冒険記録日誌
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2008年08月23日(土) |
たけたろうの冒険 ──FF21・迷宮探検競技編 その1── |
この日ポートブラックサンドから小舟で南下していた私とともみは、不幸にも海賊船と遭遇してしまいました。あー、何か前にも似たようなことありました。ねぇ、ともみさん……あれ? ちゃっかり者のともみは、とっくに逃げていました。50メートルくらい先で人が入れるくらいの大きな樽がプカプカ浮かんでいます。ともみのアホォ!前に私がやったときはメチャメチャ怒っていたくせにぃ!あんたいつも美味しい役ばっかとって、リビングストン作品は私に挑戦させる気ですかい。 大きな海賊船は私の乗っている小舟目指して突っ込んできました。衝突の衝撃で鈍い音をたてて、小舟はひとたまりもなく海に浮かぶ木切れと化してしまいます。しかたなく海に飛び込んだものの、何かにしがみつかないと溺れてしまいそうです! もがいていると、ロープの感触が手に伝わりました。必至でロープを掴んで這い上がると甲板にたどりつきます。座り込み、咳きこんで海水を吐き出していると20人ばかりの海賊たちがニヤニヤ笑いながら、私を見降ろしていました。 「昨日鞭で打たれて死んだ奴の補充はこいつでいいな。下につれていって他のネズミどの仲間入りをさせようぜ!俺たちにとっちゃラッキーな日だぜ」 ああ、私にとっては不幸な日ですよ…。 この呪われた日から2週間の間、私は他の不幸な奴隷仲間と一緒に、蒸し風呂のように暑い船底で鎖をつけられてオール漕ぎをやっていました。汗臭い匂いが充満した空間で、食事もろくろく食べさせてもらえず、手を休めるとすぐに鞭が飛んでくる酷い環境です。ああ、このまま一生を過ごすなんてなったら最低です。 奴隷の監督役の海賊が笑いながら煙草を噛んでは唾を飛ばしながらなにか言っています。汚いなぁ。 「もっと強く漕げ、犬ども。今のうちにこの快適な船旅を楽しむんだな。というのはな、目的地についたらお前たちはここに戻れたらなぁと思うようになるんだ」 ここより悪い状況なんてあるとは思えませんがね…。ミミズ腫れだらけになった背中をさすっていると、また鞭が飛んできました。もう泣きそうです。
また数日がたって、船はどこかの陸地に着岸しました。私たち奴隷は全員船から連れ出されて久しぶりの新鮮な外の空気を楽しむことができました。ここは小さな島のようで、いかめしい城と古びた闘技場だけが建っています。なにか特殊な目的の島のようですね。海賊どもは何か礼金らしきものを受け取ると、嬉々として船を出港させていなくなってしまいました。 残った私たちは闘技場の中の広場へと連れてこられます。大勢の衛兵たちが闘技場の周囲を取り囲んでいて、何か不気味です。一体これから何が起こるのでしょうか。 私たちが整列させられると、黒い鎖帷子を着たゴツイ衛兵が大声を張り上げます。 「お前たちは今からカーナス卿の奴隷となったのだ。この死の闘技場で卿の楽しみのために死ぬことを名誉だと思え。お前たちの中で生き残るのはたった一人だ。そしてその男もしくは女が、カーナス卿の名代としてファングで行われる“迷宮探検競技”に参加するのだ。サムカビット公は、死の罠の地下迷宮をすっかり改装して、新迷宮を突破するものはもはや誰もいないと豪語している。かりに迷宮を突破できても賞金はカーナス卿が受け取るが、その者は命を助けてもらえる。カーナス卿は弟サムカビット公の鼻を明かしてやろうと躍起になっているからな。さあ、ついてこい」 ちょ、ちょっと待ってくださいよ。42人いる私たちが互いに殺し合いをするのですか!?どっかの映画じゃあるまいし、そんなメチャクチャな!しかも勝ち残ったらあの死の罠の地下迷宮にまた参加するとか、全然嬉しくないですし!ああ、バカな兄弟喧嘩に他人を巻き込まないでくださいよぉ。
技術点 7 体力点 14 運点 7 持ち物:奴隷なので何もなし
続く
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