冒険記録日誌
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2008年01月05日(土) ウォーロック 第4号 1987年 3月

 この号は「1986年のゲームブック白書」ともいうべき内容のゲームブック業界の総括記事が載っており、非常に興味深い。ゲームブックのレビュー件数も大増量してかなり力が入っている。
 記事によれば、すでに発売されていた海外ゲームブックにより、爆発的なブームとなったゲームブックは、1985年に国産ゲームブック第1号(朝日ソノラマの「出発!スターへの道」)が発売されたのを皮切りに、1986年は多くの出版社からゲームブックが発売された年となったらしい。
 合せて掲載されているゲームブック目録によると、1986年発売の新刊ゲームブックの出版数は200冊弱。2日に1冊以上のペースでゲームブックが発売されていたことになる。リストの中には、ゲームブックで覚えるハウツゥー本のようなタイトルまであって、ゲームブックが一般社会にまで浸透していたことを伺わせる内容だ。
 これだけの数になると、一冊一冊のゲームブックの質がちゃんと保たれているのか気になるところである。実際にこの特集の記事でも、粗製濫造によりゲームブックユーザーが離れてしまう可能性について、危惧するようなコメントを残している。
 ただしその記事は、1986年の後半になるとブームも少し落ち着いて、一部出版社はゲームブックからの撤退を始めていると続けられていた。読者の支持のないゲームブックは自然淘汰され、今後のゲームブック界はより精錬されていくだろうと結ばれている。
 その記事を読んでから、改めてゲームブック目録と、日本一のゲームブックリストである「ゲームブック 倉庫番」のサイトを見比べる。確かにゲームブック出版社の半分近くが、この年でレーベルの最終巻を出版してゲームブック事業から撤退しているようだ。
 私の実感では、ゲームブックブームの終焉までには、まだ時間がかかるはずだが、これほど早い時期に多くの出版社が撤退していたとは知らず、驚いた。
 ちなみにこの時期に撤退した出版社の作品たちは、現在、他のゲームブックサイトや掲示板で話題に取り上げられることは少ない。私にとっても、ブーム当時には存在すら知らなかった作品ばかりだ。
 現在はそれらの作品を遊んだことがあるが、味がある作品も多いものの、値段のわりに内容が薄かったり、内容がぶっとんでいたりで、一般受けしないような作品が多かったことは同意できる。それはそれで楽しんで冒険記録日誌に遊んだ感想を書いている私の方が変というか、マニアといわれてもしょうがないだろう。

 話しを変えるけど、この号に収録されている短編ゲームブックは、山本弘のオリジナル「モンスターの逆襲 第二回」と、海外オリジナル作品の「アナケンディスの暗黒の歴史書」の2編。
 「アナケンディスの暗黒の歴史書」は、途中までしか遊んだことがないので感想は書けないけど、ダンジョン探索もの。鍵集めの要素と、最後に宝箱を前にして2本の鍵を組み合わせて試してみなくてはならないあたりが、「火吹山の魔法使い」みたい。鍵が合わないと主人公がさめざめと泣き出すのも一緒だし。(笑)


山口プリン |HomePage

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