も、超夜型だから学校ではいつも寝ぼけているけど、一応昼間も平気だし、正体を隠しているだけで本当はすごい力を持っているのね。当然、お父さんも吸血鬼で、主人公とコンビでこっちは探偵業をしているの。
 ただ、吸血鬼の女の子が普通の生活をしているのは、この手の創作物ならそんなに特殊な設定でもないし、千秋はエリカより俗っぽいというか、いつも身も蓋もないこと考えているから、性格は全然違う。だから設定は同じだけど、中身は別物とは言えるのかなぁ。「誘拐犯はエイリアン?」のお父さんは後半は全然出番がなかったのに、わざわざ父娘のコンビ設定だけあるあたり、「吸血鬼はお年ごろ」の影響と疑ってしまうんだよ。


第1位 【熱核姉妹ツインノヴァ 惑星ディクターの陰謀】

発売元  バンダイ文庫
執筆者  草野直樹
過去の冒険記録日誌  2004年06月18日に感想あり

 これは言い逃れできない!どうみても高千穂遙の小説「ダーティペア」だから!主人公の名前を変えただけで、設定からノリからお約束の展開まで全てまったく同じだし。
 もともとバンダイ文庫の近刊予告では「ダーティペア」って書いてあったから、こうなったのは大人の事情ってやつだ。私は「ダーティペア」のファンじゃないけど、3冊くらいは読んでいて、ゲームブックの方も結構再現できているとは思っている。そんなわけで素直にダーティペアのファンが楽しむ作品と考えた方がいいかもね。イラストはゲームブック版の方が好きかな。
 

ともみ「こんな感じの紹介になったけど、どうだった?」
たけたろう「3位から1位になるにしたがって、コメントの長さが減っているような。」
ともみ「その辺は、元ネタへの愛情の重さが影響しているのさ!」
たけたろう「でも、私以上にたまにしか出番がないから、随分はりきってましたね。」

ともみ(光彩の消えた瞳でのぞき込む)「兄貴、今何か言った?」
たけたろう「……いえ、何でもありません。」


山口プリン |HomePage

My追加