冒険記録日誌
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2017年02月14日(火) モンスターホラーショウ(J.H.ブレナン/社会思想社)

 ブレナンといえばドラゴンファンタジー(現グレイルクエスト)シリーズでお馴染みの方で、ジャクソン、リビングストン、鈴木直人に並ぶ人気ゲームブック作家です。
 ブレナンのゲームブック作品はその独特のユーモアが特徴で、特にパラグラフ14番がゲームオーバーになっている「14に行け」は有名。
 ファンサイトも存在するし、藤浪智之さんや、はやみねかおるさんのゲームブックでパラグラフ14がゲームオーバーになっているなど、現在でもブレナン作品をオマージュしている方が沢山います。
 昨年、電子書籍化された「悪夢のマンダラ郷」の阿弥陀様なんか、絶対ドラゴンファンタジーに登場するマーリンの影響を受けてますよね。

 しかし、この冒険記録日誌では、ハービーブレナンデーを祝うとかすることもなく、今まであんまりブレナンの話題は取り上げていません。
 冒険記録日誌はどちらかというとマイナー作品を積極的に紹介しているので、すでに熱狂的ファンが大勢いるブレナン作品は一歩引いて扱ってしまうのですよ。人気すぎて、ジブリやディズニー映画を、捻くれて斜にかまえて見てしまう感覚に近いですな。
 ゲームブックブーム当時はドラゴンファンタジーシリーズを遊んでいなかった分、自分の思い入れが弱いのも理由かもしれません。それでも街でロッカーを利用するとき、よく14番を選んだりとかしてますけど。
 別にブレナンは嫌いじゃないのです。むしろ小説やTVゲームじゃ代替の効かない、ゲームブックでしか成り立たない面白さを作り出した稀有な作家だと思っています。「ドラキュラ城の血闘」(2003年10月27日の冒険記録日誌を参照)は間違いなく傑作ですし、「ゾンビ塔の秘宝」で亡霊達が昇天するシーンは数あるゲームブックの中で一番爆笑しました。
 作風がいつものブレナンらしくないという理由で、あまり人気のない「悪魔族の叛乱」(2002年3月10日の冒険記録日誌を参照)も、格調高いハイファンタジーの世界観で(ゲームバランスは問題あったけど)私は逆に気にいっていたけどね。

 さて、本作はそんなブレナン氏の作ったTRPGルールブックです。
 いったいどんなTRPGなのかと読んでみますと、初心者向けというだけあって、とても簡潔な内容で、プレイヤーとしてならゲームブックレベルしか覚えるルールがありません。
 ルール説明の構成も、戦闘ルールと、行動の成否を判定するなんでも表ルール、わずかな職業設定が紹介された後は、魔法とアイテムとモンスター一覧の紹介のみです。
 キャラメイキングも、プレイヤーが現実に身に着けているものが、そのままゲームキャラの初期装備という、実に簡単かつ風変わりなものになっています。たとえば自転車をゲーム世界に持っていきたいという人がいたら、首から自転車をぶら下げてプレイすれば認めても良いそうです。(笑)
 モンスターリストの中には、身長2メートル以上でキッチリ巻いた雨傘で攻撃してくる‟闇のちっちゃなしわくちゃ婆さん"とか、変なものも交じっていますし、ルールを読むだけで笑えるところがあるのはさすがブレナン。

 しかし、簡単なルールで背景設定もすべて遊び手におまかせというのは、逆に言うとゲームマスターの裁量が大きすぎて、面白いプレイを成立させるのは初心者だけのセッションでは難しい気がしました。
 本書には、設定の凝ったサンプルシナリオが一つ用意されており、これが人狼をテーマにしたシナリオなのです。現在でも人気のある人狼ですが、これもプレイヤー側が、ある程度TRPGに慣れていないとゲームが成立しにくい気がします。
 たぶん発売当時で初心者向けの簡単なTRPGということなら「ファイティングファンタジー」(2002年12月25日の冒険記録日誌を参照)の方がお勧めだと思います。「モンスターホラーショウ」は普通のTRPGに飽きた中級者以上のプレイヤーが、息抜きに遊ぶTRPGと考える方が良い感じではないでしょうか。

 と、冒険記録日誌では珍しくTRPGの本の紹介をなぜするのかと言うと、実は本書には冒頭に「ラビリンス・オブ・スクワット」というミニゲームブックが収録されているからです。
 これ、やったことがないので、ブレナン初心者?の山口プリンが挑戦してみます。
 総パラグラフ数はわずか36ですが、そこは一筋縄ではいかないブレナンです。それに以前「奥義大全書特別篇 キム皇のファミコン神拳110番」のミニゲームブックに挑戦してひどい目(2016年1月1日の冒険記録日誌を参照)にあっていますからね。まったく油断はしていません。

続く


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