冒険記録日誌
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2021年05月05日(水) |
ギリシャ神話アドベンチャーゲーム2 ミノス王の宮廷(P.パーカー他/社会思想社) その4 |
迷宮の中は石造りでじめじめしていた。せまる戦いに、心は血気盛んに吠え立てるが、ミノタウロス相手に丸腰のまま戦うのははっきりいって自殺行為だ。 おまけに迷宮内は薄暗く、松明かランプを持っていないと、攻撃点と防御点から二点ずつマイナスのペナルティを受けるらしい。 きっと迷宮内のどこかに武器か、役に立つアイテムがあることだろう。それを信じて今は進むしかない。 (また、この迷宮に入ってからは、自由に移動できる双方向システムにゲームが変わる) 役に立つアイテムがないかとチェックしてみる。ここでの選択肢は5つあった。
・毛玉を持っているなら ・迷宮の地図を持っているなら ・青銅の鍵を持っているなら ・グライアイ姉妹の目を持っているなら ・どれも持っていないなら
ふむ。持っているのは毛玉だけだが、展開によっては他に鍵だの地図だのが入手できるわけなのか。 武器もない。明かりもない。アイテムも毛玉一つしかないとは、最悪の条件のようじゃな。 とりあえず近場の岩に毛糸の先を結び付ける。こうして糸を伸ばしながら迷宮内を歩いていき、戻りたくなったら糸をたどって戻ればいいわけだ。(名誉点を1増やす) 迷宮内を歩き始め、数分が経過した。ミノタウロスはまだ離れた位置にいるのか、あたりは物音一つしない。 暗闇に目が慣れてくると、迷宮の壁には数々の神話を解説した見事な壁画が描かれているのに気づく。犠牲者を引き裂くミノタウロスの絵、ヘラクレスの冒険の絵、黄泉の王ハデスがペルセポネを誘拐する場面を描いた絵、アテネとヘルメスの絵、などなど。ミノタウロス以外に誰もいない迷宮に、なぜこのような芸術的な絵を施しているのか、理解に苦しむわい。それともこの絵に何か秘密の意味でもあるのだろうか。 通路の端に女性をかたどった彫刻の腕の部分と思われるものが転がっているのを発見。何かの役にたつかもしれないので、持っていくことにする。 「こんなものより、武器が転がっていないものじゃろうか…」 さらに歩き続けると、突然若い女の姿がぼぅ、とあらわれた。 女の姿は透けていて、頭から血を流しながら悲しそうに微笑んでいるが、それ以上は何もしてこなかった。 情報を得るためにヒントを見てみる。
───アルテウスよ。もっと自分の使命に集中せよ。これはミノタウロスに惨殺された女の亡霊に違いないのだ。自分の勤めを忘れたため、名誉点1点を失い、恥辱点を1点負う。
トホホ。あいかわらずの不条理な罰則を喰らってしまったわい。 さらに進むと牡牛を形どったサファイアの指輪が転がっていた。指輪を拾い上げようとすると
オオオオオオオオオオオォォォォォオ!
壁を揺るがすほどの恐ろしい大音響が響きわたった!ミノタウロスの位置が近いのだ! ま、まだ拙者は、戦いの準備が整っていないぞ! 恐慌をきたして指輪を取り落とすと、走ってその場を離れた。(恥辱点を1点負う)
by 銀斎
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