冒険記録日誌
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2022年06月03日(金) クソゲー・オブ・ザ・オレ 第10位

たけたろう「次はクソゲーの第10位の紹介です。有象無象のゲームブックの中から選ぶだけに、10位といえども結構な内容でしょうね。」
山口プリン「いやまあ、このランキングは、クソ要素が一周して特徴になった作品を選んでいるつもりだからね。そこらの凡作よりはある意味では面白いと思うよ。」


クソゲー第10位 【超能力ウォーズ】

ジャンル  現代日本を舞台にした異能バトル
発売元  講談社
執筆者  山田正人、いけうち誠一
発売日  1986年5月1日
パラグラフ数  175ページ
ゲームの構造  1方向システム、漫画形式、使用可能な超能力を管理するくらいでルールは簡単
過去の冒険記録日誌で紹介 なし

ポイント
 運ゲーじゃない!君が超能力を使えるなら正しい選択肢がわかるはずだ!

物語の概要
 俺は高校男児。神秘教団なる怪しい超能力集団に入信してしまった友人を救出するために教団にもぐりこむぞ。なんだ、俺に宿ったこの力は。こ、これが超能力というものなのか!

トリビア
 実は本作品は電子書籍化されているので、今でも手軽に読むことが可能である。
 ただ、後述する透視能力を使って解く選択肢が、電子書籍版では通用しなくなるので、キミが本当の超能力者ならそこは注意しよう。

主な登場人物
  赤川:主人公の友人。教団の予言を真に受けて入信してしまう。
三島正夫:東都テレビのディレクター。密かに神秘教団の取材をしている。偶然知り合った主人公に、教団の情報と超能力の基礎知識を教える。

クソ要素
 本当に超能力を使わないと正解できない選択肢の数々。
 1.〇〇ページのここと同じ位置にカードの表がある。じっと透視して判断しよう。
 2.サイコロを振って、念力で君の思い通りの目が出たら〇〇へ。出なければ〇〇へ。
 3.一枚の紙を落とすと、この紙は右に落ちるか左に落ちるか。キミの予知能力を試そう!(これは実際にやったテストだ。というコメントと写真つき。過去の結果を当てることを予知と呼ぶのだろうか。)
 植物が意思をもつ(バックスター効果というらしい)説が本当だったり、クトゥルフ神話で見たような宇宙生物に襲われたり、ヨガファイヤーを出しそうなインド人に出会ったりと、無秩序でムーな、よくわからない世界観。

総評
 エスパー開発ゲームとして、クソゲー愛好家の界隈では有名なファミコンゲーム「マインドシーカー」をゲームブック版にしたような作品である。発売当時の世間は超能力ブームだった背景もあり、こういった作品が出たのだろう。
 ゲームとしては、駄ゲームブックの典型的な特徴である運任せでしかない選択肢が多い。ただ、そこに超能力が使えるから正解がわかるはず、という理屈が加わることで、バカゲー要素も感じる作品に仕上がり、胡散臭さの中に奇妙な魅力も感じられなくはない。


ちょっとリプレイ(ネタバレ注意)

たけたろう「プロローグで友達の赤川君が、最近嫌な夢を続けて見るからと、教団へ相談に行ったらそのまま入信してしまいましたよ。さらに心配してついていった私の去り際に、教団の人が、君は七日以内に死ぬよ、とか言ってきました。まったく神秘教団って何なのですか。」
山口プリン「安心したまえ、テレビディレクターの三島さんと名乗る人が、話しかけてきて喫茶店で詳しく説明してくれるから。」
たけたろう「良い人そうではあるのですが、超能力を実証する実話だとか、米ソ冷戦で次は心霊戦争(マインドウォーズ)になるとか、MMRみたいな話しを始めましたよ。教団のことで途方にくれていなければ、さっさとおいとまして、離れたいところですね。あと、ここまで話しの途中に質問が10個出てきましたけど何でしょうかね。」
山口プリン「それは超能力の才能を診断するテストで、後で結果を教えてくれるよ。さて、次は死の七日間を生き抜くことが目標になる。」
たけたろう「建築現場を通りかかったが、建築資材が落ちてくるか、地面に掘られた穴に落下するか、上と下どちらに注意すべきか?いやいや、わかるわけないでしょ。」
山口プリン「とまあ、この調子で7日間、つまり7回の選択肢が続いた後、A級からC級ランクの超能力者に振り分けられるんだ。」
たけたろう「単なる勘じゃないですか、まったくもう……ってこれ7つとも〇〇の選択肢が正解なんですが。」
山口プリン「そこに早く気付けるかどうかがポイントなんだよ。超能力とは関係ないような気もするけどな。試練の結果とさっきの質問の答えを合わせて、君はB級超能力者という結果が出たぞ。」
たけたろう「どっちでもいいですけどね……。この試練が終わったところで、神秘教団に入信するふりをして潜入するのですね。」
山口プリン「そうだよ。ここで神秘教団の講師から、イメージトレーニングの方法をレクチャーしてもらえるぞ。まず、あぐらをかく、瞑想にはいる、腕を頭上にあげ静止する、想念を払い宇宙に自己を同化させると良いそうだ。」
たけたろう「ここだけガチの超能力講座っぽいですけど、宇宙に同化ってなんでしょう?」
山口プリン「そこは私もわからないから、安心して進んだらいいぞ。この施設には、同じように入信して超能力訓練をしている人達がいるんだ。」
たけたろう「落伍者は地下洞窟に死ぬまで閉じ込められるらしいですよ。怖いですねぇ。」
山口プリン「さっきの超能力判定にしたがって、使える超能力が決まるぞ。B級超能力者は念力、予知力、透視力、テレパシーが使えるそうだ。ただし、どの超能力もこの冒険中に一度しか使えないから慎重に使うようにしないといけない。」
たけたろう「ファンタジーゲームブックの魔法にありそうなシステムですね。まともなゲームっぽいところもあって少し安心しました。」
山口プリン「リプレイが長引いてしまったから、ダーッと飛ばしてしまおう。教団は壊滅。その陰謀は三島のテレビ番組で明らかになった。キミと赤川は超能力よりもっと大切なことを知って平穏な日常を取り戻した。完」
たけたろう「せっかく苦労してクリアしたのに端折りすぎじゃないですか!怪しいけど、それなりに盛り上がるストーリーだったから面白く報告できそうだったのに!」
山口プリン「まあ、そういうな。このゲームは何度でも挑戦できるから、シミュレーションが全て終わる頃には、立派なエスパーになれるそうだ。ほら、さっき失敗した超能力が今度は成功したじゃないか。」
たけたろう「ほらっ、じゃありませんよ。さっきもプレイしたから、正解の選択肢がわかっているだけですよ!」
山口プリン「ここを読んでいる人も是非挑戦してみよう。念力をマスターすれば、サイコロを使ったゲームブックでは無敵だぞ。」
たけたろう「それ意味ないですから!」


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