冒険記録日誌
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| 2009年09月14日(月) |
ゼビウス(古川尚美/創元推理文庫) その11 |
(ネタバレ注意!プレイ予定の方は読まないで下さい)
神殿の深部を探索する俺たちに、怪物が襲い掛かる。 細かいところはメンドイので端折るが、グリーンスライムやら双頭の狼とか、なんとなく今までのゼビウス軍っぽくない。生体科学実験の産物なのだろうか?剣を腐らせる能力をもつ赤騎士とか、血を噴出す石像とかも登場しているあたり、ここだけ急にファンタジーRPGっぽくなった気もする。 それはともかく、ここから敵が結構強くなって苦戦が続いたのだが、敵を倒しているうちにエクスカリバーがどんどんパワーアップしていくので、次第にまた楽になっていった。 奥の部屋では、タイガーマスクみたいな姿をしたガンプの分身が待ち構えていた。サイコバリアの超能力を習得できていなかったので、多少の体力を消耗(2点減らす)したが、なんとかこいつを打ち倒す。すると、こいつはガンプ本体の部屋にいくキーワードを言い残して死んだ。それだけ自分の力に自信があるということらしい。
最深部はバキュラ(原作でも破壊できないあのクルクル回る鉄板みたいな奴)で封印されていた。カーチャの言うとおり、博士が渡してくれた溶解液を振り掛けると、バキュラは解けて道が開ける。 最後の操作パネルにタイガーマスクの言い残したパスワードを打ち込むと、開いた扉の先にガンプがいた! ガンプのエネルギーの光が一箇所に集中し、ラスコ・クラトーという過去の超能力者の姿を模倣した立体イメージになった。その顔は邪悪にゆがんでこちらを挑発する。 「待っていたぞ、地球のスパイめ!はたして、おまえの力で私が倒せるかな?」 いよいよだ。ガンプのいる部屋はドーム型の野球場(この世界に野球があるならだが)のような広さがあり、地面は溶岩のようなものが煮えたぎった状態になっている。俺はサイコキネシスで宙に浮くと、ガンプと相対した。 エクスカリバーを構え、クリスタルを取り出すと、クリスタルから老師シオ・ナイトの立体イメージが浮き出した。ガンプが一瞬たじろく。 「いよいよ対決のときがきたようじゃ。ぬかるでないぞ」 シオ・ナイトがどんな援助をしてくれるかサイコロを1個振ると、6が出た。すると、シオ・ナイトの指先から出た光がカーチャが撃った。彼女を中心に虹色のサイコバリアが展開される。 シオ・ナイトの力を得たカーチャは、いまや1万4千年前にガンプの攻撃を退けた地球のエスパー、ミサトその人に匹敵するESP能力を発揮しているらしい。なんのことだかよくわからないが、凄そうなのは伝わってくる! 死闘が繰り広げられた結果(最終戦のみガンプにも体力が設定されていて、一回の攻防では終わらない)、十分な力を得ていた俺たちの攻撃にガンプはついに消滅した。 任務達成だ。
地球に戻って熱烈な歓迎をうけ、パーティに浮かれ騒いだ俺は、翌日シオ・ナイト老師のサイコで叩き起こされることになる。 「いつまでも勝利の美酒によいしれている場合でない。ゼビウスのレプリカはまだ5つ残っておる。この状態を彼らが指をくわえて見ていると思うのか」 戦いはまだ始まったばかり。これからも気を引き締めてかからねばならないのだ。
完
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謎解き要素がなく、エクスカリバーやクリスタルといった重要アイテムも、探索さえしていれば簡単に入手できましたね。神殿を中心にしたマップもシンプルで、いかにも初期の頃のゲームブックという感じがします。 しかし、成長の要素や他のゲームなら魔法にあたる超能力の存在など、コンピュータRPG型のゲームブックにある基本的な要素は全て揃っており、その後発売された多くの双方向型のゲームブックに影響を与えたと思われます。もちろんシューティングゲームではなかなかわからない、知られざるゼビウスの世界観が垣間見える設定は原作つきゲームとしても秀逸で、当時人気があったのもうなずけました。
難点はパラグラフの無駄が多いこと。といっても、行き止まりの洞窟が無意味に設置されているとかじゃなくて、例えば町に入るシーンなら、あなたは町に入るか>服装はなにか>(軍服を着ていたら)軍人は優遇されているとの解説>町の中という風に、1パラグラフですませればいいものを、細々とパラグラフ移動を強いている作りのことです。一つ一つは大したことはないのですが、ずっとそれが続くのでゲームのテンポがもったり気味でした。 同じ作者の最新作「竜の血を継ぐ者」は、そのあたりがかなり改善されているようなので、これもまたゲームブック製作が手探りだった初期の作品だからこそなのでしょうね。 (ただ、最近の作品でも、“名探偵コナン 「嗤う黒猫」殺人事件”は同じようなパラグラフの無駄が多かったなぁ)
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