冒険記録日誌
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2022年03月02日(水) うざいリプレイを書いてみた 巨大コンピュータの謎(安田 均・TTG/創元推理文庫)その1

 原作はEC・タブの書いた大長編スペースオペラ「デュマレストサーガ」です。
 これは、いくつかの単発の小説は除きますが、少なくとも長編小説の中では、間違いなくマイベストワンのシリーズです。宇宙を渡り歩く流れ者のアール・デュマレストが、宿敵のサイバー達の罠をかいくぐりながら、生まれ故郷の地球を探してさすらうという物語です。日本では31巻(原作では全33巻)が発売され、なかなかの読みごたえです。
 私の場合、このゲームブック版(続編の「惑星不時着」も含む)を読んでから、原作を読み始めたのですが、6巻以降が絶版状態で、当時はアマゾンみたいな便利なネットサービスもなかったので、何件もの古本屋をまわっては数年がかりで全巻を集めたという。そちらの意味でも思い出深い小説でした。
 ゲームブック版の感想は、すでに2002年03月24日の冒険記録日誌に書いていますが、20年近く前の日記だと、今以上に稚拙な書き方ですから、日記を読み返すのも恥ずかしい内容です。思い入れの深い作品ですので、今回はもう一度リプレイという形で取り上げてみたいと思います。
 ところで一度はクリアした作品を、普通に遊んでは面白くありません。本作は一方向システムながら、選択の自由度が高い作品なのですが、あえて今回は、いかにも原作のデュマレストらしいという選択肢を選ぶように遊んでいきたいと思います。ついでに原作のことも熱く語りたいものです。
 そんなわけでリプレイスタート。今回もネタバレ満載の内容なので、遊ぶ予定の人は注意してください。

※※※※※※

 まずはキャラクターメイキングです。まずサイコロを2つ降って、出た数値を「体力」「敏捷力」「知覚力」に振り分けます。今回は8が出ました。
 各能力の最低値は5で、振り分けにより、最大10まで上げることが可能です。まずはゲーム的にも戦闘で最も重要な能力であり、生死を分けるようなシーンのサイコロ判定にも使われることも多い敏捷力を、9にします。原作でもデュマレストといえば常人離れした素早さが特徴で、「早い!こんな早い奴は見たことがねぇ!」みたいな事をしょっちゅう言われていますので、原作再現の意味でも当然といえるでしょう。
 続いて残る4ポイントをどこに振り分けるべきかですが、無難に体力を7、知覚力を7にしました。体力は戦闘で与えるダメージ量が「5・6」「7〜9」「10」と3段階に変化するので、最低7は欲しいところです。知覚力の判定も7以上にすれば成功率が50%以上となります。
 続いて運勢値をサイコロ一個+6で決めます。今回は11になりました。デュマレストは強運の持ち主という特徴もあるので、これは良い数値です。原作では、主人公補正というべきか、トラブルに巻き込まれたと思ったら、そのおかげでもっと大きな罠から結果的に逃れる事ができたり、敵に追い詰められたと思ったら、たまたまそこを別の権力者の目にかかって庇護を受けることになるという展開は日常茶飯事です。
 所持金は4200フォム(冒険の舞台の通貨単位)で固定です。これで冒険の準備は整いました。

 プロローグは、宇宙船の中です。今回の冒険の舞台となる情報惑星アンフォルムに向かう宇宙船に、旅費の節約のためアンフォルムまでの臨時の雇われ船員として、デュマレストは乗っていました。
 渡り者が、情報惑星なぞに何の用なのだ?と仲良くなった他の船員に問われ「自分は地球生まれなんだ」といいますが、なかなか信じてもらえません。 
 なぜなら地球の存在は完全に忘れられ、仮に知っていても行けば幸福になれる伝説の星という程度の認識しかもたれていないので、ふざけた冗談を言っていると思われるからです。そしてデュマレストは、荒廃した地球を飛び出すために、子どものころ宇宙船に密航し、無数の旅を続けるうちに、地球が伝説以下の存在になっていることに気づくという身の上話を語るのでした。
 ここは原作でも何度も登場するお馴染みのシーンなので、プロローグに相応しいでしょう。ちなみにアンフォルムという惑星はゲームブックオリジナルですが、原作の3巻「迷宮惑星トイ」も、似たように情報を売る惑星トイが存在します。
 さて、ここからいよいよ本編の冒険が始まります。

続く


山口プリン |HomePage

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