冒険記録日誌
DiaryINDEXpastwill


2021年09月18日(土) 顔のない村(思緒 雄二/社会思想社)

 パラグラフ数が200の短編ゲームブックながら、印象に残るホラーゲームブックです。
 社会思想社版の「送り雛は瑠璃色の」という本の3作品の一つとして収録されています。自分自分は、メインであり名作とされる「送り雛は瑠璃色の」より、こちらの方が好きです。実はこの冒険記録日誌でもごくごく初期に取り上げていますが、最近みーちゃんと遊んでいたのでもう一度話題に取り上げてみます。。
 ホラーゲームブックというとジャクソンの「地獄の館」を始めとして、ゾンビみたいなのが襲ってくるお化け屋敷のようなホラーが多いのですが、この「顔のない村」は和風ホラーというか、じわじわくる恐怖を扱っています。映画で例えると、他のホラーゲームブックがジェイソンとすると、こちらは貞子。
 記憶をなくした主人公が、見知らぬ旅館のふとんで目を覚ますところから、ゲームはスタートします。
 この部屋の様子を見た後は、村の地図を見て行き先を選ぶの繰り返しで、移動するたびに、時間が経過。ある一定の時刻をすぎると新たな展開が発生する構造になっています。ほぼ無人の村は、廃墟のようで、たまに出会う人間は顔がないという異常な世界を巡るわけです。

 このゲームブックのルールは、基本的にはファイティングファンタジーシリーズと同じものですが、みーちゃんに遊んでもらう際には、ルールを簡略化しました。
 まず、能力値は廃止。運試しと戦闘では、サイコロを1つ振って4が出たら不運もしくは敗北の判定、他の目なら、幸運もしくは勝利としました。このゲームブックは1度なら戦闘に敗北しても復活のチャンスがあるので、4が出ても、即ゲームオーバーにならないのです。
 実際に、このルールで遊んだところ、この方法は雰囲気メインのこの作品にあっていました。戦闘というある意味冗長なものがない分、物語に没頭できたのではないかと思います。ちなみにみーちゃんは、一度も4を振らずにクリアしてしまいました。時間経過のルールは順守していましたが、これも経過した時間を決める、みーちゃんのサイコロの目が冴えて、なかなか時刻が進まず、展開がだれそうだったので、時間ルールも途中で止め、ひと通り村を見たら一定の時刻まで時間が経過したことにしました。

 今、遊び返すと、短編ゲームブックの限界なのか、展開のバリエーションが少なくて物足りなさが残ります。こんなものだったかな、と。しかし、みーちゃんは恐る恐るといった感じで遊んでいましたし、何が起こるのかわからないホラーであるからこそ、初プレイを楽しむ作品なのだろうな、とも思いました。
 現在でも電子書籍版で楽しむことができますので、さっくり遊ぶには良い作品です。まだ未プレイの人がいたらどうぞ挑戦してみてください。

 ただ、電子書籍版の内容がよくわかっていないのですが、ダブレットを見ながら、サイコロを振って、紙にメモをするという行為がしっくりこない山口プリンです。画面上でサイコロを振れ、能力値やアイテムを自動的に管理するマスがあれば良いと思え、実際にそういったアプリを遊んだこともありますが、そうなると電子書籍(電子ゲームブック)というより、電子ゲームになってしまいます。本で遊べるのが、自分の中ではゲームブックの定義と思っている自分としては、うーむどうだろう。いや、自分はタッチパネルが苦手なので、いまだにガラケーを手放せない人間ってせいもあるでしょうが。


山口プリン |HomePage

My追加