冒険記録日誌
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2008年01月09日(水) ウォーロック 第8号 1987年 8月

 特集はウォーロックワールドという、架空のオリジナル世界の紹介です。実際にこの世界を利用してTRPGを遊んだ人はいるのかな?

 ゲームブック系のコラムでは近藤功司氏が、“ヒーローと意外性と選択肢の軽さと”なるタイトルで、西東社のゲームブックなどを引き合いに、軽い選択肢が多いゲームブックの魅力について、前号に引き続き話しています。
 ウォーロック第2号で選択肢の重要性を語った門倉直人の“ゲームブックシステム講座”も読み応えがありましたが、これはまた別の立場で選択肢について語られているもので、これには私も頷きました。
 軽い選択肢とは、例えば敵に追われた主人公が「車に乗ったまま、崖に飛び込む」という自暴自棄な選択肢を選んでも、「崖に飛び込むとすかさず、君はダッシュボードに配置された緊急ボタンを押す。君は車が海に落ちる前にパラシュートで飛び出し、脱出に成功した」などと続くという、読者にとっては「緊急ボタンなんて聞いてないよ〜」というような、ある意味コケにされた気分になる展開も多いです。
 でも、はじめからB級ゲームブック風に作られた作品なら腹も立たない。B級映画の愛好家と同じ心理ですね。観客(読者)は映画(ゲームブック)の主人公に感情移入するのではなく、「おいおい、これからあいつどうなるべ」と神の視点で無責任に見つめる立場。苦笑しながら気楽に読むゲームブックもいいもんだよということです。
 一級品のゲームブックだって、全部が全部重い選択肢ばかりというのも疲れます。まだ重大な結果につながらないときは、軽い選択肢で主人公を動かし、重要な岐路になる時点では重い選択肢をもちだすという手法もゲームブック作りには有効のようです。

 収録されている短編ゲームブックは、海外オリジナル作品「魔術師の地下要塞」の一編です。タイトルから創元推理文庫の「魔王の地下要塞」を連想させたのですが、やはり関係ありませんでした。
 魔術師ギルドの依頼で廃坑にすむ悪い魔法使いを退治するオーソドックスな冒険です。
 特徴はストーリーよりもルール部分にあって、FFシリーズとD&Dシリーズのどちらのルールを使って遊んでもいいように作られています。つまり戦闘や能力のチェックなどには、両方のルールが併記されていて、例えば「FF:運試しせよ。D&D:対毒セービング・スローをせよ」という風に表現されているのですね。
 正直、私はこの表示が少々鬱陶しく感じて遊ぶ意欲が出ないのです。欲張りすぎて、二頭追うものは一頭も得ずになっていないかなと。


山口プリン |HomePage

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