冒険記録日誌
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| 2009年08月11日(火) |
ハウスオブヘル(S.ジャクソン/ボビージャパン) |
現在ボビージャパンから発売されている、ラノベ化したファイティングファンタジーシリーズ作品の一つ。これの社会思想社版である「地獄の館」は、自分が始めて遊んだゲームブックなので思い入れがかなりある作品だけど、それを除けばむしろボビージャパン版の方が好きかも。
現物をみるまでは、ゴスロリ衣装の幼女幽霊や、黒皮ボンテージに身を包んで鞭をふるうお姉さんとか登場するんじゃないかと予想していたのですが、この作品に限ってはそんな悪ノリは全然されておらず、大きな違いは主人公が女子高生になったくらいです。 主人公が女性キャラになったことは、「デストラップダンジョン」では多少の無理矢理感を感じなくもなかったのですが、ホラーを題材にした作品では映画でも小説でも、女性が主人公というのがわりと定番の要素ですから、自然に思えます。必然的にイラストも、主人公の女子高生を中心に描いたものが多くなっていますが、これはこれで悪くないというか、逆にそうしないと嘘だろうという感じで、イラストの出来そのものにも満足。新たに書き起こされた文章も読みやすいし、変にくだけた内容にもなっていない調子なので不満はないです。 あえて難点をあげれば、前にも書きましたが秘密の扉をあける言葉の謎かけのくだりが、翻訳によって意味がなくなっている(らしい)こと。これは社会思想社版も同じですし、原書に忠実である事にこだわる気は全然ないのですが、これのせいで秘密の扉を開ける場面では、消去法と勘のみで正解の合言葉を選択しないといけなくなっているのは確かで、ここはフォローしてほしかったかな。 あとクライマックスでは、クリスナイフを使うことで原点を越えて技術点を増やしてもよいと明記されているので、ボス戦に絡む注釈が少しスマートになってます。(原書にはそのような表示はないらしく、社会思想社版ではルールを解説したページに翻訳者の意見として、「ここは原点を越えて技術点を増やしてもいいでしょう」と書かれている)
というわけで私の中では評価の高いこの作品。もし私がゲームブックを知らない人に対して、現在入手可能な本の中からゲームブックを薦めるとすれば、まずはこの「ハウス・オブ・ヘル」ですね。 余談ですがゲームブックを知らなかった若い人に新・旧版を一緒に見せたところ、ボビージャパン版の方が面白そうに見えるといっていました。社会思想社版は洋書の薫りが強すぎると感じたようです。ちなみに「サムライ・ソード」の新・旧版も見せたところ、イラストのあまりの違いっぷりに爆笑していました。(w
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